苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

小路幸也

スターダストパレード 小路幸也4

スターダストパレードスターダストパレード
著者:小路 幸也
講談社(2014-09-05)
販売元:Amazon.co.jp

元暴走族のヘッド・マモルが刑務所から出所した日に、彼を無実の罪で逮捕した刑事・鷹原が迎えにきた。
鷹原は、母・ジョゼットを不審な死で亡くした少女・ニノン何者かに狙われているため、
三重にいる鷹原の元妻・美里のところへ連れていくようマモルに依頼。
マモルに去来する美里との過去と想い――。
マモルとニノンは無事に辿り着けるのか?そしてジョゼットの死の真相とは?

偶然にも主人公の名前がマモル君^m^
彼を想像してしまいましたけどでも21歳か←
マモル君がとってもいい子で、全然暴走族のヘッドっていう感じはしませんでしたけどね。元々が良い子なんだろうな。途中でわかる境遇から、こうならざるを得なかったのかなとも思いましたが…。
ただマモルと鷹原の関係をもうちょっと深く掘り下げてほしかったかなぁ。色々過去のことは分かっていきますけども。
この物語は1980年代なんですよね。
30年経った今、マモルやニノンはどうしているんだろう。
マモル君には特に、幸せになってほしいなぁと思って読み終えました。

〈講談社 2014.9〉H26.10.8読了

ビタースイートワルツ 小路幸也4

ビタースイートワルツ Bittersweet Waltzビタースイートワルツ Bittersweet Waltz
著者:小路 幸也
実業之日本社(2014-07-10)
販売元:Amazon.co.jp

2000年、北千住にある<弓島珈琲>。
かつて、店主の私(弓島大)は恋人の死に関係する薬物がらみの事件に巻き込まれた。その時に私を救ってくれた恩人で、常連客でもある三栖警部が失踪する。情報源となったのは、三栖さんの部下である甲賀芙美だった。彼女のもとに届いた三栖さんからと思しきメールには、<ダイへ>とだけ記されている。
このメッセージを手がかりに<弓島珈琲>を訪れた甲賀さんだが、三栖さんには上司に対する尊敬以上の複雑な想いを抱えているようだ。私と店の常連である純也は、早速捜索に乗り出す。
一方、私の過去の事件に否応なしに関わってしまった少女・あゆみもまた、女子大生に成長して<弓島珈琲>へ出入りしている。そのあゆみが、親友の梨香と連絡が取れなくなったと私たちに相談を持ちかけてきた。時を同じくして姿を消した三栖さんと、大学を休んでいるという梨香。一見、なんのリンクもなかったはずのふたつの事件を繋いでいるのは、
暴力団・実業組の組長、松木の存在だった――またしても男たちの苦い過去が交錯する物語。珈琲、紫煙、ミートソースの薫りの先に真相があぶりだされていく。

シリーズ第3弾ですね。そういえばこの作品の1冊目、私はいまだに読んでいないんでした^^;読まなければ。1冊目が1980年代、2冊目が1990年代、そして今回が2000年代です。大も39歳ですか。
前回の話を全然覚えていないのだけど←前回から10年近く経っているということですね。7年くらいかなー。
今回の事件も面白かったです。初めは全くわからない状態だったので私も全然分からず^^;だったのですが徐々に明らかになっていきましたね。
最後はいつもよりご都合主義ではなく、良かったと思いつつも気になる終わり方でした。
大の恋愛模様はどうなるのでしょうか。書かれるんですかね…。

〈実業之日本社 2014.7読了〉H26.8.31読了

すべての神様の十月 小路幸也5

すべての神様の十月すべての神様の十月
著者:小路 幸也
PHP研究所(2014-06-21)
販売元:Amazon.co.jp

榎本帆奈は驚いた。金曜日の夜、行きつけのバーで隣り合ったハンサムな男性は、死神だったからだ。帆奈に召喚されたという死神は、いままで一度も「幸せ」を感じたことがないらしい。なぜなら「幸せ」を感じた瞬間、死神は…(幸せな死神)。池内雅人は貧しかった。貧乏神に取り憑かれていたのだ。ツキに見放された人生だったが、そんな人生を自ら「小吉人生」と称して楽観視していた。一方、貧乏神には雅人に取り憑かなければならない“理由”があった。なぜなら雅人が並々ならぬ…(貧乏神の災難)ほか、4篇。神様たちの意外な目的が胸を打つ短篇集。

最初の作品「幸せな死神」は作家さんの名前に「幸」が入っている方々のアンソロジー「Happy Box」に収録されていたので既読でした。もう一度読み返しましたが。
どの作品も良かった。いろんな神様が出てきたけど貧乏神や疫病神ですら良い神様なのが小路節だなぁと思いますねぇ。
微妙に神様同士がつながっているのも面白かった。
好きだったのは九十九神かなぁ。お釜と話をしてるのを想像するだけで可愛いなと。オチもとっても素敵でした。
凄くよかったのだけど、タイトルとはどう繋がってるのかな。
十月ってむしろ神無月だよね・・・だからなのか?

〈PHP研究所 2014.6〉H26.8.7読了

オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 小路幸也5

オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴンオール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン
著者:小路 幸也
集英社(2014-04-25)
販売元:Amazon.co.jp

老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家が人情あふれる方法で解決する人気シリーズ。待望の第9弾!
人生の岐路に立つ人を優しく励ます、書き下ろし長編。
「秋 真っ赤な紅葉はなに見て燃える」
青が出演した映画の脚本を書いた岸田安見が東京バンドワゴンにやってきた。その時小学生の女の子が絵本を売りに来る。その姿を見て岸田は涙を流していた。
「冬 蔵くなるまで待って」
一方木島の知り合いである仁科がサチの実家である五条辻家について調べていることを知る。同じ頃藤島からデジタルアーカイブ事業を始めるため、堀田家の蔵の書物を利用させてもらえないかと持ち掛けられる。
「春 歌って咲かせる実もあるさ」
勘一が盲腸で入院することになった。その間よくカフェに訪れる近所の薫子さんの様子がおかしいと藍子と亜美が懸念していた。
「夏 オール・ユー・ニード・イズ・ラブ」
夏休みに入り、研人のガールフレンドの芽莉依がレコードを売らせてくれないかと尋ねてきた。その様子が以前のすずみを思い出してみんなが心配をしていた。そして子供たちが葉山へ行った後、研人が高校へ行かずにイギリスへ留学すると言い出した。

毎年恒例東京バンドワゴンシリーズ。第9弾ですか。
前回がスピンオフだったので、それはそれで面白いのですが、やはりバンドワゴンの皆さんの成長が見れる方が楽しみだったりします。
もう本当に登場人物が増えて分からない人も多々いるのが正直なところですが。
それでも厄介ごとがたくさん舞い込んできて、でもLOVEのちからで万事解決するのがこの作品の醍醐味。今回もスカッとするような素敵なお話ばかりでした。
今回は木島さんにそんなお話が!あって、また人間関係が混乱しそうな予感…
そして研人くんも中3ですか…。いやはや。やっぱり子供の成長は大きいですよねー。
研人くんの気持ちもよくわかるけど、でも研人君が言っているのとはちょっと違う意味で世界は広いと思う。マードックさんが言ったように日本をちゃんと知らなきゃ世界に行ってもちゃんと羽ばたけないと思う。研人がしっかりしたいい子で良かった。
花陽も素敵なお嬢さんになって良かったです。
今回新たに登場した人も数人いるので^^;
来年以降もどう堀田家に関わっていくのか楽しみです。
そういえば、今回のお話の中ですずみさんがきて5年っていうくだりがあったのですが、そうかこの世界では5年の月日が経過しているんだと思いました。
一つずつ年齢は重ねているけど、途中昔の話やスピンオフがあったり、四季は前回と一つ重なっているから実際の流れよりは少し遅めなんですよね。

〈集英社 2014.4〉H26.7.30読了

スタンダップダブル!甲子園ステージ 小路幸也5

スタンダップダブル!―甲子園ステージスタンダップダブル!―甲子園ステージ
著者:小路 幸也
角川春樹事務所(2014-03)
販売元:Amazon.co.jp

見た目はそっくりながら性格は対照的な双子―エースピッチャーの青山康一とセンターの健一を擁する神別高校野球部は、北北海道大会を勝ち抜きいよいよ甲子園へ!彼らの不思議な強さの「秘密」と、優勝を目指す特別な「理由」を知る前橋絵里は、全国紙のスポーツ記者。彼女の前に、神別高校の監督・田村と高校時代にチームメイトだったフリーのスポーツライター・塩崎が現われ、神別高校の周囲をしつこいくらいにかぎ回りはじめる。塩崎は、田村との間に因縁があるらしい。絵里は、危険なネタを得意とするルポライター・西島などの応援を得て、なんとか神別高校ナインを守ろうとするが…。

いよいよやってきました。甲子園!
って、前作をもう忘れかけていて^^;読んでいくうちに思い出してきましたが。
北海道代表の高校が甲子園って10年前の駒大苫小牧を思い出しちゃいますよねー。リアルタイムで応援していましたよー。胃をキリキリさせながら^^;今年の夏期待してます。
と、ちょっと逸れましたが神別高校の目標は甲子園の優勝。でも優勝することが目標ではなくてその先があるんです。
今回は絵里目線と高校生たちの目線と2つが交互に描かれています。
本当に野球を見ているかのようで読んでいて面白かったです。ハラハラしました。
まあ小路さんの作品なので諸々予想がついた部分もあるにはあったのですが^^;それでもやはり面白かったです。
人と人とのつながりや信頼って大事だなーと小路さんの作品を読むといつも思います。
でも人に信頼されたいと思うんだったら自分も人を信頼しないとダメですよね。
そんな当たり前で、でも大切なことを小路作品からいつも学んでいる気がします。
今回も面白かった!

〈角川春樹事務所 2014.3〉H26.5.7読了

札幌アンダーソング 小路幸也4

札幌アンダーソング (単行本)札幌アンダーソング (単行本)
著者:小路 幸也
KADOKAWA/角川書店(2014-01-28)
販売元:Amazon.co.jp

北海道は札幌。雪の中、全裸で発見された変態的な遺体の謎を解くため、若手刑事の仲野久は、無駄に色男の先輩・根来とともに、「変態の専門家」を訪ねる。はたしてその専門家とは、とんでもない美貌の天才少年・春。なんと彼は、四世代前までの、先祖の記憶を持つという。その膨大な記憶から、あらゆる事実を見逃かすことができるのだ。その頭脳により、春は犯人の遺したメッセージを看破。しかも意外な方法で犯人を挑発し始め…!?変態事件に巻き込まれたフツウの主人公の運命は。そして札幌の歴史に秘められた意外すぎる謎とは…!?

ツイッターで小路さんが変な作品だとおっしゃっていて尚更気になっていました。うん、変な作品でした^^;
事件の内容も変だし気持ち悪くもあるしなんだなんだと思いましたが、それでも小路さんの作品は引き込まれます。変でも私はウェルカムです^^
何よりも舞台は札幌。札幌在住者としては地名も道の名前も聞きなれていて読んでいて嬉しかったです。
北大(この作品では北海道大学ではなく北道大学)から札幌駅北口までは1本道。でも北口は車を止めづらいっていう物語とは全然関係ない文章にもわかるーーーって凄く共感したり^^そういうローカルネタが嬉しいです。
そして事件。
まずは春という人物が凄く興味深かったです。四代前までの記憶を持つ少年。記憶を持っているだけではなくその知識を生かすこともできる。本当の天才。
変な子だけど、でも愛嬌があって可愛くて、私は好感度が高かったです^^
でもそれ以上にキュウちゃんが凄く魅力的。魂が純粋って何だかわかる気がする。
事件の真相は納得できませんでしたねぇ。悶々としました。でもまあ、こういう終わり方もありなのかもしれませんね。最後はちょっとスカッとしたし。
さらに、今この作品の2が連載中?だそうで。
春も久もとても可愛らしかったので^^また会えると思うと嬉しいです。
事件諸々は変だけど読みますよー

〈角川書店 2014.1〉H26.4.19読了

少年少女小説集 小路幸也5

小路幸也 少年少女小説集 (ちくま文庫)小路幸也 少年少女小説集 (ちくま文庫)
著者:小路 幸也
筑摩書房(2013-10-09)
販売元:Amazon.co.jp

夢、希望、怖れ、孤独、友情…。人気作家で贈る11の物語。ときに切なく、ときにほのぼのと、子供と大人たちの間に起こる様々なドラマ。『東京バンドワゴン』シリーズで知られる小路幸也ワールドから、単行本未収録を中心に、少年少女を主人公にした作品を選りすぐった傑作短篇集!巻末に作家本人による自作解説を付す。

読みました。最近小路さんをたくさん読んでいる気がします。刊行ペースが速いんですよ!絶対にコンプリートは出来ません^^;したいのに。
今回は短編集で今まで本にならなかった物語が収録されているらしいです。人生で一番最初に書かれた短編など新人さんの頃に書いたものも多かったみたいですね(気づいていなかった人)
気づかなかったけど最後の解説を読んで昔は短編への配分が分からなかったと書かれていてなるほどと思いました。
確かにこれは長編だろうと思ったり、まだ続くんじゃないかと思う作品も結構あったので。これで終わっちゃうのはもったいないなと思ったり。そこが荒削りなんでしょうか。どの作品も良かったです。
中でももっと続きが読みたいなと思ったのは「トーストや」「コレッタの夏休み」「コレッタの冬休み」かな。微妙に今まで書かれた長編の作品とリンクしている所もあったみたいで、過去の作品を読みたい!と尚更思いました。

