苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

中野京子

災厄の絵画史 疫病、天災、戦争 中野京子5



パンデミック、飢餓、天変地異、戦争……
人類の歴史は災厄との戦いの歴史でもある。
画家たちは、過酷な運命に翻弄され、抗う人々の姿を描き続けてきた。
ムンクは疫病で死にゆく者が生き残る者へ示したあふれる愛を、ミレイは天災から立ち直ろうとする若者の強靱さを、ゴヤは怒りでいっぱいになりながら人間の蛮行を、それぞれキャンバスに塗り込め、叩きつけた。
本書は、そんな様々な災厄の歴史的背景を解説しながら、現在も人々の心をつかむ名画の数々を紹介する。

今回はテーマが災厄なので、全体的に暗めの絵画が多かったですね。
色んな災厄を示す絵があるんだなぁと見ていて面白かったです。なかなかにえげつないものもありましたが^^;
以前も著者さんの作品の中で見たことのある「レディ・ジェーン・グレイの処刑」が印象深いです。これから処刑されるジェーンの白さが際立っていてそれがさらに絶望を引き立てている気がします。そして「皇女タラカーノヴァ」も気になりました。こちらも絶望しかないんですけどちょっとドラマティックに描かれている気がします。
今回も興味深く読みました。

<日経BP 日本経済新聞出版 2022.12>2023.2.27読了

名画の中で働く人々「仕事」で学ぶ西洋史 中野京子5



「看護師」はひと昔前なら「看護婦」。神話の時代からある仕事とは? 「リケ女」のはしりは命がけ! 知っているようで知らない、仕事のルーツや歴史を、『怖い絵』シリーズの中野京子が解説。今まで見えてこなかった、もうひとつの西洋史がそこにある。
収録された絵画、全50点。中世から現代アメリカ絵画まで、幅広いラインナップと驚きのストーリーが「見る」西洋史の世界へ誘います。

今回のテーマは仕事から見る名画。
見たことがない作品ばかりだった気がします。
きらびやかな絵画も良いですが、こういう作品も良いですね。
特に印象的だったのは女性科学者でしょうか。まだ女性の地位が確立していない遠い昔に科学者として活躍していたヒュパティア…。死に様が辛すぎます…牡蠣の殻で皮をはがれるとか想像するだけでぞわぞわする…。看護師の凛とした姿も美しくて好きでした。

<集英社 2022.9>2022.12.22読了

中野京子と読み解く フェルメールとオランダ黄金時代 中野京子5



絶対王政時代の17世紀ヨーロッパ。オランダは王を戴かず、経済の力で大国になった。海洋貿易、軍事、科学技術で世界を牽引し、文化・芸術も大きく花開いた。
「他国では王侯貴族や教会の占有物だった絵画が、フェルメールの生きた十七世紀オランダでは庶民の家の壁にもふつうに飾られていました。
フランス印象派より二世紀も先に、庶民のための芸術が生まれていたのです」(あとがきより)
フェルメール、ハイデンの風景画からは市民の楽しげな暮らしが見て取れる。
レンブラント、ハルスの集団肖像画は自警団の誇りと豊かさを、ロイスダールの風車画はオランダ人の開拓魂を、バクハイゼンの帆船画は東インド会社の隆盛と経済繁栄を伝える。ヤン・ブリューゲル二世はチューリップ・バブルに熱狂した意外な一面を描き、ステーンが描く陽気な家族からは、人々の愉快な歌声まで聞こえる。
フェルメールが生きたのは、こんなにも熱気あふれる“奇跡の時代”だった。
人々は何に熱狂し、何と闘い、どれほど心豊かに生きたか――15のテーマで立体的に浮かび上がる。

オランダ出身の画家というと、私はフェルメールとレンブラントしかわからなかったのですが^^;オランダにはたくさんの画家を輩出している国なんですね。
こちらの作品を読んでいるとたくさんのオランダの画家の作品を観ることが出来ます。オランダの街並みを時の流れとともに感じられるような気がします。歴史や風土や国民性なども勉強になりました。オランダでは割り勘が基本なんですね^m^大事。
この作品の中に、私も今年実際に見たフェルメールの『窓辺で手紙を読む女』の修復前と修復後の作品も出てきました。実際に見たのは修復後が初めてだったのですが、前のも見て見たかったなーなんて贅沢なことも考えたりしました^^;
あとがきを読んでいたら『クリムトと黄昏のハプスブルク』を準備中だそうです。楽しみ。

