苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

図書館の神様 瀬尾まいこ4



図書館の神様

早川清は学生時代、ずっとバレーボールに打ち込んでいた。
中学で3年間続けており、高校でもずっと打ち込んでいた。
ずっと、自分のやり方は正しいと思っていた。
厳しいことを言っても、正しいことならみんな分かってくれると思っていた。
しかし、高校時代、ミスをした部員を厳しく叱った数日後、その子は自殺した。
原因は清ではないかもしれない。でも、清かもしれない。
清はずっと打ち込んできたバレーを辞め、噂や父母の視線から逃れるために田舎の大学へ進学する。
そして今は、高校の講師である。
少しでも、バレーと関わっていたかったからだ。
バレー部の顧問を希望したが、実際顧問となったのは、文芸部。バレーとは全く関係のない部活動。
しかも、部員は1人。垣内くんのみ。
垣内君はひたすら本を読み、芥川龍之介や山本周五郎などを繰り返し読み、文学に勤しんでいる。
顧問は何をしていればいいのか、清は分からずにただ座っていただけだった。
清には浅見さんという彼氏がいる。
浅見さんには奥さんがいる。
でも、清は、浅見さんのことがすきだった。一緒にいたいと思った。
また、清には弟の拓実がいる。いつも何かと世話を焼く弟。
清は仕方なく、今の生活を送っている。

タイトルに惹かれて手に取った本。
始めは、清があんまり好きになれなかったんだ。
だら〜っとしてて、何かあきらめているような感じの生活ぶり。
それは、過去の事件が影響しているのだとは思うけどね。
でも、だんだん変わっていく清はいい感じに見えてきたよ^^
私は不倫は絶対に許さない人。嫌だ。
でも、清にとって、この恋愛は必要なことだったんだろうなぁって思う。
でも!浅見さんは私は嫌い。
浅見さんが持ってくるものは食べたいとも思わないし、教室に通いたいとも思わない。
清の弟の拓実のほうが、よっぽどいい。
清は一人ぼっちじゃなくって、ずっと拓実が味方してくれてたんだなぁって、それが素敵だなぁって思ったよ。
垣内君もよかったし^^
垣内君みたいな子、好きだなぁ。

〈マガジンハウス 2003.12〉 H16.8.2読了

天国はまだ遠く 瀬尾まいこ5

天国はまだ遠く

オススメ!
仕事も人間関係もうまくいかず、毎日辛くて息が詰りそう。23歳の千鶴は、会社を辞めて死ぬつもりだった。辿り着いた山奥の民宿で、睡眠薬を飲むのだが、死に切れなかった。自殺を諦めた彼女は、民宿の田村さんの大雑把な優しさに癒されていく。大らかな村人や大自然に囲まれた充足した日々。だが、千鶴は気づいてしまう、自分の居場所がここにないことに。心にしみる清爽な旅立ちの物語。

面白かったです。
瀬尾さんの本は本当に大好き。
人として大切なことを、毎回教えてくれている気がします。
最初の千鶴は暗くて、読んでいていて嫌な感じだったけど、でも、その雰囲気は私が落ち込んでいる時もそうだなと思ったりもして。
私もこういうところがあれば癒されに行きたいなと思いました。
田村さんも最初は苦手なタイプかなと思いましたが、ぶっきらぼうで大雑把だけど思いやりがある人だし、素敵でした。

〈新潮社 2004.6〉 H17.2.8読了

放課後 東野圭吾4

放課後

前島は誰かに命を狙われていた。
駅のホームで突き飛ばされそうになったり、プールで感電死されそうになったり、植木鉢が上から落ちてきたり・・・。
前島は高校の教師だ。通っている高校で、教師を狙った連続殺人事件が起こる。
もしかしたら、自分を狙っている犯人かもしれない。
そう考え、真実を知るため自らが犯人解明に挑む。