〈筑摩書房 2013.10〉H26.2.15読了

花咲小路一丁目の刑事 小路幸也5

花咲小路一丁目の刑事 (一般書)花咲小路一丁目の刑事 (一般書)
著者:小路幸也
ポプラ社(2013-11-12)
販売元:Amazon.co.jp

非番の刑事も、忙しい。商店街のよろず相談、引き受けてます(いつのまにか)。
舞台は、地方都市によくある小さな商店街「花咲小路商店街」。
「元・泥棒紳士」のセイさんも隠居暮らしをしているここ花咲小路には、ほかにもたくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こっている。
今回の主人公は、商店街で「和食処 あかさか」を営む祖父母のもとに居候することになった若手刑事。引っ越してきて以来、たまの非番の日になると必ず、
祖母経由でご近所さんからの相談ごとを持ち込まれるようになってしまった。
死んだはずのおじいさんから手紙が届くようになったラーメン屋さん一家や、本の上にフルーツがひとつずつ置かれるようになった本屋さんからの相談などなど、よろず相談事を、商店街の人々の力を借りながら解決していく。

タイトルを見て、お、これは。と思いました。
以前出された「花咲小路四丁目の聖人」の姉妹作品ですね。今回は一丁目だからセイさんたちの家からは遠いのかもしれないですけど^^;
最初はちょっと忘れかけていたのですが読んでいくうちにリンクしてきて思い出しました。セイさんや亜弥が出てきて嬉しかったです。
それにしてもホント小路さんの作品に出てくる人たちはいい人ばかりですね。
淳君も非番に毎回厄介ごとに巻き込まれてそれを嫌と思わないなんて良い人すぎる。
今日は非番なんだから休ませてよと一言いえば済むことなのに。いい子だなぁ。おばあちゃんも淳の性格がわかってるからああいう言い方で頼んでいるのかもしれないけど。
それぞれの出来事も警察ごとではない、事件でもないのだけどちゃんと淳は解決します。若いけど出来る奴という事で評判だそうで。頼もしいですね。ゴンドさんもいい味出してました。
そしてミケさん。謎の人でしたが、最後に解決?します。具体的な謎は謎のままでしたけど。まあ猫もそういうところに魅力があるんですから同じことですよね←2人の今後が気になるところです。
最後まで読んで思ったのはセイさんもそうだけど、この商店街の人たちは何者?っていうことです。まさかかつてヤクザだった人たちが足を洗うためにできた地区とかじゃないよね^^;セイさんはヤクザじゃないから違うか。
住んでいる人みんな凄すぎてビビります^^;
おじいちゃんとおばあちゃんも最初は普通のおじいちゃんおばあちゃんだと思っていたのに。こっちも謎は謎のままだけど怖い怖い←(でも警察官って身内で前科があったりしたらなれないんじゃなかったっけ。私の父が割と遠めの親戚が警察官になったとき身辺を聞かれたって言ってたような…なんて身も蓋もないことを言ってみる)
おばあちゃんがほんわかしていてかわいいなぁと思っていたのだけど。裏切られました。
最後に淳に言った言葉には吹いちゃったけど。目ざとすぎ!←

〈ポプラ社 2013.11〉H26.1.27読了

旅者の歌 始まりの地 小路幸也4

旅者の歌 始まりの地旅者の歌 始まりの地
著者:小路 幸也
幻冬舎(2013-12-12)
販売元:Amazon.co.jp

ここシィフルの地では、7の年の誕生日は、野獣に換身しうる「試しの日」とされる。 主人公・ニィマールとその兄トゥールと姉ティアラ、婚約者のジェイラの四人は、同じ日に試の日を迎えた。 しかしその長い夜が明けると、きょうだいと婚約者はみな野獣の姿に換身してしまったてい。それもなぜか、人間の心を残したまま――。 野獣に変身したきょうだいと婚約者。 彼らを救うため、ニィマールはその名前を捨て、リョシャと名乗り、旅立つことを決めた。溢れる涙が止まらない、大長編エンターテンメント!

こういう作品も書きましたか。そうですか…
この小説は電子書籍で出したらしいですね。私はこういう画面で小説を読むのが苦手なので本にしていただいて助かります。
よくこんなに次々作品が書けるなぁとは思っていましたが。さらにこの0から考えるファンタジーな世界観までよく思いつくなぁと読んでいて思いました。小路さん凄いですね。
小路さんの作品は読みやすいのでいつもすいすい読めるのですが、この作品は世界が違うのでちゃんと読まないともったいないと思います。いや、いつもちゃんと読んでいないわけじゃないんですよ←
7の年の誕生日、21歳までの3回、シィフルの子供たちには試練があります。
そして主人公ニィマールと婚約者のジェイラ、ニィマールの兄トゥールと姉ティアラは「試しの日」を迎え、ニィマール以外は野獣となってしまいます。
ただ野獣となってしまうのならそこで離れ離れになるのですが、この3人は特殊でした。
そこからこの物語は始まります。
この本の半分くらいはこの世界の説明と旅立ちの話なので、まあこの本で解決はしないよねと思ったらやっぱりそうでした^^;どのくらい続くのかなぁ。
面白かったですが、旅と考えると正直まだ生ぬるい気がします。
小路さんの作品は安心して読めるのでピンチになっても大丈夫だとは思うんですけど←旅なのでこれからもうちょっとハラハラドキドキしたいなと思います。
序章という形で、面白く読みました。続きが楽しみです。

〈幻冬舎 2013.12〉H26.1.24読了

娘の結婚 小路幸也5

娘の結婚娘の結婚
著者:小路 幸也
祥伝社(2013-07-25)
販売元:Amazon.co.jp

今年26歳になる実希に、結婚を考えている相手がいるらしい。17年前、妻の佳実が事故で亡くなって以来、孝彦が大切に育て上げた娘。その相手というのは、幼馴染みの古市真くんだった。実は、生前の妻は古市夫人と折り合いが悪かったようなのだ。孝彦は真くんに会う決心がつかず……。新たな門出を心から祝うために、父が最後にできること――。思わず涙があふれる、感動の家族小説。

結婚がテーマの本は小路さんの作品では初・・・?じゃないのかな。どうなんだろう。著作がたくさんあるからなぁ。
ということで読みました。何だか身につまされるというか他人事とは思えないというかなんというか…
設定はベタといえばベタなんですけど、父と娘二人で暮らしてきた軌跡が素敵であたたかかったです。
相手の真君も素直で素敵な人でした。
娘の結婚が近づく頃に何だかいろんな偶然が重なって^m^さまざまな真実が見えてくるのだけど、あいさつに来た真に孝彦が言った言葉はかっこいいなと思いました。
最後の親子のシーンなんて悔しいけど泣いてしまいました。
私はちゃんと両親がどちらもいるし、私は結婚する気は全くもってないのだけど、お父さんからここまで想われていたら、幸せだろうなと思います。
凄く羨ましかったです。結婚式もよかったなぁ(まるで見たかのように)
小路さんは「実は…」の後の展開を作るのが本当に上手いなぁと思います。

〈祥伝社 2013.7〉H25.8.29読了

フロム・ミー・トゥ・ユー 小路幸也5

フロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン)フロム・ミー・トゥ・ユー (8) (東京バンドワゴン)
著者:小路 幸也
集英社(2013-04-26)
販売元:Amazon.co.jp

老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家が人情あふれる方法で解決する人気シリーズの最新作。今作はシリーズ番外編として、主要キャラクターの知られざる過去エピソードが語られる、ファン垂涎の短編集!
「紺に交われば青くなる」 今から30年前、突然、我南人が生まれたての赤ん坊を連れて帰ってきた「この子ぉ、僕の子供なんだぁ」。付けた名は「青」。堀田家は他の兄妹と同じく育てるが、成長した青は出生の秘密を気にして…
「散歩進んで息上がる」『小説宝玉』という雑誌を手に入れた勘一はすずみと祐円を連れて出かけた。すずみはその小説に載っていた「土合英昭」という作家の「空家の少女 真夏の女」という作品が関係していると考えた。
「忘れじの其の面影かな」木島はマードックの名前で関空の税関で薬物の密輸をしていることを知った。彼がしているわけがないと木島は動き出した。
「愛の花咲くこともある」一人旅の途中で大事なボストンバッグを盗まれた当時20歳の亜美。偶然そのバッグと同じ鞄を持っている男を発見して…
「縁もたけなわ味なもの」東京バンドワゴンに初めて来た時「店の本を全部買いたい」と口走って勘一に怒られたIT社長の藤島。彼と堀田家の縁が深まったきっかけとは…
「野良猫ロックンロール」鈴木秋実は不良に絡まれている所を我南人という男たちに助けられた。怪我をしていた秋実は我南人におぶられた。親のいない秋実は人の温かさを感じていた。
「会うは同居の始めかな」学生時代からモテモテだった青。結婚もしなくても良いと思っていた青だったが、すずみという女性に出会ってその想いは変化する。しかし、すずみの友人が青の元へやってくる。どうしてすずみと別れたのかと詰め寄る。
「研人とメリーの愛の歌」研人とメリーは学校のバザーで古書を売ることになった。そこへ校長がやってくる。校長はある雑誌手に取り、中を見てからみるみる顔色が変わっていった。その雑誌には何が写っていたのか。
「言わぬも花の娘ごころ」真奈美は偶然街中で花陽に会う。花陽は自分の父親についてを聞いてきた。真奈美は花陽がもう伝えてもいい年だと思い、自分が知っていることを話す決意をする。
「包丁いっぽん相身互い」コウさんは真奈美から「カキのコロッケを作れないか」と頼まれる。それは亡くなった友人が息子のために作っていたものだという。友人の旦那がお店に来て一緒に作ることになった。
「忘れものはなんですか」朝、新聞が届いていなかった。販売店に電話するとバイトがたまたま堀田家に入れ忘れたのだという。その行動に疑問を感じた堀田家はそのバイトくんと親戚だという花屋に聞き込みを開始する。

毎年春の楽しみ。東京バンドワゴンシリーズ第8弾です。
今回は番外編で短編集。11作の物語です。主人公がそれぞれ違って、様々なことのきっかけが描かれています。藤島さんが常連客になった最初の物語とか、紺と亜美の出会いとか。
このシリーズは読んでいると自然と笑顔になります。幸せな気持ちになります。堀田家には様々な厄介ごとが訪れるけど、その家族の人柄なのでしょうか人望なのでしょうか。見事に解決していきます。
私もこのファミリーに加わりたいなっていつも思います^^
加われないけど、物語は1年ずつ経っていくので気分は近所のオバちゃんだったりします。
今回はちょっと違いましたけど、でもどの物語も良かったです。本当に良かった。
少し前の物語が多くて、そういえば青って軟派な男だったなと思いだしたり^^;
そういえばすずみちゃんって花陽と異母姉妹なんだよなとか凄く今更な事を思い出したり。あれ?これはどういう事だったっけ?って忘れていることもあったり・・・
そんないろんな感情を出させてくれるこのシリーズが大好きです。
もはや来年が待ち遠しいです。

〈集英社 2013.4〉H25.6.15読了

蜂蜜秘密 小路幸也4

蜂蜜秘密蜂蜜秘密
著者:小路 幸也
文藝春秋(2013-02-14)
販売元:Amazon.co.jp

古くから〈奇跡の蜂蜜〉として大切に伝えてきた蜂蜜を守るため、自動車も使わず、火薬も制限し、今でも様々な掟に従って暮らしている〈ポロウ村〉。
村の名家であり、〈ポロウの蜂蜜〉を採るために必要な〈キングサリー〉の花を代々栽培しているロウゼ家の一人娘サリーは、遠い国からの転校生としてやって来た少年レオと仲良くなる。深い山あいの、絵画のように美しい自然に囲まれた村の農学校で、少年少女は園芸や養蜂を勉強しながら日々を過ごす。だが、レオが来たのと時を同じくして、村には何かと異変が起こるようになる。森や泉で不思議な現象が続いたり、〈ポロウの蜂蜜〉をつくる〈ポロウミツバチ〉がぱったりと姿を消したり……。村の謎にレオが深く関わっていることにサリーが気づくのと同時に、村人たちもまたレオの正体を疑い始める。そして激しい嵐の晩、行方不明となったレオを探すサリーは〈ポロウの蜂蜜〉にまつわる古い古い秘密を知ることになる……。
ファンタジックな村を舞台にしながら、人が文明を進化させること、自然のなかで暮らすこと、大きな時の流れに否応なく変化していくこと、に静かな問いかけを投げる物語。