<文藝春秋 2022.5>2022.10.25読了

絵の中のモノ語り 中野京子5

絵の中のモノ語り
中野 京子
KADOKAWA
2021-12-24


ベストセラー「怖い絵」シリーズの著者が32のモノと物語に迫る!
身分違いの恋、救いのない終焉。
少女が抱える鉢の中には愛しき人の頭部!?
ルノワール、ミュシャ、ホッパー、クリムトなど名画に描かれたアイテムをもとに、歴史の謎や闇、社会背景、画家たちの思惑を読み解きます。

絵画の中に描かれているモノから絵を考えるというのは斬新ですね。面白かったです。
最初の作品から目を引かれましたよね。海外作品なのにたくさんの提灯が描かれていました。え?近代の作品?と思ったら1885年で明治時代です。世界の万博に参加するようになって流通し始めていたんですね。面白いです。
この作品の表紙絵である「イザベラとバジルの鉢」のお話を読んでこわ…となったり^^;
「プシュケとアモル」の2人を見て可愛い…と癒されたり。やっぱり絵画って面白いな。
個人的にミュシャの「メディア」が気になりました。蛇の腕輪を購入したのがなんと日本の方で今は堺市のアルフォンス・ミュシャ館に所蔵されているとのこと!私去年行ったよー!!!知らなかった!!私その時見たかな?見た?←ちょっと覚えていないので悔しいです^^;今度行く機会があったら見て観なければ。こちらの著書が本になった経緯も面白かったです。ご縁ですね〜。

<KADOKAWA 2021.12>2022.4.11読了

異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む 中野京子5



我々は、何に魅入られ 何を恐れてきたのか――?
人獣、モンスター、天使と悪魔、妖精、異様な建造物から魑魅魍魎まで――。
一見して奇異で不穏、そしてメッセージ性に富む「異形のもの」の美術作品は、画家の「書きたい」という意志をも凌ぐ「見たい」という大きな需要によって支えられてきた。
それら絵画はなぜ描かれ、なぜ鑑賞者に長く熱く支持されてきたのか。
神への畏れ、異性への恐怖、淫欲と虚栄、人間本性への疑義、薄れゆく信仰心……
描かれた怪の中に人間の本質を読む、「怖い絵」シリーズ著者待望の最新刊!

異形なものが描かれた絵画がテーマ。テーマごとに分けると本当にいろんなものがあるんですね…
天使と悪魔や妖精、人獣などはまだわかりますけど、何か本当に意味が分からない不気味なものも多かったですね^^;語彙力がなくて申し訳ないですけど本当にどう表現していいか分からない(笑)
中でも印象に残ったのは「エル」ですかね。異形のものなのだけど美しくて愛らしいとも思える女性の姿に魅了されました。
本当にいろんな絵画がありますよね…面白いです。

<NHK出版 2021.4>2022.3.13読了

美貌のひと2 時空を超えて輝く 中野京子5



愛と裏切り、交差する運命
名画は現代の私たちに何を語りかけているのか――。
実在した絶世の美女やおとぎ話の姫、殺人現場に立つ妖艶な女性。寵愛を受けた王を退位に追い込む「傾城の美女」や結ばれぬ恋。異様な自己耽溺を見せるナルシス、男性版ファム・ファタール(運命の女)。一枚の絵のなかに切り取られた一瞬には、罪や裏切りをも孕んだドラマチックな生が凝縮されている。
圧倒的な美は善悪を軽々と超え、人々を魅了する。誰もがうらやむ美貌は、時として災いや呪いとなるのかもしれない。有名作品から知られざる一枚まで、時空を超えて輝く男女の美と生き様を40点以上のカラー作品で読み解く。話題作『美貌のひと』の第2弾。

