
オススメ!
突然、父さんが父さんを辞めると宣言をした。
ついでに仕事も辞めるという。
順応性の高い6つ上の兄、直ちゃんは、素直に受け止めているけれど、私は素直に認められない。
家族の食卓は、母さんがいなくなった今でも座る場所は変わらない。
母さんは今は一緒に暮らしてはいない。一人暮らしをしている。
それは、5年前に起きた、家族の大きな事件が原因だった。
もったいないもったいないと思いつつ止まらず、あっという間に読んでしまいました。
たくさんの人が絶賛するこの作品が、気になって仕方なかったので、ようやく読めてよかったです^^
ちょっと風変わりな家族の形。
でも、佐和子の家庭は、これでバランスが取れていて、最高の家族なんだろうなーと思う。
それぞれの心の傷が、様々な形で出ていて、それもまた考えさせられる。
特に直ちゃん。
天才児といわれ続けていたのに、大学へ行かずに農業をしている。
農業がやりたい事だからそれをしてるという、簡単な理由ではなかったんだね。
読んでいて、1番重たくて、話を聞いていかなきゃいけない人は、直ちゃんじゃないかって思った。
直ちゃんの彼女はケバケバしていて嫌いだったんだけど、なかなか良いヤツ。最後は好きになりました。
でも、後半は読んでて辛かったな。
こんな結末になるとは、思ってなかった。
ハッピーエンドとはいえないのかもしれないけど、佐和子が前を向いて生きようとしているのには救われたかな。
〈講談社 2004.11〉H18.8.1読了
TB・コメントありがとうございます。
瀬尾作品の内で1番好きな作品です。
どれにも作家のメッセージがあるでしょうが、この作品に強く感じました。