小路作品の中でもちょっと珍しい感じでしたね。雰囲気的には「キサトア」に似た感じでしょうか。エキスパートっていう言葉が出てきたし、少し絡んでいるのかも。
本も絵本のような外見と装丁で、可愛らしい感じなのも新鮮でした。
ストーリーは初めに想像していたのとはちょっと違ったファンタジーな感じになって驚きましたが、それでもやっぱり小路さんらしい温かい作品でした。
これまた珍しく悪人っぽい人が登場して^^;イライラするシーンもありましたが。
とにかく出てくるサリーにジャックに、そしてレオが本当に良い子たち。
レオは初め味方なのか敵なのか分からないのだけど、もう最後にレオのしたことには凄いとしか言えませんでした。
サリーとジャックが村の秘密を知り、それを守り、またある部分では覆したことで、ポロウ村はまだまだ繁栄し続けるのだと思いました。
そうそう、村の外の地名でカタカナだけど北海道の地名が入っていてウケました。
バンナグロとか、マルセップとか^^小路さんならではですね。

〈文藝春秋 2013.2〉H25.3.2読了

HEARTBEAT 小路幸也5

HEARTBEAT (創元推理文庫)HEARTBEAT (創元推理文庫)
著者:小路 幸也
東京創元社(2012-08-25)
販売元:Amazon.co.jp

優等生の委員長と不良少女の淡い恋、すべてはそこから始まった。彼女が自力で人生を立て直すことができたなら、十年後にあるものを渡そう。そして約束の日、三年前から行方不明だという彼女の代わりに、夫を名乗る人物がやってきたが―。ニューヨークから帰ってきた青年と、幽霊騒動に巻き込まれた少年少女、そして最高の「相棒」が織りなす、約束と再会の物語。

読みました。この作品はタイトルが前々から気になっていました。私が好きなシリーズのミステリフロンティアの1冊ですし。文庫本があることを知ったのでそれを機に読んでみました。
ストーリーは全然分からず読んだのですが、ハードボイルドとファンタジーが入り混じった作品でした。
この作品は小路さんの5作品目だそうです。今は一体何作になっているんだか^^;
物語は原之井という28歳の男性が10年前の約束を果たすためヤオという女性に逢うために奔走する話と、五条辻家直系の継承者である裕理の家で起きた幽霊騒ぎの話が交互に繰り広げられます。
まったく関係がないような2つの物語が段々一つに繋がっていきます。
何となく予想していた通りだったんだけど、もう一つまさかの展開が待ち受けていて衝撃を受けました。えぇ〜!?そういう展開〜!
何かショックというよりも茫然としてしまいました。だって、だって…悲し過ぎる…
それでもたくさんの素敵な人間関係が垣間見えて良かったです。嫌なものもたくさん見たけど。
ユーリとエミィとハンマの関係も素敵だったし。(エミィが小学生とは思えん…)
委員長と巡矢とヤオの関係も良かった。2つの物語が交錯したのは、必然だったんだろうなぁ…あまりに境遇が似ているし…。
みんな幸せになってほしい。そう思えてならない作品でした。
この本、続編も出ているんですよね?誰がどう出演しているのかわかりませんが楽しみです。巡矢が最後に言った「相棒」も気になる。
ところで。
ユーリの家は五条辻家って名前だったんですけど、五条辻家って東京バンドワゴンシリーズのサチの実家と同じ名字ですよね?東京バンドワゴンシリーズの方が後に出てるので関係はないと思いますけど。今回五条辻家はあまり良い印象じゃなかったし^^;まあ、直系は安泰かもですが。サチが結婚してその後の五条辻家って考えたら良いかな。ちょっとでも堀田家とつながってると思ったら楽しいかも。

〈東京創元社 2005.4
        2012.8〉H24.12.16読了

スタンダップダブル! 小路幸也4

スタンダップダブル!スタンダップダブル!
著者:小路幸也
角川春樹事務所(2012-11-15)
販売元:Amazon.co.jp

弱小だった神別高校野球部が、北海道の旭川支部予選を勝ち抜いていく――。彼らの不思議な強さの「秘密」に興味を持った全国紙スポーツ記者の前橋絵里は、やがて、ナインが甲子園を目指す特別な「理由」を知ることになる。その「秘密」と「理由」の中心には、見た目はそっくりながら性格は対照的な、エースピッチャーの青山康一とセンターの健一という双子の存在が。二人は、ある事件がきっかけとなって解体させられてしまった児童養護施設〈そよ風学園〉の出身だった・・・。

とある高校野球部の物語です。小路さん今度は高校野球できましたか!とちょっと興奮。私は全然詳しくないんですけどね^^;でも、舞台が北海道の高校の野球部だとやっぱり気になります。
私が通っていた高校はそれこそ私が高校生だった頃にそこそこ野球が強かったんです。南北海道大会に出場して全校応援をしに行ったりしていました。最近はそこまでいっていないみたいですけど。そこから高校野球に少し興味を持ち出し。
そして駒大苫小牧の2連覇に準優勝。ここらへんは甲子園での試合は駒苫限定でしたけど、見てましたねー。マー君が高校生の頃だから6〜8年前になるんですねー。時が経つのは早いです。今は初優勝の時に主将だった人が監督をしてるんです。あとちょっとで甲子園というところまで最近は北海道の大会を勝ち進んでいっているようなので、頑張ってほしいなと思ってますけども。
って話が逸れました。
神別高校の野球部はパッと見そこまで強くは見えません。ですが、スポーツ記者の絵里は勝ち進む理由を見つけます。そしてなんやかやで←諸々の事情に巻き込まれることになります。
何となく読み進めていくと野球部の子たちの境遇は読めてきます。でも、その境遇の中に潜んでいる闇というか出来事はあまりにも重くて高校生が良く背負っているなというくらい。でも、やっぱり周りの大人たちが良いんですよね。
試合の場面はドキドキする緊迫感があって読んでいて面白かったです。野球部の子たちの展開についても。
でも、ラストはここで終わり?と感じました。
もやもや部分が残っているような・・・続編があるのかな?とちょっと期待してます。
内容とちょっと異なるのですが、中に「ご都合主義の小説も良くあるけど」みたいな台詞があるのですが、小路さんが言うか!とちょっと笑ってしまいました。小路さん、ごめんなさい。

〈角川春樹事務所 2012.11〉H24.12.7読了

リライブ 小路幸也4

リライブ (新潮文庫)リライブ (新潮文庫)
著者:小路 幸也
新潮社(2012-09-28)
販売元:Amazon.co.jp

生きることは、選ぶこと。選ぶことは、悔やむこと?命の灯火が消える瞬間、“バク”が囁きかける。運命の恋人を失った夜。いまの仕事を選んだあの日―頭に浮かぶ、人生の分岐点。そこからもう一度、やり直させてあげましょう。ただし、ひとつだけ条件がありますが―。かれらが何を選んだのか?あなたの予感は、覆される。
「輝子の恋」12歳の時に父が亡くなり、母と二人で祖母の経営する下宿屋を手伝う事になった。そこへ若宮という学生がやってくる。家庭の事情から人間不信になってしまい、2階の三部屋全て貸し切りたいという若宮。それから暫くして若宮の友人・柿沢がやってきた。
「最後から二番目の恋」今琴美は短い生涯を閉じようとしている。琴美は私の1番の親友であり、私の母でもあった。
「彼女が来た」誕生日の前日に彼女の美奈子に振られたケンジは、ライブハウスで照明のバイトをしている。今日は真吾の始めてのソロライブ。彼女の麻里香もやってきた。ライブが終わり、飲み会の終わりによく寄るコーヒーハウスで麻里香を待っていた。
「J」ジョン・レノンが死んだ日。それは彼にとって2度死んだ日になる。ジョン・レノンは死んだ彼女が好きだったアーティストだったからだ。彼の身の危険を感じた教師は彼のために走った。
「生きること」職場の近くのお弁当屋さんでのハプニングが、私と三坂さんを結びつけた。三坂さんは医者の卵で研修医。いつも忙しそうでやつれている彼を見て、お弁当屋さんの琴美さんが料理を教えてくれると言った。
「あらざるもの」墓守のはちろうは寺の和尚に引き取られて15年が経った。2人は互いに見た夢について語り始める。
「すばらしきせかい」見ただけで暴走族だと思うような風貌の男が、公園で小さな女の子を見つける。その少女は男を見ても怖がることはなく、歌を聞かせてくれた。その少女の歌は素晴らしく男は涙が止まらなかった。その少女が3年生になった時、重い病に冒される。

死の淵にいる人に自分が選ばかなった人生を選択する余地を与えるバク。それを選択するか否かは本人次第。読んでいると辻村さんの「ツナグ」を彷彿とさせますが、当然ですが内容は異なります。
もしも違う人生を歩んでいたら…そこまで大きなものではありませんが、ある出来事の選択を変えていたら人生はどうなっていたのか、それを実行できる物語です。それが良い方向へ行くのか行かないのか、それは分からない。
どの作品も、その新たな選択に皆さん満足しているようでした。でも、その後でさらに一ひねりあり、その前に選択している人がいるんです。それが最初はよく分からなくて、分かってから何度も読み返してしまいました。
ただ、人が選択してほしい場所を自分がちゃんと選ぶかな・・・と思わなくもなかったですけど、でもその二重構造が良かったです。
小路さんの作品は癒されます。

〈新潮社 2009.12
      2012.10〉H24.11.17読了

探偵ザンティピーの惻隠 小路幸也5

探偵ザンティピーの惻隠 (幻冬舎文庫)探偵ザンティピーの惻隠 (幻冬舎文庫)
著者:小路 幸也
幻冬舎(2012-10-10)
販売元:Amazon.co.jp
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大学職員のエヴァの依頼は、祖父から託された古い写真の持ち主探し。その裏に書かれた数字で買った宝くじで大当たりをした彼女は、賞金で日本へ渡り、持ち主に写真を返したい という。祖父の遺した「ゴシック温泉」という言葉から、ザンティピーは持ち主の割り出しに成功。だが、写真からは驚愕の事実が浮かび上がる。書き下ろし人気シリーズ第3弾!

探偵ザンティピーシリーズ第3弾です。
彼はマンハッタンに住んでいますが、本に書かれるときは^m^いつも日本に来るので読みやすいです。しかも北海道だし。
今回の依頼は古い写真の持ち主探し。手がかりを頼りに持ち主の家を探します。家は割と簡単に見つかるのですが、ザンティピーは違和感をぬぐえません。
そしてその違和感は的中します。そして悲しい事件が待っています。
小路さんの作品ってお金に困ってる人ってあまり登場しないのが印象的なのですが、今回ザンティピーさんは本当に困ってましたね^^;
探偵という仕事はどの国も不安定なんだろうなぁなんて全然関係ないことを思ったりしました。
今回の出来事は悲しかったです。
とても幸せそうだった五四季旅館。その旅館に隠されていた秘密。そして事件。何となく後味が悪かったです。諸々分かってそこはスッキリしましたが。
それでも、最後に妹サンディのいる留萌に行って癒されて、読んでるこちらまで癒されました。
第4弾も出るのでしょうか。出てほしいな。
サンディピーさんには1年に1回くらい北海道に来てほしいです^m^

〈幻冬舎 2012.10〉H24.11.14読了

わたしとトムおじさん 小路幸也4

わたしとトムおじさん (朝日文庫)わたしとトムおじさん (朝日文庫)
著者:小路幸也
朝日新聞出版(2012-09-07)
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小学校になじめない帆奈と高校を中退した元・引きこもりのトムおじさん。生きづらさを抱える二人は、懐かしい建物が集まる「明治たてもの村」で一緒に暮らし始める。帆奈の成長と共に起こる小さな事件の数々。ゆるやかに流れる時間が二人を少しずつ変えてゆく。
「八十年間の旅」帆奈たちが住む「明治たてもの村」に建つ旅館「松涛館」が本当に旅館として経営されるようになった。そこに泊まりに来たのが現オーナーと元オーナー。この2人には意見の食い違いがあるようで、双方の家族が心配していてた。
「はじめての旅」帆奈が10歳の時の話。帆奈が日本に来たばかりの頃。学校になじめず学校に行かないことにした矢先、トムおじさんと2人で東北の方へ建物の修繕に行くことになった。そこで恭介という少年と仲良くなる。
「十年間の旅」帆奈は中学生になった。いじめではないが自分と同じハーフの由一の事が気になっており、夏休みに帆奈の家にホームステイをして、トムおじさんの手伝いをすることになった。そして夏休み。トムおじさんのかつての同級生、紗絵と浩一がやってくる。
「それからの旅、これからの旅。」帆奈が21歳になってからの話。

文庫が図書館に入ってきていたので、気になって借りて読みました。トムおじさんっていう名前の雰囲気から40〜50代のハーフもしくは外国人のおじさんなのかと思ったら、私と同い年の日本人でした^^;うおー。
帰国子女の帆奈と元引きこもりのトム。2人はとても相性が良いみたいで、会話が合ってるし何だか可愛いです。
住んでいる所が観光地でもあるって大変そうですけど面白そう。
帆奈はいい意味で外国人らしい考えを持っていて、それが日本ではなじめないというのが本当に悲しいなと思いました。自分の意志を持つことは大事だけど、輪が乱れることや環境が変わることを日本は認めていないし、いじめは見て見ぬふり。先生の対応も日本とアメリカでは全く違う。友達の愛ちゃんがいつも自分に謝ってくれて、愛ちゃんが傷ついてしまうことを恐れて帆奈は学校へ行かなくなります。でもそれは心が弱いから、辛いからではなくて、そこまでして学校へ行こうと思わないからっていうのが強い子なんだなと思いました。
トムおじさんも素敵な良い人。そして優しくて職人さん。だから、私はトムおじさんと当時追い込んだ内浦さんは好きにはなれませんでした。トムおじさんは人が良すぎです。やっぱり将来はしっかりしたミキちゃんと一緒になるのが良いんじゃ…←
そして斗六おじさんの名前の由来がウケました。笑っちゃうの失礼ですけど^^;
「それからの旅、これからの旅」は文庫本の書き下ろしなんですよね。いろんな展開が待っていて驚きました。単行本を読んだからはびっくりされるのでは…。
書かなくて良かったんじゃ・・・と思うところと、読んでいてニヤニヤしちゃうところと色々ありました。私はあって良かったと思いましたが。