東野さんのデビュー作ですね。うん。
さくさく読めて、面白かった。
トリックも、ほ〜そうきたかぁ。という感じで納得だったし。
でも、犯人とその動機があんまり納得いかない。。。
私だったら・・・殺すまではしないような気がするんだけどなぁ・・・どうなんだろう。
そして、話のラスト。
これにもびっくりでした。
これがデビュー作とは・・・凄いですね。

〈講談社文庫 1988.7〉 H15.5.15読了

トキオ 東野圭吾5



トキオ

オススメ!
宮本拓実は病室で立ち尽くしていた。
生命維持装置を取り付けられ、生死を彷徨っている息子、時生をただ見守ることしか出来なかった。
妻の麗子も、不安で仕方がないようだ。
息子は妻と同じ、グレゴリウス症候群という遺伝病を患っている。
体を動かせなくなり、意識障害を起こし、植物状態となり、脳機能を失って死に至る。
男性は早死にしてしまう病気だ。
時生はその病気を患い、今に至っている。
時生が意識を失ってから、拓実は妻に、20年以上前に時生と出会っていることを打ち明ける。
1979年―――
拓実は23歳。職を転々とし、いつも同僚とトラブルを起こして仕事を辞め、この日もその帰りだった。
そこで、拓実は一人の少年に出会う。
トキオという、ちょっと変わった少年だった。  

面白かったです!凄く感動した。読んでいて涙が出そうでした。
出てくる人たちみんな、大変な人生を歩んでいて、それでも負けずに前向きに生きていました。若い頃の拓実以外は。
拓実は弱い人です。境遇等、周りの人のせいにばかりして。今の自分があるのは人のせい。その意見に固執したままなのは拓実が子供だからなんですよね。
でも、トキオや竹美やジョニーと出会ったことで、変わっていく拓実はかっこよくなっていきました。ちゃんと自分の意志で動いてました。
もしも自分がトキオだったら、自分の父親の情けない姿なんか見たいとは思わない。
それでも、ずっと拓実を見ていったトキオは凄いと思いました。
トキオが最後に言った言葉は最高だった。
その言葉を拓実に伝えたかったんだなぁと思うと、涙があふれてきました。

ドラマもレンタルで見ました。
感想はこちらです。

〈講談社 2002.7〉 H14.12.15読了

分身 東野圭吾4

分身

オススメ!
札幌に住んでいる氏家鞠子は18歳。札幌の大学に通っている。
中学生くらいから、自分は母親に愛されていないのではないか、と感じるようになる。
その後、母が死に、死に疑問を感じた鞠子は、自らの出生について調べることにした。
調べた結果、自分とそっくりな少女、小林双葉の存在を知る。
彼女もまた、自分の出生について調べていた。
2人はなぜこんなにもそっくりなのか。
真相を探る。

面白かった。
でも、研究所の人たちは腹が立ちました。
いくら、普通に生まれた子達ではないとはいえ、人を物のように扱っている。
本人達が望んだわけじゃないのに。
実験材料のように扱われた2人がとてもかわいそうだと思いました。
でも、ラストがいいなと思いました。
2人はきっと、幸せになれると思います。

〈集英社文庫 1996.9〉 H16.12.5読了

ブレイブ・ストーリー 宮部みゆき5



ブレイブ・ストーリー (上)


ブレイブ・ストーリー (下)

オススメ!
東京下町の大きな団地に住み、新設校に通う小学5年生の三谷亘は、幽霊が出ると噂される建設途中のビルの扉から、剣と魔法と物語の神が君臨する広大な異世界―“幻界”へと旅立つ。
それは、自らの運命を変えるため。
父親が違う女性の元へ行き、もう帰ってこないのだという。
おまえもいつかわかる。
そういわれても、どうしてそうしなければならないのか、わからなかった。
母はやつれ、自分が動いていくしかない。そう感じていた。
幻界へと導き出してくれたのは、不思議な転校生、戸川美鶴。
彼もまた、大きな目的があるようだった。
家族みんなが幸せになるために、亘は異世界へ進む。

