雪の夜話

相模和樹は高校生の時、真夜中の公園で、真っ白なダッフルコートを着、フードを被った雪子という少女に出会う。
その7年後、和樹はデザイン事務所でアルバイトをしており、その業績が認められ、商業デザイナーとなる。
しかし、上司から期待されるが故、同僚からの嫉妬から事務所に居辛い状態となり、会社を辞めることを決意。
実家に戻ったものの、家族とも上手くコミュニケーションがとれず、ここでも自分の居場所を見つけられないでいた。
雪の降りしきる深夜、懐かしさもあり、公園へ向かった。
そこに、全く変わらぬ姿の雪子がいた。

はい〜3冊目です^^
結構分厚い本でしたが、あっという間に読んでしまいました。
雪子という少女の不思議さや、雪の降る情景は上手いと思いましたね。
この舞台も札幌なのでしょうか。
札幌に住んでいる私としては、是非ともモデルとなっている場所があれば探したい!^^;
キレイでしたね。風景が。
でも、朝倉さんの作品を3冊読んで感じた事。
登場人物の語る文章が長い!って思ったのね。
和樹も夏子もお父さんも雪子も、長い台詞というか・・・語りがあるんだけど、それがどうしても現実味を帯びないんだよね。
世界に入り込んでいるのに、途切れちゃう感じがするの。私だけ?
内容は素敵だと思います。
雪子とであった事で、和樹は精神的に大人になれたようにも思うし、家族との壁もなくなって言ったと思うし。
そして、最初に「北緯四十三度の神話」を読んでしまったために”雪子”の事は素通りでしたが、ようやく謎が解けました。
でも、この本を読んだあと、雪子や夏子が出てくるシーンを読み返したんです。
そしたら、夏子の名字のことがやたら細かく書かれていたり、お兄さんにやたらなついているっていう話が出たり、夏子が薬学部だって話が出ていたり、この本を読んだ跡に読めばわかった発見がたくさんあって、ちょっと読む順失敗したなぁと思いました^^;
まあ、ちゃんと確認したからよかったけど。
さあ、あと1冊でコンプリートだぁ!

〈中央公論新社 2005.1〉H18.7.6読了