苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

三木笙子

怪盗ロータス綺譚 グランドホテルの黄金消失 三木笙子5

怪盗ロータス綺譚
三木 笙子
東京創元社
2022-11-09


「怪盗になる」そう宣言した幼馴染みの蓮に仲間に引き入れられ、安西省吾は東京地方裁判所検事局を辞めてともに欧州に渡った。帰国後、二人はしばらく日本で静養するはずだったが……大人しくするという約束をはぐらかし、蓮は次々と不可思議な出来事を見つけてくる。その度に才知を見せる蓮を、省吾は複雑な胸中で見守っていた。彼の隣に立つのが、凡庸な自分でいいのか、と。〈帝都探偵絵図〉シリーズ、待望のスピンオフ連作集。

シリーズ最新作!待っていましたよ!…って前回読んだのが8年前だからもう怪盗ロータスが遥か忘却の彼方だったのですが、検事の安西は覚えていました。幼馴染にすっかり巻き込まれて、お堅い仕事も辞められてしまったのですね…。前読んだはずなのに(笑)
今回は帰国してのんびり過ごすつもりが、色々な出来事に巻き込まれていきましたね。っていうか自分から首を突っ込んで行ったの方が正しいかもしれない^^;
私は中でも駄菓子屋のお話が好きだったかな。
自由気ままな人たらしの蓮とそれに巻き込まれる安西のコンビがとても良かったです。
…で…高広と礼の物語はまだですか…待ってる…ずっと待ってるの…←

招かれざる客 三木笙子5



大正時代・帝都。歯科医の花守がある状況下で窃盗を疑われた時、現場を調査したのは不可思議な力を持つ美しい青年・白菊で……? 二人の出会いから始まる、謎めいた植物にまつわる探偵譚。

三木先生の描かれる美しい男性2人の物語が好きです(笑)
今回も植物が絡んでくる美しい男性2人の物語でした。…いや、4人かな…。
人の悪意を養分にする「異客」と呼ばれる寄生植物。その植物を枯らすことが出来る白菊。白菊のお陰で疑いが晴れた花守。2人が探偵と助手のような感じで^^帝都で巻き起こる不思議な事件を解き明かしていきます。心を開かない麗しい見目の白菊。でも花守と一緒にいることで少しずつ心を開いていきます。でも、ある事実によって白菊は花守を避け始める。避け方があからさまで読んでいるこっちは逆に可愛く感じるんですけど←花守に甘々な姉のあきも好き。可愛い。
こちらは4章からなる物語で連作短編のようなのですが、最後の事件に関しては犯人諸々意外だったな…。そう来るとは思わなかった…。
2人の今後も気になるなー。もっと読んでいたいなー。って、三木先生の本を読んでいるといつもそう思います。

<新書館 2022.1>2022.8.22読了

帝都千一夜 美男のシェヘラザード 三木笙子5



帝都・京橋区にある滝澤旅館の主人は、無口で無愛想な男、和恭。彼が時折、宿の中庭を眺めながら縁側でともに茶を飲むのは、しばらく前からこの宿に滞在している異国の青年サレハだ。
サレハは一年ほど前、遥か遠い砂漠の国から、主命により故郷の品を商うために帝都にやってきた。今は銀座の勧工場を借りて店を開き、故国の華麗な絨毯や優美な道具に囲まれて商売をしている。まるで人形のような美貌を持つサレハだが、意外にも人懐っこく話好きで、時間があれば故郷の風物や闇に沈む者たちの話を和恭に語って聞かせ、和恭も熱心に耳を傾けるのだった。
そんなふたりの周囲で、奇妙な出来事がたびたび起こり人々の心を惑わせる。人を若返らせる水差し、夜店の向こうにあるバザール、香りが消えた金木犀――山伏姿の警視総監・虚空に依頼され、サレハと和恭は、この地にやってきた異国の妖霊たちが関わっているらしき不思議な事件の謎を探ることに……。
人ならざるものを見る青年が帝都で語る、妖霊(ジン)たちの物語。

三木さんの書かれる男2人の物語が好きです。
そういえば異国の人と日本人という組み合わせも多いですね。
今回も舞台は日本で異国の青年サレハと旅館の主人和恭が巻き込まれる摩訶不思議な物語でした。
時代は明治か大正なのかな…。美男2人が厄介ごとに巻き込まれ解決していく。想像するだけでうっとりしてしまいます←きっと虚空様もイケオジに違いない(笑)
お話は連作短編集のようでした。ひとつひとつの物語に不思議な妖霊が絡んでいます。
特に金木犀のお話が好きだったな。以前著者さんの作品で金木犀が出てきたことがあったので尚更そう思ったのかも。あとは最後のお話が好き。ニヤニヤしちゃいます。

<小学館 2021.7>2021.12.9読了

月の王子 砂漠の少年 三木笙子5



美しき王子の華麗なる冒険ミステリー!
心優しき美貌の第二王子アリーと、深い洞察力を持つ「観察術使い」のサリフ。二人は無二の親友だった。
ある日、どんな願いでも叶えてくれるという呪術師の噂を耳にし、そのからくりを解こうと二人は呪術の現場に潜入するのだが・・・・・・!?
つぎつぎと謎の事件が起こり、次第に追いつめられていくアリーと、彼を守るために動くサリフ。
いったい誰が本当の味方で、誰が敵なのか。
そしてついに真の敵がその正体を現したその時、アリーとサリフに別れの時が訪れる――。
砂漠の都で、華麗にくり広げられる冒険ミステリー!