第1弾のそれぞれの美貌のひとの物語も面白かったですが、今回も面白く興味深かったです。
素直に可愛いなと思ったのはヴィジェ=ルブランかな。マリー・アントワネットお気に入りの画家。この方自身も亡命生活などをされて苦労されたんですね。家族ではなく、周りの人たちの人生も影響を受けますよね。
1番印象的だったのはベアトリーチェ・チェンチの絵でした。ぱっと見フェルメールの真珠の耳飾りの少女を思いだすような佇まいなんですよね。でも、表情が全然違う。白いターバンを巻いて白い服を着ていて純白や純潔を意味しているのかと思ったのですが、この方の過酷な運命を知るとその純潔と若さに胸が苦しくなりました。そして読んだ後に絵を見返すとこの画の表情の意味が分かる気がしました。辛い…切ない…。もしも生まれ変われたならその時は幸せな人生を歩めていますようにと思わずにはいられなかったです。この画に全部持って行かれました^^;
美男美女の絵の数々、書籍ではありますがカラーで見れるので眼福でした。

<PHP研究所 2021.8>2021.11.8読了

名画で読み解くプロイセン王家12の物語 中野京子5



長い群雄割拠時代を経て、19世紀にドイツを統一したプロイセンのホーエンツォレルン家は、帝国を形成しヨーロッパ最強国の一角に食い込みます。
フリードリヒ大王とビスマルクという二人の傑物を生んだプロイセン。
本書では、その激動の217年の光と闇、運、不運、そして熱い人間ドラマを、色彩豊かな名画とともに読み解いていきます。

ホーエンツォレルン家については全然知りませんでした。
それにしても王の名前が似すぎてて混乱しますね…あだ名というか名称というかそれがついているから区別がつきますが。でも結構ひどいのもありますね^^;
見たことがない絵もたくさんあって興味深かったです。
こちらは12の物語シリーズなんですね。私は今回読んだのが初めてだったみたいです。
中野さんの作品は歴史を知らなくても面白く読めますし勉強になるので好きです。

<光文社 2021.5>2021.9.26読了

そして、すべては迷宮へ 中野京子5



『怖い絵』や『名画の謎』シリーズで絵画鑑賞に新たな視点を提示してきた著者は、芸術を、人を、どのように洞察するのか?
名画との衝撃的な邂逅や、一見穏やかに見える日常から掬い取るおかしみと歓び--。
日常は、虹とトラウマと歓びに満ちている!

中野さんの著書はとても分かりやすくて好きです。
今回もエッセイのようなテイストではありますがちゃんと絵画の写真もありますし、分かりやすい解説も健在でした。
今回も中野節がさく裂していて^^大満足です。
行きたい展示がたくさんあるのですが、今は美術館に行くのが怖くて。
中野さんの作品を読んで美術館に行った気分になっています。ありがたいです。

<文藝春秋 2021.3>2021.8.1読了

大人のための「怖いクラシック」オペラ編 中野京子5



「怖い絵」シリーズで大人気の著者がクラシック・オペラをオールカラーで解説。
「椿姫」はマネの描いた「ナナ」を彷彿とさせる。「蝶々夫人」にドラクロワの「怒れるメディア」をイメージするのはなぜか? 他にも「ファウスト」に「空飛ぶメフィストフェレス」などオペラと名画をコラボさせて解説。オールカラーになって読みやすく美しい初心者向けクラシック・オペラの解説書。「怖い絵」の著者だから読める音楽と名画のコラボに酔いしれよう! オペラがぐっと身近になる究極の1冊!

舞台鑑賞は割としていますがオペラを観劇したことはありません。そもそもオペラが何たるかをわかっていないかも…と改めて感じました。
初心者向けの作品でとても面白かったです!
オペラに詳しい美月先輩と初心者の蓮の会話もまたいいですね。分かりやすいし、初心者だからこその疑問も会話の中に出てくるのでとてもありがたい。
この作品で登場する作品は聞いたことがある作品ばかりでまたとても分かりやすく物語や登場人物について解説されているので本当にありがたかったです。
読んだら生で観劇したくなりました。