私は凄く好きでした。
ストーリーはゲームの世界のよう。流石ゲーマーの宮部さんだなと思わせる世界観が漂っていました。
ただ、宮部ファンには賛否両論らしいですが。
私はゲームをする人間なので、すんなりと入り込む事ができました。
亘は始め、どこにでもいる普通の少年だと思っていたのに。
どんどん悪い方向へ進んでいくのが読んでいて辛かったです。
小学生の子どもが抱えるにはかわいそすぎる境遇です。
だって、親が自分の意思だけで突き進んでいってしまった結果だもの。
でも、旅を通していろんな人、仲間に出会い、成長していく姿は面白かったです。
上下巻、とても長くて読むのに時間がかかりましたが、それでも読んでよかったと思えました。
最後は感動的です。
予想は出来ましたけど、最初から最後まで読んで、改めて感動できました。

〈角川書店 2003.3〉 H15.9.11読了

ドリームバスター2 宮部みゆき4

ドリームバスター2

ここはテーラという世界。
ここでは意識を肉体から切り離し、自在に管理や移動を行うプロジェクト・ナイトメアという実験が行われていた。
実験台となるのは凶悪死刑囚50人。
しかし、実験機の”ビッグ・オールドワン”が大規模な暴走事故を起こし、死刑囚たちは地球という地へ逃亡してしまった。
そこにいる人間の夢の中へと侵入し、頭の中から支配していくのだ。
そこで、死刑囚を捕まえるための組織”ドリームバスター”が誕生したのである。
リップが行方不明になってから1ヶ月が過ぎた。
まだ手がかりは何もつかめていない。
シェンはなぜ親友のリップがいなくなったのか、疑問に思っていた。
そして同時に、悪夢にも悩まされていた。
今回のD・Pが原因らしい。
D・Pの名は村野理恵子。自分の事を卑下し、超マイナス思考女。シェンはこの女性と話をしているといらいらしてしょうがなかった。それと同時に放っておけない気もした。
シェンは賭場でグリズリという調査官と出会う。
そこでリップのことを調べてもらったが、意外な事実が判明する。

ドリームバスター第2弾。
噂によると5冊でるらしい・・・
まだまだ真相は分からないし、むしろ謎は増えてるのよね。
気になっちゃってしょうがない。
早く続きが出ないかしら。
リップは何者でどこにいるのか。
新たに出てきた人々もどうなっちゃったのか。気になるよ。
早く出してくれないと、内容忘れちゃうわ〜^^;

〈徳間書店 2003.3〉 H15.6.7読了

ドリームバスター 宮部みゆき4

ドリームバスター

オススメ!
地球と遠く離れているテーラという星は94%が海で覆われており、決していい環境ではない星である。
人口は増えず、文明はあまり栄えない。
そこで、身体の内部と外部を切り離す計画”プロジェクト・ナイトメア”を考え、その機械”ビッグ・オールド・ワン”を発明した。
しかしその発明は失敗し、たくさんの犠牲者を出した。また実験対象だった50人の凶悪死刑囚はその事故で出来た抜け穴を通り、地球へと逃げていった。
そして彼らは人間の脳に侵入し、夢から人の身体をのっとるようになる。
その事件から12年。
それからD・B(ドリームバスター)という人々が彼らを捕獲するためと、捕獲したときに出る賞金のために戦っている。

この本だけで終わらないことを知ってショック・・・
ものすご〜く中途半端で気になるところで終わってるんだもん。
おもしろかったのは、日本の今の流行のものとかがいろいろでてくるのね。
それがリアルな感じで面白かったよ。
D・Bをやっているわけとかも結構気になる。
おもしろいよ^^