三木さん初の児童書作品だそうです。読みたいと思っていたのですが図書館に入らなかったので購入しました。イラストが綺麗ですね。
三木さんの作品は美しい青年が登場するのでそれだけで癒されます←
心優しき美貌のアリーは第二王子。本人は王座など狙っていないにもかかわらず第一王子派の家臣などに監視されるような日々を送っています。
そんなアリーの支えは観察術使いのサリフ。2人は幼馴染でしたが身分の違いにより会うことを禁じられていて、それでも何かと理由をつけてアリーはサリフに会いに行きます。
そんな2人が遭遇する数々の事件。2人は真相を探っていきます。
この感じは三木作品ならではですよね。
人の事ばかり考える心優しきアリーと、そんなアリーを心配して身を挺して守ろうとするサリフ。あー…たまりませんね!←
アリーに危機が迫った時、やっぱり助けに来てくれたのはサリフで、2人の関係はどうなっていくのだろうとドキドキしながら読んでいました。
アリーに罪をかぶせた犯人は私も何となく予想が出来ましたが、追い詰めていく過程と真相はなるほどと思いました。
そして冷酷でアリーを嫌っていると悪い噂しか聞かなかった第一王子。その存在もきっとそうだろうなという展開で、いい意味で予想通りだったのが良かったです。
砂漠の都の華麗な冒険ミステリーを堪能しました。

<小学館 2018.11>2019.9.22読了

赤レンガの御庭番 三木笙子5



将軍直属の情報機関「御庭番」を務めた家で育った探偵、入江明彦。米国帰りの彼は容姿端麗、頭脳明晰―しかし、完璧すぎるあまり、心を許せる友はいない。横濱に事務所を構え、助手の少年・文弥に世話を焼かれながら暮らしている。訳ありの美青年・ミツと出会った明彦は、犯罪コンサルタント組織『灯台』と対峙することになり―?異国情緒溢れる、明治浪漫ミステリー!

やっぱり三木さんの書かれる男性2人の物語はたまりません!
今回は2人のような3人のような感じでしたが^m^
4作からなる連作短編集でしたが、どの話にも「灯台」と呼ばれる組織が絡んできます。
容姿端麗な明彦はその容姿を武器に女性たちを虜にして仕事を得ていきます^m^
そしてそんな明彦を母親のように面倒を見ている文弥もとても魅力的です。真面目で一生懸命で、こちらもこちらで女性にモテモテです^^
そんな中2人が出会った美青年のミツ。出会い方も衝撃なら生業も衝撃です。
それでも2人はウマが合うようで互いの仕事に協力し合うようになります。
初めてできた友達(と明彦が一方的に思っている)に明彦は結構浮かれます^^行動が面白いです。
事件に関しても時代に沿っているし合っているし明治という時代と横濱という舞台にとても合っていました。
最後に「灯台」に関しての諸々が明らかになりますが、こちらは続編は無いのかな。またこの3人に逢いたいです。

<講談社 2019.2>2019.6.23読了

帝都一の下宿屋 三木笙子5

帝都一の下宿屋
三木 笙子
東京創元社
2018-08-30


銀座は南紺屋町にある下宿屋「静修館」。若き大家の梨木桃介は無類の世話好きだ。家事万端を見事にこなし美味しい食事を作ってくれる桃介の元を追い出されるわけにはいかぬと、小説家の仙道湧水は我侭を封印して生活している。ある日、湧水は馴染みの記者から粗悪品の醤油を売っている店があるという噂を聞きつける。それは桃介とも縁の深い店だった。桃介の曇った顔は見たくない。湧水は探偵のごとく真相解明に乗り出すのだが―。明治の下宿屋を舞台に贈る、心あたたまるミステリ。

あ〜…好きだ。好きです。
三木さんの書かれる男性2人!もうもうもうたまりません!しかも桃介って何だか聞いたことがあるなと思ったら!里見が住んでいる下宿じゃないか!と思ったら里見出てくるし!三木さんの作品の中でリンクがあってもうニヤニヤしながら読んじゃいましたよー。里見久しぶり!(落ち着け)
でも今回は里見はチョイ役でメインは同じ下宿屋に住む小説家の湧水。
とてもわがままな男なのに胃袋をガッツリ掴まれている桃介に関しては嫌われたくないと口調すら変えている。なんて、可愛いですね。
そしてなぜか湧水の元に厄介ごとが舞い込むようになり、探偵のようなことをやる羽目に。粗悪品の醤油を売っているお店のこと、豪邸で無くなった特許の書類の謎、良い物件なのになぜか入居者が決まらない空き家、そして妖怪白湯気。ストーリーも面白かったですし、真相も面白かったです。人間の嫌なところとか弱さに付け込むところとか、嫌なところもありましたけど。
わがままな湧水ですが、根は良い奴なんですよね。だからなんだかんだ言いつつも厄介ごとを解決しようとする。最後の白湯気なんてまさにそう。感動しました。桃介も湧水も良いですが物怖じしない坂口も良いですよね。なんだかんだ言って湧水も坂口の事を買っていることが最後の話で分かり、余韻を残して読み終えることが出来た気がします。