〈朝日新聞出版 2009.1
        2012.9〉H24.11.6読了

つむじダブル 小路幸也 宮下奈都5

つむじダブル (一般書)つむじダブル (一般書)
著者:小路幸也
ポプラ社(2012-09-15)
販売元:Amazon.co.jp
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本邦初!? 人気作家二人がつむぐ話題の合作!
小路幸也が兄の視点、宮下奈都が妹の視点で描く、家族の「ひみつ」の物語。
小学生のまどかと高校生の由一は、年の離れた仲のよい兄妹。ふたりとも、つむじがふたつあり、お母さんは「つむじダブルは幸運の証」と子どもたちに話している。ある日、まどかがひとりで留守番をしていると、ひとりの女性から電話がかかってきた。お母さんは知らないひとだと言うのだけど、なんとなく様子がおかしくて――兄妹それぞれの想いが胸に響く、やさしい家族の物語。

僕も宮下さんも、地方で暮らす普通の親です。
二人で描いた<家族の物語>、一生の宝物になりました。――小路幸也
自分ひとりだったら決していかない方向へ物語が広がりました。
妹まどかと兄ユイチのパートを合わせると、わくわくが溢れ出します。――宮下奈都

ネタバレあります

小路さんと宮下さん合作の今作。
兄ユイチの語りは小路さんが、妹まどかの語りは宮下さんが書かれています。
「冷静と情熱のあいだ」のように男女の視点で書かれた別々の本は読んだことがありますが、こういう合作は読むのが初めてだと思います。
別の作家さんが交互に書かれているのに全然違和感を感じませんでした。2人の書かれる文章が似ているんですかね。
でもストーリーは小路さん寄りかなぁという印象でした。終わり方とか。
ユイチもまどかもとってもいい子です。素直で、良い家庭で育ってきたんだろうなぁという印象。
それでも、一人の女性が現れたことから徐々に家族の抱えている秘密に、2人は気づきはじめます。
両親が隠している最大の秘密は、私はユイチの考えすぎだと信じたいです。
じゃないと、石郷がただの勝手な人でプロデューサーとしては失格だとしか私は思えないし…。
お父さんが何気なくまどかに言った言葉を信じたい。
まあ、どちらにしても、ユイチは真っ当に生きていけると思います。
良い人たちに恵まれて、ユイチもまどかも幸せですね。

〈ポプラ社 2012.9〉H24.9.26読了

ナモナキラクエン 小路幸也4

ナモナキラクエンナモナキラクエン
著者:小路 幸也
角川書店(角川グループパブリッシング)(2012-09-01)
販売元:Amazon.co.jp
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「楽園の話を、聞いてくれないか」そう言いかけて、父さんは逝ってしまった。山、紫、水、明と名づけられた僕ら兄妹と、一通の手紙を残して。僕らの母親は、4人とも違う。手紙には、それぞれの母親のことが書いてあった。「会いに行く必要があると考えるなら、会ってこい」それが、僕ら兄妹の、忘れられない夏の始まり。

小路さんの新刊です。もう本当に刊行ペースが速いですよ。追いつくのが大変で過去の作品にまで手が回りません^^;
結構謳い文句で「まったく新しい」って書いてあるんだけど、全く新しいという感じではなかったかなぁ…語り口調はいつもと同じだったし…。だからと言ってダメというわけでは決してないんですけど。
登場するのは山紫水明とそれぞれ名づけられた4人の子どもたち。4人は全員母親が違い、みんな出ていってしまった。一緒に暮らしていた父親が亡くなったことで、4人はそれぞれの母親に会いに行くことを決意します。
小路さんの作品は悪い人が出てこなくて基本的にやさしいから、きっと4人のお母さんたちは邪険に扱ったり印象が悪かったりはないだろうなとは思いましたが、やっぱりその通りでした^^;まあ、良いんですけどね。
4人のお母さんたちにそれぞれ円満に会えたのは良かったけど、4人ともなにか隠しているように感じていた。その理由は最後に山だけに朝美さんを通して伝えられます。
父親が作りたかった楽園の意味、そして4人の出生の秘密。そこまで過酷な真実だとは思わなかったなぁ…。なんという。
でも、それがたとえ全員が知ってしまったとしても、4人の絆は変わらないままでいると思います。山の恋人のはるかは凄いですね。20歳でそこまで決意するのは凄い。山は良い人を見つけましたね。
ひとつ気になったのは朝美さんは家事手伝いをしてくれていたけど、結局家政婦という形で働いていたのかな?そして長期の休みになると旅に出て音信不通になる理由が分からなかったのだけど…。大した問題ではなかったのかな^^;

〈角川書店 2012.9〉H24.9.12読了

キシャツー 小路幸也5

キシャツーキシャツー
著者:小路 幸也
河出書房新社(2012-07-14)
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仲間のこと、家族のこと、将来のこと、そして、特別な誰かを想うということ。…それぞれの悩みを海風に揺らしながら、一両編成の電車は、今日もゆっくりゆっくり海岸線を走っていく。じんわり染み渡る汽車通学小説。

相変わらずの小路クオリティですね。安定感があります。
今回の舞台は北海道の片田舎。(で当たってる?)
キシャツー(汽車通学)をしているはるか、あゆみ、このみ。砂浜に赤いテントが張られているのを見つけます。
そこには同世代の少年、宮谷光太郎がいました。彼はある目的のために東京からやってきたのだけど、光太郎と地元の人間である人たちとのかかわりがほんわかしていて素敵です。
まあ、例によって例のごとくご都合主義な気がしなくもないですけど、それも醍醐味ですよね。
仲良し3人組も酒井もいい人だったけど、個人的に好きだったのは野島さんでした。
光太郎の目的がテーマ?ではあると思うのだけど、高校生が悩む進路についてだったり恋愛についても出てきます。
野島さんはいつも無表情でガードが堅いイメージだったのに、あるきっかけから変わっていきます。その変わり具合がとても可愛くて魅力的です。
光太郎が決死の覚悟で旅に出たことで、地元の人たちの心も突き動かしたというその展開が私は好きでした。
そして夏休みは8月18日までとか道民はつい電車を汽車と言ってしまうとか道産子ネタが登場して嬉しかったです。
私も言っちゃいます。汽車って。よく親に止めなさいと言われます。

<河出書房新社 2012.7>H24.8.1読了

話虫干 小路幸也5

話虫干話虫干
著者:小路 幸也
筑摩書房(2012-06-07)
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とある町の図書館に出没する話虫(はなしむし)。漱石「こころ」のなかに入り込み名作はメチャクチャに。架空の物語世界を舞台に図書館員たちの活躍が始まる。

小路さんの新刊です。
この本は「こゝろ」を読んでいるともっと楽しめると思います。そういえば中学生くらいの時に第3部だけならった気がしますがそれすらおぼろげな私はちょっと失敗したなと思いました。
ただ、「こゝろ」をガッツリ読み込んでいる人がこの作品を読んだらどう思うんだろうなという気もするので、中途半端に知っている状態で読んだ方が良かったかなと思いました。
「こゝろ」が話虫にメチャクチャにされているとはいえ、夏目漱石本人も登場するし小泉八雲も出てくるし、エリスらしき人も出てくるし終いにはシャーロックホームズも出てくるんですよ。これは古典文学が好きな人はどうなんだろうなと思わなくないけど・・・。
私は好きでした。圖中と桑島と共に糸井がいるというのが私はいい友人関係が出来上がっているなと思ったので。
結末も私は嫌いじゃないのだけど、どうなんだろうな〜。そういういい方ばかりですみません^^;私は好きでした。

〈筑摩書房 2011.6〉H24.6.21読了

レディ・マドンナ 小路幸也5

レディ・マドンナ 東京バンドワゴンレディ・マドンナ 東京バンドワゴン
著者:小路 幸也
集英社(2012-04-26)
販売元:Amazon.co.jp
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「冬 雪やこんこあなたに逢えた」
最近バンドワゴンに不思議な客が来るようになった。1か所の棚の本をごっそりと買っていく男性に、1冊ずつ価値のある本を売りに来る男性。一体何者なのか?
「春 鳶がくるりと鷹産んだ」
研人が学校の上級生を殴ったのだという。研人が理由もなく殴るとは思えない。また、我南人のバンド仲間の中川がずっと手紙だけのやり取りだった娘が来るという事で頼みがあるのだという。
「夏 思い出は風に吹かれて」
真奈美さんの出産が迫ってきたころ。すずみの友人潤子が久しぶりにバンドワゴンにやってきた。彼女は青年海外協力隊として海外に行っていたのだという。
同時期に、勘一はサチの父親の蔵書を探していた。
「秋 レディ・マドンナ」
我南人の妻、秋実と施設で姉妹のように育ち、今は施設の園長となった智子が堀田家にやってきた。経営が悪化し、施設を閉めるという。また我南人の音楽仲間の光平がアメリカへ転勤になったという。そのため一緒に暮らしている龍哉とくるみの関係が崩れ、くるみは出て行ってしまうのではないかと心配していた。

年に一度のお楽しみ。今年もやってきました。逢いたかった堀田家!
本当によくもまあいろんな厄介ごと…失礼。謎がやってきますね。堀田家の人間ならきっと解決してくれると誰かがどこかで思っているんでしょうか。
また登場人物が増えてもう頭の中の収集がつきません。
冬にやってきた男性二人。ごっそりと本を買っていく理由が何とも可愛らしい。きっと20年前の告白を再度しようとは思っていなかったかもしれないけど、それでも思い出して本を買うっていうのが素敵だなと思った。1冊ずつ本を売りに来た人たちも同様。勘一じーちゃんたちが知らないお父さんの秘密には驚きました。
そして研人!前回から分かっちゃいましたけど、大きくなっちゃいましたねぇ…
いつの間に俺と言うようになったんですか!お父さんの事を親父と言うようになったんですか!口調もしっかり男らしくなっちゃって。すんごくさびしくなっちゃいました^^;もう本当に気分は近所のおばちゃんです。それでもハートは変わらず。そこは安心しました。それにしても亜美さんが素敵すぎた。
最後のお話もうまいこと言ったなぁというのが本音なのだけど、それでもやっぱりLOVEだなぁと思って一件落着しちゃうんですよね。若い人の幸せそうな顔を見るのが嬉しいと勘一じーちゃんが言っていたのだけど、読んでいるこちらも嬉しくなります。
勘一じーちゃんとサチさんは片方が姿が見えなくても深くて強いきずなで結ばれているんだなと思いました。素敵な夫婦です。
まだそんなことは思いたくないけど、サチさんは、勘一がいなくなる時、一緒にあの世へ行くんじゃないかなと思いました。まだしばらく、そんな日は来ないでほしいですけど。

〈集英社 2012.4〉H24.5.24読了

キサトア 小路幸也5

キサトアキサトア
著者:小路 幸也
理論社(2006-06)
販売元:Amazon.co.jp
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色を失くした僕と、時間を失くした妹たちが海辺の町をかけめぐる日々。僕らの心の中にある、世界のほとりの物語。

少し前の作品ですね。小路さんには珍しい架空の世界。
舞台は海辺の街。そこに住む家族の1年の物語です。
主人公のアーチは6年生。アーティストでもあり世界的に評価もされている。しかし、アーチは病気により色の識別が出来ない。
そして、アーチの双子の妹たち、日が出ている間しか起きていられないキサと、日が沈んでいる間しか起きていられないトア。
風を読む才能を持つ「風のエキスパート」という仕事をしているお父さん。
このエキスパートというお仕事がとても素敵なんです。この仕事だからいろんな意味で大変なことも出てくるのですが…。そしてやっぱりこの町に住む人たちがとても素敵な方々なのです。
特にアーチを囲む5人組が良いです。とても信頼しあっている友達。だからとある出来事に子供まで巻き込まれているのが読んでいて悲しかったです。
でも、最後はやっぱりなるようになったので良かった。
アーチの創り上げたマッチの作品も見てみたいなと思いました。
最後の新聞記事もとっても前向きになれる素敵な記事で。幸せな気分になって本を読み終えることが出来ました。

〈理論社 2006.6〉H24.4.20読了

早坂家の三姉妹 小路幸也4

早坂家の三姉妹 brother sun (徳間文庫)早坂家の三姉妹 brother sun (徳間文庫)
著者:小路幸也
徳間書店(2011-08-05)
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三年前、再婚した父が家を出た。残されたのは長女あんず、次女かりん、三女なつめの三姉妹。ひどい話に聞こえるが、実際はそうじゃない。スープの冷めない距離に住んでいるし、義母とは年が近いから、まるで仲良し四姉妹のようだったりする。でも、気を遣わずに子育てが出来るようにと、長姉が提案して、別居することにした。そんな早坂家を二十年ぶりに訪ねてきた伯父が掻き乱す…。

2009年に出た「早坂家のこと」の文庫版です。以前出てるって知らなかった…
小路さんらしい温かなゆるやか〜な時間が流れている感じです。
あらすじでかき乱すって書いてますけど、他の方の作品に比べたら全然かき乱されていないと思います^^;
三姉妹の仲の良さも良いし、それぞれの彼氏との関係もとても素敵だなと思うし、やっぱり家庭が素敵だなと思ったし。
お父さんと伯父さんとお母さんの話は何となく想像がついたので驚くまではなかったかな。もっとすんごいドロドロしたものとか…って小路作品でそれはないと思うのだけど。まあちゃんと解決して良かった。
でも陽ちゃんが大きくなってからのあの話はなくて良かったかなぁ…。何だかちょっと悲しかった。他の方の作品ならそんなに大きな問題ではないのだけど小路さんの作品だとえーってなっちゃうのが不思議だ。

<徳間書店 2009.8
      2011.8>H24.3.29読了

荻窪シェアハウス小助川 小路幸也5

荻窪 シェアハウス小助川荻窪 シェアハウス小助川
著者:小路 幸也
新潮社(2012-02-22)
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みんなで暮らせば、なんでもできるそう思える瞬間が、確かにあった――。やりたいことも夢も特になし。自慢は家事の腕前だけ。そんな佳人が背中を押されて始めたのは、見ず知らずの男女6人 管理人のタカ先生との共同生活だった。場所は小さい頃に通った医院を改築した、シェアハウス。くらしのルールをみんなで作って、案外、居心地がいいかも。でも――。一歩踏み出す勇気が見つかる長編エンタメ!

