苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

石持浅海

新しい世界で 座間味くんの推理 石持浅海5

新しい世界で 座間味くんの推理
石持 浅海
光文社
2021-12-21


大学生の玉城聖子が書店で待ち合わせているのは、警視庁の幹部と、座間味くんと呼ばれる中年の会社員の男性。世代も性別もバラバラだが、不可解な話を肴に時折酒を酌み交わす仲だ。若手起業家と空き巣の争い、猫がもたらした複雑な出会い、キャンプ場で一人テントを広げるスーツの女性、そして聖子の胸に淀む罪悪感……。杯が進むほど推理は冴え、予想外の真相が露わになる。本格ミステリの愉楽、呑み語らう悦楽がひしめく短編集!

5年ぶりの座間味くんシリーズ5冊目ですかね?
今回の2人との飲み仲間は大学生の玉城聖子。彼女もハイジャック事件の関係者で1歳の時に人質に取られた張本人。始めのお話ではハイジャックから19年が経過していました。もう「月の扉」に関してはほとんど覚えていないですけど^^;2人からしてみればあの時の子がもう20歳か…と感慨深くもなりますよね。
今回もお酒の席でお話したことが座間味くんの手によって新説が登場するというものでしたけど、今までは警察が絡むような大きな事件がひっくり返される展開でしたが今回はそこまで大きいものではなかったですね。表題作の「新しい世界で」の座間味くんの見解が1番印象的だったかな。女って怖い…って思いました^m^「救出」は聖子の家族に関すること。ずっと罪悪感を持っていた母親に対するわだかまりが無くなって良かったと思いました。
そして最後の「お揃いのカップ」最後の展開にはびっくりしました。びっくりしましたけどなんか他の作品で読んだことがある気がするんだけど(笑)(多分「Rのつく月には気を付けよう」)
それでもこの展開は感慨深すぎますよね。座間味くん、今回は40代半ばから50代くらいになっているのかな。連作短編まではいかないですけど少しずつ時間が経過していて聖子は最後に28歳になっています。今回座間味くんというワードが出てこないなとは思っていたんですよ…やられました。
ハッピーエンドでしたね。あ、違いますね。今はハッピーの真っ只中なんですよね^m^
今回読み終えた後に今まで読んだ座間味くんシリーズの感想を読んでみたのですが、内容はほとんど覚えてなくて(笑)だから「心臓と左手」でしっかり12歳の時の聖子が登場してて驚きました。覚えていればもっと感慨深くなれたのに残念です。しかもその時に従妹が座間味くんに聖子の家庭環境のことをペラペラしゃべって罵倒していたようで私は怒った感想を書いていました^^;全然覚えていない…でも読んだの14年前みたいだから…。
このシリーズはこれでひと段落するのかな。それともまた飲み仲間が変わって続くのでしょうか。動向も気になるところです。

<光文社 2021.12>2022.2.12読了

殺し屋、続けてます。 石持浅海4



ビジネスに徹する殺し屋、富澤に商売敵現る? 発売即重版となった『殺し屋、やってます。』に続く、日常(?)の謎シリーズ第二弾。

前作は即日重版になったんですか。ほうほう。2年前だったんですね〜。
相変わらずトミーは殺し屋業に勤しんでいるわけですが、今回は別の殺し屋が登場しましたね。
微妙にすれ違っているのにあまりにもどっちも平凡な見た目だから殺し屋だと思わないのかな。
2人で戦っては欲しくないけど協力はしてほしいような気もします。
今回も殺される人の謎、依頼人の謎なども分かって面白く読みました。面白くって言う言葉が正しいのか分かりませんが^^;また続編が出たら読みたいです。

<文藝春秋 2019.10>2019.12.10読了

Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス 石持浅海4



名探偵は美酒で目醒める――。
あの小粋な“宅飲み”ミステリーが帰ってきた!
“悪魔から頭脳を買った”男、負けず嫌いな女、酒豪の女……
いつもの仲間が集れば、おいしい料理と「謎」を肴に宴の始まり。
長江、渚、夏美は大学時代からの飲み仲間だった。やがて長江と渚は夫婦になり、夏美は会社の同僚・健太と結婚、それぞれ子を持つ親に。長江の海外赴任でしばらく途切れていた“宅飲み”が、帰国をきっかけに復活。簡単&絶品グルメをアテに、世間話はいつも思わぬ方向へ……。
米焼酎×サーモンの酒粕漬け=双子が一日ずれるワケ
日本酒×イカの肝焼き=二年の未婚期間の秘密
紹興酒×鶏手羽のピリ辛煮=受験の本当の成功とは
ビール×たこ焼き=悪口上手なママの離婚
旨い酒×時短レシピの絶品グルメ=極上の謎解き!

タイトルを見て続編だと気付きました。でも、前作の内容が全く思い出せず^^;友人同士でお酒を飲んで話をしている中でいつの間にか謎解きが始まる…みたいな感じだったのは何となく覚えているのですが。
前作から少し時間がだっていて、長江と渚は結婚し、夏美も結婚して健太という夫が出来て、今度は4人で飲むようになった。そこで前作のような謎解きをしていくのですが、どのお話もなるほどなーと思いました。
最後のお話は途中では気が付かなかったけど、読み始めた時からきっとこういう結末になるんじゃないかなと感じた内容だったので、そうなって良かったと思いました(読んでないと意味が分からないですが言ってしまうとネタバレになってしまう内容です)何となく違和感は感じていたんですよね〜。

<祥伝社 2019.8>2019.10.3読了

不老虫 石持浅海4

不老虫
石持 浅海
光文社
2019-04-17


農林水産省で防疫に従事する酒井恭平は、上司から“サトゥルヌス・リーチ”という未知の寄生虫が日本に入ってくるかもしれない、と聞かされる。対策のためアメリカから招聘したという専門家、ジャカランダ・マクアダムスを迎えに行った酒井は、ジャカランダがネコ科の動物を連れた、まだ大学生の美女だったことに驚く。戸惑いつつも霞が関に戻った酒井たちを待っていたのは、農林水産省の上層部と、警視庁警備部の人間だった。いったい、何が始まろうとしているのか…?

タイトルからして嫌な予感がしましたが、想像しただけで気持ち悪かったですね^^;
寄生虫を退治する側と利用する側。利用する側が一方的に悪ではあるのですが、中里の動機は少しだけ理解できました。でも、だからと言って自分の家族のために他人を利用していいはずがありません。結局は幻想に憑りつかれてしまっただけなのだと思います。
最後の手段なんか人間業とは思えません。葉山も有能そうに見えましたけど、最後は幼稚すぎましたねー。
恭平とジャカランダのコンビは相性が抜群でしたね。2人とも自分の任務を理解して全うしてました。
恭平はまさにヒーローだったのかも知れません。だからこそ、最後の一文が気になります。最後までぞぞっとさせる作品でした。

<光文社 2019.4>2019.5.10読了

崖の上で踊る 石持浅海4

崖の上で踊る
石持 浅海
PHP研究所
2018-10-20


計画は完璧なはずだった。仲間が仲間を殺すまでは――。
那須高原にある保養所に集まった、絵麻をはじめとする10人の男女。彼らの目的は、自分たちを不幸に陥れた企業「フウジンブレード」の幹部3人を、復讐のために殺害することだった。計画通り一人目を殺した絵麻たち。次なる殺人に向けて、しばしの休息をとった彼らが目にしたのは、仲間の一人の変わり果てた姿だった――。
裏切り者は誰なのか? そしてその目的は?史上最悪の復讐劇が今始まる!

あらすじを全く知らない状態で読み進めたのですが、なかなかな内容でビックリしました^^;
この作品をクリスマスイブに読んだのは正解だったのだろうか…まあいいか。
保養所に集まった10人の男女の目的は殺人。目的は一緒だったはずなのに、思わぬ方向へ発展していきます。
憎しみは人それぞれで、みんな同じって言うことはないのかなぁ…。
最初の殺人、そのあとの殺人、トリックというよりは心理戦になるのだけど、犯人が全く分かりませんでした。
探偵役は雨森という男性。主人公というか語り手は絵麻という女性です。
最終的に真相が明らかになるのだけど元々の目的の殺人の事もあるし、最後まで展開が読めませんでした。
この展開は石持さんらしいですね。タイトルの意味も最後に明らかになります。納得でした。

<PHP研究所 2018.10>H30.12.24読了

賛美せよ、と成功は言った 石持浅海3

賛美せよ、と成功は言った (ノン・ノベル)賛美せよ、と成功は言った (ノン・ノベル)
著者:石持浅海
祥伝社(2017-10-11)
販売元:Amazon.co.jp

武田小春は、十五年ぶりに再会したかつての親友・碓氷優佳とともに、予備校時代の仲良しグループが催した祝賀会に参加した。仲間の一人・湯村勝治が、ロボット開発事業で名誉ある賞を受賞したことを祝うためだった。出席者は恩師の真鍋宏典を筆頭に、主賓の湯村、湯村の妻の桜子を始め教え子が九名、総勢十名で宴は和やかに進行する。そんな中、出席者の一人・神山裕樹が突如ワインボトルで真鍋を殴り殺してしまう。旧友の蛮行に皆が動揺する中、優佳は神山の行動に“ある人物”の意志を感じ取る。小春が見守る中、優佳とその人物との息詰まる心理戦が始まった…。

碓井優佳シリーズ…何作目?4作目かな。6年振りなんですねー。時は流れるー。
プロローグが短いのにやたら1人1人の紹介が長いなと思ったのですが「わたしたちが少女と呼ばれていた頃」のメンバーだったんですね。小春なんてメインだったのに、もうすっかり忘れていました^^;小春は高校卒業の頃に優佳の本質を知ってしまって、距離を置くような感じで終わっていましたが、それから15年も没交渉だったんですね…。
それでも酸いも甘いも経験した大人になって再会したことで、そのころ見えてこなかったものも見えてくるし、自分自身の成長もあるだろうし、2人の関係性は変わったように感じました。
で、事件についてですが、こういう心理戦は石持作品ではよくありますけど、優佳が絡むんだからもっと何かこう…ないのか!(ざっくり)と思わなくもなかったです^^;
大きな展開もなかったし、優佳の良さもあまり出ていなかった気がします。偉そうに言っちゃいますけど。事件についてよりも最後の二人の会話の方が気になりました。そうだ、高校生の時から好きな人がいるって話をしていましたよね。このシリーズの1番最初に登場してきたあの男性…ってもうすっかり忘れちゃってますけど^^;
結局諸々どうしているんでしょうねぇ。旦那さん、尻に敷かれてそうだなぁ←
それでも優佳はずっと好きだった人と一緒にいられるんだから、きっと幸せなんでしょうね…

<祥伝社 2017.10>H30.5.18読了

鎮憎師 石持浅海3

鎮憎師鎮憎師
著者:石持 浅海
光文社(2017-04-18)
販売元:Amazon.co.jp

赤垣真穂は学生時代のサークル仲間の結婚式の二次会に招かれた。その翌日、仲間の一人が死体となって発見される。これは、三年前にあった“事件”の復讐なのか!?真穂は叔父から「鎮憎師」なる人物を紹介される…。奇想の作家が生み出した“鎮憎師”という新たなる存在。彼は哀しき事件の真相を見極め、憎しみの炎を消すことができるのか―。