〈徳間書店 2001.11〉 H14.2.12読了

今夜は眠れない 宮部みゆき4



今夜は眠れない

緒方雅男は平凡なサッカー少年。
もちろん父も母も普通の人だった。
しかし、ある日突然5億円というお金が転がり込んでくる。
このお金は「放浪の相場師」と呼ばれた澤村直晃の遺産だった。
母、聡子は19のとき、彼の命を救ったことがあり、その礼金だという。
母や僕は悩んだ。
その間に新聞やワイドショーでその話が持ち着ろ隣、近所や同級生の態度が変わり、見知らぬ人からの嫌がらせや脅迫電話が殺到した。
澤村と母の関係を疑った父は家を出て行ってしまう。
なぜ、20年近くも会っていない母へ5億という大金を渡したのか。
その謎を解き明かすために、親友で将棋部のエースである島崎俊彦と共に、事件を解明し始める。

面白かったよ〜。やられました!見事でした。
結末に驚きました。
やっぱり宮部さんの作品は好きだなぁ。
終わった後のほのぼのした感じが凄く好きでした。
雅男と俊彦の名コンビも最高でしたね^^
続編もあるみたいだから、読んでみたいです。
男の心理を掴むにはここまでやらないといけないんですかね。
怖い怖い(笑)

〈中公文庫 1998.11〉 H15.4.16読了

模倣犯 宮部みゆき4



模倣犯―The copy cat (上)


模倣犯―The copy cat (下)

大川公園のゴミ箱から、女性の手首が発見された。
有島義男の孫娘、古川鞠子は3ヶ月前から行方不明となっている。
不安を持ちつつ、事件解明に乗り出す。
高校2年の塚田真一は公園で手首を発見する。
それがきっかけとなり、少し心の傷が癒え始めていた悪夢が甦る。
これが後に、日本を最も騒がせる事件へと発展していく。

この話は3部に分かれている。
1部は被害者側の話。2部は犯人側の話。3部は被害者と犯人が接触し、解決までが書かれている。
すっごく読むのは大変だった^^;
最近、犯罪がテーマになった本って多いよね。
私はまず、東野圭吾の「手紙」が思い浮かぶんだけど。
ちょっと内容は違うけど、容疑者の家族もいわば被害者に近いのかもしれない。
一概には言えないけど。
そしてそれが、犯人の確信がないのなら尚更。
そういう家族が出てくるけど、ひどかった。切なかった。読んでいて、辛かった。
家族が事件に関係していたら、被害者でも加害者でも、周りの人たちはいろんな目で彼らを見る。
憎しみ、哀れみ、好奇心、同情。
そういう目で見ていても、周りの人ってのはやっぱり「他人事」になってしまうから、いつかは忘れてしまうんだろうな。
でも、家族達の心の中には大きな深い傷が残ったまま。
そしてそれは、リアルな現代社会でも起こっていることなんだろうなって思う。
読んでいて辛かったけど、勉強にもなったかな。
最後に。
犯罪者って、凄く頭がいいけど、内面は凄く子供って感じがする。
自分が頭のいい奴だって思っているただの子ども。
犯罪者ってそういう人が多いのかな。
大人からの愛情を受けなかった人。「親子愛」「家族愛」ってやっぱり大事なのかな。

〈小学館 2001.4〉 H15.1.2読了

レベル7 宮部みゆき5

レベル7(セブン)

オススメ!
朝、目が覚めると記憶が全くなく、腕にlevel7とかかれていた若い男女。
「レベル7まで行ったらもどれない」という謎の言葉を残して失踪した女子高生、貝原みさお。
みさおと知り合いとなり、行方を捜すカウンセラー、真行寺悦子。
全く異なる2つの追跡行は交差し、1つの凶悪な事件へと導かれていく・・・

やられた。この一言だね。
やっぱり宮部みゆきさんの小説は面白いね。
始めはこの2人はどんな関係なんだ。とか、女子高生はどこにいるんだ。
って凄く気になって読んでいてとまらかったし、
段々事件のことが分かってくるとぐいぐいと引き込まれた。
この全く異なる2つの事件を見事に1つにまとめ上げているのが凄いね。
出てくる人物もみんながどこかでつながっているのがまたいいんだわ。
面白かった^^