小路さんの新刊です。今回はシェアハウスでの出来事。
主人公の佳人は父親を幼いころに亡くし、それから家事全般を請け負ってきた。
そんな佳人を母親は家から離す。
佳人は本当にお母さんみたいに家事ができるし懐が大きい。でも純粋すぎて大丈夫かな、騙されないかななんて余計な心配をしてしまう私。
シェアハウスに暮らす他の人たちもとても素敵でした。みんな何かしらのものを心の中に抱えていてでも、それは自分だけじゃないってわかっただけでも良いかも。
タカ先生もとても素敵。隠居するなんてもったいないくらい。
社会人になっていない三人娘へ言った言葉が印象的で。シェアハウスの住人が変わる事もあると思う。でも、社会人になったらいろんな荒波があるのだから、ここでそういうのも経験してみたほうが良い。とか。
優しくて厳しさもあって。良いな〜と思いました。
佳人も自分のために生きてほしいなと思ったから、最後に選んだ道はびっくりしたけど良いと思う!
彼女を作らないで^m^がんばってほしいなと思いました。

<新潮社 2012.2>H24.3.4読了

コーヒーブルース 小路幸也

Coffee bluesCoffee blues
著者:小路 幸也
実業之日本社(2012-01-19)
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1991年、北千住の洋館を改装した「弓島珈琲」。店主の僕(弓島大)はかつて、恋人の死に関する事件に巻き込まれた。その時関わった刑事の三栖は、今では店の常連だ。近所の小学生の少女から、いなくなった姉を探してほしいと頼まれた僕。少女の両親は入院と言い張り、三栖も何かを知るようだが、事件性がないと動けない。そんな折り、麻薬絡みで僕の恋人を死に追いやった人物が出所。事態は錯綜するが、店の営業も中学生の少女探しも続けなくてはならない…。紫煙とコーヒーの薫りが漂う“弓島珈琲”。中学生の少女捜しが一転、麻薬絡みの騒動へ。

小路さんの新刊だ!と思って予約したのですが続編だったんですね^^;
でも、解説されていましたし、ああ、こういう事があったんだねとちゃんと納得できたので大丈夫だったのですが。
前作を読んで理解したかったなともったいなかったなとは思いましたが。
主人公の大君がまたとにかくいい人。困っている人を放っておけないんですよね。
ダイ善人と言われるのが分かるくらい^^;
自分の恋人を殺した人物が出所すること、また近所の女の子のお姉さん探しといろいろ問題が発生するのですが、それが最後につながっていくんですよね。
もう出てくる人がみんないい人で熱血漢。みんな熱い。あれくらいの情の熱さがあってもいいよね。
皆さん素敵だけど丹下さんが女性としては惹かれました〜。こんな肝っ玉母さんみたいに20年後くらいになるのが理想だな。
大はいろんなことを抱えることになってしまって、恋人の想いもなくなることはないと思うけど、それで生きる理由が出来るという事は大にとっては良かったんじゃないかなと思ったり。
恋人のお父さんですら望んでいなかったことを裏で勝手に企てているのがイケ好かなかったですけど、お父さんの想いがちゃんと分かってよかったです。
やっぱり小路さんの作品は良いですね。
前作もいつになるかわからないけど^^;読みたいなと思います。

<実業之日本社 2012.1>H24.1.29読了

花咲小路四丁目の聖人 小路 幸也4

花咲小路四丁目の聖人花咲小路四丁目の聖人
著者:小路幸也
ポプラ社(2011-11-10)
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商店街のご隠居は、元・泥棒紳士!?
舞台は、シャッター通りとまではいかないもののさびれつつある商店街「花咲小路商店街」。主人公の亜弥は、両親が始めた小ぢんまりした英語塾を継いで講師をしている。隠居している父は、日本に帰化したイギリス人なのだが、その実、若い頃は美術品を中心とする伝説の大泥棒として名を馳せていた人物。商店街で起こる事件をその手腕で解決していくのだが、亜弥は気が気ではなくて――。

今回の舞台は商店街。今は商店街と聞くと、大型のショッピングセンターが出来たりして大変なんだろうなぁと思いますけども。もちろん、活気のあるところだってたくさんあるけどね。
主人公の矢車亜弥は父親と二人暮らしで英語塾を営んでいる25歳。亜弥の父親は矢車聖人。これは帰化した後の名前で本名はドネィタス・ウィリアム・スティヴンソン。その正体は、Last Gentleman-Thief"SAINT"(最後の泥棒紳士=セイント)という英国で知らない人はいない伝説的な存在。
亜弥は遅くに生まれたこともあって聖人はもう70過ぎ。日本の商店街の片隅で隠居しているのだけど、この商店街に存続の危機が待ち受けます。
聖人と、亜弥の幼馴染である4歳年下の克己と北斗がその危機に立ち向かおうと計画を立てます。
きっと何だか凄い事をやってくれるんだろうと思ってどきどきしているのですが、亜弥同様、お父さんも克己も北斗も詳しくは教えてくれないのでどうなるのさ!とやきもきしてました^^;
そして。やってくれましたね。凄いですね。流石セイントですね。もう絶対に誰も思いつきゃしませんよ。中華料理屋さんの南龍さんのお店に突然現れた絵画。あれは伏線だったんですね。
克己も北斗も大活躍でした。
克己、凄いヤツじゃないですか。亜弥はこんな凄い人が近くにいるのに気付かないなんてもったいない^^でも、ずっと小っちゃい頃から一緒で4つ下なら弟としか思えないっていうのも分かるかもなぁ。
小路さんらしい温かくて優しい作品でした。

〈ポプラ社 2011.11〉H24.1.9読了

東京ピーターパン 小路幸也4

東京ピーターパン東京ピーターパン
著者:小路 幸也
角川書店(角川グループパブリッシング)(2011-10-29)
販売元:Amazon.co.jp
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印刷所の平凡なサラリーマン、石井和正、34歳。元・伝説のギタリストで、ホームレスの“シンゴ”、60歳。メジャーを夢見るバンドマン、“コジー”こと小嶋隆志26歳。寺の土蔵に引きこもりの高校生・田仲聖矢16歳と、その姉・茉莉26歳。「人を、撥ねてしまったんです」石井が起こした事故により、5人のセカイが交わるとき、物語が動き出す。小路幸也が贈る、ラブ&ミュージックな大人の青春小説。

小路さんの新刊です。
あらすじは読んでいたのですが、5人でバンドをするお話なのかなぁと思ったらちょっと違いました。前置きが長いなぁと思ったのだけど、その前置きがなかったら最後に結びつかなかったのかなぁと思いました。
確かにいろいろご都合主義なところもありましたが、それぞれ5人が少しでも前へ気持ちを進めることが出来て良かったと思いました。
5人が作り上げた曲を聴いてみたいなぁ。

〈角川書店 2011.10〉H23.11.27読了

探偵ザンティピーの仏心 小路幸也5

探偵ザンティピーの仏心 (幻冬舎文庫)探偵ザンティピーの仏心 (幻冬舎文庫)
著者:小路 幸也
幻冬舎(2011-10-12)
販売元:Amazon.co.jp
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NYに住むザンティピーは数ヶ国語を操る名探偵。ボストンにあるスパの社長・エドから依頼が入る。娘のパットが、北海道の定山渓で日本の温泉経営を学ぶ間、ボディガードを頼みたいというのだ。ザンティピーは依頼を受けるが、定山渓に向かう途中、何者かに襲われ気を失ってしまう・・・・・。謎と爽快感が疾走する痛快ミステリ。書き下ろし第二弾。

シリーズ第2弾。ザンティピーが帰ってきました。
またしても舞台は北海道。今回は定山渓。
定山渓って同じ札幌だから泊まることってないんですよね。
数年前に友人と温泉旅行で初めて行きました。
冒頭からザンティピーさんは深手を負って入院していて大丈夫か!?と思いましたが、流石ですね。ちゃんと復帰。
ボディーガードのため日本へ行くのに同行しますが途中で何者かに襲われ、監禁されます。
始めはパットさんが訪れるのを阻止するためなのかと思いきや、展開が思わぬところへ向かっていったので驚きました。
凄い。これは全然気づきませんでしたよ。
前作同様、人には言えない過去、それこそ墓場まで持っていくものを抱えている人がいるんですよね。
今回の謎もなかなか面白かったです^^
事件とは全然関係ないけど、ザンティピーさんが定山渓と妹サンディさんがいる留萌は近いのかわからない。でも、同じ陸なのだからそう遠くはないだろうって楽観視してたくだりがあったんですけど、いや遠いから!と、ツッコミを入れてみました^^;
でも、アメリカに住んでいる人はその距離も短いって感じるのかな。
ザンティピーさんは大好きなので、これからもちょいちょい出してほしいなと思います。

〈幻冬舎 2011.10〉H23.11.18読了

夏のジオラマ 小路幸也4

夏のジオラマ (集英社みらい文庫)夏のジオラマ (集英社みらい文庫)
著者:小路 幸也
集英社(2011-07-05)
販売元:Amazon.co.jp
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夏休みに入って3日目。学校で“共同自由研究”をしていた僕たちに事件が起こった。体がでっかいマンタが消えたんだ。その直後、僕は理科準備室でおかしな木の箱を発見する。中には、模型みたいに小さな道路や川があって…これってジオラマ!?なぞを解明するうちに、不思議な出来事を体験していく。これは、僕たちのひと夏の冒険の話。

小路さんの新刊!と思ったら思いっきり児童書でした。
全部の漢字にルビが振ってあるし、挿絵もあるし。可愛らしい本でした。
そしてあっという間に読めます^^;ちょっと物足りなさも感じましたけど、小学生向きらしいですからしょうがないですね。
でも文章はまんま小路さんでした。
出てくる人たちがとても優しくて温かい。そしてちょっと切ない可愛らしい物語でした。
夏休みに共同で自由研究をしていたリョウ、マンタ、フミ、ミク。しかし、突然マンタが姿を消し、1日戻ってこなかった。そこから4人の冒険が始まります。
リョウが見つけたジオラマにはたくさんの人の想いがこめられていて、真実が分かるととても切なくなります。
4人はとてもいい経験をしたんだと思います^^
そしてその経験を夢や気のせいと言わずにちゃんと信じてくれたリョウの伯父であり先生の金子先生の助けも大きかったと思います。
小路さんの作品は読んでいたら人を信じることって良い事だなって当たり前のことなんですけど、そう思わせてくれるんですよね〜。
細かく書くとネタバレになっちゃうので書きませんが、良かったです^^

<集英社 2011.7>H23.8.31読了

東京公園 小路幸也5

東京公園東京公園
著者:小路 幸也
新潮社(2006-10-28)
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「幼い娘と公園に出かける妻を尾行して、写真を撮ってほしい」―くつろぐ親子の写真を撮ることを趣味にしている大学生の圭司は、ある日偶然出会った男から奇妙な頼み事をされる。バイト感覚で引き受けた圭司だが、いつのまにかファインダーを通して、話したこともない美しい被写体に恋をしている自分に気づく…。すれ違ったり、ぶつかったり、絡まったりしながらも暖かい光を浴びて芽吹く、柔らかな恋の物語。