<東京創元社 2018.8>H31.1.22読了

月世界紳士録 三木笙子5

月世界紳士録 (集英社オレンジ文庫)月世界紳士録 (集英社オレンジ文庫)
著者:三木 笙子
集英社(2017-06-22)
販売元:Amazon.co.jp

宇宙技術振興推進株式会社―通称STeP。待宵澄雄の異動先は「竹取班」と呼ばれ、月にまつわる民話や伝承などを扱う部署だ。同僚は桂靖久という青年ひとり。その日、竹取班を訪れた宗像という男は、ある蒐集家から寄贈され保管中の古い洋燈『朧月夜』を譲ってくれと言った。『朧月夜』には、嘘をつくと火が消える、という謂われがあり?恋が醒める特殊素材ストール、月の女神が集う植物園など、月に憑かれた者たちの幻想譚。

現代のお話なのに何だかタイムスリップしたようなお話でした。
待宵と桂は月にまつわる面倒な物事の調査を行う仕事をしています。月にまつわると言っても本当に密なわけでもないものもあって^^;竹取班に配属されたばかりの待宵は戸惑います。さらに待宵のお人よしが災いして利用されたりもして…。それでもなんだかんだでもめ事を真摯に受け止め、真実を探ろうとする姿は同情すらしましたよね^m^
それでも段々いいコンビになってきていました。同僚の都留さんもミステリアスで素敵です。続編も期待します。
でも、帝都探偵絵図シリーズもずっとずっと待ってます…!

<集英社 2017.6>H30.9.30読了

露西亜の時間旅行者 クラーク巴里探偵録2 三木笙子5

露西亜の時間旅行者 クラーク巴里探偵録2 (幻冬舎文庫)露西亜の時間旅行者 クラーク巴里探偵録2 (幻冬舎文庫)
著者:三木 笙子
幻冬舎(2017-01-26)
販売元:Amazon.co.jp

弟を喪った晴彦はパリに戻り、曲芸一座の名番頭・孝介の下で再び働き始めた。頭脳明晰だが無愛想な孝介を得意の料理で支えながら、贔屓筋から持ち込まれた難問題―皇帝が愛したルビーの呪い、時間を旅する予言者の謎、百合の冠と宝の地図―の解決に乗り出す。次第に心を開いていく孝介だったが、ある事件を契機に晴彦を遠ざけるようになり。

続編ですー!わーまた孝介と晴彦に会えるとはー!
と言いつつ去年買っているのにもったいなくて読めないでいました。すみません。
3年振りにパリに戻って来たというのに着いたその足で孝介にお供することになった晴彦。
相変わらずのコンビです。萌えます←
今回の4つの謎も面白かったです。
そして3つ目の謎、表題作でもありますね。
この出来事によって孝介は晴彦を遠ざけるようになります。お互いに思っているからこそすれ違う感じ…あぁ〜!!もどかしい!たまらないですねぇ!(変態さん)
でもその謎が解決したことで2人は元の鞘に収まると言うかなんというか。
とにかくハッピーエンドになりました。あーよかった。
出来ればまだまだこのホームズとワトソンのようなコンビを見ていたいなと思います。
今回も面白かった!

<幻冬舎 2017.1>H30.9.18読了

水の都 黄金の国 三木笙子5

水の都 黄金の国水の都 黄金の国
著者:三木 笙子
講談社(2016-07-26)
販売元:Amazon.co.jp

海に浮かぶ街、ヴェネツィア。
この地で友を亡くし、同じ悲しみを知る君と出会った。
時は明治。日本語講師としてイタリアに赴任した誠次郎は、下宿先の料理店で働く美青年・ルカとともに、迷宮都市で起きる様々な怪事件にかかわることになって――?
水上都市で起きる難事件を、二人は“智慧”と“情”で解き明かす。
マルコ・ポーロのように東方で財を成した大富豪が、見初めた花売り娘を探す「黄金の国」
ゴンドラに乗った仮面姿の怪人が、金貨をばら撒くという「水の都の怪人」
“カサノヴァ”とあだ名された男が、魚雷の設計図を盗んで消える「錬金術師の夢」
“ガリレオの望遠鏡”を逆さにのぞいたせいで失踪した米国人を探す「新地動説」

三木さんの書かれる小説の世界観が大好きです。
少し昔でノスタルジックでちょっと耽美でそしてイケメン2人!!←
何だか書き方が下品ですみません^^;そんなお話じゃないのに。美しいお話なのに。
ということで新刊を楽しみにしていました。だったら買えよというお話ですが文庫になったらいつも買ってます←
今回の舞台はヴェネツィア。また素敵な場所ですね。行ったことはないですがラスベガスに行ったときに中がヴェネツィアなホテルに行った事ならあります^^;
亡き友の後を追うようにヴェネツィアにやってきた誠次郎。そこにはかつて亡き友清人を慕っていた人たちが集まっていた。
中でも下宿先の料理店で働くルカは誰よりも清人を慕い、尊敬していて、清人の死から抜け出せていないような気がしました。最初は期待外れだと思っていただろう誠次郎の事も少しずつ認めているような気もしました。
それでも、亡くなった人というのは美化されますからね…。仕方がないのかな。
勿論清人という人が素晴らしかったというのも読んでいてわかるのですが。
それでも、最後はルカが変われそうで良かったです。
エピローグも良かったです。答えは最初から出ていたんですね。

