苗坊の徒然日記

読書とV6とSnowManをこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

加藤千恵

私に似ていない彼女 加藤千恵4

私に似ていない彼女
加藤 千恵
ポプラ社
2019-11-13


決別した母と十数年ぶりに顔をあわせた娘、友情は永遠に続くと思っていたあたしたち、仲が良いわけではなかった昔の同僚、憧れで大好きな叔母、見えない鎖に縛られた姉妹--。近すぎるから疎ましい。近づきたくてもどかしい。見て見ぬふりをして、傷つかないふりをして、心の片隅に押し込めていた感情が溢れ出す、様々な「女二人」の繊細な距離感を鋭く切り取った傑作短編集。

家族であったり親友であったり、似ているように思うけどそれでも他人だから似ていない。
そんな女二人にまつわる短編集。細かい描写がとてもリアルに感じるけど、共感できない女性たち。でも、共感できないのは当たり前なんだなと思いました。だって他人だから。
どこまでの距離感で相手と関わればいいのか、危うい微妙な関係が多かったですね。
印象的だったのは優秀な姉と反面教師の様に両親の希望通りに成長していった妹の話。合わなそうな姉妹なのにどうして2人は一緒に暮らしているのかと思ったらとんでもない爆弾が潜んでいて衝撃だった・・・。そして最後の作品。夢のために家を飛び出した娘と母親。祖母の死を機に再会する。母娘も距離が近い分素直になれない典型的な2人だなと思いました。

<ポプラ社 2019.11>2019.12.11読了

そして旅にいる 加藤千恵5

そして旅にいる
加藤 千恵
幻冬舎
2019-01-10


恋愛小説の名手が描く、初の旅小説。友人の結婚を祝いに出かけたハワイで気づかされたこと、失恋を慰めてくれた香港の喧噪と担担麺、密かな思いを打ち明けると決めていた伊豆への旅、婚約破棄の姉との奇妙な里帰りなど、「旅」をテーマに、主人公たちの揺れ動く気持ちを絶妙に描いた連作短編集。

「旅」をテーマに書かれた短編集です。場所は北海道、大阪、伊豆、千葉、香港、ハワイ、ニュージーランド、ミャンマー。国内と海外と多岐にわたっています。
私は旅が好きですが国内だし一人旅が多いのでこういう旅も良いなーと思いながら読んでました。
地元北海道がテーマのお話は面白かったけど短かったな。著者の加藤さんも北海道生まれですよね。短編の中に入っていて嬉しかったです。
特に印象深かったのは『パノラマパーク パノラマガール』かな。高校卒業を迎え離れ離れになる親友2人の旅。ディズニーランドや京都に行きたいと行ったのにゆずらなかった伊豆。途中で理由は分かってしまったけど切なくて優しいお話でした。『さかさまの星』も叶わぬ恋というところでは似たような感じかな。
最後の『優しい国』は国自体が気になりました。ミャンマーの国の人は本当にそんなに優しいのか、気になる…
国内では行きたいところがたくさんあるけど、海外はどうしても言葉の壁があって尻込みしてしまいます。でも、この作品を読んで、海外にも目を向けて旅をしてみたいなとも思いました。
10年パスポート作ったけど、アメリカに1度行ったきりであと3年くらいで切れる気がするなー…

<幻冬舎 2019.1>2019.4.3読了

消えていく日に 加藤千恵

消えていく日に (文芸書)消えていく日に (文芸書)
著者:加藤 千恵
徳間書店(2018-06-21)
販売元:Amazon.co.jp

ハマグリ、茄子、ミョウガ、トマト、そうめん、材料を買い込み冷蔵庫に詰める。そうか、今日は七夕だ――(「安全じゃない場所」)。誕生日に大好きなバンドのライブ、そのチケットは彼がプレゼントしてくれて。あのときは、こんな誕生日がくるなんて思いもしなかった――(「ハグルマ」)。クリスマス、卒業式、お正月……ひとりぼっちの記念日も悪くない、かも。短編の名手が贈る、切なくてままならない心情を鮮やかに掬いとる作品集。