映画化されるにあたって、小路さんの作品と知り読んでみました。
映画はちょっと設定が違うんですね。榮倉さんの役は親友の元カノじゃなくて自分の元カノですもんね、あれ、そうだよな。読み終わったばかりなのに自信がない。
何となく、頭の中に三浦君を思い浮かべて読んでました。雰囲気はあっていたかも。
いつもの小路さんらしいあったかくて癒される作品でした。
圭司がとっても素直で良い子。だからかヒロも富永もお姉さんも圭司を気にかけて親身になって圭司のために考えている。
その人間関係が好き。小路さんならではな気がします。
血のつながらない姉弟だから、何かしらあるのかなとは思ったけど、まさか富永から発言が出てくるとは。
そのもしかしたら関係性が変わるかもしれない一大イベントを、圭司が人妻の写真を撮るっていう相談をしたためにおじゃんにしちゃったんですね。もったいない。
頼まれた家族の写真を撮ったことで、圭司とお姉さんの関係や友人との関係もちょっと変わっていくかもしれないですね。
恋愛って言う部分もあるけど、それをも包み込んだ家族の物語だったかなと思いました。
癒された素敵なお話でした^^
でも、読み終えてから、原作については満足だったのだけど、それほど大きな展開がないので映画はいったいどうなるんだろう。お姉さんとどうにかなっちゃうのか!?原作とは違う怒涛の展開もあるのかしら。とか、余計なことを考えました。

〈新潮社 2006.10〉H23.7.20読了

猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷 小路幸也4

猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷
著者:小路幸也
徳間書店(2011-06-16)
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大学で研究する和弥は、恩師の娘を嫁に貰った。ある日、帰宅すると妻が猫になっていた。実は和弥は、古き時代から妖(あやかし)に立ち向かう蘆野原(あしのはら)一族の若き長。幼馴染みで悪友の和泉と、猫になった娘とともに、文明開化の世に出没する数々の災厄を防いでいく。陰陽師や祓師のような力を持つ主人公と悪友との軽妙なやりとり、猫になったときの記憶がない美しい妻との叙情的な日常を、丹念な筆致で描く幻想小説。

不思議な小説でした。和弥の能力?については良く分からなかったのだけど^^;
恩田陸さんの「光の帝国」シリーズを思い出しました。
見た目は分からないけど、ちょっと不思議な能力を持っていると言うか・・・。
時代背景が良く分からなかったのだけど、明治くらいなんでしょうか。
和弥と優美子夫婦が醸しだす雰囲気がとっても素敵でした。和やかでいいなぁって。
優美子が突然猫になってしまって、とても驚くことのはずなのに和弥を始め周りが受け入れているのはなぜ?と思ったのだけど、読んでいくうちにその雰囲気に呑まれて行って、いつの間にか私も受け入れていました。
でも、多美の存在は始め私はどうも疎ましく感じてしまって^^;ごめんね。
夫婦が好きだったのにいきなり登場して、いったいいついなくなるんだろうって思ってしまった。
2人にとって大事な存在になっていったのにね。
和弥と泉水の関係もいいですね。信頼しあってるのが分かります^^泉水も最後に幸せになったようでよかった。
小路さんはこういう作品も書かれるんですね。
まったりしていてこの夫婦、家族に癒される作品でした。

〈徳間書店 2011.6〉H23.7.8読了

オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ 小路幸也5

オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴンオブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ 東京バンドワゴン
著者:小路 幸也
集英社(2011-04-26)
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オススメ!
「春 林檎可愛やすっぱいか」
春になり、研人も中学生になった。ある日、古本屋のワゴンの棚の上に林檎が乗っていた。朝、誰かがここに置いたらしい。そしてそれは1回では終らなかった。
また、中学校では研人が友達の光輝くんを泣かせたという連絡が入る。原因は光輝君が本を乱暴に扱ったため研人が怒鳴ったと言う。本が好きな光輝君がそんなことをするとは思えなかった。
「夏 歌は世につれどうにかなるさ」
春に堀田家へ突然やってきた、風一郎というかつて我南人がプロデュースしていた歌手が、どうやら我南人が作っていた曲を盗用したらしい。その曲がヒットした事で堀田家ではワールドツアー中の我南人に判断してもらおうと決めていた。
また、青がかつて1度だけ役者として映画に出たときの監督がやってくる。舞台が古書店の映画に、出演してほしいという。
「秋 振り向けば男心に秋の空」
記者の木島が久しぶりにやってきた。彼はバンドワゴン付近で不審な動きをしている人を見つけたという。その男は数日後にバンドワゴンへやってきた。しかし、堀田家のほとんどが旅行へ行っている時だった。後日また来るという。
「冬 オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」
藤島がマンションの改装工事のため「藤島ハウス」にやってきた。そこで犬の散歩を花陽とするのが日課となったのだが、2人の後ろをつける人が2人いた。1人は30代くらいの女性、もう1人は50代くらいの男性だった。

毎年恒例バンドワゴンシリーズです^^
帯で大切な人の体調が思わしくないって書いてあるから、誰のことだ〜勘一じーちゃん?いや、それはないか。我南人か!?とかいろいろ考えて心配になっていました^^;全く見当違いのことを考えてましたよ。もちろん、大切な人だということに変わりはないですけどね。
もう登場人物が多すぎて久しぶりに登場する人が誰なのかぱっと出てこなくなりました^^;サチさんがちょこっと紹介してくれるのに助けられてます。
春は何だか小さかった子供たちの成長が見れたみたいで、勝手におばちゃん気分です。みんなおませさんなんだけど、人をすきって気持ちに年齢は関係ないですからね^^今回は研人がとてもかっこよかったです。それに比べて光輝のお父さん。自分の子どもは悪くないと言う前提でわざわざ堀田家へ言ってよくあんな言葉をいえるなって思いました。研人が悪いけどこっちにも責任はなくはないし子供同士のことだからまあこれからもよろしくみたいな。勘一が怒るのも当然です。でも、そういう人も多いんだろうなぁと思ったりもします。
あ、林檎が置かれた謎で「三毛猫ホームズの騎士道」が出てきて、読んでいた私は内容にかかってるなら読んでるから分かるぞ〜って喜んでいたんですけど。ストーリーは全然関係なかったので拍子抜けしました^^;
冬ではまたいろんな展開がありましたね。藤島さんの件は解決したと思っていましたけど、本人達はまだ会っていなかったわけですし。これからはあの人もちょいちょい登場しそうですね。そして真奈美さん^^めでたいですね〜。ちょっとやせたんじゃない?っていう藍子の発言から何となく予想はつきましたが。何だか来年はまた人が増えそうですね。増えるのは嬉しいのだけど覚え切れなくて大変です^^;
そういえば花陽ちゃんはてっきり藤島さんの事が好きだと思っていたのですが、違ったんですね〜。私の読みはその程度か。
また来年まで待つんですねぇ。またこの家族に会うのに1年待たなきゃいけないと思うと寂しいです。
今回のタイトルの意味は「life goes on」=「人生は続く」だそうで。
「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」と聞くとビートルズが思い浮かぶけど「life goes on」と聞くと別の曲が流れます。今頭の中を駆け巡ってます。そうか、このタイトルはこんなステキな意味があったんだ。発売から11年経った今知った真実。
来年は花陽ちゃんが高校生になってるんですね。ますます勉強を頑張っているのかな。私はそろそろ研人君が反抗期になってくるんじゃないかと思うんですけど。「こんなところにいてられっか〜!!」ってキレるとか^m^
絶対ないですね。勘一じーちゃんには勝てませんもんね。

〈集英社 2011.4〉H23.6.6読了

おにいちゃんのハナビ 小路幸也 原案・西田征史5

おにいちゃんのハナビ (朝日文庫)おにいちゃんのハナビ (朝日文庫)
著者:小路 幸也
朝日新聞出版(2010-08-06)
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16歳の華が入院生活を終え自宅に戻ると、19歳の兄・太郎は「引きこもり」になっていた。兄を立ち直らせるため、華は無理矢理に新聞配達のアルバイトを始めさせる。太郎は心を開き始めるが、華の病は再発し帰らぬ人に。華が語った、新潟県小千谷市の花火大会「片貝まつり」への“思い”を胸に、太郎は花火作りを始める。実話を基にした感動作を、「東京バンドワゴン」シリーズで注目を集める著者が完全にノベライズ。

この間、はなまるに谷村美月ちゃんが出ていてそのときに「おにいちゃんのハナビ」で坊主姿を披露って言う記事が取り上げられていました。映画はタイトルは聞いたことがありましたが、観ていませんし、美月ちゃんが出演していた事も知りませんでした。ちょうどこの本を予約していたので、これはよまなくては!と、読むのを楽しみにしていました。
文章は本当に小路さんって言う感じですよね。読んでいてそれは感じました。
映画は観ていないのでどれほど雰囲気が似ているのか分かりませんが、ノベライズのほうは好きでした。
華の明るさや前向きさ、太郎の真面目なところや優しさ。両親の子どもへの愛、友人の思いやり、それがひしひしと伝わって来ました。この家族以外で好きだったのはアツシかな。10年以上も佳代のことを好きでいるのに、太郎を助けたり、かっこいいなと。まあ、自分も家族を亡くした辛い記憶があるからなんだと思うけど。
華の最期よりも、太郎の再生の時の方が涙が出てきました。
最後の花火のシーンはいろんな場面で泣けました。
映画も観たいです。

〈朝日新聞出版 2010.8〉H23.5.9読了

そこへ届くのは僕たちの声 小路幸也5

そこへ届くのは僕たちの声 (新潮文庫)そこへ届くのは僕たちの声 (新潮文庫)
著者:小路 幸也
新潮社(2011-01)
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植物人間を覚醒させる能力を持つ人がいるという噂と、各地で起きる奇妙な誘拐事件。無関係なはずの二つの出来事を結んだのは、“ハヤブサ”というキーワードだった。“ハヤブサ”とはいったい何なのか?―うちに秘めた「見えざる力」を駆使して、次々と降りかかる試練を乗り越える子供たち。本当の友情と勇気を描いた物語。

私が手に取ったのは今年の1月に出た文庫本だったので、7年も前の作品と知り驚きました。だって「ハヤブサ」だよ?めちゃくちゃタイムリーじゃないですか。
しかも宇宙も関連しているし。
でも、7年前だと多分小惑星探査機のはやぶさの話題ってあったんですよね?ないのかな?でも、去年帰還したときに7年の歳月を経てっていっていたような・・・
まあ、そこは細かく考えなくて良いのですが。
解説の方もおっしゃっていましたが、私も「ハヤブサ」という言葉を聞いて小惑星探査機「はやぶさ」を思い浮かべました。
はやぶさはいくつもの危機を乗り越え、身体をボロボロにしてまで無事に帰還した奇跡の探査機。
この物語に登場する「ハヤブサ」も、その仲間も、完璧ではなくて子どもだから失敗する事もある。でも、仲間が困っているからと自分の危険を顧みず助けようとする。
人間と機械で全然違うはずなのに、どこかリンクするんですよね。
テーマも難しかったけど、面白かったです。
遠話という存在は、少し違うけど頭の中の携帯で話をする「きみにしか聞こえない」の中の「colling you」を思い出しました。
子供達にしか聞こえない遠話。そして総括して遠話の能力を持つ人たちに伝達できる「ハヤブサ」。だから、大人になると能力は次第に消えてしまう。代々子供達に引き継がれ、「ハヤブサ」も継承される。
ファンタジーですね、ロマンですね。こういう話、好きです。
「星の瞳のシルエット」というマンガが大好きで、だから私も星が好きです。詳しくはないですが。
小路さんのかかれる小説はいつも、出てくる人たちがとてもいい人たちで、物語もとても良くて、だから安心して読める作家さんです。
今回も、大人が子どもの言う事だから・・・と軽く考えずに皆が理解している。それが良いなと思った。理解がなきゃ、最後の出来事はなしえる事ができなかったと思う。
リン君やかほりや満ちるにツトム、そしてハヤブサ。
皆とてもかっこよかったです。
素敵なお話を読めて良かったです。

〈新潮社 2004.10
 新潮文庫 2011.1〉H23.4.20読了

探偵ザンティピーの休暇 小路幸也5

探偵ザンティピーの休暇 (幻冬舎文庫)探偵ザンティピーの休暇 (幻冬舎文庫)
著者:小路 幸也
幻冬舎(2010-10-08)
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マンハッタンに住むザンティピーは数カ国語を操る名探偵。彼のもとに、日本人と結婚した妹・サンディから「会いに来て欲しい」と電話があった。嫁ぎ先の北海道の旅館で若女将になった妹の言葉を不審に思いながら、日本に向かった彼が目にしたのは、10年ぶりに目にする妹の姿と人骨だった―!謎と爽快感が疾走する痛快ミステリ。書き下ろし。

アメリカ人が主人公って言うのは新しいですね^^
でも舞台は北海道って言うのが何だか嬉しいです。
留萌の小平ってどういうことだ?と思い、親に確認したら「留萌管内の小平町って意味じゃないの?」と言われ、納得。
ザンティピーが使う日本語は目上の人に使っちゃいけないと始めに言われていて、なんでだ?と思ったけどすぐに納得。江戸っ子言葉は親しみはあるが目上の人と考えるとちょっと誤解が生じるかもね^^;
まあ、その口調を聞いて1番始めに思い浮かんだのは私は寅さんではなく、勘一じーちゃんを思いました。口調まんまだもん。
サンディが巻き込まれた事件?の真相は意外でした。また、関わった人も。
確かに始めからあの人がザンティピーになんでそういうことを聴くのかなぁと思いはしてたけど。
小路さんの作品はやっぱり何があっても最後は納得して終わるんですよね^^
真相はちょっと切なかったけど、それでもちゃんと諸々解決してよかったです。
サンディはいいところに嫁いだね^^
ザンティピーの事件って事でシリーズ化しても面白いのでは?と思いました^^