3年前に付き合っていた彼氏に殺されかけた仲間と久しぶりの再会、しかしその仲間は再び事件に巻き込まれた。事件としては本当に悲しいものでしたね。被害者の夏連が東京に来なければ、呼ばなければ。たらればの話なんですけどそう思わずにはいられないような展開。
この事件の軸となるのは殺人の連鎖。殺人事件があり、被害者の恨みを晴らそうと更なる犠牲者と加害者が生まれるのを未然に防ぐために主人公たちが真相を探っていくという話なのですが。
石持作品は全体的に物的証拠などは考えずに想像で事件の真相を突き詰めていく感じが多い気がするんですけど、今回はなんとなく結構ぶっ飛んでいたような気が^^;
悪くはないんですけど、あ、そういう感じになっていくのねってちょっと置き去りになっているような。人と人との心理戦は面白かったですが。
でも、容疑者候補の人たちが怒っていたけど、3年前に娘の友人と連絡を絶ったのも、今回のお葬式で参列を拒否したのも、私は両親の気持ちわかるけどな。非常識とは思わないけど…。
石持さんが書かれる女性の言葉遣いってなんか変な時ありますよね←
30前後の若いお母さんなのに子供に「これ!」って怒るとか^^;あれ凄い違和感だったんですよねー。この作品ではないですけど。
今回も女性が「貴様」とは言わないでしょ。いくらブチ切れてても。「お前」とか「てめえ」とかの方がまだわかるような(私だけの感覚か^^;)
それに「お主」って何?最初冗談で言ってるかと思ったんですけど…。
何だかそういうところばかり気になってしまって残念でした^^;
ぶっ飛んでいても座間味君シリーズとか、碓氷優佳シリーズはすんなり受け入れられるんだけどなー。この作品は受け入れるという点ではちょっと微妙でした。
事件の真相に関してはなるほどと思いましたけど。何だか辛口になってすみません…。

<光文社 2017.4>H29.8.9読了

殺し屋、やってます。 石持浅海4

殺し屋、やってます。殺し屋、やってます。
著者:石持 浅海
文藝春秋(2017-01-12)
販売元:Amazon.co.jp

安心・安全のシステムで、殺し屋、やってます。
コンサルティング会社を営む男、富澤允。彼には裏の仕事があった。650万円の料金で人殺しを請け負う「殺し屋」だ。
依頼を受けたら引き受けられるかどうかを3日で判断。引き受けた場合、原則2週間以内に実行する。ビジネスライクに「仕事」をこなす富澤だが、標的が奇妙な行動が、どうにも気になる。
なぜこの女性は、深夜に公園で水筒の中身を捨てるのか?
独身のはずの男性は、なぜ紙おむつを買って帰るのか?
任務遂行に支障はないが、その謎を放ってはおけない。
殺し屋が解く日常の謎シリーズ、開幕です。

石持さんの作品は人を殺しても逮捕されないということはよくありますが、この作品は最たるものですねぇ。またこの時代によく思いつくもんです^^;
でも、殺し屋のトミー←が至極冷静で頭脳明晰でちゃんと任務を遂行するから大丈夫かなぁというドキドキ感はなかったかな。
それでも色々なパターンがあって、面白いって言っていいのか分からないけど面白かったです。まあ、血も涙もない人だなとは思いましたけど^^;
でも最近はこの作品以上に突飛で全く持って理解不能な作品もあったから、それよりは全然良かったです。

<文芸春秋 2017.1>H29.2.24読了

パレードの明暗 座間味くんの推理4

パレードの明暗 座間味くんの推理パレードの明暗 座間味くんの推理
著者:石持 浅海
光文社(2016-10-18)
販売元:Amazon.co.jp

警視庁の女性特別機動隊に所属し、羽田空港の保安検査場に勤務する南谷結月は、日々の仕事に不満を感じていた。身体を張って国民を護るのが、警察官として最も崇高な使命だ。なのに―。そんな不満と視野の狭さに気付いた上官から、結月はある飲み会に同席するように言われる。行ってみた先に待っていたのは、雲の上の人である大迫警視長と、その友人の民間人・座間味くんだった。盟友・大迫警視長の語る事件の概要から、隠れた真相を暴き出す!名探偵・座間味くんの推理を堪能できる傑作集!

座間味君シリーズ第4弾…ですかね。前作から4年経っていますが物語の月日もそれくらい流れている感じですかね。大迫警視長も少しずつ昇進してるし、座間味君もアラフォーですか。更にお子さんが中学受験かぁ。最初は学生だったのにね…ってしみじみしちゃいけませんね^^;
今回も新キャラが登場しましたね。最初は本当に凝り固まった価値観に大丈夫かこの子はと思いましたけど、2人の会話を聞いていくうちに変わっていって良かったですね。
今までは大迫警視長が話す事件をひっくり返すような展開でしたけど、今回はちょっと抑え気味な感じでしたねそこまでいかないというかさらに別の思惑が…みたいな。
特になるほどと思ったのは「女性警察官の嗅覚」「F1に乗ったレミング」かなぁ。無理矢理感がなかったからかもしれない。他の作品が無理矢理だったっていうわけでもないんですけども^^;
座間味くんのお子さんの成長も気になりますし、ずっと続いていってほしいシリーズです。

<光文社 2016.10>H29.1.14読了

罪人よやすらかに眠れ 石持浅海4

罪人よやすらかに眠れ罪人よやすらかに眠れ
著者:石持 浅海
KADOKAWA/角川書店(2015-12-02)
販売元:Amazon.co.jp

訪れた者は、この場所で自らの業と向き合う。それは揺らがぬ、この《館》のルール。
「この館に、業を抱えていない人間が来てはいけないんです」
北海道札幌市、中島公園のすぐそばに不思議な《館》がある。
公園と同じ名の表札を掲げるその建物に、吸い寄せられるように足を踏み入れた客の境遇はさまざまだ。
「友人と、その恋人」を連れた若者、
「はじめての一人旅」に出た小学生の女の子、
「徘徊と彷徨」をせざるを得ない中年男性、
「懐かしい友だち」を思い出すOL、
「待ち人来たらず」に困惑する青年、
「今度こそ、さよなら」をするために過去をひもとく女性……。
そして彼らを待ち受けるのは、北良(きたら)と名乗るおそろしく頭の切れる男。
果たして迷える客人たちは、何を抱えて《館》を訪れたのか?
ロジックの名手が紡ぐ、6つの謎。
まったく新しい《館》ミステリ、ここに誕生!

まさか舞台が札幌だとは思いませんでした^^;中島公園の近くにある中島さんの家の中で起きる様々な出来事。
何故か業を持つ人たちが館にやってくる。
でもそもそもその事件を解決するのがその館の人間ではないという…。北良さんとか。近くにKitaraがあるし←中島さんに北良さん…
その館にやってくる人たちが抱える闇、それを見抜く推理は面白かったですね。
若干無理がないか?と思うところもあったけど、面白く読みました。
にしても北良さんは何者?

<角川書店 2015.12>H28.2.5読了

凪の司祭 石持浅海2

凪の司祭凪の司祭
著者:石持 浅海
幻冬舎(2015-10-22)
販売元:Amazon.co.jp

殺すんだ。できるだけ多くの人間を。
過去最大の密室で、史上最凶の女性テロリストが歴代最多の殺人を行なう。
緻密な設定と息もつかせぬ展開で、一気読み必死の傑作大長編!
襲う女、逃げる客。
パニックがパニックを呼び、さらなる犠牲者を生む──
暑さが残る初秋の、とある土曜。コーヒー専門店店員・篠崎百代は、一人で汐留のショッピングモールへと向かった。できるだけ多くの人間を殺害するために。一方、百代の協力者・藤間護らは、仲間の木下が死亡しているのを発見する。計画の中止を告げるため、百代を追う藤間たちだったが……。

最近世間でテロや自爆テロが報道されているからか日本でテロが起きたら…みたいな作品をちょいちょい読んでいるような気がするんですけど…
いやいやいや…なにこれ?
以前読んだ作品は自爆テロを防ぐために警察官が命を懸けて都民を守っていました。
この作品は自爆テロを遂行するために命を懸けている人の話。
登場人物の中で犯人のせいで部屋に閉じ込められ、人が無残に死んでいくのを見ているしかできなかった人が出てきましたがまさに読んでいる側もそんな感じでした。
この作品は石持作品を読み慣れている人なら読んでもまあ大丈夫だと思いますけど初読みだったらもうご愁傷さまとしか言いようがない^^;
そもそも動機も流れがおかしいし、犯人も協力者たちも異常としか思えない。
生き残ったお客さんのその後も後味悪いしでも確かにあそこでああしなければ助かった人がまだいただろうなーと思って尚更後味が悪いし。
ただただ読んでいて具合が悪くなるお話でした。これをクリスマスに読んじゃうなんて←

<幻冬舎 2015.10>H27.12.25読了

相互確証破壊 石持浅海3

相互確証破壊相互確証破壊
著者:石持 浅海
文藝春秋(2014-07-24)
販売元:Amazon.co.jp

エロスと論理の融合! ストレンジ風味炸裂
情事を映像に残す江見の真の意図は? 深夜のヒッチハイクの真の行く先は? 6人のヒロインと恋人たちの熱いセックスと怜悧な推理。

石持さんの作品は全部読んでいて、この本も新刊だーと思ってあらすじも読まず装丁も見ずに図書館に予約したんですけど…
えー…この本は官能小説ですか?エロ本ですか?どっちも読んだことないですけど^^;
情事の時間なげぇよ!←
なのにミステリっぽくなってんのが凄いなと思いますけども。
話の結末は怖いものから悲しいものからかわいらしいものから色々でしたけども。
でも内容云々じゃなくてなんかお腹いっぱいです…というか消化不良というか…
そして申し訳ないけど石持さんの書く性描写がちょっとあんまり好きじゃなかった…(元も子もない)

〈文芸春秋 2014.7〉H26.9.24読了

御子を抱く 石持浅海3

御子を抱く御子を抱く
著者:石持 浅海
河出書房新社(2014-07-14)
販売元:Amazon.co.jp

埼玉県越谷市某町―絵に描いた様に平和な新興住宅地であるこの町の住民の多くは、ある人物を師と仰ぐ集団の「門下生たち」によって占められていた。彼らは師亡き後も、その清廉な教えに恥じぬよう行動し、なんとか結束を保っていた。目覚めぬ遺児「御子」をめぐり牽制し合いながら…。しかし、かつて御子の生命を救った異端の研究者の死で、門下生たちの均衡は破れた。「私たちこそが、御子をいただくのにふさわしい」三つに分裂した各派閥によって始まった、熾烈な後継者争い。立て続けに起こる、凄惨な第二の死、第三の死。驚愕の真犯人が、人の命と引き換えてまで守ろうとしたものとは!?奇抜な状況設定における人間心理を、ひたすらロジカルに思考するミステリー界のトリックスター、石持浅海が放つ渾身の書下ろし長編。

新興宗教じゃないと言ってはいるものの、新興宗教な感じが否めませんでしたけども…
次々と起きる事件にその真相については気になって読む手が止まらなかったんですけど、星川という人物がいかにすごいのかということや、御子が人工睡眠で眠る技術という結構重要なところがそこまでフューチャーされていなかったのが、せっかくの設定なのにもったいないなぁと思ったのが正直なところです…。
加代と深川の雰囲気がいい感じだったのはちょっとおっと思いましたけど、その恋愛模様が垣間見える感じで終わるのが壮大な設定があっただけにちょっと残念だったかなぁなんて思いました。
よかったんですよ。よかったんですけど、ただもったいなかったなぁと。
展開も設定も石持さんらしくてよかったですし。

〈河出書房新社 2014.7〉H26.9.2読了

二歩前を歩く 石持浅海4

二歩前を歩く二歩前を歩く
著者:石持 浅海
光文社(2014-03-19)
販売元:Amazon.co.jp

最初の異変は、脱ぎ散らかして出かけたスリッパが、帰宅したときに揃っていたことだった。独身の「僕」の部屋には出入りする人間もいないのに。それから毎日、帰宅するたびスリッパは少しずつ奥の方に移動していって…。スリッパは、ひとりでに、一歩ずつ進んでいるのか!?「僕」は同僚の研究者・小泉に相談を持ちかけた(「一歩ずつ進む」)。六作品を収録した異色のミステリー短編集!