一日一日を一生懸命生きる女性たちのそれぞれの物語。
「夏の飛びこみ」「安全じゃない場所」「エアポケット」「赤いプレゼント」「返信を待たない」「消えていくものたち」「ハグルマ」「二十七歳」「新しい干支」の9篇収録。
加藤さんの書かれる文章がとても好きです。
様々な理由で独りぼっちで過ごす女性たち。
彼氏や夫との別れ、家族との別れ、現世との別れ。色んなものがありましたけど、それでもみんな最後には前を向いていました。
私も前を向いていかなくちゃと思わせてくれた作品でした。

<徳間書店 2018.6>H30.7.17読了

ラジオラジオラジオ! 加藤千恵3

ラジオラジオラジオ!ラジオラジオラジオ!
著者:加藤千恵
河出書房新社(2016-06-21)
販売元:Amazon.co.jp

カナはバイトで買ったパソコンでインターネットをするのが一番の楽しみの、地方都市に住む高校三年生。一刻も早く退屈なここを出て、東京の大学に行って、将来はテレビ局で働きたいと思っている。
「東京はここよりも、インターネットの中の世界に近い気がする。早く本物の場所に行きたい。」
ある日、カナは 地元ラジオ局のパーソナリティー募集をフリーペーパーの広告で見つける。以前から声が好きだった友達のトモを誘って面接を受けたところ、ラジオのパーソナリティーとして、週に一回、「ラジオラジオラジオ! 」という番組を持つことになる。 だが進路決定が近づくにつれて、二人の未来への夢は次第にすれ違い始めて……せつなさ120%の青春小説。加藤千恵の新境地!

2001年が舞台で主人公が高3ということは、著者さん自身の年齢と重ね合わせているんだなぁとまず思いました。著者さんとはほぼ同世代なので。
出てくる言葉や出来事が、私もちょうど高校生の時に感じていたことだったなぁと懐かしく感じました。
主人公のカナが現状から抜け出して東京へ行きたいというのもわかるけど、ちょっと独りよがりというか、自分のことしか見えてない部分はあるかなと思いました。まあ、このころの年代なんてそんなもんだと思いますけどね。カナが友人を励まそうとした行為はやっぱりちょっとやっちゃいけなかったことですよね。でも相手が全然悪くないかというとそういうわけでもないと思うけど…。人の彼氏の話なんか、ちょっと聞いたらあとは別に興味ないから←
諸々に気づいて前に踏み出せてよかったのかなと思いましたけども。
余談ですが小説の中にびっくりドンキーが出てきて、そういえば著者さんは北海道出身だったなぁと思いました。北海道民は普通に受け入れるけどそれ以外の地域にあんまりないですよね^^;小さいころはよく家族で行ってましたけどね。メリーゴーランドが美味しいんですよ(わかる人はわかってくれる)
「青と赤の物語」は全く違うテイストでしたが、素敵な物語でした。

<河出書房新社 2016.6>H28.7.27読了

アンバランス 加藤千恵5

アンバランスアンバランス
著者:加藤 千恵
文藝春秋(2016-03-19)
販売元:Amazon.co.jp

日奈子に突然つきつけられた夫の不倫写真。しかし、夫は性的不能のはずだった。夫の衝撃的な告白で崩れていく幸せな生活。そして、日奈子が気付いた自分の本当の気持ちとは…やるせない心情を繊細に、生々しく描き出す長編小説。