<KADOKAWA 2021.3>2021.7.29読了

中野京子と読み解く運命の絵 なぜ、ままならない 中野京子5



この世を生きる者たちの運命の小舟は、揺られっぱなし―名画の奥にある“運命のドラマ”を『怖い絵』著者が解き明かす。愛人の膝から立ち上がる女は関係を清算できるのか?―ハント『良心の目覚め』、何もかも思い通りにゆかない、傲岸不遜な画家の生涯。―クールベ『画家のアトリエ』、一体なぜ?古代彫刻にまつわる不運の連鎖。―アルマ=タデマ『フェイディアスとパルテノン神殿のフリーズ』、ギロチン台に向かった16人の修道女の行く末は…。―ドラローシュ『ギロチン』、仏軍VSスペイン民衆、戦場で流れた夥しい血。―ゴヤ『マドリード、1808年5月2日』ほか“運命”をキーワードに名画を読み解く17篇。

中野さんの絵画の解説がとても分かりやすくて、新刊が出たら読んでいます。
今回も17作品が登場しましたが、あまり見たことがない絵画ばかりだった気がします。
表紙にもなっている絵画も私は初めて見たかも…。実際に死体を見て書いた絵だからかとてもリアルさを感じました。
絵画の周りに細かく解説が書かれているのも分かりやいすくて良かったです。
絵画の中にはいろんな意図が含まれているんですね。面白く読みました。
中野さんの作品で読んでいないものはまだまだたくさんあるので、読んでいきたいです。

<文藝春秋 2020.11>2021.1.23読了

画家とモデル 宿命の出会い 中野京子5

画家とモデル: 宿命の出会い
中野 京子
新潮社
2020-03-25


名画誕生秘話と画家の秘めた想い!ワイエス、レンピッカ、シャガール、ゴヤ、モロー、ベラスケス、サージェント…名画に刻まれた驚愕の関係を「怖い絵」シリーズの著者が読み解く!

画家とモデルの関係性を中野さんが解説されると画家の人生のバックボーンが見えてきて面白いですね。初めて知る画家もいましたが強烈なインパクトを残した人もたくさんいました。
最初のサージェントの黒人青年の絵にまず度肝を抜かれましたよね。マダムXの絵も美しくて素敵だけど、テーマである「トーマス・E・マッケラーのヌード習作」はやはり2人の関係性が親密であることを感じます。ぬくもりを感じるし表情が温かい気がしました。
モディリアニは作風も名前も知っていましたが、酒と薬に溺れ、若くして亡くなっていたことは知りませんでした。また、身重の妻ジャンヌ・エピュテルヌが後追い自殺したということも。
フォンターナというお名前も初めて知りましたが、当時見せ物としての扱いしか受けてこなかった多毛症のトニーナが描かれた絵の表情がとても穏やかで、二人の間には信頼関係が生まれていたことが伺えました。
他にも様々な画家とモデルの関係性が描かれています。中野さんの解説は本当に分かりやすくて面白いです。

<新潮社 2020.3>2020.6.3読了

欲望の名画 中野京子5

欲望の名画 (文春新書)
中野 京子
文藝春秋
2019-08-20


狂おしく激しい愛情、金銭への異常な執着、果てない収集癖、飽くなき野心…。人はあらゆる欲望を絵画に込めてきた。細部に描かれた小さな情報も見逃さず、名画に込められた意図を丁寧に読み解く。
26作品の名画に描かれた人間の業の数々とは!?

雑誌の連載をまとめたものだそうです。絵画の一部分を最初に示し、何の絵なのか、この部分は何を指しているのか。始めに読者に問いかける感じで解説されていったそうです。思考が面白いですね。分かったものもあれば全然わからなかったものもありました。
洋画は何度も見て読まないと覚えられないので^^;中野さんの解説はとても分かりやすくて面白いです。
冒頭に登場したドラクロワの「怒れるメディア」は何も知らずに見たら子供2人を魔の手から守っている母親の絵に見えましたけど、真相を知ってびっくり。
ビアズリーの「踊り手の褒美」という作品は初めて見ましたが、サロメの物語自体ちゃんとわかっていなかったので全てになるほどーと思いました。
レーピンの「ヴォルガの船曳き」は奴隷が船を運んでいるのかと思ったらもっと過酷な労働を強いられていたと知り驚いたり。
絵画にはたくさんの意味が込められているんですね。
これからも読んでたくさんの絵画を知っていきたいです。

