
著者:歌野 晶午
光文社(2007-11-20)
販売元:Amazon.co.jp
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舞田歳三は浜倉中央署の刑事だ。仕事帰りに兄・理一の家によって、小学五年生になる姪のひとみの相手をし、ビールを飲むのを楽しみにしている。難事件の捜査の合間を縫ってひとみをかわいがる歳三だが、彼女のふとした言動が事件解決のヒントになったりもして…。多彩な作風で知られる歌野晶午が、ちょっと生意気でかわいらしい少女と、本格ミステリらしい難事件を巧みに描く。刑事×難事件×おしゃまな11歳=歌野晶午流「ゆるミス」。軽やかに登場。
「黒こげおばあさん、殺したのはだあれ?」
金貸しをしていたおばあさんが数度殴られたあと、家に火をつけて殺されているのが見つかった。やはり恨みからの殺人なのか。
「金、銀、ダイヤモンド、ザックザク」
ひとみの友達のお兄さんがおばあさんの殺された家からお宝を見つけたらしいと歳三は聞かされる。ある朝、1人の中学生が遺体で発見されているのが見つかる。
「いいおじさん、わるいおじさん」
市議会議員の大喜多要三が遺体で発見された。大喜多は妻の和子が寝たあとに公園へ行きスケボーをしている少年達を注意しに行くのだという。
「いいおじさん?わるいおじさん?」
大学生の男性が誘拐されたらしい。身代金を用意し、連絡を待ったが来ない。歳三の同僚の吉川が公園に捨てられていた冷蔵庫の中にいるのを発見する。
「ドカゲは見ていた知っていた」
歳三の姉、ふたばが招かれたパーティで殺人事件が起きる。ひとみも一緒だった。姉が毒を盛られたから会場を出るなと被害者の妹が騒いでいるのだと言う。
「そのひとみに映るもの」
ひとみの学校のクラス全員の靴がなくなったのだという。ひとみは歳三に操作して欲しいと頼むが担当ではないと断られる。その頃歳三は車の中で拷問にかけられたような殺され方をしていた被害者の犯人を追っていた。
続編を予約したので、こちらを先に読みました。
タイトルからしてひとみちゃんが探偵っぽい感じでひとみちゃん目線だと思っていたら歳三目線でひとみちゃんの登場の仕方もちょっと大人しくて残念でした。
でも、ちゃんと活躍していて凄いですよ^^
どの話も意表をついていて面白かったです。
もの凄くブラックなミステリではないですが、十分ミステリとして楽しみました。
ひとみちゃんは父子家庭だけど、ふたばや歳三も気にかけているし、素直に育った良い子だなと思いました。
でも、野々島愛の素性は意外だったなぁ。というか気付かなかったなぁ。
てっきり歳三の彼女だと思った。いるわけないかぁ(失礼)
連作短編なんですけど、事件も違う事件と関係が合ったりして、その関連性も面白かったです。歌野さんの作品は2冊目ですけど、面白いですね。
〈光文社 2007.11〉H23.1.4読了