本当に生々しい話だった・・・。でも読む手は止まらなくて、あっという間に読んでしまいました。
この本を読んで再確認したんですけど、日本人って基本的に自分の思っていることをちゃんと素直に伝えない人が多いですよね。私も含め。更に大事なことになればなるほど話さないですよね。言わないのが美学的なところがありますよね。
それは夫婦でも親子でも。自分もそうだったからそれがダメだと言うわけではないけど、でもやっぱり言わないと伝わらないんだということを再認識しました。分かってくれなくても、相手を困らせたり怒らせたりするかもしれないけど、それでも自分の気持ちを伝えなければいけない時は伝えないとダメなんだと感じました。言わなくても分かってくれるなんてことはないんだもの。相手は自分じゃないんだから。
夫が隠していた秘密。それを知って思い悩む日奈子。
いつか…いつかきっとと思い続けて叶わなかった10年。10年なんて長すぎます。子供が欲しいなんて、本当に早く言わないと。言い方が悪いけどリミットがあるんだから。
だからと言って日奈子の親のように子供はまだなのか、病院に行くことも考えたらどうだとあからさまに言うのもどうかなーと思うけど。結婚して10年経ってる娘に言うのはどうなのかなぁ。
結婚していなかったら結婚はまだかと言われ、結婚をすれば子供はまだかと言われ、一人産んだら二人目は?と言われ。二人産んだくらいからですかね、何も言われなくなるのは。あーホントめんどくさいっすねぇ。生きてるって←
私は正直結婚願望もないし子供も欲しいとも思ったことがないから、日奈子の気持ちが分かるなんて言う権利はないんですけど、でも分かる部分もあって。そりゃ結婚したら子供が欲しいと思うよね。セックスしたいと思うよね。子供がいる友人を見て、自分の方が先に結婚していたのになんて思っちゃうのも分かるし、自分よりもかなりの年上で見た目が悪い人と関係を持っていたなんてわかったら悔しいのも凄く凄く分かる。
最後の最後はよく言ったと思いましたよね。
もっと早くに気づいて早く言っていればよかったのかもしれないけど、でも遅すぎたということはないと思いました。
もうバランスは崩れてしまったんだから、とことん崩してまた積み上げていけばいいんじゃないかなと前向きに捉えて読み終えました。
でもこの本を読んで、私はますます結婚したくなくなったかも^^;まあ、もともと結婚願望はないんだけど。

<文芸春秋 2016.3>H28.7.25読了

点をつなぐ 加藤千恵5

点をつなぐ点をつなぐ
著者:加藤 千恵
角川春樹事務所(2015-01-15)
販売元:Amazon.co.jp

28歳の滝口みのりは、コンビニチェーンでスイーツの商品開発に携わっている。大きなヒット商品を出したことは、まだない。慌ただしい年の瀬を乗り切り帰省したものの、父母や地元の友人との会話に、東京との距離を感じる。数年前から、恋人はいない。自分がその時々に選んできた「点」は、正解だったのだろうか……。東京、地元、進路、恋人、仕事、服、デートコース――さまざまなものを選び、選ばないで生きてきた、28歳のリアル。瑞々しい心情描写で注目を集める著者の真骨頂とも言える、待望の長篇小説。

大好きな加藤さんの作品。続いて読めてうれしいです。
加藤さんは短編や連作短編の印象が強いので長編は珍しい気がします。といってもそこまで長いわけではないのですが。
まず思ったのはみのりの故郷は加藤さんの地元かなーなんて思ったりしました。
冬は毎日雪が降る。秋の終わりごろに雪虫が発生する。冬の体育の授業ではスキーがある。私も全く同じなので道産子だってまず思いました^^
言い方がアレですが田舎だと地元にいる人は結婚も早いでしょうね。
帰郷するたびに友達や親に結婚や恋愛について聞かれるって言うのは、めんどくさいなぁと思います。環境もあるんでしょうけどね。
私はもう友人にも親にも結婚しないと言っているので言われないです。祖母がふわっと言うくらいで。でも、以前は聞く友人もいました。自分は結婚して子供がいて、会うたびに彼氏は?結婚は?って。毎回だったので嫌で会う約束をしたときにメールで「私は結婚する気もないし彼氏も欲しいと思ってないから毎回聞かないでほしい」ってはっきり言ったことがあります。そうしたらそう言われて初めて気づいたみたいで謝ってくれましたしそれ以降はほぼ言われることはなくなりました。やっぱり環境の問題ですかねぇ。
みのりの生き方は私はかっこいいと思います。辛くて大変な仕事だけどやりたい仕事を今ちゃんと出来ている。仕事の面でも恋愛の面でも辛い時を乗り越えて大人になって言って今、素敵だなと思いました。
だから、立川や両親が頑張って東京で働いているみのりに対して東京は住むところじゃないとか、言うのはどうかと思いました。両親は妹のこともあるだろうから戻って来いっていう意味もあるのだろうけど。うーん。難しいな。
恋愛・結婚の部分は共感しなかったですがみのりの仕事や生き方に対する考え方はとても好きでした。今、読めて良かったです。

〈角川春樹事務所 2015.1〉H27.2.25読了
続きを読む

いろごと 加藤千恵4

いろごといろごと
著者:加藤 千恵
ぶんか社(2014-12-15)
販売元:Amazon.co.jp

片思いも、未練も、別れも、出会いも新たな一歩も…いろんな女の子の想いを綴った一冊。恋って楽しいだけじゃない。残酷なことだってたくさんある。でも恋をしていたい。またしたくなる。“いろ”をテーマにした20の短歌とショートストーリー。