<文藝春秋 2019.8>2019.11.27読了

美貌のひと 歴史に名を刻んだ顔 中野京子



美が招くのは幸運か破滅か? 肖像の奥に潜む、秘められたドラマとは。
絵画のなかの美しいひとたちは、なぜ描かれることになったのか。その後、消失することなく愛でられた作品の数々。本書では、40の作品を中心に美貌の光と影に迫る。
――美を武器に底辺からのし上がった例もあれば、美ゆえに不幸を招いた例、ごく短い間しか美を保てなかった者や周囲を破滅させた者、肝心な相手には神通力のなかった美、本人は不要と思っている美、さまざまですが、どれも期待を裏切らないドラマを巻き起こしています。それらエピソードの数々を、どうか楽しんでいただけますよう。

「世界一受けたい授業」にもよく出演されている中野さんの著作。わかりやすくて面白くて大好きです。今回も面白かった。
画家の人生も色々ですが、モデルとなった人の人生も色々なんですよね…。
印象的だったのは女性画家アルテミジアが書いた「ユーディトと侍女」かな。私も女だからかユーディトがめちゃくちゃカッコよく見えました。おかしいと異論を唱えた大物男性芸能人?は世界一受けたい授業に出てた人なのかな?濁してましたけど。
あとはローランサンが書いたココ・シャネル。この作品はテレビ番組か何かで見たことが有りますが、確かにどうしてローランサンがこんなに寂寥感あふれる感じにシャネルを書かれたのか…。
表紙のクラムスコイの「忘れえぬ人」は本当にインパクトが強いですね。目力が強くて貴賓もあるこの女性の末路を知って、もの悲しくもなっちゃいましたが…。
こうした絵の中に潜む謎や歴史を知ることが出来て、面白かったです。

<PHP研究所 2018.6>H30.1.5読了

芸術家たちの秘めた恋―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 中野京子4

芸術家たちの秘めた恋―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)芸術家たちの秘めた恋―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
著者:中野京子
集英社(2011-07-20)
販売元:Amazon.co.jp

19世紀前半、ロマン主義全盛の時代を生きた作曲家メンデルスゾーンと作家アンデルセン。生まれも容貌もまるで正反対の二人を結びつけたのは、奇跡の声を持つ歌姫だった。三者三様の想いを胸に秘め、創作活動に没頭する彼らを持ち受ける過酷な運命とは…。『結婚行進曲』や『醜いあひるの子』など、不朽の名作を生み出した芸術家たちの知られざる一面に、『怖い絵』シリーズの著者が迫る。

以前読んだ中野さんの著作の後ろにこの本が紹介されていて、タイトルに惹かれて読みました。小説のようでしたけど、史実なんですよね。
メンデルスゾーンとアンデルセンが関わりがあったとは知りませんでした。そして二人を結び付けたジェニー・リンドという歌姫も初めて聞きました。
メンデルスゾーンは短い人生だったんですね。最期も悲しい。絶対に過労死でしょうけど、他にも何か病気があったんでしょうかね…。
アンデルセンは子ども時代は貧困だったかもしれませんが全体的にはめぐまれていたのかなと思いました。自分の考えの赴くままに行動して勝手に自由に行動してて、楽しそうでしたね←ジェニーが不憫でなりませんでしたよ。
それぞれの生い立ちも細かく書かれていて勉強になりましたし、面白かったです。

<集英社 2011.7>H28.10.20読了

残酷な王と悲しみの王妃2 中野京子5

残酷な王と悲しみの王妃2残酷な王と悲しみの王妃2
著者:中野 京子
集英社(2015-10-26)
販売元:Amazon.co.jp

王も王妃も、泣き笑い、苦しみながら生き抜いた。
ルードヴィヒ二世、カルロス四世、アレクサンドル三世妃マリアなど、ヨーロッパの王と王妃の波瀾万丈の人生を、絵画や写真とともに辿る歴史読み物第2弾。