〈新潮文庫 1993.9〉 H14.11.22読了

蒲生邸事件 宮部みゆき5



蒲生邸事件

オススメ!
予備校の試験を受けるために、上京してきた尾崎孝史。
父に気を使い、彼の無言のプレッシャーに日々堪えていた。
試験を終えた日の夜、孝史の泊まっていたホテルが火事になり、孝史は建物の中に閉じ込められ、逃げ場がなくなっていた。
そこで孝史は、平田次郎と言う男に助けられる。
その男は、初めて見かけたときから気になる存在だった男であり、影の薄いような、暗さを持った男だった。
気を失っていた孝史が目を覚ますと、そこはホテルではなく、ホテルが建設される前に建てられていた蒲生邸だった。
平田は、時の流れを行き来できる、時間旅行者だった。
時は、昭和11年2月25日。
翌日から2・26事件が始まる時代へタイムスリップしてきたのだ。

2・26事件は歴史の授業で習ったけど、内容はさっぱり。
恩田陸さんの「ねじの回転」も2.26事件がテーマだったよね。
いつも勉強になるわ。
覚えているかは別として。
タイムスリップって言うことは、SFなのかな。
ストーリーも面白かった。
ふきがかわいらしかったね。
内容が濃くて、憎悪に満ちている感じだから、ふきのようなかわいい人はやすらぎをくれた感じだったね^^
ラストが素敵。
面白かったよ。

〈毎日新聞社 1996.10〉 H14.10.4読了

いのちのうた 村山由佳3

いのちのうた

大きなお母さんくじらとその子どもは仲間達とはぐれ、2人で生活していました。
このまま2人で暮らしていてはダメだと思い、母親は南の島へ向かいます。
そこへ行くために、汚れた海を渡ってしまい、お母さんは日に日に弱っていってしまいます。
でも、いつも子どもが1人で生きていけるように、子どもにいのちのうたを教え続けます。

村山由佳は絵本も出してるんだね。
絵もかわいくて、思わず手にとって読んでしまった。
ホント、お母さんの子どもへの愛情を感じたよ。
子どもを守るために、自分を犠牲にする姿。
子どもを1人で生き抜けるようにするために、時には厳しくしつける姿。
お母さんって、こういうものなのよね。うん。
でも、汚れた海とか、あ〜人間のせいだよなぁ。
とか、ちょこっと思いながら読んでたよ。

〈集英社 2000.10〉 H16.12.1読了

天使の卵 村山由佳4

天使の卵―エンジェルス・エッグ

オススメ!
美大を目指している歩太は合格できず、予備校生となった。
その手続きをするため、電車に乗ったとき、一人の女性が乗り込んでくる。
ラッシュだったため、歩太はその女性をかばった。
その女性は美しく、歩太は一目惚れをした。
歩太は母と2人で暮らしている。
父は精神科の病院で10年間入院しており、母が生計を立てていた。
父の見舞いへ行った時、歩太は電車の中であった女性、五堂春妃と再会する。
春妃は、かつて歩太と付き合っていた斎藤夏姫の姉だった。
それから歩太は病院へ通うようになった。
どんどん春妃に惹かれていったが、春妃には忘れられない人がいた。

村山由佳のデビュー作(だよねぇ?)
ストーリーはごく普通に進んでいく感じ。
でも、その当たり前が心地よくって、どんどん読み進む。
歩太と春妃の相手への想いがとても素敵だと思うよ。
ラストが予想もしないものだったけれど。
とても純粋で、キレイな小説だなって感じたよ。

〈集英社文庫 1996.6〉 H14.4.25読了

天使の梯子 村山由佳5



天使の梯子

オススメ!
春妃の死から10年。歩太と夏姫は29歳になった。
お互いが10年前の傷を抱えたまま。
夏姫は8歳年下の慎一と付き合っている。
夏姫は、慎一と付き合ってみて、やっと、春妃の想いを理解できるようになった。
歩太と夏姫と慎一。3人の深い傷を、共に想い、見つめることで、縛られていたものから解放される。