<講談社 2016.7>H28.11.9読了

怪盗の伴走者 三木笙子5

怪盗の伴走者 (ミステリ・フロンティア)怪盗の伴走者 (ミステリ・フロンティア)
著者:三木 笙子
東京創元社(2015-04-27)
販売元:Amazon.co.jp

高広と礼は、怪盗ロータスが起こした一連の窃盗事件の主任検事となっていた安西と再会する。ちょうどその折、ロータスが盗みに失敗したとの一報が舞い込んだ。稀代の怪盗らしからぬ椿事を訝しむ高広は、この件を調べ始める。実は、安西は今ロータスと敵対する立場にあるが、かつて何物にも囚われぬ自由な魂に惹かれ、並んで駆けた時代があった。決別した二人が再び相まみえたとき、検事の選択は―大怪盗の思惑が高広と礼を巻き込み帝都を騒がせる“帝都探偵絵図”シリーズ第四弾。

約4年ぶりの帝都探偵絵図シリーズ…長い!待った!待ちましたよ!!
待ってる間に文庫化された3冊は全部買っちゃいましたよ。今まで出ている三木作品全部読んじゃいましたよ。すっかり虜です。
そして今作。このシリーズは一言で言うと「美しい」です。文章も出てくる人たちも雰囲気も美しい。読んでいる間も読んだ後の余韻もたまりません。
でもですね…読んだのがいかんせん4年前なのでロータスとはなんぞや?レベルで^^;
安西検事に至ってはもう全くわからず…もったいない。
それでもドキドキしたりぽおっとしながら読み進めました。
第一話の「伴走者」と第二話の「反魂蝶」はロータスと安西の過去の物語でした。2人の10代の頃が初々しく描かれています。安西の境遇が最初は切なかったですね。身動きが取れるようになって良かった。でも蓮の方はもう本当に小さな時から能力が備わっていたんですね。それを蓮と一緒にいることが楽しいと感じていた安西も徐々に分かっていきます。それで離れようとしたけど、蓮は一緒にいたいと思った。
「君なら僕と同じ速さで走ることが出来る」と思った相手だから。
だからと言って蓮が安西にしたことは私は正しいとは思いません。高広と同じ気持ちです。これからどうなってしまうんでしょうか…。
今回は怪盗ロータスの話が主で高広と礼の絡みが少なめだったのが残念〜。2人の耽美な感じに萌えたかったのに←本音が
次回も楽しみです。次はもうちょっと早めにお願いします…^^;

<東京創元社 2015.4>H27.10.20読了

クラーク巴里探偵録 三木笙子5

クラーク巴里探偵録 (幻冬舎文庫)クラーク巴里探偵録 (幻冬舎文庫)
著者:三木 笙子
幻冬舎(2014-02-06)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
ヨーロッパを巡業中の曲芸那須一座で、敏腕の番頭として名高い片桐孝介と料理上手の新入り山中晴彦。裕福な贔屓客から頼まれ、ストーカー退治や盗難事件の解決など厄介事の始末に奔走する日々を送っていた。華やかなパリで生きる人々の心の謎を解き明かすうちに、二人は危険な計画に巻きこまれていく。人の温もりと儚さがラストを彩る連作短編ミステリ。

三木さんの作品は文庫が出たら必ず買うようにしています。
この作品は文庫の書下ろしです。読んでよかった…本当によかったです。
孝介と晴彦の関係性がとても好きです。信頼し合っていて温かい。だけど…っていう展開です^^
1つ目の物語、ポルダーガイストの謎はなるほどと思いましたがそれよりも煙突掃除と肺結核というのが「ロミオの青い空」を思い出してたまりませんでした〜。懐かしいです。そういえば時代も場所も似ていますよね。
2つ目の物語は下宿の未亡人が怪しい男に付きまとわれているという謎。これは想像つかないラストでした。孝介が全然関係ないところを調べていたのでどうなるのかと思ったら。ちゃんと考えたうえでの追跡だったんですね。
3つ目は富くじが盗まれた話。この事件も面白かったですがそれよりもここら辺から晴彦が何かを隠していることに読んでいて気付いていきます。そして4話で真相が明らかになります。
晴彦は孝介が晴彦を思っているように孝介のことを考えていて、だからこそ辛くてたまらなかったと思います。何よりも孝介を裏切ることが辛かったんだろうな。
それでもそのあとの2人の展開がもうよすぎて…予想はしていましたけどここまで素敵だとは…。
色々ありましたけど、これで晴彦の未来は白紙になりました。
2人の関係性と未来がキラキラ輝いたものになります様に。そう願って読み終えました。
もう素敵すぎます。読むことが出来て幸せでした。

〈幻冬舎 2014.2〉H26.4.3読了

決壊石奇譚 百年の記憶 三木笙子5

決壊石奇譚 百年の記憶決壊石奇譚 百年の記憶
著者:三木 笙子
講談社(2013-05-23)
販売元:Amazon.co.jp

同級生の大地に誘われて地学部に入部した、高校一年生の徹。鉱石の話になると途端に饒舌になる彼と過ごすうちに、徹は大地が持つ不思議な「力」を知ることに。特定の石に触れると、前の所有者の記憶を読むことができるのだ。大地は、同じ力の持ち主である祖父・伝から記憶を受け継ぎ、昔、祖父が親友と交わした、当てのない約束を守り続けていた。話を聞いた徹は、大地を約束から解放したいと願い、ある決意をする―。水晶、瑪瑙、琥珀、翡翠…、鉱物が照らし出す真実とは。