第1弾以上に始めから予備知識のあった人はいませんでした^^;初めて聞く王と王妃たちばかり。全てが新鮮で、またいつの時代どこの国でも残酷で悲しい王と王妃がいたのだなと感じます。
ノイシュヴァンシュタイン城を作ったのがルードヴィヒ二世だったんですねー。全然結びついていませんでした。狂王なんて言われていたようで…。読んでいたらまあ祖父の血と容姿を継いじゃったからしょうがないのかなーなんて軽い感想を抱きました^m^
アレクサンドル三世妃マリアも初めて知りました。デンマークで生まれ、仲良し姉妹だったアリックスとマリア。マリア自身は結婚後も幸せに過ごせたようですねー。でも、子どもや孫の亡くなった年が一緒なのを見てちょっと鳥肌が立ちました。
カルロス四世も名前は知りませんでしたが、ゴヤの絵でよく登場する人だったんですね←
この人はもう自業自得としか言いようがないですね^^;
そして特に印象的だったのが最後の章、デンマーク王妃カロリーネ・マティルデのことでした。この方も私は知らなかったなぁ。今で言うアスペルガー症候群であった王との婚約。いきなり癇癪を起したり暴れたり娼婦館通いをする夫のことを嫌い、また夫と結婚したことで出会うことになった侍医ストルーエンセ。2人の恋が切なかったですね。またこの時代は拷問や処刑がえげつないですね・・・。ストルーエンセは悪だくみを考えていたわけではないのに。皆亡くなってから少しだけでも報われたのは良かったですが、切なかったです。
どの王室も王も王妃も知らなかったのですが初めに家系図が載っているのでそれを見ながら読むことが出来るのでとてもわかりやすいです。文章も軽めなので読みやすかったです。
中野さんの作品は読んでいない本がまだまだたくさんあります。刊行ペースについていけるかわかりませんが^^;読み進めていこうと思います。

<集英社 2015.10>H28.10.7読了

中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇 中野京子5

中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇
著者:中野 京子
文藝春秋(2015-07-27)
販売元:Amazon.co.jp

横たわる美女、片や絶讃、片や大スキャンダル!?
同様の題材や図柄なのに、その意味や世の評価は時に正反対。人気シリーズ第4弾は様々な観点から2点の絵を対決、真相を紐解きます。

このシリーズ4冊目なんですね。
私1冊しか読んでいなかったです。今回で2冊目ですね。
中野さんの作品は分かりやすくて好きです。といっても全然頭の中に入ってないと思うんですけど^^;
今回のテーマは対決篇。
時代も国も違うのだけどテーマが同じだったり内容が同じだったりしてこういう見方もあるのかと新鮮でした。
また中野さんの文章が面白いです。ちょいちょい突っ込みたくなるような感じ^^
面白かった対決をいくつか。
ルノワールとピカソが書かれた「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」昼と夜でこんなに雰囲気が違うのかとびっくり。
あとは奥さんを書くことがあっても旦那様を書いているという作品はほとんどないというのもなるほど・・・と思いました。確かに男性のかっちりした体型の絵より女性のふくよかな体つきの絵の方が見栄えがしますもんね。
それから自画像を描く人は割といるけど夫婦一緒の絵を描く人は少ないっていうのもなるほどと思ったのだけど、この本で出てきた2作はどちらも素敵でした。特にルーベンスの絵。凄く素敵!夫婦の仲睦まじい感じが分かります。
あ、そうそう。篠山紀信さんが撮影した三島由紀夫の写真。凄く印象的なのがあったんですけど元ネタがあったんですねー。無知すぎますよね、失礼^^;
「聖セバスティアヌス」…美しい画でした。
読んでいないあと2冊も探して読んでみようと思います。

<文芸春秋 2015.7>H27.11.14読了

危険な世界史 運命の女編 中野京子5

危険な世界史 運命の女篇危険な世界史 運命の女篇
著者:中野 京子
角川書店(角川グループパブリッシング)(2011-11-01)
販売元:Amazon.co.jp
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マリー・アントワネット、ハプスブルグ家、モーツァルト、アンデルセン――etc. フランス革命の前後200年の間、燦然と輝いた歴史的スターたちの仰天エピソードを紹介するシリーズ第2弾!