どの短編にも小泉という男性が登場し、その男性が解決へ導きます。
オカルトっぽいものもありますが、納得してしまうのが石持マジックな気がします。
「一歩ずつ進む」は結末にぞぞぞ。おいおい…そんな話かいってビビりましたよ。
「二歩前を歩く」通り過ぎる人たちに怪訝な顔をされていることに気づいた主人公。その結末にもちょっとぞぞ。でもこの作品が表題作というのは違うような←
「四方八方」最初は気持ち悪い―と思いましたけど、結末が石持さんらしい感じ。怖い怖い。髪の毛って本当に怖いものになりますよね。
「五か月前から」これは面白かった。そして切なかった…。この作品は2番目に好きだった。
「ナナカマド」これはからくりが分かれば自分で気づきそうだけどなーなんて身もふたもないことを思ってしまった。切ないような自業自得のような…←
「九尾の狐」この作品が1番好きかな。最後の謎が可愛かった。
…そういえば過去に「三階に止まる」っていう作品がありましたよね。あの作品もこの短編に入っていてもおかしくないようなぞぞっとした感じだったのにね。

〈光文社 2014.3〉H26.5.21読了

わたしたちが少女と呼ばれていた頃 石持浅海4

わたしたちが少女と呼ばれていた頃 (碓氷優佳シリーズ)わたしたちが少女と呼ばれていた頃 (碓氷優佳シリーズ)
著者:石持 浅海
祥伝社(2013-05-16)
販売元:Amazon.co.jp

新学期、横浜にある女子高の特進クラスで上杉小春は碓氷優佳という美少女に出会う。おしゃべりな小春とクールな優佳はやがて親友に―。二学期の中間試験で、東海林奈美絵が成績を急上昇させた。どうやら、夏休み中にできた彼氏に理由があるらしい。だが校則では男女交際は停学処分だ。気をもむ小春をよそに平然とする優佳。奈美絵のひと夏の恋の結末を優佳は見切ったようで…(「夏休み」)。教室のどこかで、生まれ続ける秘密。少女と大人の間を揺れ動きながら成長していくきらめきに満ちた3年間を描く青春ミステリー。

碓井優佳の少女時代のお話です。読むのを楽しみにしていました。
連作短編集で徐々に時間が経過していきます。碓井由佳たちの高校3年間の物語です。
主人公は上杉小春で、優佳は第三者として描かれています。それが良かったです。
優佳は中高一貫の女子高に高校から一般受験で入ってきた立場。小春は始め知らない人がいるという興味本位で優佳に話しかけます。それから仲良くなり、徐々に優佳の推理力、想像力のすごさを目の当たりにしていきます。
そして、最後には優佳の本人も気づいていないかもしれない感情を悟ります。
この本を読んでいて「扉は閉ざされたまま」を無性に読み返したくなりました。伏線となる場面がたくさん登場したので。そしてこの本を読んだのは今から6年前。うっすらと覚えているものの詳細は全くです。
優佳はこんなに前から彼のことを想っていたんですね。
たくさんの友人が出来て、綺麗でいい子だと周りからも思われていたけど、最後の最後で1番仲の良かった子が優佳の本性に気づいてしまった。それは知らないままのほうがよかったのかな…
短編集でしたがどのお話も面白かったです。頭のいい子たちのことだからすごすぎるエピソードもあったけど、でも青春だなぁと思って可愛らしいなと思いました。
ただ一ついうならば、装丁を含めイラストがちょっとかわいすぎたかな。石持さんの作品でそれほどイラストがあるのがないのでちょっと違和感。ラノベっぽい印象を受けちゃうなと思いました。ラノベがダメなんじゃないですよ。石持さんの作品だと思うと違和感があるなと思うということです。
積読本がたくさんあるけど「扉は閉ざされたまま」を読み返そうかな。

〈祥伝社 2013.5〉H25.9.22読了

三階に止まる 石持浅海4

三階に止まる三階に止まる
著者:石持 浅海
河出書房新社(2013-07-20)
販売元:Amazon.co.jp

あなたの会社やマンションは大丈夫? 誰もボタンを押していないのに、必ず3階で止まるエレベーター。住民がそこに見たものは……? 奇妙な表題作はじめ、思わず背筋の凍るミステリー短編集。

石持作品初の短編集です。
表紙からして怖い感じでドキドキして読んだのですが全体的にそれほど怖いと思うものはなかったかな。グロテスクなのは多かったですけど。
表題作は実際に自分が住んでいたらと思うと怖いですね。特に2階に住んでいたら尚更怖いと思います。きっとすぐに引っ越す。このミステリの真相は面白かったです。オチも良かったです。
碓氷由佳シリーズ最新刊を今予約中です。もう少し時間がかかると思いますが読むのが楽しみです。

〈河出書房新社 2013.7〉H25.8.27読了

届け物はまだ手の中に 石持浅海4

届け物はまだ手の中に届け物はまだ手の中に
著者:石持 浅海
光文社(2013-02-16)
販売元:Amazon.co.jp

楡井和樹は恩師・益子の仇である江藤を殺した。しかし、まだ終わっていない。裏切り者であるかつての親友・設楽宏一にこの事実を突きつけなければ、復讐は完結しないのだ。設楽邸に向かった楡井は、設楽の妻、妹、秘書という三人の美女に迎えられる。息子の誕生パーティーだというのに、設楽は急な仕事で書斎にいるという。歓待される楡井だが、肝心の設楽はいつまで経っても姿を見せない。書斎で何が起こっているのか―。石持浅海が放つ、静かなる本格。

ネタバレあります

以前読んだ「カード・ウォッチャー」の方が後に出た作品なのですが、こちらの方が来るのが遅くてようやく読めました。
この作品はもう石持作品!っていう感じです^^;
展開とか結末とか。
冒頭は恩師の敵である江藤という男を楡井が殺したところから始まります。
すぐに主人公は殺人者です^^;
そしてかつて復讐を誓いあった男、設楽に逢いに行きます。
とある出来事のお陰で設楽邸に招かれた楡井は美女3人の言動に疑問を感じ始めます。
私は3人がグルになって設楽を殺したのかと思っていたのだけど^^;全然違いました。それじゃ物語が成り立たないもんね。
でも何かを隠しているというのはすぐにわかりました。
この探り合っている感じが石持さんっぽいですね。
最後は一応ハッピーエンド…なのかなぁ。
犯罪者が捕まらない感じが石持さんぽい^^;
賛否両論ありそうですが、私はすきです。
でも、楡井は真澄に一生尻に敷かれそうですねー。
「扉は閉ざされたまま」の伏見と優佳の関係を思い出しました。

〈光文社 2013.2〉H25.6.16読了

カード・ウォッチャー 石持浅海5

カード・ウォッチャーカード・ウォッチャー
著者:石持 浅海
角川春樹事務所(2013-03-13)
販売元:Amazon.co.jp

ある日、遅くまでサービス残業をしていた研究員・下村が起こした小さな事故が呼び水となり、塚原ゴムに臨検が入ることになった。突然決まった立入検査に、研究総務・小野は大慌て。早急に対応準備を進めるが、その際倉庫で研究所職員の死体を発見してしまい…。現役サラリーマンが描く、新感覚ロジカルミステリー。

この作品の前に予約していた石持さんの本があるのですがそちらよりも先にこちらが来ました。
面白かったです。
労災に関してなんて今まで考えたことがなかったけど、ここまで深刻に考えなければならないことだったんですね。
サービス残業や怪我をすることが自己責任っていう事は良く聞くけどそれはダメな事なんですよね。割と自分もマヒしてるんだなとちょっと危機感を感じました。日本人は多いと思うな。
私の勤めている所は残業代もつくし、怪我をしても勤務地が病院だから^^;そこらへんも大丈夫だと思う。
ここに出てくる人たちに悪人はいなかった。みんなが少しずつ考えていたことがたまたま悪いほうへ悪いほうへいってしまっただけ。だけという言い方をしてはいけないけど。
これをしていなければ、ここをこうしていれば。たらればを言ってもしょうがないのだけど、そう思わずにはいられない作品でした。
物凄く後味の悪い結末だったけど、小野と鈴江の展開が救いだったかな。
そういえば、もう10年近く前の話だけど、アルバイト中に私がすっ転んで頭を強打して鞭打ち状態になったから次の日に病院に行ってMRIを撮ったことがあるんだけど、あれは労災に入らないのかな。誰もそんな事何も言ってくれなかったけど。アルバイトだったし。病院に行った次の日から働かされたし。
そんな余計なことまで思い出してしまった。

〈角川春樹事務所 2013.3〉H25.4.19読了

フライ・バイ・ワイヤ 石持浅海5

フライ・バイ・ワイヤフライ・バイ・ワイヤ
著者:石持 浅海
東京創元社(2012-11-29)
販売元:Amazon.co.jp

僕、宮野隆也が通うさいたま工科大学附属高校の選抜クラスに、転入生としてやってきたのは二足歩行のロボットだった。これは病気のため学校に来られない一ノ瀬梨香という少女を、遠隔操作で動くロボットを通じて登校させる実験だという。僕たちは戸惑いつつも“彼女”の存在を受け入れ、実験は順調なすべりだしを見せたが、小さな疑念がクラスに不協和音をもたらし、悲劇は起こった。近未来を舞台にした、学園ミステリ。

石持さんの新刊です。高校生が主人公って珍しいかもしれないですね。それでもいつもと同じように聡明な学生たちが勢ぞろいしていました^^;
面白かったです。近未来の高校の状況もロボットに関しても事件にしても興味深かったです。
それにしても本当に切ない結末でした。まさに悲劇だったなと思います。
一ノ瀬さんが言うとおり、この高校の選抜クラスにロボットを転入させたことが問題だったんだと思います。まわりの人たちがロボットに興味を持つような人達ばかりで、また頭がよすぎるのも問題だったのかも。
一ノ瀬さんの実際の姿は予想はしていたけど悲しかったです。宮野は強くて優しかったです。一ノ瀬さんをクラスから外すかどうか、クラス全体で話し合ったときの宮野の選択は正しいか分からないけど良かったと思います。
最後も望みのあるラストも良かったです。