良いなぁ。良いなぁ。三木さんの作品は小説が好きでよかったって思わせてくれます。幸せな気持ちで読めます。何でしょうね。内容もなんですけど、三木さんの小説って文章がとても綺麗なんです。だから読んでいて嬉しくなる。雰囲気も私にはたまりません^m^
作家さんも違いますし、内容も全然違うんですけど、徹と大地の関係が瀬名垣と真志喜みたいな感じがしてきゅんきゅんしちゃいました^m^「月魚」が好きな人は絶対この作品も好きになると思います。たぶん。
三木さんがテーマとして挙げられるものがいつも興味深くてそれも好きです。今回は石ですか。石がテーマも幻想的ですし、内容が百年以上抱えている想いなわけですよ。たまらないです。良治と伝、航と賢一、そして徹と大地。それぞれの関係性が良かったです。
でも、私は最初から、恨んでなんかいないと思いましたよ。深い深い信頼を持った2人なんですから、そう簡単に絆は消えません。
だからドキドキしましたけど、最後はその百年にわたる想いがちゃんと終えられそうで良かったです。ここでおわりかよ!もっと読ませろ!とも思いましたけど^m^

〈講談社 2013.5〉H25.9.25読了

竜の雨降る探偵社 三木笙子5

竜の雨降る探偵社竜の雨降る探偵社
著者:三木 笙子
PHP研究所(2013-02-22)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
「探偵というのは、品のない商売だね。人が隠したがっていることをわざわざ暴き立てるんだから」
昭和30年代の新宿、珈琲店の二階に住む美しき青年・水上櫂が開いたその探偵社は、「雨の日だけ営業する」そう噂されていた―。
「第一話 竜の雨降る探偵社」
大家で幼馴染の和田慎吾が「最近、自分の店子の会社で、郵便物の間違いが多くて、応対する受付の女性が困っている」と訪れる。その会社の受付をしていた女性が行方不明になる。
「第二話 沈橙池のほとり」
浄水場で一人の女性が飛び降りて亡くなった。その友人が女性の亡くなった場所へ毎日訪れていた。
「第三話 好条件の求人」
探偵社の下にある珈琲店のマスターが愛してやまない絵師の絵を手に入れるために、櫂と慎吾は早稲田大学の学生達が巻き込まれたとある謎を解くことに。
「第四話 月下の氷湖」
慎吾は歳の離れた兄誠吾がいる。慎吾は幼いころに冬の湖でおぼれたことがある。救ってくれたのは楠木という地質学の研究者だったが、朦朧とする意識の中で慎吾は兄を見つけていた。しかし兄は自分には目をくれず立ち去った。その出来事が2人の間に壁を作っていた。

好きだ…好きです。この方が書かれる世界観が大好きです。
男性二人の耽美な感じが良いですー…時代は昭和30年代。ちょっとレトロな感じも良いですー。
慎吾と櫂の信頼と絆はとてもとても深いのに、2人の間には故郷の干拓のために大きな壁がある。近づきたいのに近づけない。傍にいるのに遠い。
良いよねっ。こういう感じ!←テンションがおかしい。
このもどかしい感じ。三浦しをんさんの「月魚」を思い出しちゃいました。太一と真志喜もこんな感じだったなぁ。
きゅんきゅんしますー。
第四話でついにその均衡が破られるんですけど意外な返しでドキドキしてほっとして。
良かった。2人はこのまま変わらず一緒にいられるんだね。ってほっこりしてよみおえようとしたらのラスト数ページでのまさかの展開に驚愕。
いきなりファンタジーになっちゃったからびっくりしました。
でも私はこの展開が好きです。
最後まで読むと、一番初めの詩のような文章が誰の想いなのかが分かります。
伏線も色々張られていたことが分かってもう…たまりません。
各章の謎解きも面白かったです。私は鈍いし特に自分で謎解きをしようとしないので←
どれもなるほどと思って読みました。
そして何よりリンクです!
第三話で有村礼が登場します。登場といっても名前が出てくるだけで本人は出てこないのですが。でも70歳でも綺麗ってどういう事だろう。気になります。さらに名前が出てきて喜んでいたらマスターが欲しがっている絵のタイトルが「別れの雨」…上がっていたテンションが途端に下がりました。というか不安になりました。あの二人はどうなってしまうのでしょう。こちらの続編も早く出てほしいなと思います。
何よりも小説全体の雰囲気が好きでした。櫂と慎吾の関係性が好きでした。
読み終えた後にしばらく余韻に浸って現実逃避していたくらい。
三木さんの描かれる作品が大好きです。新刊も予約中なので楽しみです。

〈PHP研究所 2013.2〉H25.7.31読了

金木犀二十四区 三木笙子5

金木犀二十四区金木犀二十四区
著者:三木 笙子
角川書店(角川グループパブリッシング)(2012-09-01)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
樹齢千二百年の金木犀が見守る昔懐かしい街。そこで起こる怪異とは―?かつての大君が愛した花の都の端にひっそりと存在する一帯、“金木犀二十四区”。ここで祖母の初と和花屋を営む木下秋のもとに山伏・佐々木岳史と天文台職員・堀田敦志がやってきた。街に異変をもたらす隕石を回収しにきたという岳史たちに秋は半信半疑ながら協力しはじめる。だがその矢先「森林化」という怪現象が起こり、脅威が街を襲い始める…。