〈幻冬舎 2010.10〉H23.2.28読了

ピースメーカー 小路幸也5

ピースメーカー (文芸)ピースメーカー (文芸)
著者:小路 幸也
ポプラ社(2011-01-14)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
僕らが通う、中高一貫教育で知られた伝統ある〈赤星学園中等部・高等部〉は、今は〈赤星中学校〉と〈赤星高校〉という名前になってる。
赤い星っていうのは火星のことで、戦いの神様らしい。そのせいじゃないだろうけど、何故か伝統的に文化部と運動部の戦いが続いているんだ。
放送部の顧問の先生、コウモリは言う。
「放送部が唯一、運動部と文化部を結び付けられる平和の使者〈ピースメーカー〉になれると僕は思ってる。部の活動を把握して、取材から現場の仕切りから放送まで、すべてにおいて彼らを結べるのが、放送部だ」
運動部と文化部を繋ぐ架け橋となって平和をもたらすもの。
まさしく、ピースメーカー――
一九七四年の〈ロミオとジュリエット〉
〈カンタマの戦い〉は学校全体に影響しているが最も影響を受けているのが2人の子ども達だった。玉置裕子と菅野光男はどうやら付き合っているらしい。しかし、裕子の父親はそれを阻止するため、転校も考えているという噂が流れる。
一九七四年の〈サウンド・オブ・サイレンス〉
剣道部で八百長疑惑が流れている。二大剣士と呼ばれている折原と河内のうち、河内が何故か折原との闘いの時だけわざと負けているように見えるのだ。
一九七四年の〈スモーク・オン・ザ・ウォーター〉
赤星祭が近づいてきている。その中で岩島と言う生徒がロックバンドを組み、歌いたいのだと言う。しかし、フォークソング同好会は良い顔をせず、菅野先生も猛反対していた。
一九七四年の〈ブートレグ〉
放送部に新入部員が入った。三浦さんという女子生徒で声がみーちゃんにそっくりだった。そんな放送部に試練が訪れる。音楽鑑賞プログラムでロックは禁止と言い渡されたのだ。
一九七四年の〈愛の休日〉
放送部が廃部の危機に晒された。顧問のコウモリと、良平の姉みーちゃんが付き合っているらしい。それが先生にばれ、コウモリが学校を辞めさせられるかもしれない。良平はケンちゃんを頼りにすることにした。
一九七四年の〈マイ・ファニー・バレンタイン〉
沢本部長が自宅でクリスマスパーティをしようと企画する。放送部が盛り上がっている中、1本の電話が入る。1月2日に書道部とバスケ部が体育館を使いたいと言う事でダブルブッキングとなり、生徒が困っているのだと言う。

面白かった!青春小説ですね~^^
お姉さんのみーちゃんもすごいですけど、良平もとても良い子だと思います~。
様々な事件?出来事?に巻き込まれるけど、幼馴染のケンちゃんとともに学校や先生を相手に闘います。その方法が、中学生が良く思いつくなぁと思うことも無きにしも非ずだったけど、でも学生らしいような気もして(どっちだ)
どの章も読み終えた後にスカッとしました。
にしても<カンタマの戦い>は根深く続いているんですね。
というか学生生活すら影響する先生の戦いって・・・^^;異動させた方がいいんじゃないのだろうか。良い迷惑でしょう。
まあ、そういう理不尽な事を言われて闘うのがまた良かったりするのかな。
時代背景も70年代のようだし。
現代じゃなかったのが良かったのかも。
みんな素直でとても可愛かったです。
最後のボーナストラック!
あの「女王」として君臨する放送部の沢本部長があんなことをするなんて!
実はドキドキしながら喋ってたんだろうなと思うと可愛くてキュンキュンしちゃいました^^上手く行くといいな。
小路さんの作品は本当に好きです。作品の内容も、文章も読みやすくて好きです。
時間はかかると思いますが、コンプリートを目指したいなぁ。

〈ポプラ社 2011.1〉H23.2.12読了

ラプソディ・イン・ラブ 小路幸也5

ラプソディ・イン・ラブラプソディ・イン・ラブ
著者:小路 幸也
PHP研究所(2010-10-21)
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ろくでなしでも、世間は名優と呼んでくれる。役者とはそういう職業だ。山と海に囲まれた、とある町の古い日本家屋。かつてそこは、日本の映画界を支えてきた笠松市朗が、愛する家族と過ごした家だった。笠松の息子、俳優・園田準一、笠松の前妻であり女優だった園田睦子、そして人気俳優で、笠松の二番目の妻との間に生まれた岡本裕。岡本の恋人である、人気女優の二品真里。バラバラになっていた彼ら五人が笠松の家に集まった。彼らの葛藤と思いが交錯するドラマの幕がいま開く。みな役者という彼らが、ひとつ屋根の下展開していくドラマ。「ラプソディ・イン・ラブ」――監督、紺田がつけたタイトルだ。彼らの言葉は、台詞か、真実か……。「東京バンドワゴン」シリーズの著者が描く家族の肖像。

俳優の家族のそのままを描いた映画を作ると言うコンセプト。会話などを普通に録るのだけど、唯一つ条件があり、みんななにかしらの「爆弾」を持つことが必須。
その「爆弾」がいつ投下されるのか、また投下されたら家族はどう対応するのか。全て彼らの演技にかかっている。
彼らは今演じているのか素なのか。読んでいてどんな展開になっていくのか楽しみで、あっという間に読んでしまいました。
1本の映画を見ているようでした。
一つの家族の形なのだけど、みんな演技をしていて探り合いをしているっていうのが凄いですよね。
カメラが回っていればもうみんな俳優。
家族だから素の部分も見せるけど、完全な素ではないと言いますか・・・。
少し複雑な家族の関係だったけど、それぞれの家族への愛を感じました。
特に、睦子さんの無償の愛が素晴らしくて。
別れて、すでに新しい旦那さんがいるにもかかわらず、かつて愛した人の最期を看取ろうとしたり。
真里との会話の部分は本当に嫁と姑のようでした。
真里の血の繋がった家族は愛は必要ないと思う。切り捨てる事も、時と場合によっては必要だと思うし。子どもは、親の所有物ではないからね。
そんな真里の過去を、言い方は悪いけど一切血の繋がっていない睦子は受け入れ、愛で包んでくれていたような気がします。
本当の家族の愛を、真里は手に入れる事が出来たのだと思います。
にしても笠原と睦子の爆弾が凄すぎて驚きました。
たけど、そんなに違和感があるわけでもぶっ飛んでいるわけでもなく。
そのストーリーもまさしく映画のよう。
それでも、家族が全てを受け入れているのが素敵でした。
まあ、ある意味準一と裕の爆弾も驚きではあったけど。
小路さんの作品は本当に良いですね。読んだ後に、温かい気持ちになります^^

〈PHP研究所 2010.10〉H22.12.20読了

さくらの丘で 小路幸也4

さくらの丘でさくらの丘で
著者:小路 幸也
祥伝社(2010-08-31)
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“さくらの丘”を満ちるたちに遺す―。遺書には、祖母が少女時代を送った土地を譲ると書かれていた。一緒に渡されたのは古びた鍵がひとつ。祖母の二人の幼なじみも、同じメッセージをそれぞれの孫たちに伝えていた。なぜ、彼女たちは孫にその土地を遺したのか。鍵は何を開けるものなのか。秘密をさぐりに三人の孫は、祖母たちの思い出が詰まった地を訪れた―。三人の少女たちの青春が刻まれた西洋館、そこを訪れた私たちが見た光景は―二つの時代が交差する感動の物語。

孫たちが、それぞれの祖母が遺したものの真実を探す物語です。
内容はもの凄く濃くて気になる感じだけど、さら〜っと読んでしまった感じです。
3人の孫達が祖母たちの残した秘密を探ろうと意気込んでいるのは分かるのだけど、昔のゆかりの人たちに会っただけだしなぁ・・・とか言ったらダメでしょうか^^;
おばあさん達が遺したものは、とても大きなものでしたね。
10代の女の子達が、良く守ろうとしたなと思います。
味方がいたのも良かったんだね。
ただ、君島さんとか、赤川さんとか、どうしてそこまでしてくれるんだろうともの凄く感じました。
もちろん、戦争の名残とか、事件の名残もあったのだと思うけど、そこまで人のために人は尽くせるのかなぁって思ってしまった。
それは私の心があまりにも狭いから思ってしまうのでしょうか^^;
ストーリーは良かったです。ロンさんとけい子さんのこともなるほどと思ったし。
面白くてあっという間に読んでしまいました。
とても切ない結末だから、面白いというのも失礼だとは思いますが。。。
こういう作風だから安心して読めるって言うのがあると思います^^
これからも、小路さんの本は、どんどん読んでいきたいです。

〈祥伝社 2010.8〉H22.11.17読了

オール・マイ・ラビング 小路幸也5

オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴンオール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン
著者:小路 幸也
集英社(2010-04-26)
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「夏 あなたの笑窪は縁ふたつ」
「藤島ハウス」にマードック、藍子夫妻とかずみが引っ越す時が来た。人手が必要だが、勘一と紺はネズミの墓参りに行く事になっており、手薄となる。そこで、亜美の弟修平に古本屋の店番を頼む事に。彼は大学院を辞めようか悩んでいた。
ネズミの墓参りに行く際、茅野も一緒だったのだが、何故か甥の靖祐もついてくることに。彼は友達と行った百物語で怖い体験をし、叔父の家へ逃げ込んだのだという。
「秋 さよなら三角また会う日まで」
古本屋の玄関先に、ダンボールが置かれていた。「捨て猫」「捨て犬」などと書かれているが、中にあるのは全て本。
また、どこかの出版社か新聞社が、何かを嗅ぎ回っているらしい。勘一は家族や藤島たちを集め、堀田家の秘密について話し始める。
「冬 背で泣いてる師走かな」
ある日、紺をたずねてかつての恩師百々先生が本を売りにやってくる。しかし、そのとき紺は不在としており、会うことはなかった。しかし、紺が先生の売って来た本を見て考え込む。先生が来たことと紺が大学を辞めた事は何か関係があるようだ。
家族で行うクリスマスパーティ。そこへ百々先生も呼ぶことになる。また、その場で我南人がある告白をする。
「春 オール・マイ・ラビング」
以前、「東京バンドワゴン」にやってきたハリーが再び訪れる。ハリーは、キースから我南人宛の手紙を預かってきたのだという。その返事を聞くまで、帰らないとも言っていた。一方、研人は小学校を卒業し、4月から中学生になる。卒業式に向けて、何かをたくらんでいるらしい。

ついに、今出ている分は読み終えてしまいました。何だか寂しいです。
サチが、最初に「皆さんにこうやってお話しするのは久しぶりの気がするのですが、気のせいでしょうか」と言っていたのにニヤニヤしてしまいました。
前回はサチと勘一の歴史?過去?のお話でしたもんね。
にしても、時が流れましたね~。研人が中学生ですか。ちょっと前まで可愛らしい小学生だったのに・・・。なんて、気分は近所のオバちゃんです^m^
今回も家族の絆が垣間見える瞬間がたくさんありました。そして、堀田家に関わる人たちは本当に自分を犠牲にしても堀田家を守ろうとするんですね。
前作で堀田家を危機に陥れようとした記者がまさかあんな事をするとは。
堀田家の人たちが本当にすばらしいから、みんな守ろうとするんですよね。
あぁ・・・本当に、何て素敵な家族なのでしょう!
今回もたくさん幸せが訪れましたね~^^毎回結婚式をしているような気がします。
彼と彼女がそんな関係になっているとは…(意味がわからないですね)
また、我南人の告白は驚きました。何だか元気がないなぁとは思いましたが。もしかして死んでしまって、サチと一緒に家族を見守るっていうシリーズになっちゃったらどうしようかと思いましたが^^;
とりあえず、そうはならなかったので安心しました。
花陽も、罪深き女の子ですね^m^あの双子をちゃんと分かっていないのは、微妙に傷つけているような気がしますよ…。
でも、花陽も研人も大家族で育ったのか、本当に良い子達ですね。気は遣えるし。
将来が楽しみです^^
このシリーズもきっとまだまだ続いていくと思うので楽しみです。
これからは皆さんと一緒に追っかけられるぞぉ^^

〈集英社 2010.4〉H22.11.13読了

マイ・ブルー・ヘブン 小路幸也5

マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (東京バンドワゴン)マイ・ブルー・ヘブン 東京バンドワゴン (東京バンドワゴン)
著者:小路 幸也
販売元:集英社
発売日:2009-04-24
おすすめ度:4.0
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国家の未来に関わる重要な文書が入った“箱”を父親から託され、GHQを始め大きな敵に身を追われるはめになった、子爵の娘・咲智子。混血の貿易商・ジョー、華麗な歌姫・マリア、和装の元軍人・十郎、そして、がらっぱちだけれど優しい青年・勘一にかくまわれ、敵に連れ去られた両親の行方と“箱”の謎を探る、興奮と感動の番外編。

始めの登場人物を見て、一瞬「え?誰?」と思ったのですが、勘一の名前があるから間違いなく堀田家だよなぁ。
と思いつつ読みました^^;最初の人はサチだったのねと、ちょっと経ってから気付きました。遅すぎ・・・^^;
いつもと時代は違いましたが、面白かったです!
サチが堀田家に嫁いだ理由も、蔵にある<箱>の正体も分かったし、そういうことだったのか!と今までのシリーズを読んでいて分かった事もありました。
ちょっと謎だと思ったところがあったんですよね。
勘一とサチはずいぶん若くして我南人を生んだんだなぁと、最初から思ってたんです。でも、時代が昔だからそんなもんなのかなと思っていたけど、いろいろ理由があったんですね〜。
サチって、凄い家系の生まれだったんだ。っていうか堀田家も相当凄かったんだ。
っていうか、この人たち何者?^^;
出てくる人たちみんなが本当に素敵でした。
いろんな修羅場を乗り越えてきた人たちがサチを一生懸命守ろうとしている姿が本当に良い!
最後は絶対に大丈夫って思いながら読んでましたけど、やっぱりこの家族はハッピーエンドじゃないとダメですよね。
勘一のプロポーズ、かっこよかったです!サチの微妙なプロポーズも可愛かったです。
2人は出会うべくして出会ったんですね。きゃ〜素敵です〜。
堀田家に関わった人たちは、本当にみんな人のために頑張るんですよね。
原点が見えた気がしました。
やっぱりこのシリーズ好きだ〜!!