〈東京創元社 2012.11〉H24.12.15読了

煽動者 石持浅海4

煽動者煽動者
著者:石持 浅海
実業之日本社(2012-09-20)
販売元:Amazon.co.jp
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そのテロ組織の名は「V(ブイ)」。
目的は、流血によらず現政府への不信感を国民に抱かせること。
メンバーは平日、一般人を装い、週末だけミッションを実行。
各人はコードネームを用い、メンバーはお互い、本名も素性も知らない。
週末、兵器製造のため軽井沢の施設に招集されたのは八人。
ところが作戦会議終了後、一人が謀殺された。施設は部外者の侵入は不可能、犯人はメンバーの誰か。
兵器製造命令は絶対、週明けには一般人に戻らなければならない刻限下、犯人推理の頭脳戦が始まった――。

何だか前にも石持さんの作品で似たようなのがあったなぁと思ったら、同じ組織の別の細胞の人たちの話だったんですね。
以前の作品は「攪乱者」という作品です。
今回登場する人たちの組織の中での名前で、千歳と苗穂が出てきた時点できっと自衛隊が関係しているんだろうなというのは読めたのだけど「攪乱者」と繋がっているのは読み終わるまで気づきませんでした。本当に鈍いなぁ。
ついでにいうと、よく私の名前の由来は苗穂からですか?とたまに聞かれるのだけど全然違います。住んでるわけでもないっす。
と、どうでも良い事は置いておいて。
前作の「攪乱者」の時も思ったのだけど、人を死なせない現政府への攻撃がどうもしょぼいというか小さいことからコツコツとという感じでそんなことで上手くいくのか?と思うことが多いのだけど。
そういう事に優秀な人を使っていいのか?と思いつつ。
今回はそういう組織の計画と、その中で起きた殺人事件について。
計画についてと殺人事件が同時進行で起きていたので、どっちかでもよかったんじゃないかなぁと思っちゃいました。どっちつかずな気がして。
それでも今回の指令に対してどういう兵器を作るかとか、殺人事件の犯人についてとか、テロリストたちの頭脳線が繰り広げられている所は流石石持さんだなと思いました。
でも、最後の一言が怖かったー。もしかして…っていうどうなのか分からないところで終わるのが怖いですねー。
そういえば、今「攪乱者」の感想を読み返していたら、この作品でも登場していた串本が出てきてました。
読み終わっても気づかないなんて鈍すぎますねー。
でも、2年以上前に読んだんだからしょうがない?のかな^^;と思う事にしよう。

〈実業之日本社 2012.9〉H24.10.1読了

トラップ・ハウス 石持浅海4

トラップ・ハウストラップ・ハウス
著者:石持浅海
光文社(2012-05-18)
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大学卒業を間近に控えた本橋大和は、級友たちと車2台に分乗し、郊外のキャンプ場に出かけた。先乗りしたはずの幹事の姿は見えないが、チェックイン済みのトレーラーハウスに向かう。見慣れない宿泊施設に興奮した九人全員が中に入って、そのドアが閉まったとき、復讐劇の幕が開いた―。はたして彼らは、生きてここから出られるのか!?―。

石持さんの作家10周年作品らしいです。そして密室もの。
トレーラーハウスってあまり想像がつかなかったのですが、キャンピングカーの大きいバージョンみたいな感じ?
同期旅行を楽しむはずが、男女9人はトレーラーハウスに閉じ込められ、1時間ごとに1度なる目覚まし時計が合図となって様々なことが起こります。
段々仲間にけが人が増え、密室と言う空間で追いつめられていきます。
犯人は誰なのか?なぜこのように追いつめるのか。
それを突き詰めていくと、2年前に死亡した、仲間だった中井戸という男の事を思い出させることになる。この9人はかつて中井戸に勧められた場所でバイトをしていた。しかしそこはある宗教団体を入信させるための場所だった。
父親の介護のため1年休学していた広瀬と本橋が特にリーダー格として脱出と犯人を考えていくのだけど、もう読んでいてとにかく痛かった・・・。
痛いというのはそのままの理由で痛そうということで…。
もうそこらじゅうに画鋲が登場して、みんなあちこち刺されるものだから読んでいても痛さを感じるくらいでした^^;表紙だって画鋲だらけだし。
密室や犯人はなるほどと思ったけど、動機がなぁ…。
犯人が「あなたも本橋君が死んだら分かるよ」と言っていたけど、ああいう風に大切な人を失ったからって、他の無実の人も巻き込むようなあんな方法取るかなーなんて思っちゃいました。
そして最後。トレーラーハウスの重量がどんなもんだか分からないんだけど、車の体当たり程度で動くものなんだろうか…。
なんて元も子もないことを言ってみる。
序章で何となく物語の動機が分かって、真相はどうなのか関係者は誰なのか気になって読む手が止まらなかったです。
面白かったんですが、動機がもうちょっとほしかったかななんて、ちょっと生意気なことを思ったりしました。
でも、面白かったですよ。面白かったんです。
石持さんのこれからの作品も楽しみにしています。

〈光文社 2012.5〉H24.5.29読了

玩具店の英雄 座間味くんの推理 石持浅海5

玩具店の英雄 座間味くんの推理玩具店の英雄 座間味くんの推理
著者:石持 浅海
光文社(2012-04-18)
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科学警察研究所の職員・津久井操は、事件を未然に防げるかどうか、の「分かれ目」について研究をしている。難題を前に行き詰まった操が、大学の大先輩でもある大迫警視正にこぼすと、ひとりの民間人を紹介された。「警察官の愚痴を聞かせたら日本一」と紹介された彼は、あの『月の扉』事件で活躍した“座間味くん”だった―。
「傘の花」津久井操は大学の大先輩である大迫と民間人の「座間味」君と飲むことになった。その時に出た話題が、ある失言をしたことで非難されていた国会議員が殺された事件だった。
「最強の盾」警察官はスタンドプレーで動いては行けないと言われている。しかし、TPMSという外国企業を狙う団体の人物を追っている時、ちょうどそこを通りかかった女性とベビーカーに乗った赤ん坊が襲われそうになった時に一人の警察官がいち早く気付いて動いた事で2人の命が守られた。しかし、座間味君は違う事を考えていたようだった。
「襲撃の準備」ある高校生を追って高校を警備していた警察官。しかしその眼を潜り抜けて追っていた高校生が校内に侵入。殺人事件へ発展してしまった。
「玩具店の英雄」警察官が娘と一緒にデパートへ来ていた。奇声が聞こえたためその場所へ行ってみると刃物を持った男が女性を襲っていた。そしてその男は彼のもとへ。もうだめかと思ったとき、娘と同じ幼稚園へ通う子供の父親が民間人であるにもかかわらず助けてくれた。
「住宅街の迷惑」ある宗教団体の代表が家を建てた。その家には仏像が埋め込まれており、付近の住民から苦情が出ていた。警察官が警備している中不審な人物が現れる。
「警察官の選択」釣りを趣味としていた警察官の2人は非番に釣具屋にいた。そこでトラックの交通事故を目撃。惹かれた子供は心肺停止状態で蘇生をしていたのだが、止まっていたはずのトラックが動き出していた。警察官の一人は何と自分の身一つでトラックを止めようとした。
「警察の幸運」津久井は彼氏にプロポーズをされた。彼に1週間待ってほしいという。1週間後には「見上げるような存在」のあの人に会うからだ。

座間味君シリーズ第3弾です。
「月の扉」「心臓と左手 座間味くんの推理」に次いでですね。
「月の扉」で20代半ばくらいだった座間味君ももうすっかりパパになっちゃったんですね。(しんみり)30代半ばになっているだなんて!信じられない。
あの彼女さんとの間に子供もいて。小説を読んでいてこういう時間の経過を読むことも分かるって良いな。
相変わらずの鋭い推理力。座間味君の力は衰えていませんね。
加えて今回から津久井操という新キャラが登場。通常ならいけ好かない感じなポジションの人ですが^^;エリートだし。
この人も座間味君の凄さを知って多少プライドが傷ついたんじゃないだろうかと思いますが自分はまだ未熟なのだと気づいたのが良かったです。
まあ、前回も思いましたが、警察は気づかなかったのか?と思わなくもなかったですがそれでもやはり2つの結末を書ける石持さんは凄いなと思います。

〈光文社 2012.4〉H24.4.29読了

彼女が追ってくる 石持浅海4

彼女が追ってくる (碓氷優佳シリーズ)彼女が追ってくる (碓氷優佳シリーズ)
著者:石持浅海
祥伝社(2011-10-26)
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“わたしは、彼女に勝ったはずだ。それなのに、なぜ…”中条夏子は、かつての同僚で親友だった黒羽姫乃を刺殺した。舞台は、旧知の経営者らが集まる「箱根会」の夜。愛した男の命を奪った女の抹殺は、正当な行為だと信じて。完璧な証拠隠滅。夏子には捜査から逃れられる自信があった。さらに、死体の握る“カフスボタン”が疑いを予想外の人物に向けた。死の直前にとった被害者の行動が呼ぶ、小さな不協和音。平静を装う夏子を、参加者の一人である碓氷優佳が見つめていた。やがて浮かぶ、旧友の思いがけない素顔とは。

このシリーズは碓氷優佳シリーズって言われているんですね。名前まんまやんと思わなくもないが^^;久しぶりに登場しましたね。
このシリーズは誰が誰を狙って殺すのか分かっていて、優佳がどう推理して犯人を追いつめていくのかというのが見ものなのだけど、今回はもっと押せ押せでもよかったんじゃないかなぁと思う。まあ、唯一の部外者だからあまり言えなかったのかなというのもあるけど。
今回もしてやられた感じがします。夏子の証拠隠滅や行動はわりと完璧だと思ったのだけど、見破られちゃいましたね。
そんなことで見破っちゃうのか。でもそういわれてみればそうだな〜と思いました。鈍い。
ラストにもやられました。ここまでするのか。そう思うとやはり殺人の計画に関しては優佳の言うとおりもう一つの形のほうが美しかった気がします。
今回は犯人対優佳だったのだけど、1番初めのように関係者が大勢いる中での優佳の活躍もこれからもっと見たいなと思いました。
優佳はこの作品で婚約されていたけど、あの人のままなんでしょうか。きっとそうですよね。
夏子が相手は尻に敷かれてそうと言っていたけど、確かに相手が変わっていないのなら優佳は相手を尻に敷いている上に掌の上で転がしているに違いない。あ〜やっぱり優佳を友達にはしたくないな。ちょっとした隠し事とかも見破られそう^^;

〈祥伝社 2011.10〉H24.1.4読了

人面屋敷の惨劇 石持浅海4

人面屋敷の惨劇 (講談社ノベルス)人面屋敷の惨劇 (講談社ノベルス)
著者:石持 浅海
講談社(2011-08-04)
販売元:Amazon.co.jp
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東京都西部で起きた連続幼児失踪事件。我が子を失った美菜子はじめ6人の被害者家族は、積年の悲嘆の果てに、かつて犯人と目された投資家、土佐が暮らす通称「人面屋敷」へと乗り込む。屋敷の中で「人面」の忌まわしき真相を知った親たちの激情は、抑えがたい殺意へと変容。さらに謎の美少女が突然現れたことで、誰もが予想すらしなかった悲劇をも招き寄せていく。論理(ロジック)×狂気(マッドネス)。