「天使の卵」の続編。
賛否両論だけど、私は好き。凄い好き。
「天使の卵」では、夏姫って、あまり出てこなかったけど、
今回はかなり出てきた。
ずっと歩太と春妃の関係を認められなかった夏姫だけど、自分が慎一と付き合ってみて、ようやく分かってきたんだね。
2人の関係が何だかかわいらしかった^^
でも、夏姫はずっと悩んできたんだね。
恋人を絶対に家に泊まらせない理由とか、切なかったよ。

〈集英社 2004・10〉 H17.1.15読了

ゴールド・フィッシュ 続リズム 森絵都4

ゴールド・フィッシュ

さゆきは15歳になった。世間で言う受験生だ。
将来のことが、重くのしかかる。
真治のバンドが解散し、テツがとても逞しくなり、さゆきは自分の道がわからなくなる。
ドラムスティックで自分のリズムを取りながら、ずっと連絡のない真治からの連絡を待つ。
さゆきも真治も、それぞれが思い描く道へと進んでいく。

リズムの続編。
何か、みんなが成長している感じがしたよ。
ずっと真ちゃんのことを応援していて、皆の昔からの夢が変わっていってしまって、真ちゃんだけが、さゆきにとっての支えだったのに真ちゃんでさえ、前に進めなくなっている状態。
だからさゆきも、立ち止まっちゃったんだね。
それが、凄く伝わってきたよ。
その悩んでいる時間も、大切な時間で、大人になるための大切な一歩なんだよね。
それを知らさせた感じだったよ。うん。

〈講談社 1991.11〉 H15.5.5読了

リズム 森絵都4

リズム

13歳のさゆきの周りには、姉と、従兄弟の高志と、その弟の真治。
そして幼馴染の気弱なテツがいる。
特に小さいころからずっと好きな真ちゃんと一緒に過ごす時間が多かった。
今、姉は高校受験を控えており、家の中はぴりぴりしている。
高志と真の親が離婚をするという。
そして、大好きな真ちゃんがミュージシャンを目指して上京するらしい。
さゆきの周りの環境が大きく変化しようとしていて、心が焦っていた。

さゆきがかわいいキャラクターだなと思った。
喜怒哀楽?がはっきりしていて、凄く分かりやすい。
真ちゃんがいなくなるって分かったときも感情むき出しだし。
本当に好きだったんだなぁって言うのがわかる。
ラストの真ちゃんの言葉が素敵だったよ。

〈講談社 1991.5〉 H15.5.4読了

いつかパラソルの下で 森絵都4



いつかパラソルの下で

もうすぐ父の1周忌。
それをどうしていくか相談するため、久しぶりに兄弟3人が集まった。
実家から離れ、ほぼ絶縁状態だった春日と野々。
ずっと実家で暮らしており、父の言葉を忠実に守ってきた末っ子の花。
集まったものの、話は進まなかった。
その原因は父にある。
父、大海はとにかく厳格で、野々は20歳で家を飛び出した。
25歳になった今はストーンマートでフリーターをしており、恋人の達郎と同棲している。
父が死んだ今になって、父の男女関係が浮上する。
段々調べていくうちにとんでもない事実を知る。
父のことを詳しく調べるため、3人は父の故郷佐渡島へ向かう。

森さんは児童書ってイメージ。
でも、これは思いっきり大人向けの本。
「永遠の出口」に次いで2作目なのかな。
児童書はいろいろなことが勉強になる感じ。
ラストはあったかくなるような感じ。
この作品はやっぱりちょっと違う気がする。
前向きにさせてくれるのかな。
父親のことを調べたことで、結果的には満足にいかなかったとしても、得たものは大きかったんだね。
「永遠の出口」はあんまり好きになれなかった。
でも、この作品は好きだよ。

〈角川書店 2005.4〉 H17.7.1読了

DIVE!4 コンクリート・ドラゴン 森絵都5

DIVE!!〈4〉コンクリート・ドラゴン

オススメ!
それぞれの思いを胸に秘め、オリンピックを目指して選考会へ挑む、要一、飛沫、知季。
要一はひどい高熱を出しており、序盤に出遅れる。しかし、父であるコーチに支えられて前逆宙返り二回半蝦型に挑む。
飛沫は恭子や母に支えられていた。2人が見守る中、ただ飛ぶのみの前飛び込み伸び型に挑む。
知季は過酷なトレーニングを乗り越えた。彼女と別れ、ショックを受けながらも飛び込みを続けた。知季は前人未到の4回半に挑む。
想いはシドニーへ届くのか!?