好きだ…好きです。三木さんの書かれる作品の雰囲気が本当に好きです。三木さんの出されている本は全て読んでいます。そして今回は〈帝都探偵絵図〉シリーズ以外の作品。このシリーズが大好きなので、違う作品だとどんな感じなのかなと楽しみにしていました。そしてやっぱり、この人の書かれる作品は好きだなぁーと思いました。
数日前に金木犀二十四区内に隕石が落下し、その後とある家庭で「森林化」が起きた。それは、隕石が落下した時に現れるという天狗のせいなのか。そしてその天狗とはどういう者なのか。事件自体は割と早目に解決するのですが、後半意外な展開を見せていきます。
舞台の和花屋という存在も素敵だし、山伏や天文台職員というのも素敵です。
そして〈帝都探偵絵図〉シリーズもそうなんですけど、少し耽美っぽい感じが好きです。腐女子にはたまりませんー。
唐突な出会いから、2週間くらいの出来事なんですけど、この3人が徐々に信頼関係を結んでいく姿が読んでいて好きでした。
秋はただ住まいを提供しているだけの存在だったのに、突然騒ぎの中心となって巻き込まれることになります。それからの3人のそれぞれの想いの交錯具合がもどかしくてたまらなかったです。
特に秋と岳史の信頼関係は互いの境遇を話せるまでになっていたのに、ある疑惑によって岳史が呼び捨てから「秋さん」と呼ぶようになったのが読んでいるこちらまで悲しくなりました。
秋の境遇も、岳史の境遇も、大人のワガママに翻弄されていて読んでいて腹ただしかったです。それでも、2人は真っ当に育って成長して誇りを持てる仕事を見つけて、逞しいなと思いました。
初の存在も大きかったです。初の作る料理がとても美味しそうでしたし、きっと見た目はおばあちゃんなんだろうけど、言動が少女のようでとても可愛らしかったです。そしてどこまで真相を知っているか分からないけれど、最後の初の何気ない言葉に驚かされました。
金木犀二十四区という言葉が素敵で、またその区域も本当に素敵な場所なんだろうなと読んでいても感じました。秋にも初にも、この場所でずっと穏やかに生活していってほしいなと思いました。
装丁もとても素敵。図書館で借りたけど、買おうか考え中です。〈帝都探偵絵図〉シリーズも然りなのですが。

〈角川書店 2012.9〉H24.10.2読了

人形遣いの影盗み 三木笙子5

人形遣いの影盗み (ミステリ・フロンティア)人形遣いの影盗み (ミステリ・フロンティア)
著者:三木 笙子
東京創元社(2011-02-11)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
「びいどろ池の月」新橋の御茶屋「びいどろ」の女中が行方不明になった。芸者の花竜は「びいどろ」のお座敷へ行く事もあった。花竜は学校へも通っている。そこで圭子という友人がいた。圭子は「急に近づいてきた人の言う事を聞いてはダメ」と苦言を呈する。花竜は最近、港という男性からやたらとプレゼントを貰うようになっていた。そしてもう1人、人気絵師の有村礼が探るような質問を投げかけてくるのだ。
「恐怖の下宿屋」最近、高広の住む下宿近辺で空き巣が多発しているらしい。平日の昼間、礼は高広の下宿へやってきた。そこには先客がおり、生命保険の営業の竹下と言う男が来ていた。さらにお腹を空かせた愛川と言う男もやってくる。飯を食べた代わりとして、3人は掃除を行う事になる。
「永遠の休暇」徳川家康の子の系譜を引く家柄の松平伯爵の妹雛が調べてほしいことがあるのだという。それは、9年前に行方知れずになった兄顕芳の行方を捜してほしいのだと言う。現在伯爵であり次男の顕昌が島流しをしたのだと訴える。しかし、聴く人によって顕芳と顕昌の人柄や2人の関係が異なる。一体どういうことなのか。高広は月に1度顕昌が訪れると言う寺を探し出し、行ってみることに。
「妙なる調べ奏でよ」同業他社の佐野が妙な事を行ってきた。犯罪まがいの横流しが行われている店に礼が入るのを見たのだという。高広は佐野が知っていることを全て聞き出し、調査に乗り出す。
「人形遣いの影盗み」代議士夫人の影が盗まれた!? にわかには信じがたい事件の調査を義母より依頼され、しぶしぶ乗り出すことになった高広。芝居好きが高じて邸内に個人劇場まで建ててしまうほどの好事家の屋敷で、その事件は起きていた。ありえない事件、ワヤンと呼ばれる幻惑的な影絵芝居、そして怪盗ロータスの気配……。なぜ、どうやって影は消されたのか。