石持さんの新刊。やっぱり独特のちょっとツッコミどころのある隔離された空間って言うのが石持さんらしいですよね^^;
普通お父さんが殺されてあんな冷静な高校生はいないし、明らかな不法侵入の大人たちを家の中に入れたままにしておくのってありえないですよね。
とまあ、そこらへんは許容範囲だったんですけどね。やっぱり犯人の行方も他の作品と同じ感じだったしなぁ。
今回のコンセプトは「石持館」だったみたいです。まあ、そんな感じといえばそうですが。でも閉鎖された空間での事件というと私はやっぱり「扉は閉ざされたまま」が凄いと思ってしまうのだが。あ、でも犯人の行方は似たような感じか・・・?
まあ前の作品と比べてもしょうがないですが。
子どもを失った家族会の人たちはいろんな人たちがいましたねぇ・・・。
美菜子はまあ、普通の・・・というか冷静な人でしたよね。
そして美菜子は勇作がいなくなったことで自分を責め、また勇作がいなくなったことがきっかけで事業が成功し、お金を得ることになった。だから勇作に対して罪悪感を凄く持ってる。
土佐が描いた絵の勇作が笑顔でいることから、自分に会って勇作は喜んでくれるのだろうかと考えるようになる。
罪悪感を抱えているというだけで、勇作を探して、見つけたら抱きしめる権利はあると思う。
他の子どもは、虐待を受けている子もいたけど、美菜子は虐待ではなかったのだし。
自分を責めているのは愛している部分もあったからだと思うし。
由規美なんて最低ですよ。美菜子の言うとおり、子どもを誘拐されたかわいそうな母親という位置に満足していただけなのだと思う。
子どもがいるかもしれないからって、他に住んでいる人もいるのにプライバシーの侵害にまで及ぶほど強行する権利はないですしね。
やっぱり後味は良くなかったけど、希望は見えたから良かったかな。
その希望も微妙に突っ込みどころはあるけど^^;
それでも、美菜子と中川は幸せになってほしいなと思う。子どもを失ったときのことと今までの過程を考えるとなおさら。

〈講談社 2011.8〉H23.9.12読了

ブック・ジャングル 石持浅海4

ブック・ジャングルブック・ジャングル
著者:石持 浅海
文藝春秋(2011-05)
販売元:Amazon.co.jp
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逃げろ、知力と体力の限りを尽くして。閉鎖された市立図書館に忍び込んだ男女5人を猛烈な悪意が襲う。

久しぶりの石持さん。去年は2ヶ月に1回のペースで5冊も怒涛のように刊行されましたが、今年はこの作品が初めてですね。
石持さんは兼業作家さんで、どっかの施設や観光地が舞台だと見学するのが大変だそうです。で、今回もいろんな場所を考えたそうですが、取材にいけず土日に図書館で取材が出来るってことで舞台が図書館になったそうです。
って、軽く決まった風に書いてますけどここまで軽くはないと思います、多分^^;でも、結構軽い感じでインタビューは書かれてましたが。
ということで今回の舞台は図書館。
図書館が閉館され、沖田は情報をくれた秋元と共に解体される直前の深夜に図書館に忍び込み、かつて足しげく通っていた図書館の見納めをしようとしていた。
一方、東京の大学への進学が決まり、次の日には東京へ発つ百合香は友人の美優、一実と共に図書館司書である父親が渡そうとしていた「バオバブのルカ」を取りに。
そんな5人の元へやってきたラジコンヘリ。それが恐怖の幕開け。
・・・なのですが。
図書館に勤めている身としては、閉館後の図書館内でラジコンヘリが飛んできて毒針を刺されるんじゃないかって言う恐怖が若干出てくるんですけど^^;ナンチャッテ。
図書館が舞台というのは面白かったんだけど、「モチモチの木」や「小公女」の本がラケット代わりに使われるシーンはちょっと止めてーって思いました^^;身を守るためにはしょうがないとはいえ。
図書館の中で使う「除籍」や「寄贈」って言う言葉が出てきて嬉しかったり。日ごろよく飛び交ってます。でも、虫食いの名前とかは流石に知らなかったなぁ。
にしても、5人の行動はまあ許容範囲としても、犯人側の意図はどうもなぁ。浅はか。
犯人は章の最後に書かれる別の物語から分かるんですけど、唆され過ぎというか感情に流れすぎというか、この事件へ持って行くまでの感情がどうも。。。納得できないというか。
どうして信じてあげられなかったんだろうと思う。あなたの愛はそんなものだったのかと。相手は心の底から信頼して好きでいたのに。それが悲しくてならない。
全体的にはよかったです。手に汗握る感じが石持さんっぽくて。
秋元も沖田も石持作品に登場する感じの理知的でかっこいい感じで素敵でした。
でも、沖田の汚い感じってのが想像出来ない。

〈文芸春秋 2011.5〉H23.6.29読了

見えない復讐 石持浅海4

見えない復讐見えない復讐
著者:石持 浅海
販売元:角川書店
発売日:2010-09
おすすめ度:3.0
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エンジェル投資家・小池規彦の前に現れた大学院生・田島祐也。仲間と三人でベンチャー企業を起ち上げたばかりの田島は小池に出資を求めに来たのだ。やがて小池は田島の謎めいた行動から、彼が母校・東京産業大学に対しての復讐心を抱いていることを見抜く。実は小池も田島と同じく大学への恨みを抱えたまま生きていたのだ―。

本当に…石持さん出しすぎですよ…。読むのおっつかないですよ。
という事で最新刊を読みました。
面白かったです。
いつものように推理があったり探り合いだったりがありましたが、いつもよりもまどろっこしさはなく、わりとすんなり進んだような気がします。
自分にとって大事な人をもしかしたら大学のせいで亡くしてしまったかもしれない。
だから復讐する。でも、資金がないからまずは会社を立ち上げる。
結構突飛な内容かもしれないんですけど、石持さんの文章だと突飛に感じないから不思議です。
でも、会社が成功して人望を得たり充実してくる事でその復讐心が和らいでいってしまうというのは分かる気がします。
言い方は悪いですが、亡くなった人は過去の人。でも、自分たちは今を生きてる。そして、できるなら何もなく過ごしていたい。というのは分かる。
だから、変に心を動かした小池の行動は、私は嫌いだ。
それなら、自分が動けばよかったんだ。
弦巻君が本当に可哀相。ただただ利用されただけで、それによって失ったものは本当に大きくて。
彼は6年後はどうなったのだろう。
ラストは石持さんらしく、解決するけど後味の残るような感じでしたね。
あと、また羽田国際水族館が登場しましたね~
石持作品の中では流行なのか?

〈角川書店 2010.9〉H22.9.14読了

八月の魔法使い 石持浅海4

八月の魔法使い八月の魔法使い
著者:石持浅海
販売元:光文社
発売日:2010-07-17
おすすめ度:3.5
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危険だ。関わりあいになるのはあまりにも危険だ。
でも、恋人からのSOSに応えないわけにはいかない。
入社7年目の若きサラリーマン、経営陣を揺るがす“あってはいけない文書”の謎に挑む!
役員会議室と総務部で同時に提示された“工場事故報告書”が、混乱を引き起こす!
これはいったい何だ?
たまたま総務部に居合わせた草食系サラリーマンは、役員会議室で事件に巻き込まれた恋人を救えるのか。

何だあらすじの草食系サラリーマンって。どこら辺が草食系なんだ。ぷんぷん。
1年前の8月15日。会社内はお盆と言う事で、のんびりした雰囲気だったのに、2人の社員により会社内に異常な雰囲気が漂う。
石持さんの作品は一つの事件や出来事をずーっとあーでもないこーでもないといっていくっていうのが特徴的で、今回もそうでしたね。石持さんらしい作品だったなと思います。
草食系かは分かりませんが、小林拓真はこの事態のキーマンである、松本係長と報告を受けていない7月の工場事故報告書について対決します。
元々の拓真の目的は、役員会議の中でオペレーターをしていた彼女である金井深雪が助けを求めてきたため、助ける事だった。
なのに、いつの間にやら対立する事になる。
きっと真相にたどりつくんだろうなとは思いましたが、何よりもこの2人の勤める会社の体制がイライラしました。
いくら頑張っても、報われないあの体制は私は耐えられないです。
自分が上に上がれないというよりは、役員の決まり方が気に入らない。
有能な人が報われないのは辛いですよね。
だから、松本係長や大木課長がしたことは、まあ良かったのではないでしょうか。
事故の報告書が出てからの役員の言い争いは本当に醜くてイライラしましたし。
やっぱり力のある人が会社を引っ張っていかないと。

〈光文社 2010.7〉H22.8.26読了

この国。 石持浅海3

この国。 (ミステリー・リーグ)
この国。 (ミステリー・リーグ)
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一党独裁の管理国家であるこの国では国家に対する反逆はもっとも罪が重く、人材育成をなにより重要視するこの国では小学校卒業時に児童の将来が決められ、非戦平和を掲げるこの国では士官学校はたんなる公務員養成所となり、経済の豊かなこの国では多くの女性が売春婦としておとずれ、文化を愛するこの国では「カワイイ」をテーマに博覧会が開かれる。そこで起こる「事件」の真の犯人は、やはりこの国自身なのかもしれないー。
「ハンギング・ゲーム」
今日は反政府組織の菱田の絞首刑執行の日だ。治安警察に奉職している番匠少佐は、彼を見張っていた。きっと、仲間が菱田奪還を狙ってこの公開処刑の場に来ているはずだ。注意すべき人物は2人。松浦と菊池という人物だった。
「ドロッピング・ゲーム」
この国では小学校卒業後の進路で自分の人生が決まる。金崎啓介は、エリート候補が進学する海洋学校に決まった。ずっと、努力を続けていた宮村翔一は普通科だった。仲の良い旭奈津美は普通科、石田桃子は体育選抜だった。落ち込む宮村だったが、奈津美と同じ進学先と知り、元気を取り戻す。卒業作品として垂れ幕を制作し、屋上に飾っている時、宮村は屋上から転落した。
「ディフェンディング・ゲーム」
海軍士官学校に治安警察の番匠少佐が来た。女子高生が強盗未遂に遭い、事件が4件続いていると言う。そこで見回りをして欲しいということで、麻岡、池、印南は見回りを始める。千鳥足の男が前を歩いており、任務とは関係ないが、家まで送ろうとしたところ、突然男は走り出し、逃げてしまう。
「エミグレイティング・ゲーム」
異国からお金を稼ぐために日本へやってきたサタ。お店の近くで連続殺人が起こり、殺された人物は全てサタのお客だった。
「エクスプレッシング・ゲーム」
カワイイ博で、治安警察は懸念していた。反政府組織が何かを仕掛けてくると思ったからだ。狙われているのは表現庁の官僚、貝塚。組織は次々攻撃を仕掛けてくる。