面白くって、先が気になってどんどん読んでったよ。
やっぱり青春っていいねぇ^^
男の友情って素敵だと思うよ。
それぞれの思いは違うけど、飛込みに対する想いは本物で、読んでいてみんなかっこよかった^^
いいなぁ。
私も、こんなに打ち込めるものを見つけたい。

〈講談社 2002.8〉 H15.9.23読了

DIVE!3 SSスペシャル’99 森絵都5

DIVE!!〈3〉SSスペシャル’99

オススメ!
シドニーオリンピック出場の選手が寺本健一郎と富士谷要一に決まった。
来年4月に予定されている選考会がまだ行われていないのにも関わらず、である。
自分達の知らないところで勝手に話は進んでいく。
そのせいで、要一はひどいスランプに陥った。
しかし、選手に選ばれなかった知季や飛沫が頑張る姿を見て、要一は決心した。
要一は、会長と会って話をすることを決める。

最初腹たった〜〜〜〜〜!!!
実力のみで選手を決める上の奴等がホントむかつく!
頑張っている人たちの姿も見ないで、だよ。
そんなのないよね。
いくらメダルがほしいからってそれだけじゃダメだよ。
要一かっこよかったよ。
やっぱり私の好きなタイプだわ^^

〈講談社 2001.7〉 H15.9.23読了

DIVE!2 スワンダイブ 森絵都5



ダイブ

オススメ!
オリンピックを目指す第1歩目の中国合宿。
そのための選考会が行われた。
飛沫は腰を痛めており、自分の演技を見せることが出来ない。
そのことは誰にも言っていなかったが、夏陽子は気付いていた。
上手くできてはいるが、それでは皆の記憶には残らない。
そういわれ、飛沫は自分の演技を見せる。
しかし、合宿は辞退。
彼女の恭子が待つ青森へ帰ってきた。
戻ってきても、飛込みを忘れる事はできなかった。
飛沫の元へ、知季と要一がやってきた。
彼らに励まされ、再び飛沫は飛び込みに挑む。

2弾は飛沫が主役。
無茶な飛込みを続けていたために腰に爆弾を抱えてしまった飛沫。
その葛藤が書かれてる。
1冊目の飛沫のイメージとちょっと変わった気がしたよ。
ずっと飛沫を支えている恭子もよかったよ。
知季もずいぶん大人になって、かっこよかったわ〜^^

〈講談社 2000.12〉 H15.9.21読了

DIVE! 1全宙返り3回半抱え型 森絵都 5



ダイブ (1)

オススメ!
坂井知季は飛込みをしている。しかし、飛込みはあまり名が知られておらず、人気がない。
中学生はレイジと陵と知季の3人。
高校生はコーチの息子、冨士谷要一のみ。
スポーツクラブ「ミズキ」にとって、飛込みは邪魔者で、つぶれかかっていた。
そんなときに1人の女性コーチが現われる。
名は麻木夏陽子。ミズキの会長の孫娘。かつては飛込みもしており、コーチとしての腕はある。
コーチは人数さえ足りないこのクラブで、シドニーオリンピックをめざすと断言する。
そして秘密兵器として、青森から沖津飛沫という少年を連れてきた。
その飛び込みの凄さに、圧倒され、驚きを隠せない。
飛び込みをすることに対してあいまいになってしまっている自分。
飛沫の姿を見て、またコーチからの厳しい指導があり、すこしずつ知季は頭角を現す。