雑誌に連載していた作品だそうですね。
いろをテーマによくこんなに作品が書けるなーと思いました。
短歌もショートストーリーも素敵。
どの作品も切なかったです。
でも、私はここまで人を好きになったことがない気がするので共感は出来なかったかな…なんて←
それでもここまで人を好きになれるのは幸せなことだなとも思いました。

〈ぶんか社 2014.12〉H27.2.23読了

こぼれおちて季節は 加藤千恵5

こぼれ落ちて季節はこぼれ落ちて季節は
著者:加藤 千恵
講談社(2014-09-19)
販売元:Amazon.co.jp

大学のサークルで同じ人を好きになった愛と那美香。後輩を想う長谷岡と彼に片思いをする小埜。ろくでもない男との運命を占うあさひと妹のゆき。魔法はいつか解ける。大人になってゆくわたしたち、それぞれの恋模様。

青春ですねぇ。
ってそんな簡単にまとめるのもなんですけど。
恋で悩んでいる姿が若くて眩しくて切なかったですね。
特に那美香と小埜が。報われない恋なのが悲しすぎます。
それでも、大人になった2人はとても素敵でした。切ない経験が大人にさせたんでしょうか。
読んでいて思ったのは男って鈍いなってことですかね←
新野と長谷岡はバカだなぁと思います^^;特に長谷岡。恋は盲目ってやつですか?
あさひという女性に対して私も嫌悪感しか抱けませんでした。妹のゆきとの方が仲良くなりたいと思いましたもん。
大人になった2人の魔法が解けて呆然として萎れている感じがちょっとざまあみろって感じでしたけど←ヒドイ
女性に遅れて男性も大人になってきたってことですかね(最後まで辛辣)
最後の那美香の姿がとても素敵でした。凛とした、という言葉が似合う感じ。とても綺麗で素敵。あまり期待をしないなんて言っていましたけど、それでもちゃんと自分の立場を受け入れているのが素敵です。男性陣なんてうじうじしたまんまじゃないですか←
素敵な物語でした。

〈講談社 2014.9〉H26.11.2読了

春へつづく 加藤千恵5

春へつづく (teens' best selections)春へつづく (teens' best selections)
著者:加藤 千恵
ポプラ社(2013-03-13)
販売元:Amazon.co.jp

卒業式の朝だけ、願い事を叶えてくれる「あかずの教室」の扉がひらく―一日も早く大人になりたいと願う中一女子、修学旅行で人生初の告白をしようと奮闘する中三男子、自称“本の森の番人で千二百歳”の司書の先生…不思議なジンクスが伝わる中学校を舞台に繰り広げられる、切なくて温かい八つの物語。

加藤さんの作品はちょっと切なくて温かくてとても好きな作家さんです。
今回の舞台は中学校。とある中学校で飛び交う噂からひろがる8つの物語です。
自分の中学生のことを思い返すと私はだらーっと過ごしていたなぁと思うばかりです。
恋も多少はしていたし、勉強もしていたけどそんなに楽しんではいなかったかなぁ。どこか達観していたのかもつまらない中学生だな。
それでも早く大人になりたいという気持ちや早く家を出ていきたいっていう気持ち何だか共感できました。でも、今現在の私が1番共感できたのは学校司書の牧野さんかな。同じ境遇ではないけど、分かる部分がたくさんありました。
そしてこの物語の舞台。
著者さんが北海道出身なので北海道なんだろうなと思う描写がいくつかあったけど(道外のことを内地と言ったり、窓が二重だったり)読んでいたら、札幌じゃなさそうだなーと思っていて、そうしたらやっぱり違う場所でした。何となく帯広とか道南かなと思ったのだけど…
著者さんのあとがきも好きでした。