石持さん刊行ペース早いよ~。今年に入ってすでに3冊ですよ。
読む側はおっつくのが大変です。
にしても、最近は政府がらみの作品が多いですね。
何だか重たい作品が続いています。元々軽い作品はないですけども^^;
ここに出てくる世界は、経済は発展し、他国と戦争を起こさず、国民の生活水準は高い。犯罪発生率は低く、麻薬は阻止できている。失業率は1%以下の世界。
何を政府に逆らう必要がある?と番匠は言う。
でも、私はこの国で生きたいとは思わなかった。
子どもは子どもらしく生きていないし、全ては学力で決まっている。
きっと、格差はあるし、上にいるエリートは人を見下しているに決まってる。
小学校で教師をしていたスコット・ヒル先生が1番人間らしかった。
反政府組織に加担する気はないけど、でも、政府の考えは大嫌いだ。
つまらなかったと言うわけではないのですが、気になる点がいくつか・・・。
結局菱田はどうなったのでしょう?
番匠は何をしたかったのでしょう。
腑に落ちない事がちょっとあります。
この作品は嫌いじゃないけど、そろそろ「Rのつく月には気をつけよう」「人柱はミイラと出会う」のような、若干軽めの作品も読みたいです。

〈原書房 2010.6〉H22.6.22読了

攪乱者 石持浅海4

攪乱者 (ジョイ・ノベルス)
攪乱者 (ジョイ・ノベルス)
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コードネーム「久米」「輪島」の男二人、黒髪の美女で同じくコードネーム「宮古」のテロリスト三人。
彼らは一般人の仮面をかぶりながら、政府転覆をめざすテロ組織の一員である。
組織は、暴力や流血によらない方法で現政府への不信感を国民に抱かせようとしていた。
彼らに下された任務は、組織が用意したレモンをスーパーのレモン売り場に置いてきたり、官僚の不倫旅行を追いかけるなど、一見奇妙なものであった。
任務の真の目的とは何か。
優秀な三人の遂行ぶりが引き起こす思わぬ結果とは。
テロ組織の正体は。
そして彼らの運命を翻弄していく第四の人物の正体は――

ネタバレあります

石持さんの新刊です。
始めは内容が良く分からなくてなかなか読み進まなかったのですが、何だかリアルにあるようなないような・・・話でしたねぇ。
日本政府を根底から変えるために動いている組織・・・っていうことでしょうか。
冒頭では、テロリストなのにレモンをスーパーに置くとか、新聞紙を入れた紙袋を電車に置くとか、よく分からない指令で、読者も全然意味が分からずこのテロリスト3人は、上層部にバカにされてる?なんて思いながら読んでいました。
最後まで読んでも、この3人は有望視されていたのか、期待されていたのか、いまいち伝わってこなかったなぁ。まあ、仕事を遂行する事が隠密だから仕方ないのかもしれないけど。
石持さんの作品らしく、良く分からない指令の真相は串本と言う謎の男が話してくれます。結構推理だけでは無理がないか・・・と思うものもあるけど、まあそれは石持さんだからいいとして^^;
久米、輪島、宮古がどうしてこの組織に入ったのかはわからないけど、命を懸けているのは段々伝わってきました。3人で話し合い、任務を遂行する。でも、外へ出たら見知らぬ人のふりをする。ずっと完璧だったのに、ある任務のせいでその関係が崩れてしまう。
互いの本名も素性も知らないけど、それでも仕事をずっと一緒にしていれば、伝わってくるものがあるんでしょうね。
宮古を救った久米はとても素敵だったと思います。
でも、その結果も何だか人が物のような扱いをされているようで、良い気分には慣れなかった。だから、結末は怒涛の展開になったのかな。
輪島が一瞬の夢で見た世界が、全ていいものかは分からないけど、幸せそうな世界でそれがとても切なかったです。夢の中で矛盾している部分があるのもなおさら。
指令の意味やテロと言う部分では面白かったけど、長編の方が重みを感じたんじゃないかということと、ちゃんと組織の正体や出てくる人たちの素性も、読者には分かるようにしてほしかったなというのが感想です。
何だかもやもや感が残っているので・・・。

〈実業之日本社 2010.4〉H22.6.13読了

リスの窒息 石持浅海4

リスの窒息
リスの窒息
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昼どきの秋津新聞社投稿課に届いた一通のメール。
添付ファイルに写るのは、拘束された女子中学生だった。
犯人は何故か身代金をその少女の両親にではなく、秋津新聞社に要求する。
その後、メールが届くたびに、彼女は服を剥ぎ取られていく。見ず知らずの少女を救うため、新聞社は身代金を支払うべきなのか?

ネタバレあります

最近読んだ石持さんの作品の中でははまった作品です。
って、えらそうな書き方ですが^^;
始めは少女が拘束されている添付画像付きのメールが秋津新聞社に届いた事から物語が始まります。
何て酷い事を。犯人の目的はなんなんだ?
などと思いますが、すぐにその少女、野中栞の自作自演だということが分かります。
しかも、その事件を企てた理由は、母親が不倫をしており、父親が母の情事を目撃してしまい、2人を殺し、父も自殺するという惨劇を目撃したから。両親が死に、これからは1人で生きていかなければならないし、お金もない。そこでこの狂言誘拐を考える。
その考えが浅はかだし、人間とは思えない。以前事件を起こしている秋津新聞社を利用し、敵対されている週刊道標にも同様のメールを送りつけ、秋津新聞社を窮地に追いやる。本当に陰湿で最低の行為。
最後はほっとしました。
でも、新聞社の方も何だかイライラしたなぁ。世間体というか、自分の立場というか、会社に爆弾抱えている人間がいて、警察に知らせるか知らせないか、うだうだしているのがイライラしました。
舞原馨と先輩の細川はまともだった。というか、細川の過去は本当に可哀相で、今回の事件は、その過去の想いを、ほんの少しでも払拭できたのなら良かったなと思う。
舞原は最後に犯人についての意見を語っていたけど、私は同意は出来ない。いくら天涯孤独になったからって、あんなことをしていいわけがないもの。
イライラしたところはあったけど、最近の作品の中では良かったです。って、最後まで偉そうですみません。
そういえば、今月またまた新刊が出たみたいで。石持さんは刊行ペースが早いのでどんどん読んでいかないと、おっつかなくなります^^;

〈朝日新聞出版 2010.2〉H22.4.30読了

君がいなくても平気 石持浅海3

君がいなくても平気 (カッパ・ノベルス)
君がいなくても平気 (カッパ・ノベルス)
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携帯関連会社ディーウィとベビー用品メーカーのベイビーハンド。
業務提携によって結成された共同開発チームは、いきなりヒット商品を生み出した。
しかし、祝勝会の翌日、チームリーダーだった粕谷が、社内で不審死を遂げる。
死因はニコチン中毒。殺人なのか?犯人は?
疑心暗鬼のなか、共同開発チームに所属する水野勝は、同僚で、恋人でもある北見早智恵が犯人である決定的証拠を掴んでしまう…。
保身と欺瞞と欲望と。
つきつけられるエゴイズムとサスペンスが目をそらすことを許さない、迫真の傑作。

ネタバレあります

東京へ行っている間に読みました。現実逃避しに行ってる最中に読む本じゃなかったですね^^;
水野は彼女の早智恵が犯人だと言う決定的な証拠をつかみ、自分のために別れる事を決意するんだけど、付き合った理由は、顔はタイプとは違うけど彼女がいないよりいる方がいいから付き合ってみるか〜っていう程度で付き合ってるし、だから別れても平気だって思ってるし、印象は最悪な男でしたよ。
始めから犯人が分かっているから、手段と動機がやっぱり気になりましたけど、う〜ん・・・腑に落ちるような落ちないような。
確かに動機は哀しいものだった。でも、殺すほど、あれほどの憎悪を持つほどの動機かなぁという気がする。
人の命は勿論かけがえの無いものだけど、殺された人たちだって故意にしていたわけでもないし、彼らにだって家族はいるわけだし。
って考えていくと、早智恵は自分勝手だったとしか思えなかった。
でも、早智恵が本当に心から自分を愛してくれている事、自分も早智恵を本気で愛していたのだと気付くのが最後だなんて、せつな過ぎますよね。
そこは綺麗な感じだったけど、それでまとまっている感じがどーも納得できず。
あの後桜沢と水野はどうなるんだ?と思ったり。
辛口ですね。石持さんの作品が好きだから、ついつい。

〈光文社 2009.12〉H22.3.16読了

賢者の贈り物 石持浅海4

賢者の贈り物
賢者の贈り物
「金の携帯銀の携帯」私は携帯が壊れてしまったため、修理に出すことにした。その間に使う携帯をショップ店員から3つ渡された。電子マネーが5千円分入った携帯、5万円入った携帯、何も入っていない携帯。これは何を意味しているのだろうか。
「ガラスの靴」後輩の須藤が浮かない顔をしている。彼の部屋で同期会をしたのだが、朝起きたら、自分のサンダルがなくなっていて代わりに女物のサンダルが残されていたのだと言う。それが誰のだかわからないため、悩んでいた。
「最も大きな掌」ベンチャー企業の社外取締役の私は悩んでいた。社長が体調不良となり、社長職を退くこととなった。次の社長を3人の中から選ばなければならないのだが、それを自分に託されたのだ。
「可食性手紙」私の通う高校ではみんなテストにカンニングペーパーを持ってくる。私は先生に見つからないよう、オブラートに書くことにしている。今日は私の苦手な歴史のテスト。開始直後、オブラートが2枚あることに気づき、気になっている仲野君と目が合った。
「賢者の贈り物」私は悩んでいた。妻が、カメラのフィルムを大量にプレゼントとしてくれたのだ。ここ数年はデジカメしか使っておらず、フィルムを使うことはない。それを妻も勿論知っている。妻はなぜフィルムを送ったのだろうか。
「玉手箱」僕は祐一という少年に出会い、いじめから助けたらしい。祐一の母と知り合い、深い仲になった。祐一が林間学校に行っている間の3日間。2人でずっと一緒にいた。別れのとき、紙箱を渡される。これをあけると、もう二度と会えないと言うのだ。
「泡となって消える前に」行きつけのバーの雇われママである藤原に、僕は悩みを打ち明けた。実家から見合いの話が来ており、結婚を考えろと言う。しかし自分には付き合っている彼女がいる。だが、実は彼女のことをほとんどしらない。彼女が自分のことをほとんど話さないのだ。なぜ話してくれないのか、藤原と考える。
「経文を書く」元部下の磯風に相談された。後輩の西川がワインに懲り、給料では賄えないほど、入れ込んでいるのだ。破産する前に、何とかしたいという相談だった。
「最後のひと目盛」私は失恋をし、大学のサークルにも出ずひたすら食べていた。すっかり太ってしまった自分。42キロだった体重は58キロに。60キロになったら漫画を描くのを止めると決意していた。そんな時、飲み会に誘われる。そこには同じサークルの男の子がいた。
「木に登る」会社の人間が「テーシーがやばい」と言っていた。私はあせっていた。自分の買った株が暴落する可能性があったからだ。同期の村田も購入している。売却すべきだと伝えたいが村田は南米へ出張に行っている。

