配達あかずきん

オススメ!
「パンダは囁く」
駅前のビル、6回にある書店「成風堂」で杏子は社員として働いている。
店員ということで、小さなヒントで本を求めるお客様もやってくる。
寝たきりの老人のために本を買い求めてきた男性がいた。
老人が言ったという言葉を書きとめたメモは、暗号のようだった。
アルバイトで、大学で法学を専攻している多絵と共に推理を始める。
「標野にて 君が袖振る」
書店に本の購読を頼んでいる沢松さんの娘という人がやってきた。
沢松さんが、行方不明らしいのだ。
沢松さんが最後に買った本を頼りに、居場所を捜し始める。
「配達あかずきん」
いつも、本の配達をアルバイトのヒロちゃんが行っている。
美容院に持っていった1冊の中に、お客様を中傷する写真が入っていたという。
どうして中に入れる事ができたのか。
イケメン理容室の店長と共に推理する。
「六冊目のメッセージ」
自分が入院中に母に頼んで買ってもらった本が、男性店員に勧められて買った本だと知り、御礼に来たお客様がいた。
あまりにも良い選書に、杏子は誰が勧めたのか分からない。
「ディスプレイ・リプレイ」
書店では、出版社主催のディスプレイコンテストが開かれる。
いつもは行っていないのだが、今回はアルバイトの子がやりたいと言い出した。
仲間と共に作り上げたのだが、何者かにそのディスプレイを汚されてしまう。

す〜〜ごく面白かったです!オススメです^^
書店でのミステリなんて、今までなかったですよね。
筆者さんは実際に書店で働いていたんでしょうか。
ミステリも面白かったですけど、書店の裏側も垣間見えた気がします。
1番が選べないくらい、どの作品も素晴らしいんです。
出てくる人も良いですし。
杏子も多絵も一生懸命で、可愛いですしね^^
他の書店の店員さんも。
選ぶなら1つは「六冊目のメッセージ」でしょうか。
こういう出会い、良いなぁと思います。
それに、一人のお客様に対してこんなに考えている人がいるって思えたら、嬉しいですよね。
あとは「標野にて 君が袖振る」ですね。
最後の新事実に驚きました。
でも、よかったな〜とも思ったんですよね、あったかい気持ちになりました^^
私も本屋でバイトしていたときがありましたけど、ここまでは出来ませんでしたし、こういうお客様との触れ合いもなかったです。
羨ましいな。
最後の書店員の人たちのお話も面白かったです。
やっぱり今の書店の現状って、厳しいんですね〜。
私、某大手古本屋で働いていたので、この方々や、杏子には嫌われてしまうかもしれない・・・^^;

〈東京創元社 2006.5〉H19.1.16読了