〈集英社 2009.4〉H22.10.20読了

スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン 小路幸也5

スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン (東京バンドワゴン)スタンド・バイ・ミー 東京バンドワゴン (東京バンドワゴン)
著者:小路 幸也
販売元:集英社
発売日:2008-04-25
おすすめ度:5.0
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オススメ!
「秋 あなたのおなまえなんてぇの」
かんなと鈴花が加わり、ますます賑やかになった堀田家。
そこへまた不思議な出来事が。
棚の本の配置が3冊だけ入れ替わっていた。何も被害はないが、誰がこんなことをしたのか。
また、小坂菜美と言う女性が売りに来た本の中に、とんでもない言葉が書かれた本が見つかる。
「冬 冬に稲妻春遠からじ」
クリスマスが近づいた頃、<はる>の真奈美さんから藍子は相談を受ける。また、そこの板前であるコウさんから我南人は相談を受けていた。また同じ頃、「東京バンドワゴン」を見張る怪しい人影が目撃される。
「春 研人とメリーちゃんの羊が笑う」
研人と同級生のメリーちゃんは、毎日「東京バンドワゴン」へやってきて本を読む。本好きなのもあるが、最近メリーちゃんは羊にあとをつけられているので、まっすぐ家に帰れないというのだ。
また同じ頃、京都の会合へ青とすずみがやってきた。その相談役から、一つの事を試される。
「夏 スタンド・バイ・ミー」
我南人がテレビなどに露出するようになってからか、「東京バンドワゴン」にまた怪しい人影を見るようになった。近所の人たちに堀田家のことを聞きだしたり、青の友人にも何か聞いているようだ。青の出生に関することを調べられているのかもしれないと堀田家は調べ始める。

第3弾です。
相変わらず賑やかな堀田家。いいですね〜^^
家族もどんどん増えて賑やかで。朝食のシーンが本当に好きです。
誰が喋っているのか、もうわかります。多分^^
勘一じーちゃんがいつもその料理には入れないと言う調味料をドバドバ入れるのが気になってきた今日この頃。
ついに大台の80歳になっちゃいましたからね。身体は労わっていただかないと。
相変わらず堀田家はいろんな騒動に巻き込まれますね。
でも、堀田家の優しさと、近所の人たちのフォローによって見事に解決するんですよね〜
多分、万事上手くいくんだろうなと安心して読めるって良いですね^^
怒涛の展開のミステリとかも勿論面白いですが、その場所に必ずいて、大きな変化はない物語があったっていいと思います。
このシリーズを読んでいると、もの凄く癒されている自分がいます。
生まれたばかりの子どもがいて、大変だけどそれを助けてくれる家族が大勢いる。
何か問題を抱えている人がいても、家族が総出で何とかしようと知恵を絞り解決へ導く。
いいですよね。これぞ家族愛、夫婦愛だと思います。
それに、家族の問題ではなくて友人や顔見知りの人たちにも同じように手助けする。
こんな家族がいたら素敵ですよね。
だからどんどん登場人物が増えていく^^;大変です。でも、読んでいて楽しい。
今回も藤島さんが大活躍でしたね〜
最後の最後は、「おいおいそんなことできるのかい?」と思わなくもなかったですが^^;でも、きっと大規模な会社の社長のやることだから、きっと大丈夫なんでしょう。
それに、言い方は悪いですが赤の他人にやるにはやりすぎでは!?
って言うところまで足を踏み入れていますよね。本当に彼は何者?^^;
藍子さん、本当に私も多少早まったんじゃないかと思います^m^
あと2冊か〜。面白くてどんどん読んじゃっていますが、あと2冊。
何だか寂しいですね・・・。

〈集英社 2008.4〉H22.10.7読了

シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン 小路幸也5

シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン (東京バンドワゴン)シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン (東京バンドワゴン)
著者:小路 幸也
販売元:集英社
発売日:2007-05-25
おすすめ度:4.5
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「冬 百科事典は赤ちゃんと共に」
東京バンドワゴンに学生が百科事典を持ってきた。亡くなった祖父がお金に困ったらうるように言った本らしい。そして買い取った後に、1冊だけ、不思議な穴があいている事に気付く。また、同じ頃、カフェに赤ん坊が置き去りにされているのがみつかる。
「春 恋の沙汰も神頼み」
花陽が春から中学生になる。藤島が家庭教師となり、不定期に勉強を見てくれるようになった。そんなある日、1人の男性が妻が読んでいた本ということで売りに来た。しかし、男性本人が売った本を、翌日から毎日1冊ずつ買いにくるようになる。
「夏 幽霊の正体見たり夏休み」
夏休み、花陽と研人は脇坂さんの旅館へ行っていた。帰ってくると、勘一に本を渡した。旅館の近くに住むおばあさんがもう必要のない本だから古本屋ならもらってくれといったようだ。その本の中には1枚の写真が入っており、それを見た瞬間から勘一の様子がおかしくなった。
「秋 SHE LOVES YOU」
亜美とすずみの出産予定日が近づき、秋実の七回忌が近づいてきた。七回忌が終わったら勘一はすずみに堀田家に伝わる目録の話、そして秋実の話をしようとしていた。

シリーズ2作目ですね。面白かったー。
この家族の話を読むと、心が和みます。
あまりにもいろんなことが上手く行き過ぎて、多分普通はこうはいかないでしょって思うのかもしれないけど、小路さんの作品は許せます。というか、こうであってほしい。
1年後の設定なのでしょうか。これから毎年皆さん1歳ずつ歳をとるんですかね。
こういう大家族、いいですね。一人になることがないから。
今回は藤島さんがいろんなところで活躍しましたね。
過去にいろいろあったんだなぁとか、やっぱりそういうこともあって通っているのねとか^^
でも、最後はとってもかっこよかったですよ。きっと免停でしょうけど^m^
藍子も良かったね。花陽の恋路はどうなるのかな。
家族も増えて、これからのシリーズも読むのがとても楽しみです。

〈集英社 2007.5〉H22.9.28読了

東京バンドワゴン 小路幸也5

東京バンドワゴン東京バンドワゴン
著者:小路 幸也
販売元:集英社
発売日:2006-04-26
おすすめ度:4.5
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東京、下町の古本屋「東京バンドワゴン」。この老舗を営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。60歳にして金髪、伝説のロッカー我南人。画家で未婚の母、藍子。年中違う女性が家に押しかける美男子、青。さらにご近所の日本大好きイギリス人、何かワケありの小学生までひと癖もふた癖もある面々が一つ屋根の下、泣いて笑って朝から晩まで大騒ぎ。日本中が待っていた歴史的ホームドラマの決定版、ここに誕生。
「春 百科事典はなぜ消える」
堀田家の古本屋で、誰も買った記憶のない百科事典が棚に置かれていた。
しかし、朝にはあるが、夜にはなくなる。しかし、次の日の朝にまた置かれているのだ。
「夏 お嫁さんはなぜ泣くの」
堀田家に、いつものように青を尋ねて1人の女性がやってきた。名前を小牧みすずという。いつもは追い出すのだが、今回は青の様子がおかしい。しばらくみすずは堀田家に居候する事に。
「秋 犬とネズミとブローチと」
勘一が知り合いが今住んでいる老人ホームのために本を20~30冊見立てることになった。しかし、その1冊をもって1人の入居者がいなくなってしまったと言う。また、同時期に紺が見立てのために岐阜の旅館へ行く事になった。見立て終わった翌日。依頼者の水禰さんも、本もなくなっていたのだという。
「冬 愛こそすべて」
青の結婚式が近づいてきた。勘一が風邪をこじらせているのが心配だったが、準備は進んでいた。しかし、神前式を行う寺の住職、康円が堀田家の先代が残した言葉を見つけたという。それには、冬の結婚はよくないと書かれていた。

以前、「僕は長い昼と長い夜を過ごす」を読んで、好きな雰囲気だったので有名なシリーズに手を出してみました^^
読もうと思っていたのだけど、気付いたらこんなに時間が経ってしまっていました。
もっと早く読んでいれば良かったなぁ。面白かったです!
この家族いいですね!みんな素敵ですよ。個性的ですし^^
藍子に紺に青。いいですね^^名前の付け方が好きです。
子ども2人も悪知恵を持ちつつ素直ないい子に育ってるなーと思いましたし。
雰囲気がとても好きでした。
なにより、語りがおばあちゃんなのがいいですね。まったりとした雰囲気がいいです。
古書店が舞台なので、内容は全然違いますが、「月魚」を思い出して嬉しくなりました。
ちょっとしたミステリもまたいいです。
なるほど!とどれも納得でした^^
シリーズはまだまだ続きますね。
家族関係も進展があるのでしょうか。
これから読んで行くのが楽しみです。
ところで。おばあちゃんと喋れるのは紺だけなんですかね?

〈集英社 2006.4〉H22.9.15読了

僕は長い昼と長い夜を過ごす 小路幸也5

僕は長い昼と長い夜を過ごす (ハヤカワ・ミステリワールド)僕は長い昼と長い夜を過ごす (ハヤカワ・ミステリワールド)
著者:小路 幸也
販売元:早川書房
発売日:2010-06-24
おすすめ度:3.5
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ミステリ・青春・家族etc… 少し奇妙で胸を打つ小路ワールド最新作。僕の一日は五十時間起きて二十時間眠る。拾った二億円と謎の〈種苗屋〉ナタネさん。奪還屋、強奪屋。 非二十四時間睡眠覚醒症候群。15年前、強盗に殺された父親。ゲームプランナーとしての経験。すべてのピースを活かして、周りのひとたちを守るんだ。 50時間起きて20時間眠る特殊体質のメイジ。草食系でのんびりした性格に反し、15年前、父親を殺されたというハードな過去の持ち主。現在はゲームプランナーをしつつ、体質を活かした〈監視〉のバイトをしている。だが、そのバイトのせいで二億円を拾ってしまい、裏金融世界の魔手に狙われる羽目に。メイジは戸惑いながらも知恵と友情を武器に立ち向かうが、この利とも枷ともなる体質が驚愕の事態を招く。

小路さんは初読みでした。
読もうと思ってはいたのですが、なかなか読めずにいました。
でも、北海道出身だし、実は私の勤務地にめちゃくちゃ近いところにお住まいだと言う事も知り、勝手に親近感を持ってたりして^^;
以前講演会があったんですが、私は仕事が遅くていけなかったんですよねぇ。残念。
ということもありつつ、新刊が出たと思ったので読んでみました。
面白かったです。私は好きです。
警察や奪還屋、強奪屋が出てくるのでハードボイルドっぽいのかと思いきやそうでもなく。
主人公のメイジのように軽い感じで^m^わりと和やかに進んでいったような気がします。
それが私には良かったのかも。あんまりどんでん返しや怒涛の展開は疲れちゃうので。
睡眠障害を抱えているメイジだけど、人柄が良いのか周りの人には恵まれていました。
ひょんなことで敵を作ってしまったけど、そのお陰で味方がたくさんいることも分かって。
展開がどうなるのかドキドキしましたが、メイジの周りに味方が増えていくのでだんだん安心していったり。
そして何より、北海道の地名がたくさん出てきて親近感というか、この物語がとても身近に感じました。札幌市東苗穂とか、留萌とか、美唄とか。朝倉かすみさんの作品を読んでいても思いましたが、こういう聞きなれた地名が出てくるのが北海道作家さんは嬉しいですね。
でも、最後の諸々の展開はちっとも読めませんでした。
15年前の父親の事件も母親の失踪も虐待についてもナタネさんについても。
ナタネさんの過去は、本当に?とちょっと思いましたけど、でもそれは経験した本人しかきっと分からない感情だと思うので、第三者の私はそうなのか。よかったね。と思うことにします^^
にしてもみんな良い人でしたね。新島さんもバンさんも安藤も家族も。

〈早川書房 2010.6〉H22.7.30読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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