童話をテーマにした9つの物語です。
どの作品にも磯風さんという黒髪の美女が登場するのですが、同一人物・・・ではないよね。
作品によって性格も年代も違います。
共通しているのは黒髪の美女と言うことだけです。
すべての作品に登場させる意味ってなんだったんだろうなぁ。
全部が最後は一つの線に繋がるっていう意味でもなかったし。
一つ一つ、面白かったですけどね。
社員ないしは友人同士で謎を推理したりして。全然話が進まなくてイライラした作品もあるけど。
好きだったのは「泡となって消える前に」ですかね。まさかあのひとが!って、私は全然気づかなかったので。
「最後のひと目盛り」も学生の悩みだったり恋愛だったりが描かれていて好きです。
石持さん、うまいなぁと思います。

〈PHP研究所 2008.4〉H21.9.16読了

温かな手 石持浅海4

温かな手
温かな手
「白衣の意匠」大学院の研修室で助手として働いている畑寛子は、休日出勤のため大学へ向かっていた。前日に学生の橘高がサンプルを失くし、ずっと探していたため、自分の仕事ができなかったからだ。大学へ行くと、橘高が血を流して死んでいた。そして橘高は、なぜか寛子の白衣を着ていた。
「陰樹の森で」大学院での殺人事件により、ショックを受けていた寛子を励まそうと、友人がキャンプに行こうと誘ってくれた。ギンちゃんと共に6人で出かけたのだが、友人の一人の英恵が婚約者の牧野に向かって言った一言がきっかけでぎこちない雰囲気になる。それから牧野と英恵の姿が見えなくなり、探すと2人は森の中で死んでいた。
「酬い」会社員の北西匠は恋人の大学生ムーちゃんと電車に乗っていた。そこで人だかりができており、一人の男性が死んでいた。ムーちゃんはその男に見覚えがあった。3週間前にムーちゃんに痴漢をした男だった。
「大地を歩む」北西とムーちゃんは北西の友人と飲んでいた。その中でも国元は陸マイラーと呼ばれるマイルを集めるのが趣味の男だった。友人たちでイチゴ狩りに良く計画をし、当日国元を迎えに来た一行は、国元が自分の部屋で死んでいるのを発見する。そして札束がパンパンに入った財布を見つけた。
「お嬢さんをください事件」寛子はギンちゃんとであったときのことを思い出していた。寛子の友人の咲子と彼氏の倉科、そして同僚のスズキと4人で出かけることになった。伊豆に向かう途中のサービスエリアで倉科は突然姿を消してしまった。
「子豚を連れて」北西とムーちゃんは、伊豆へ旅行にいく事になった。そして、そこでムーちゃんの兄とその同居人と会うのだと言う。伊豆の初日に子豚を連れている女性に出会う。彼女は同じペンションに泊まっていた人だったのだが、身の上話をし始めた。彼女は家出してきたのだと言う。
「温かな手」4人が伊豆で落ち合い、自己紹介を済ませた。4人で蕎麦を食べた後、ギンちゃんは付き合ってほしい場所があるのだという。それは老人ホームで会う相手は入居者だと言う。ムーちゃんでさえ、面識のある人ではなかった。落合と言う女性は認知症なのだが食欲はあり、食べ終えた後なぜか右手を持ち上げ、その後涙を流すのだと言う。

面白かったです。
石持さんお得意の推理?小説。そしてその探偵役が、なんと人間ではない生命体。人間のエネルギーを吸収して生きている。
ギンちゃんとムーちゃんは兄妹でそれぞれ人間の同居人がいる。
同居人の相手は魂が綺麗な人なのだそう。
以前に「不思議の足跡」で「酬い」は読んでいたので、ムーちゃんのことは知っていましたが、まさか兄もいるとは。
人間ではないけど、恋人同士というくくりだから、ずっと一緒にいることとか、結婚するとか考えているのかなと思ったら、そこは結構ドライな感じで。
4人とも、互いに相手を必要としているけど、どこか愛っぽさを感じなかったりして、最後はやっぱり別れなのかなぁなんて思ったりしながら読んでいたのですが。
どの作品も、ギンちゃんとムーちゃんが大活躍で、事件について想像が飛躍してるところもなくはなかったけど、それでも2人の推理には脱帽でした。
とっても面白かったんだけど、最後の最後2人が感じた思いを考えると切なくてしょうがないです。
でも、こうなるならどうして一緒に住もうって思ったんだろう。
相手を傷つけるとは思わなかったんだろうか。
それだけがちょっと胸に残る。

〈東京創元社 2007.12〉H21.9.10読了

まっすぐ進め 石持浅海5

まっすぐ進め
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オススメ!
「ふたつの時計」
川端直幸は本屋へワインの本を探しに行った時、綺麗な女性が本を真剣に探していた。その姿に釘付けになったが、ひとつだけ不思議な所があった。その女性は腕にふたつの腕時計をしていたのだ。直幸はその女性の事が頭から離れない。かつての同僚黒岩正一とその彼女太田千草にその心を見破られ、本屋での出来事を飲みの席で話した。ふたつの時計をしているというところで、2人は会社の同僚ではないかと考える。その予想は当たり、千草と同期入社の高野秋という女性だった。2人のお陰で、4人の飲み会が実現した。秋が帰った後、3人はなぜ秋が時計をふたつつけているのか推理を始める。
「ワイン合戦」
正一と千草は驚いた。4人での飲み会で、直幸と秋が2人一緒にやってきたのだ。しかも水族館へ行ったのだという。一体いつの間に2人はそんな仲になったのだろうか。4人が飲んでいると、近くの席で美男美女のカップルがいた。2人は何故か同じワインボトルを2本頼み、それぞれのボトルで飲むという不思議な飲み方をしていた。4人それぞれ何故か推理する。どの考えも的を得ないなか、直幸は答えを見つけたようだった。2人は飲みかけのボトルをそれぞれ持って帰るだろうと予想する。
「いるべき場所」
直幸と秋は、ショッピングモールで買い物をしていた。直幸の部屋に置く、秋のマグカップを探すためだった。お昼を食べようと向かった先で、小さな女の子を見つける。名前はみさきというらしいが、案内所へ連れて行こうとしても頑なに拒む。2人はしばらくみさきちゃんと一緒にいることにするが、直幸は遠くで視線を感じた。そしてもう一つ気になる事があった。みさきちゃんの背負っているリュックは、背中に接着剤で張り付いていたのだ。
「晴れた日の傘」
引っ越し祝いとして正一の新居に直幸と秋がやってきた。同時に正一と千草の婚約祝いも兼ねていた。2人は千草の実家へ行き、挨拶をしたのだという。千草の父親は中学生の時に亡くなっていた。その父親が、将来娘が嫁ぐ時、相手の男に渡して欲しいものがあるといっていた。それは大きな傘だった。
「まっすぐ進め」
もうすぐ秋の誕生日。直幸はそれを告げると、秋がその日会社を休んで欲しいという。その日向かった先は、秋が高校まで過ごしていた仙台。秋は全身黒の服を纏い、向かった。秋の誕生日は、両親と双子の妹紅葉の命日なのだという。家族の眠る場所で、秋は自分の過去を話し始めた。

この本好きです。凄く好き。
前回があまりに良くなかった^^;からかもしれないけど。
座間味君シリーズとか、「人柱はミイラと出会う」のような爽やかな印象でした。
直幸と秋の関係がとても素敵でした。
直幸は童顔で、笑った顔は少年のようだけど、お酒が好きで、頭がいい。
だから、秋がなぜ時計をふたつはめているのかを見抜き、2人は交際するようになります。
確かに何でも見破ってしまいそうな直幸が怖いとも思うけど、凄く気が遣えて、相手のことを思いやる、素敵な男性だと思いました。
あぁ。。。こんな人が近くにいれば(絶対いない)
秋も、女性らしくて素敵だったな〜。女性が憧れそうな人。
2人の関係が、帯を見ると心配になったのですが、本当に微笑ましくて可愛らしいカップルでした。
二人が名前で呼んでいるのが本当に可愛かった。
「ワイン合戦」で、あまりに短期間で恋人になった二人を目の当たりにした正一の分かりやすい反応も面白かったけど。
正一と千草のカップルも、素敵でした。
好きだったのはやっぱり表題作。
ずっと知られていなかった秋の過去がついに明らかになるというもの。
それは2人の間では禁忌で、でもそれを乗り越えないと前に進めない大切な事。
その事実はなんとなくこんな感じだろうなと読めてしまったのだけど、直幸の推理には度肝を抜きました。
やっぱり2人は、一緒になるべくしてなったんだろうなと^^
大満足の作品でした。
あと、それから2人がデートしたという「羽田国際環境水族館」って、「水の迷宮」の所だよね。
微妙にリンクしているのが嬉しくなりました。

〈講談社 2009.5〉H21.7.23読了

耳をふさいで夜を走る 石持浅海2

耳をふさいで夜を走る
耳をふさいで夜を走る
並木直俊は、決意した。三人の人間を殺す。
完璧な準備を整え、自らには一切の嫌疑がかからないような殺害計画で。標的は、谷田部仁美、岸田麻理江、楠木幸。
いずれ劣らぬ、若き美女たちである。倫理?命の尊さ?違う、そんな問題ではない。「破滅」を避けるためには、彼女たちを殺すしかない…!!
しかし、計画に気づいたと思われる奥村あかねが、それを阻止しようと動いたことによって、事態は思わぬ方向に転がりはじめる…。
本格ミステリーの気鋭が初めて挑んだ、戦慄の連続殺人ストーリー。

装丁を見たときから嫌な予感はしたさ。
やっぱりダメでしたねぇ。
殺人欲と性欲が散りばめられた作品だったような。
まず並木がよくわからない・・・。
思わず殺人計画を遂行することになったけど、あまりにも短絡的過ぎる気がする。
あまりにも行き当たりばったりで、よくばれなかったなって思うくらい。まあ、それはあの人がいろいろやったんだと思うけど。
どうも動機が良くわからない。展開が今までの作品に似ているし。
最後に言われた一言を聞いて、あ〜なるほど。と思ったけれども。
う〜ん…どうもダメです。違う作品に挑戦します。

〈徳間書店 2008.6〉H21.6.15読了

BG、あるいは死せるカイニス 石持浅海3

BG、あるいは死せるカイニス (ミステリ・フロンティア)
BG、あるいは死せるカイニス (ミステリ・フロンティア)

天文部の合宿の夜、学校で殺害されたわたしの姉。
男性化候補の筆頭で、誰からも慕われていた優等生の姉がどうして?
しかも姉は誰かからレイプされかけたような状態で発見されたが、男が女をレイプするなんて、この世界では滅多にないことなのだ。
捜査の過程で次第に浮かび上がってきた“BG”とは果たして何を指す言葉なのか?
そして事件は連続殺人へ発展する—。
全人類生まれたときはすべて女性、のちに一部が男性に転換するという特異な世界を舞台に繰り広げられる奇想の推理。
破天荒な舞台と端整なロジックを堪能できる石持浅海の新境地。