返す日順に読んでるからまだかかると言っておきながら、我慢できずに読んでしまいました^^;このシリーズ、〈帝都探偵絵図〉シリーズって言われてるんですね。的を得ているような得てないような。あんまり言葉でまとめないでほしいなぁと思うのですが。って言っといて著者さんの意向だったらすみません^^;
相変わらず良いですねぇ。高広と礼の関係がどんどん深くて信頼できるものになっていってる気がします。いや〜ん。素敵ですぅ^^
礼は人に対して堂々としていて寡黙そうに見えるんですけど、本当に高広を名探偵と信じてるんですね。高広が探偵としてバカにされているときのあの興奮ぶり!子どもみたいですね。可愛くてしょうがないです。
第3弾はスピンオフではなくて、オリジナル?な感じでした。
どの作品も本当に良いです。事件?出来事?の真相もなるほどと頷けましたし。
「恐怖の下宿屋」がとても好きでした。数度登場したことがありますが、高広の下宿先の大家、桃介が世話焼きでとってもいい人。そこの下宿へ行くと自首したくなると言う理由が分かります。人の褒め方や叱り方が上手いんですよね。そして料理もとっても美味しそうです^^ちゃんとおばあちゃんの意志を継いでいるんですね。そして礼の事を冷静に見れる数少ない1人だから、高広が大変だと言う事を礼にちゃんとやんわりといってくれる。まぁ、本人は分かっていない見たいだけど^^;
「妙なる調べ奏でよ」の高広の焦りっぷりが可愛いです。絵も勿論ですが、本当に礼が大事なんですよねぇ。勿論友人として。佐野に何を言われても奢りまくって情報を得ようとしてるのがかっこよかったです^^
そして表題作。
2人は何ですか、恋人ですか!?影絵人形をモチーフとした絵を見て高広が「美しいね」と言い、礼が「僕がか、絵がか」と聴き、「どちらも」って!
いやいやいや、その会話、何かがおかしいです・・・。
「大丈夫、落ち着いて。俺がいる。」とか。女性に言う台詞でしょ!あぁ・・・いわれてみたい・・・。
・・・すみません、取り乱しました^^;
内容もとても面白かったです。怪盗ロータスも登場しましたし。でも、ロータスの正体がなんだか気になりますね。ロータス目線の物語とか出来ないかなぁ^^
ロータスが高広を挑発した時に礼が挑発に乗る乗る。高広は憧れの礼にそこまで言われて、嬉しいだろうけど複雑だろうなぁ^^;
このシリーズはずっと続いていってくれるんでしょうか・・・
もっとずっと高広と礼に会っていたいなぁ。
文庫本が出たら、絶対に買おうと思います!(文庫かい!)

〈東京創元社 2011.2〉H23.4.16読了

世界記憶コンクール 三木笙子5

世界記憶コンクール (ミステリ・フロンティア)世界記憶コンクール (ミステリ・フロンティア)
著者:三木 笙子
東京創元社(2009-12-11)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

オススメ!
「世界記憶コンクール」
里見高広は兎屋という質屋へ言っており、主人と主人の息子博一と顔見知りになっていた。通うようになって噂が耳に入ってくるようになったのだが、2人は血が繋がっていないらしい。だからか、2人がギクシャクしているようにも見えた。ある日、博一が高広に「記憶で世界一を決めるコンクールはあるか?」とたずねてくる。博一の父がその広告を博一に見せたようで、博一は父が自分を邪魔だと思っているのではないかと考える。
「氷のような女」
里見基博が政治家となるために勉学と地道な活動に勤しんでいた頃の事、巷では悪水氷が出回っていると噂されていた。あるとき、ぬかるみに車輪を取られてひっくり返りそうになっている人力車を助けたところ、お礼にと家に招かれた。その人の名は相模清右衛門といった。よし乃という少女が世話人として常に側にいた。清右衛門はかわいそうな身の上のよし乃に良縁がないかと、氷検査で民間の嘱託医として勤務している和仁という人物を気にしているようだった。
「黄金の日々」
森恵は18となり、美術の専門学校へ通うようになった。仲の良い友達とはいえないが気になっている同級生がいる。唐澤幸生という名だが混血で外国人のような風貌をしている。彼の養父は唐澤清山と言う有名な陶工だった。彼はもう他界しているが、200年前に断絶している久尻焼のうわ薬の製造方法を研究していたようで、ひとり暮らしとなった幸生の元へたくさんの人が訪れているらしい。
「生人形の涙」
高広は英国からやってくるアーリントン卿を張って待っていた。なかなか訪れずアテがはずれたかと思っていると、近くで怒号が聞こえる。その場へ行くと商人と英国人がなにやらもめていた。英語を話す事ができる高広がその場を沈めると、その英国人―アーリントン卿が助けてくれたお礼にと高広にかつて自分が経験し、謎が解けないままでいる出来事を話し始めた。