面白かった!!
まずはこの一言。
本当にスポ根。青春小説っていいね〜☆
これは1冊目。全部で4冊。
確かに飛込みって、あんまり大々的には出ていないよね。
飛び込みは一瞬の世界。
たった1,4秒で、全ての演技をしていかなければならない。
結構過酷なスポーツ。
知季は始め、自分はこのままでいいのか葛藤しているような感じだった。
要一のように凄い選手なわけではない。
なのに、ずっと飛び込みを続けている。
弟のように、学校から帰ってきた後で遊びに行きたいとも考えてる。
そんな曖昧な状態だったけど、
段々成長していく知季を読んでいくのは面白かった。
純粋に飛び込みに打ち込む姿。かっこいいよ。

〈講談社 2000.4〉 H15.9.23読了

墜ちていく僕たち 森博嗣4

墜ちていく僕たち

オススメ!
ある日突然、男が女に、女が男に変わったら・・・。
神出鬼没のインスタントラーメンが巻き起こす、5つのミステリー。
女を楽しむ大学生や、男になることを喜ぶ漫画家。
性別が変わったことで、悲観するのではなく前向きに生きる。
新しい自分を見つけ、人生を駆け抜ける。

面白かったね〜。
森さんは良い良いといわれ、ようやく読んだ1冊。
発想が面白い。
元がインスタントラーメンだよ?
誰も思い浮かばないよねぇ・・・なんて^^
性別が変わって、ホントにみんな前向きに考えているのが不思議。
楽しんでいるんだよね。
私がもしも男になったら・・・
ひ弱ななよなよした、女に持てない男になるだろうな(笑)

〈集英社文庫 2004.5〉 H16.12.17読了

群青の夜の羽毛布 山本文緒4



群青の夜の羽毛布

丘の上に家を建ててから、家族は壊れてしまった。
母に逆らえずに生きているさとる。
厳しい母親と暮らしながらも、奔放に生きている妹、みつる。
家事を任され、出かけることはあまり無い。
図書館へ通う生活。
そして、24歳のさとるの門限は10時。
さとるの家族は何かを隠している。
そう考える、さとるの彼氏、鉄男。
2人は互いに愛し合っているが、2人の間にはいくつもの影があった。
なぜさとるは、それほどまでに母を恐れているのだろうか。

こわかったよ〜><
ホラーじゃないんだけどね、怖いんだよ。
母は怖い・・・
このお母さんは異常なまでだけど。
でも、こうなる前は、きっと皆が幸せになりたいって思っていたはずなのに。
さとるの異常なまでの弱さが、始めは好きになれなかったんだけど、でも、さとるは弱い人間ではなかったんだね。
さとるとちゃんと付き合っていこうとしてる鉄男も良いなって思った。
これ、映画化されてるんだよね。
興味あるなぁ。

〈幻冬舎 1995.11〉 H15.2.26読了

落花流水 山本文緒3



落花流水

甘ったれで、わがままな7歳の少女手毬。
彼女が言えばなんでも叶う。誰でも言うことを聞いていた。
しかし、母の死から少しずつ人生が狂いはじめていく。
17歳。かつて姉だった人を母と呼ぶ暮らし。
そして、母の再婚。
27歳で結婚。子どもに恵まれ、少し複雑な家庭ながらも幸せを掴む。
37歳。その家庭を捨て、幼馴染と共に駆け落ちをする。
そして。。。
何度も名字が変わり、運命に翻弄される手毬。
彼女にとっての幸せな家庭は見つけられたのだろうか。

山本さんの本はどうして読むと止まらなくなるんだろう。
最初っから最後までぶっ通しで読んでしまった。
でも、内容的にはちょっと切ない。
1人の人の人生をたどっていくのは、あんまり好きではないかなぁなんて思ってしまった。
捨てられてしまった男達が、可哀想だって思った。
その人たちにだって、人生があるのになぁって。

〈集英社文庫 2002.10〉 H17.7.5読了
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苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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