図書館の神様
早川清は学生時代、ずっとバレーボールに打ち込んでいた。
中学で3年間続けており、高校でもずっと打ち込んでいた。
ずっと、自分のやり方は正しいと思っていた。
厳しいことを言っても、正しいことならみんな分かってくれると思っていた。
しかし、高校時代、ミスをした部員を厳しく叱った数日後、その子は自殺した。
原因は清ではないかもしれない。でも、清かもしれない。
清はずっと打ち込んできたバレーを辞め、噂や父母の視線から逃れるために田舎の大学へ進学する。
そして今は、高校の講師である。
少しでも、バレーと関わっていたかったからだ。
バレー部の顧問を希望したが、実際顧問となったのは、文芸部。バレーとは全く関係のない部活動。
しかも、部員は1人。垣内くんのみ。
垣内君はひたすら本を読み、芥川龍之介や山本周五郎などを繰り返し読み、文学に勤しんでいる。
顧問は何をしていればいいのか、清は分からずにただ座っていただけだった。
清には浅見さんという彼氏がいる。
浅見さんには奥さんがいる。
でも、清は、浅見さんのことがすきだった。一緒にいたいと思った。
また、清には弟の拓実がいる。いつも何かと世話を焼く弟。
清は仕方なく、今の生活を送っている。
タイトルに惹かれて手に取った本。
始めは、清があんまり好きになれなかったんだ。
だら〜っとしてて、何かあきらめているような感じの生活ぶり。
それは、過去の事件が影響しているのだとは思うけどね。
でも、だんだん変わっていく清はいい感じに見えてきたよ^^
私は不倫は絶対に許さない人。嫌だ。
でも、清にとって、この恋愛は必要なことだったんだろうなぁって思う。
でも!浅見さんは私は嫌い。
浅見さんが持ってくるものは食べたいとも思わないし、教室に通いたいとも思わない。
清の弟の拓実のほうが、よっぽどいい。
清は一人ぼっちじゃなくって、ずっと拓実が味方してくれてたんだなぁって、それが素敵だなぁって思ったよ。
垣内君もよかったし^^
垣内君みたいな子、好きだなぁ。
〈マガジンハウス 2003.12〉 H16.8.2読了