〈ポプラ社 2013.3〉H25.6.24読了

卒業するわたしたち 加藤千恵5

卒業するわたしたち卒業するわたしたち
著者:加藤 千恵
小学館(2013-02-13)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
様々な「卒業」を描いた13ストーリーズ
吹奏楽部の1年後輩の男子に密かに思いを寄せる先輩女子が、告白できずに卒業していく「流れる川」。離婚する妻が夫との最後の会話のなかで、下の名前ではなく「あなた」と呼ばれたことを印象に残す「春の雨」。二十八歳の娘が、仲の良い母の再婚を自分のなかでようやく祝福できる気持ちに至る「母の告白」。
女性アイドルグループのメンバーがソロ脱退することを知った、ある女子ファンの心情を追った「にじむオレンジ」。仲良しの少し不良の女子高生から、上京してしまうために様々なプレゼントをもらうことになる女子小学生を描いた「屋上で会う」。――単なる卒業式、恋愛絡みに留まらない、様々な年齢、様々なシチュエーションのそれぞれの卒業模様を精緻に描きとった、どこからでも読むことのできる1話完結13話からなる短編集。

3月1日から新しい職場に勤め始めて、早起きになって通勤時間がちょっと短くなって覚えることがたくさんあって、最近なかなか本を読めずにいます。
そんな中、久しぶりに1日で一気読みしてしまいました。活字に飢えていたのかな。
加藤さんの作品は何冊か読んでいますが、私、とても好きです。
文章との相性が良いのかもしれません。
ちょうど卒業シーズンに読めて、良かったような、良すぎて寂しいような…。
短いお話しばかりなんですが、どの作品も素晴らしかったです。
学校の卒業は初めの1編だけであとは様々な卒業が描かれていました。
どの作品もちょっと切なくて温かくて。
何だかうるっと涙が出てきそうな作品ばかりでした。
私も、今、卒業したいものがあります。
この物語の主人公たちのように、ちゃんと卒業できるのだろうか。
うじうじして前に進めない自分の背中を、優しくぽんと押してくれたような作品でした。

〈小学館 2013.2〉H25.3.12読了

あとは泣くだけ 加藤千恵5

あとは泣くだけあとは泣くだけ
著者:加藤 千恵
集英社(2012-09-05)
販売元:Amazon.co.jp

気鋭の歌人が紡ぐ、せつないテーマ短編集「贈り物」から浮かびあがる、人生の光と陰。婚約指輪、古びた本、たまごっち、ボールペン・・・あなたからもらった「もの」をきっかけに溢れ出す、7つの物語。せつなくも愛おしいテーマ短編集。
「触れられない光」阿弓は母と祖母の3人暮らし。父は亡くなっている。祖母が脳出血で倒れて入院し、母はますます阿弓から離れなくなっていた。
「おぼえていることもある」「おれ」は彼女の家からこっそり出ていき、しげちゃんの家に転がり込んだ。どの彼女と付き合っても、かつて付き合っていた山下紗江子の事を思い出す。
「被害者たち」「わたし」は結婚して幸せな生活をしている。でも、ふとしたとき、私はかつて付き合っていたひふみと会話をする。
「あの頃の天使」高校3年生になり第一志望の大学の合格ラインが思った以上に低く、ショックを受けて部屋の大掃除をし始め、たまごっちを見つけた。これは中学生の時に好きだった子がくれたものだった。
「呪文みたいな」「わたし」は高校で女子の集団の中の一人として生活していた。一匹狼のようなミリに突然話しかけられ、次第に2人で遊ぶようになる。
「恐れるもの」夫が会社の同僚の結婚式から帰ってきた。自分はもう夫に女がいることを知っている。夫婦の関係はもう無くなっていると言っても良かった。
「先生、」かつて高校で教わっていた先生と図書館で偶然再会した。「わたし」は教員志望なので色々教えてほしいと言い、2人は度々会うことに。「わたし」は先生に惹かれていた。

短編集です。加藤さんの描かれる文章が温かくてとても好きです。
どの恋愛も切なくて苦しくて。
どの作品も読み終えた後に泣きたくなるものばかりでした。
自分の恋愛に結び付けられるものはなかったけど^^;何だか共感できるものもあって、距離が近く感じました。
みんなよかったけど「あの頃の天使」「呪文みたいな」が好きかな。
「あの頃の天使」は中学生の頃ならではの甘酸っぱい感じで^^2人が可愛かった。久しぶりにみたたまごっちを見て「俺」は気力を振り絞って頑張ってほしいなと思う。
「呪文みたいな」の女性2人の関係も良い。学生時代はどうしても集団行動をしなきゃいけなくなる。いじめの対象になるかもしれないから興味がない事も興味を持たなきゃいけないときもある。でも2人一緒にいるときは、お互いに心から楽しんでいるような気がしました。