今回は歴史を映画にした話が多かったですね。私は全く見たことがない映画ばかりでしたが^^;でも結構脚色された映画もあるんだねぇって全然関係ないことを思いましたが。やはり核心の部分には触れていないので気になる映画もいくつかありました。
そして前作と同じように第1章は様々な女性が描かれているのですが。
マリーアントワネットの時代が基準にはなっているのですが、歴史上でそれほど取り上げられていない人もたくさん登場していました。
この頃はやはり女性に決定権はないんだなぁと思ったり、結構、結構な事をしている人もいたり^^;
今回も読んでいて面白かったです。日本の徳川の時代のことも書かれていました。
中野さんの作品は読んでいない本がたくさんあるので、更に読んでいこうと思います〜

<角川書店 2011.10>H24.2.16読了

危険な世界史 中野京子4

危険な世界史危険な世界史
著者:中野 京子
角川グループパブリッシング(2008-08-01)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

運命に翻弄されたナポレオンの兄弟たち。パッとしなかったモーツァルトJr.。同性愛者なのに結婚したチャイコフスキー――。革命期最大のスター、マリー・アントワネット時代に本当にあったお話。

中野さんの本はとても分かりやすいのでよく読みます。新刊で「危険な世界史 運命の女編」という本が出たことを知り、こう書かれているということは以前にも出ているんだろうと思い、読んでみました。
いや〜面白かったです。マリーアントワネットが生きた時代を主軸として彼女が生きた十八世紀後半の前後百年間、1683年〜1883年にかけてヨーロッパやロシアで起きた事件や活躍した人物たちのスキャンダラスなエピソードを取り上げて紹介しています。連載だったんですよね。
なんとなく聞いた事のある人が実はこうだった。なんてエピソードがあったりして面白かった。
ナポレオンの兄弟たちはナポレオンのせいで何だか可哀相な一生を過ごしている人もいましたし、モーツァルトJrは親が天才のせいで母親も期待して、しすぎていて本当に大変だっただろうなと思いました。
赤ずきんや眠れる森の美女などを書かれたシャルル・ペローはルイ十四世につかえていた宮廷人で実は弁護士出身だったというのが驚きました。童話作家じゃなくて詩人・文芸評論家だったんですね。
パイレーツ・オブ・カリビアン女性版の女海賊の話も面白かった!いろんな人生があるんですねぇ。
もちろん全部は覚えられないんですけど^^;
へぇ〜こんなことがあったんだ〜って気軽に手に取れる歴史書だったと思います。

〈角川グループパブリッシング 2008.8〉H23.11.29読了

中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇 中野京子5

中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇
著者:中野 京子
文藝春秋(2011-03-09)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
★謎が解けたら、名画は最高の「エンターテインメント」になる!
日本人の苦手ジャンルとされてきたギリシャ神話の名画を、西洋文化史に精通する著
者が痛快に読み解きます。そうして見えてくるのは、ゾクゾクするほど面白い神々と
人間のドラマ。
主神ゼウスや、愛欲の女神ヴィーナス、太陽神アポロン、処女神ディアナなど、そう
そうたる神々が繰り広げる全20篇の物語を収録。
■ オリュンポス十二神の関係がひと目でわかる「神々の系譜」付き
■ 紹介する名画は30点。すべて美しいビジュアルにこだわったオールカラー
■ 主要絵画24点は、引き出し線を使って詳細に解説
レンブラント『ダナエ』/ティントレット『天の川の起源』/セスト(ダ・ヴィンチ模写)『卵から生まれた双子』/ジェローム『ピグマリオンとガラテア』/ボッティチェリ『春(プリマヴェーラ)』/ゴヤ『運命の女神たち』など。