ネタバレあります。

面白かったです〜!!
前作に増して面白かったです!それはきっと、高広の父基博の馴れ初めや高広と礼の出会いが書かれていたからだと思うけど。何だかニヤニヤが止まりませんでした。
面白いです。このシリーズ大好きです、高広と礼が好きです〜!
と、失礼しました。取り乱しました。
時系列が微妙にずれていてはじめは「え?え?」と思うときもあったのですが、読み薦めていくうちに納得できました。
はじめの「世界記憶コンクール」これは絶対に何か裏があるなと思いましたが、まさか身内で身内の首を絞めるような事をするとは。
父の経営のために生まれた息子。自分は家業を継ぐという事は分かっているのだけど、それでも自分のやりたいことをしたいという想いはあったって良いと思う。どんな時代でも。でも、その想いを根底から否定するように仕向けた父親は最低だと思う。犯人だけを責める事は出来ないなと思った。
「氷のような女」は可愛らしいじゃないですか^^いまや泣く子も黙る司法大臣の里見基博が政治家になる前の話。ついでになれ初め話。とても可愛らしかったです。
窮地に追いやられないと自分の気持ちに気付かないなんて、鈍いですね。でも、とても男らしくて素敵でした。最後に義理の息子の高広に昔話を言って、うじうじしているのに本人の奥さんにいえない姿もまた可愛らしかったです。基博の信念は、政治化になる前からすでに持っていて、決して揺らぐ事のないものだったんですね。カッコイイです。
「黄金の日々」ではちょっと成長した恵が登場。前作で出た時は微妙に人間不信でどうなっても良いやっていう自暴自棄な感じもあったけど、大人になりましたね^^と、エラソウに。友達である幸生を守ろうとするところはとてもかっこよかったです。そして、幸生の素直すぎる性格からいじめをしている側に言った言葉。素晴らしかったと思います。先生が学校の先生にならないかと言ったのが分かりますよね。
出来事の締めもまた素敵です。恵も幸生も、これからの学校生活はきっと大丈夫だなと思いました^^
「生人形の涙」は高広が出てくるのだけど微妙に違和感。有村礼と友人になる前の話なんですね。この生人形の謎も面白そうだと思ったらなにやら高広と礼の出会いまで読めるんじゃ・・・と段々興奮してきました^m^いや〜こちらも面白かったです。にしても、事件の犯人のまあせこい事。日本でもあんな醜い争いがあるのでしょうか。あったらがっかりですね。この件は基博も関わっているけど、礼ははじめは基博の息子だって知らなかったよなぁ・・・どうやって会うんだろう・・・と思っていたら、そういうことですか^m^こういう出会いだったんですね。
礼ってば可愛い!本当にホームズきっかけだったんですね。
あ〜面白かったです〜。第3弾も手元にあるんです。本を返す日順に読んでいるのですぐには読めませんが^^;読みますとも!今から楽しみです。ふふふ。

〈東京創元社 2009.12〉H23.4.13読了

人魚は空に還る 三木笙子5

人魚は空に還る (ミステリ・フロンティア)人魚は空に還る (ミステリ・フロンティア)
著者:三木 笙子
東京創元社(2008-08)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

オススメ!
心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語。明治の世に生きるふたりの青年の交流をあたたかに描いた、新鋭の人情味あふれるデビュー作品集。
「点灯人」里見高広の勤務する至楽社に1人の女の子がやってきた。兄が行方不明になっているので、広告を出してほしいと言う。人探しを始めた里見だったが、一向に手がかりはつかめない。そこで、ずっと頼らずにいた天才絵師有村礼を尋ねることにした。
「真珠生成」宝石店美妃で1番の真珠プリンセスグレイス3粒が盗まれた。そして見つけたものには1粒につき百円を渡すとまで言っている。どうやら盗難にあったときに、大物のお客が来ていたらしいのだが。
「人魚は空に還る」越後出身の「蝋燭座」と言う一座が話題になっている。同業者は田舎から来た一座を始めは冷たい眼で見ていたが、一座が親方以外は仮面をつけていることと、人魚を見世物にしていることで人は注目を浴びていた。かつて礼が仕事でであった花遊鞠子という成金の妻が人魚を買うといったのだという。
「怪盗ロータス」今、巷では怪盗ロータスという泥棒が話題となっている。盗んだ場所に必ず蓮の木彫りを置いていく事からそう呼ばれていた。豪邸に住む大黒という男のところへロータスから手紙が来たのだという。今回はそこから何かを盗むらしい。

好きだ!この作品好きだ!
何だか雰囲気がとても好きでした。時代も明治の中期?後期?あたりなのがまたちょっと時代を感じて良いです。
主となる2人もとても良いです^^
超美形だけど性格がきつめな礼と、心優しいまっすぐな里見。
2人のコンビが帝都内で起きた事件を解決していくのが良いです。
マイペースで里見をホームズ、自分をワトソンの役割だと思い込んでいる礼が良いですね。ホームズに関することでは目をキラキラさせるのが可愛いです。
2人もいいのですが、周りを固める登場人物もまた個性的で好きです。
里見の上司である編集長(海坊主)や佐野、養父の里見基博もいい味出してます。
そして、主要の人物ではないのですが高広のお姉さんの聡子や「点灯人」に出てきた桜、「真珠生成」に出てきた珠子など女性が自分の意思を持っていてとてもかっこよく、頼もしく見えました。女性がかっこいいっていうのがまた良かったです^^
どの事件の内容も真相も興味深くて、また私は全然想像がつかない展開でした。
2人の何だか素敵な雰囲気が「月魚」を思い出してちょっとドキドキ。
でも、私の勝手な思い込みです。お気になさらず。
そう思ってしまうのは、礼の描写がとても面白かったからです。
例えば「礼が美しい眉をひそめた」とか「描く絵よりさらに美しいと言われている美貌で礼が微笑む」とか。礼の行動に何かしら前置きがつくんですよね^^;
それだけの顔を持っている礼を見てみたいです・・・。
このシリーズは第3弾まで出ているようなので、読み進めていこうと思います。
あー面白かった^^

〈東京創元社 2008.8〉H23.3.31読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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