冬のオペラ

姫宮あゆみは伯父が経営する不動産で働いている。
同じビルの2階に巫弓彦という人がやってくる。
名探偵らしい。
名探偵に見合う事件しか受けないため、日頃はアルバイトで生計を立てている。
あゆみは記録係となり、このコンビが事件に挑む。
「三角の水」「蘭と韋駄天」「冬のオペラ」の三編を収録。

面白かったねぇ。
2人ともいい味出してるんだよなぁ。
この本は、マンガで読んでいるから、内容は知っていたんだけどね。
「三角の水」は2人の出会いの章。
結末は腹が立ったなぁ。
女って、今でもそういう扱いなのかなぁ。差別と同じだよね。
「蘭と韋駄天」は学生時代から常にライバル視しているおばさん2人の揉め事(笑)
新種の春蘭をめぐって、2人が衝突。
巫さんの演技が上手くて上手くて。
笑ってしまったよ。やっぱりこの2人は、いいコンビなのかもね。
「冬のオペラ」はあゆみが休暇をとり、旅行で向かった京都で起こった事件。
「蘭と韋駄天」で、依頼者だった、椿雪子が容疑者の1人に。
巫が京都へ赴き、事件を解決させる。
とくに「冬のオペラ」が好きだな。
巫さんの言う言葉は厳しいけど、いってることは合ってるし、
でもただ厳しく、傷つけるのではなく、相手のことを調べて相手の気持ちをくむ姿勢。
凄いなぁって思ったよ。
続編とかないのかしら。

〈中央公論社 1993.9〉 H17.3.19読了