私、小説以外でオススメ!ってつけたの、初めてな気がします。
中野さんの作品は2冊目なのですが、面白いです。
名画の謎、歴史についてが紐解かれている作品ばかりで凄く興味深いんですよ〜。
今回は名画の中に隠されたギリシャ神話の謎。です。
ギリシャ神話って知りたいと思っていてもなかなか難しくて理解できなかったんですよね、今まで。
今回でスッキリサッパリ分かりました!とは勿論言いませんけど^^;過去にこういう名画があって、この名画の中には作者のギリシャ神話におけるこういう意図があったんじゃないかって言う解説が分かりやすくて面白くてふんふんと思いながら読んでいました。
もう最初から惹かれちゃいましたよ。レンブラントの「ダナエ」普通に絵を見ても綺麗な絵だなと思うんですけど、その絵の中にダナエの父親が神託を受けたらダナエの息子に将来殺されるといわれてダナエを監禁して、でもダナエは監禁されている場所の窓からゼウスが光として登場して結局子どもが出来るって言う神話がぎゅって詰まっているんですよ。1枚の絵で。その神話が分かると絵の見方も変わりますよね。ダナエの表情とか裸体とか射している光とか全てに意味がなされてくるんですよね。絵自体もとても素敵。絵を本で見れるということだけでも価値がある気がします。
ルーベンスの絵もフランダースの犬に登場する絵くらいしか知らなかったんですけど^^;何枚か見ることが出来ました。「ヴィーナスとアドニス」と「パエトンの墜落」か。この本凄くよかったんですけど、絵の索引とかあればもっと引きやすかったのになぁと思いました。ちょっと探すのに手間がかかるときがあり^^;私の引き方が悪いのか。
あとは文章の間に絵があるので最初か最後に載ってたら見やすかったのになぁとかちょっと小さいことを思いましたけど^^;それでも大満足でした。面白かったです。手元においておきたいかも・・・。

〈文芸春秋 2011.3〉H23.8.24読了

残酷な王と悲しみの王妃 中野京子5

残酷な王と悲しみの王妃残酷な王と悲しみの王妃
著者:中野 京子
集英社(2010-10-26)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

運命の支配か。宿命への挑戦か。アン・ブーリン、マルガリータ・テレサ、イワン雷帝etc.数百年の時を超え、王族たちの生々しい息遣いがここに甦る。『怖い絵』の著者がヨーロッパ王朝の光と影を辿る歴史読み物。

タイトルに惹かれて図書館で借りて読みました。
歴史は学生の時は苦手だったのですけど、歴史の本を読むのは好きです。覚えなきゃいけないっていう思いがないのが良いのかも^^;
この本で出てきた王妃達は、名前は聞いたことがあるけどどういう人かは分からないなぁと言う人ばかりでした。まあ、読んで完璧に分かったわけではないと思いますが。それでも歴史がとても分かりやすくて、読みやすかったです。面白かった。
出てくるのはこの方々なのですが。
メアリー・ステュアート(スコットランド女王)
マルガリータ・テレサ(スペイン王女→神聖ローマ皇后)
イワン4世(モスクワ大公・全ルーシのツァーリ)
ゾフィア・ドロテア(イギリス王ジョージ1世妃)
アン・ブーリン(イングランド王妃)
メアリー・スチュアートの性格が本当なら、最後に処刑されてしまうのも自業自得な部分もほんの少しは無きにしも非ずだと思うけど、それ以外は本当にひどいですよ。
外国も、昔の日本のように世継ぎを生まない女性は女じゃないみたいな感じな時代もあったんですね。
ハプスブルク家もちゃんとは知らなかったんですけど、近親相姦も良いところですね。そんな濃い血ばかりで子供を産むから長生きする健康な子供が生まれなかったのでは?と、今だったら誰しもが思うと思うのだけど。マルガリータ・テレサの母親はホント可哀相ですよ。結婚する予定だった男性が死に、その男性の父親と結婚する事になったとか。意味がわからない・・・。
イワン雷帝は、人ではないと思う。悪魔だ。癇癪が起きると相手が誰であろうと殺してしまう。後で後悔したって遅いのに。
ゾフィア・ドロテアがされた仕打ちは本当にひどい。そもそも結婚自体が間違ってる。結婚が決まったのに捨てられてその弟と結婚した女性が捨てた人の娘と自分の子どもを結婚させる事にいい顔をするはずがないのに、どうして分からないんだろう。夫も妻を人生の3分の2も幽閉させて自分は悠々自適に暮らしているとか、読んでいて腹が立ってしょうがなかったです。
アン・ブーリンもいわば略奪愛だけど、10年も王は言い寄って結婚したのに、男の子を産まなかったからって斬首とか、人の行為とは思えないですね。
こんなに女性が物のように扱われていた時代があったんですね。
読んでいて腹が立ちました。
でも、言い方に語弊があると思うけど、惹きこまれてあっという間に読みました。
歴史って面白いです。

〈集英社 2010.10〉H23.4.18読了
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苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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