〈集英社 2012.9〉H24.11.15読了

その桃は、桃の味しかしない 加藤千恵4

その桃は、桃の味しかしないその桃は、桃の味しかしない
著者:加藤 千恵
幻冬舎(2012-04-25)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

高級マンションの一室で暮らす、わたし・奏絵とまひる。一緒に住んでいるにもかかわらず、わたしたちは、姉妹でも友達でもなかった。ふたりの共通点は、同じ男性の愛人であること。「この日々が永遠じゃないことはわかっている。けれど、永遠なんて、どこにもないのだから、それで構わない」。そう割り切って始めたはずの奇妙な共同生活。だが、食事をともにする機会を重ねるうち、奏絵は、まひるとの生活を、大切なものへと思い始めている自分に気づく――中華風スープ、冷やし豚しゃぶ、ビーフシチュー、桃、ピーナツバターとツナのサンドイッチ、オムライス、そうめん、納豆汁、お粥――恋敵と食べるごはんは、どうしてけっこう美味しいんだろう。愛しすぎることも、憎みすぎることもできないふたりの生活を、丁寧な筆致で描く。大ヒットとなった小説集『ハニー ビター ハニー』以後、小説家として活躍の幅を広げ続けてきた著者が満を持して放つ、初の本格長編小説。

何だか最近不倫している人が主人公の本が続いているのだけど…偶然です。
でも、読むたびに思うのだけど、いつか別れるって言ったってほとんど別れることはないのにどうして付き合ったりするんだろうな〜。どす黒い感情が心に燻ぶるのは分かっているのに…といってもどうしようもないのかな。好きになったら。
奏絵の意外と淡白な感じは好きでした。高級マンションにタダで住んで、お小遣いももらっているのに働いているっていうのもまだ自我があるんだなと思ったというか…
平井さんの事が好きなことに変わりはないと思うけど、結ばれないって分かっているんですよね。この生活が長く続くとも思っていなくて。変に夢も見ていなくて。
でも、それもさびしいですよね。
だから、まひるのとある事件を機に動き出して良かったと思います。
ただ、動き出し方が行先不安で大丈夫なの?とも思ったけど。
出てくる料理達がとても美味しそうでした。私は食べ物の方が印象に残っていたりして。

〈幻冬舎 2012.4〉H24.8.10読了

あかねさす 新古今恋物語 加藤千恵5

あかねさす――新古今恋物語あかねさす――新古今恋物語
著者:加藤 千恵
河出書房新社(2011-10-20)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

さっきまで俺に向けてた唇で今どんなふうに笑っているのーー恋する想いは、今も昔も変わらない。みやびな20首の“恋うた”から生まれた現代の恋物語。せつなさあふれる恋愛小説集。
紫式部、和泉式部、式子内親王、藤原定家、在原業平、菅原道真……和歌に込められ様々な想いが、千年の時を超えて、今、20のラブストーリーに生まれ変わる。天才歌人にして『ハニー ビター ハニー』の人気恋愛小説家・加藤千恵が贈る、話題作!

平安時代に作られた和歌の意味を踏まえて現代版の小説で描かれていました。
不思議ですね、何百年も前に書かれている和歌なのに、意味を現代風に捉えたら全然違和感を感じないんですから。凄いです。
一方的な愛に関するものは読んでいて切なかったです。どうして一方的なのに自分を抑えてその人の側にいようとするんだろう・・・。私には、その気持ちは分からない。昔はそうだったような気もするけど、今は結構自分は淡白な気がする。もし、恋愛をしたらこの気持ちが変わるんだろうか。
女子高生の中学生の時とは違う変化について書かれた作品も2編ありましたが、これも違う意味で切なかった。ずっと仲の良かった友達。でも、学校が変わったら閉鎖された空間だしどうしても疎遠がちになっちゃうんですよね。新しい生活に慣れる人、以前の生活がいとおしく感じる人、それぞれですよね〜。うんうん、分かるなぁと思って読んでいました。
最後に読まれる著者さんの和歌も好きでした。
個人的に西行法師の和歌があったことが嬉しかったです。ちょうど「平清盛」を見ているもので。

<河出書房新社 2011.10>H24.3.22読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6とSnowManを愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
Categories
Archives
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

記事検索
Recent Comments
ブログリスト
カウンタ





  • ライブドアブログ