ぼんくら

オススメ!
「殺し屋」
深川北町に、鉄瓶長屋と言う変わった名前の長屋がある。
そこで、八百富の太助が何者かに殺される。妹のお露は、犯人の姿を見たという。
下手人は、以前差配の久兵衛を逆恨みして襲ってきた正次郎だという。しかし、その話には、納得のいかない者がいた。
「博打うち」
桶職人の権吉が、博打に明け暮れて10両という大きな借金を作ってしまった。
その借金のかたに、器量良しの娘お律を売り飛ばされる事になってしまった。
「通う番頭」
お徳の店で時間をつぶしていた同心の平四郎が、店を出るときに小さな子どもがぶつかってきた。
深川北町では見たことがなく、この辺のものではない事がわかる。
平四郎はその子どもの親の行方を追う。
「拝む男」
鉄瓶長屋にすむ、八助一家が突然壺に拝むと言う不思議な信心にかぶれていった。
それだけではなく、八助一家は、長屋に住む他の人々にも勧めていく様になった。
「長い影」
殺人事件、身売り少女の逃亡、宗教かぶれ。鉄瓶長屋は様々な事件に遭い、人が次々といなくなった。
差配人の久兵衛がいなくなり、かわりに来た佐吉がきてからというもの、次々と長屋からは人がいなくなる。
佐吉が27歳と若く、頼りないからといっても尋常ではない。
そして、佐吉の言った「俺、ここでいったい何をやってるんだろう?なんで俺、ここにいるんだろう?」と言う言葉。
何か引っ掛かりを感じた平四郎は甥の弓之助と共に謎を解明する。
「幽霊」
佐吉やお徳が新しい住まいへ移る事になった。
その準備をしている時に、長屋に見たことのない女性が立っていた。

宮部さんの時代小説、初めて読みました。
最初は言葉がとっつきにくくって大変だったんですが、慣れたら結構すらすら読めました。
最初は短編かと思ったのですが、「長い影」以外は50ページ前後。
他は「長い影」の序章みたいな感じですね。
新しい差配人が27歳と若く、湊屋の遠縁である佐吉の登場に皆が困惑。
特に、私が良い人だなぁと思っていたお徳さんがやたらと彼を毛嫌いするのがちょっと嫌でした。
まぁ、それにも理由があったんだけど。
最後は凄く後味が悪い気がしました^^;
佐吉が哀れでしょうがない。彼は何も悪くないのに。
佐吉の今後は、悪くはないとは思うのですが。
あ〜後味が悪い・・・。
腐った性根は治るもんじゃないんだなぁと思ったり。
あああ〜〜〜金持ちと女好きってムカつく〜〜〜〜!!
でも、平四郎がいつもなら考えられないような行動を幾度となくとっていたし、岡っ引きの人々と協力もするようになったし、弓之助もかわいいし^^
佐吉もお徳に認められていたしね、最後には。
過程から得たものは大きかったんじゃないかなぁと思いました。
最近知ったんですが、「日暮らし」も平四郎と弓之助コンビらしいですね。
凄く読みたくなりました。

〈講談社 2000.4〉H18.9.3読了