ややネタバレあり

話は面白いと思うのですが、この世界の人間のあり方がやっぱりイヤでした。
女性として子どもを産んだら、より男性化実現が近くなる。
性に関しても生々しく書いているところもあって、この世界の性のあり方が正直気持ち悪く感じてしまいました。
もし母親が男になっちゃったら、子どもにとって父親が2人になっちゃうって事なのか?
子どもを、自分が男性化するための一つの道具になってしまっているような気がしなくもなく…。
う〜ん…わからない。。。
それに、友達の中で恋人同士の子達がいて、同性愛者だったのがビックリだっていう台詞があったけど、生まれたときにみんな女性なら、みんなある意味同性愛者なのでは。。。
なんて、思ってしまったし…。
遥と美紀だってそうだよね、2人はずっと女同士の親友だったわけだし。
う〜ん、う〜ん。
殺人事件の顛末は面白かったです。
佐々木先生や校長先生の秘密も、なるほどって思いましたし。
でも、やっぱり、この世界観が好きになれなかったです。
遥は好感が持てましたけどね。

〈東京創元社 2004.11〉H20.12.18読了

顔のない敵 石持浅海3

顔のない敵 (カッパ・ノベルス)
顔のない敵 (カッパ・ノベルス)


1993年、夏。カンボジア、バッタンバン州。地雷除去NGOのスタッフ・坂田洋は、同僚のアネット・マクヒューと、対人地雷の除去作業をつづけていた。
突然の爆発音が、カンボジアの荒れ地に轟く。
誰かが、地雷を踏んだのだ!
現地に駆けつけた坂田とアネットは、頭部を半分吹き飛ばされたチュオン・トックの無惨な死体に、言葉を失った。
チュオンは、なぜ、地雷除去のすんでいない立入禁止区域に踏み入ったのか?
そして、これは、純然たる事故なのか?坂田の推理が地雷禍に苦しむカンボジアの哀しい「現実」を明らかにする—。
表題作を含め、「対人地雷」をテーマにした、石持浅海の原点ともいうべきミステリー6編と、処女作短編で編まれたファン待望の第一短編集。

石持さん初の短編集らしいです。
主に坂田というNGOのスタッフと、陸上自衛隊の小林一尉が登場します。
事件発生年はそれぞれ違いますが、微妙に話が繋がっています。
テーマとして必ず地雷が関わってきます。
解説でもおっしゃっていましたが、全体的にとても重いです。
殺人事件の起きる原因が地雷に関することが多いのですが、動機がやはりずしっときますね。
きっと、こうやって悩んでいる人が実際にいるんだろうなと思ったり。
97年に対人地雷全面禁止条約に日本が署名したとは知らなかったですし。
ミステリであり、ドキュメンタリーでもあると思います。
勉強になりました。
実際に現地へ行って、地雷の除去を命がけで行っている人がいるんですよね。
最後の「暗い箱の中で」だけは地雷と全く関係がなくて「あれ?」と始めは思いましたが。
ストーリーのネタバレになっちゃいますが、
石持さんって、事件の犯人を警察に突き出さないですよね。
刑務所での罪の償い方をしないというか。
全人生を懸けて、罪を償うというか。
悪くは無いんですけど、逃がしているような気がして、ちょっと違和感を感じます。
石持さんの作品、好きなんですけどね。

〈光文社 2006.8〉H20.12.2読了

セリヌンティウスの舟 石持浅海3

セリヌンティウスの舟 (光文社文庫 い 35-4)
セリヌンティウスの舟 (光文社文庫 い 35-4)

荒れ狂う海で、六人のダイバーはお互いの身体をつかんで、ひとつの輪になった。
米村美月、吉川清美、大橋麻子、三好保雄、磯崎義春、そして、僕、児島克之。
石垣島へのダイビングツアー。その大時化の海で遭難した六人は、信頼で結ばれた、かけがえのない仲間になった—。
そんな僕らを突然、襲った、米村美月の自殺。
彼女はダイビングの後の打ち上げの夜に、青酸カリを飲んだ。
その死の意味をもう一度見つめ直すために、再び集まった五人の仲間は、一枚の写真に不審を覚える。
青酸カリの入っていた褐色の小瓶のキャップは、なぜ閉められていたのか?
彼女の自殺に、協力者はいなかったのか?
メロスの友、セリヌンティウスは、「疑心」の荒海の中に投げ出された。

またまた石持さんです。
この作品は、何でしょう・・・。簡単に言うとまどろっこしい!のです^^;
あくまで私の感想ですが。
しばらく堂々巡りが続いて話が先に進まないのです。
私の理解力が足りなかったのかなぁ。
一体どうやって終わるのだろうと思ったらあっという間に終わってしまったと言う感じで、真相は納得したのですが、ストーリーとしては物足りなさを感じてしまいました。
感情移入できなかったのかな…。
6人それぞれの人物像がどんどん浮き彫りになっていくのは面白かったんですけどね。
5人の推理合戦もいつもどおり頭脳線で、よく考えられるなぁと思いました。石持さんは頭良いんですね〜・・・。

〈光文社 2005.10〉H20.10.27読了

人柱はミイラと出会う 石持浅海4

人柱はミイラと出会う
人柱はミイラと出会う

リリー・メイスは一木家にホームステイし、博士号取得に向け、勉強に励んでいた。
それと同時に、日本の不思議な習慣を数多く目にする。
パラレルワールドの日本で展開する、奇っ怪な風習と事件の真相とは。
「人柱はミイラと出会う」
リリーは慶子と人柱に出くわした。建築物を造る際、安全を祈念して人間を生きたまま閉じ込めるというのだ。彼ら「人柱」は、工事が終わるまで中でじっと過ごし、終われば出てきてまた別の場所にこもる。ところが、工事が終わって中に入ってみると、そこにはミイラが横たわっていた。人柱職人で慶子の従兄弟の東郷直海が事件に乗り出す。
「黒衣は職場に消える」
政治家は会議で黒衣を使う。その黒衣が一人、会議から消え、死体となって発見された。
その男は、慶子の父、三郎の黒衣の弟だった。
「お歯黒は独身に似合わない」
結婚した女性はお歯黒をする。
慶子の母を歯医者に送っているとき、隣の車に乗っていたのはいつも行っている歯医者の一人と、慶子の通う大学の大学院生だった。
大学院生の先輩は独身なのにお歯黒をしていた。何故なのか。
「厄年は怪我に注意」
日本では、厄年に入ると1年間休暇を取る事になっている。もしも仕事をしたら、怪我をするといわれているのだ。
今年は大学で3人が休暇に入ったのだが、そのうち2名が怪我をした。
何故厄年とはいえ2人は怪我をしたのか。
「鷹は大空に舞う」
現在は鷹匠が警察に協力出来る事になっている。
大ベテランの安田と鷹のカズマは有能で有名だった。
しかし、カズマが人を殺してしまったという。
「ミョウガは心に効くクスリ」
嫌な事があったらミョウガを食べて忘れるという習慣がある。
慶子の母がひき逃げ事故を目撃してしまった日、夜にミョウガが食卓に並んだ。
数日後、ダンボールいっぱいに詰め込まれたミョウガが贈られてきた。
「参勤交代は知事の務め」
三郎が北海道知事に就任した。日本には参勤交代の制度があるため、一定期間は東京に住まなくてはならない。
知事公館に引っ越した日、ベットのマットの下から大量のお札が発見された。
一体誰が何の目的で置いたのか。

石持さんの作品、はまってます。
今作は連作短編集です。
留学生のリリーと慶子、直海が事件に巻き込まれ、ヒントを頼りに直海が探偵として解決していきます。
直海は人柱職人で、短いと数ヶ月、長いと何年もその土地を守るため、地下に篭もります。
頭脳明晰で博識。事件を次々と解明していきます。カッコイイです!
そして一つ一つの話が面白いです。
かつて日本であった風習が現代にも生きているパラレルワールド。
その習慣を上手く使った事件。石持さん、流石です。
私も東郷さんは素敵だと思います。
リリーとの今後も気になりますね^^
それから、個人的に舞台が札幌なので親近感が沸きました。
きっと二人が行ってる大学は北大だな〜とか、「ポールタウン」とか「駅前の東急」など、地元に入ると「ぷっ」と思える地名が登場したのがまた良かったです。

〈新潮社 2007.5〉H20.10.16読了

アイルランドの薔薇 石持浅海4

アイルランドの薔薇 (光文社文庫)

詩人・イェイツが薔薇にたとえたアイルランドの自由。
その鍵を握る武装勢力NCFの副議長が、スライゴーの宿屋で、何者かに殺された!
悲願のアイルランド和平実現を目前に控えた政治的な理由により、警察への通報はできない。
外部犯の可能性も消えて、泊まり合わせた客はNCFの手によった拘束された。
誰が、なんのために—。
日本人科学者・フジの推理が、一人ひとりの「嘘」と「真実」を暴いていく。
「本格」の設定と、北アイルランド紛争という社会派テーマを融合させた、珠玉のポリティカル本格ミステリー。

この作品、石持さんの初長編小説だったんですか!
それは凄い。完成度高いですよ!(ちょっと偉そう)
舞台はアイルランドで、国は北と南で対立。和平派と反和平派でピリピリしているという状況下の中での舞台。
事件の真相もそうですが、登場人物もとても興味深いです。
身分を隠している人間がほとんどですから、フジが正体を暴いた時にはなるほどと思う人ばかりです。
包み隠さずにいたのはフジとジュリーくらいじゃないでしょうか。
にしてもフジは凄い人ですよ。完璧な人間です。
石持さんの作品にはこういう方が良く登場しますよね。
今回の舞台はアイルランドで、フジも言っていましたが、第三者が事件を暴くって言うのがよかったのかもしれません。
事件の真相も、切なかったですね。
事件が解決した後、登場人物のその後が載っていましたが、私はあれでよかったんだと思います。
少しの傷を残しつつも、ハッピーエンドだったんじゃないかな。

〈光文社 2002.4〉H20.10.3読了

心臓と左手 座間味くんの推理 石持浅海5

心臓と左手 座間味くんの推理 (カッパ・ノベルス)

小学校六年生の玉城聖子は、十一年前に沖縄で起こったハイジャック事件の人質だった。
従姉の勧めで沖縄にある進学校を見学に行った聖子は、那覇空港で命の恩人と「再会」を果たす。
そこで明かされる思わぬ事実とは—?(「再会」)。
警視庁の大迫警視が、あのハイジャック事件で知り合った“座間味くん”と酒を酌み交わすとき、終わったはずの事件はがらりと姿を変える。
これが、本格ミステリの快楽だ!切れ味抜群の七編を収録。

「月の扉」で大活躍だった座間味君が登場。
あの事件で一緒だった彼女と結婚されたんだね、きっと。
この作品は連作短編集で、大迫警視がすでに終わって犯人も分かっている事件を座間味君に飲みの席で話す。
その内容に座間味君は警察とは違った観点から判断し、真実へと導く。
座間味君の推理はキレがありますねぇ。
でも、座間味君が指摘するまで本当に警察は気付かなかったのかな。。。とちょっと思わなくもないけど。
面白かったのは表題作かなぁ。
スプラッタ系だったけど、真相に驚きました。
最後の作品があらすじに載っていたのでそれが1番期待大だったんだけど、ラストはよかったけどちょっと拍子抜けしてしまったかも…。
あの従兄弟が座間味君に聖子の家庭事情をベラベラと喋るのが気に入らなかった。
はっきり言って八つ当たりだし。父親が悪い事に変わりはないんだし。プンプン。
にしても、最後まで座間味君の本名が分からないのも面白いですね。
雰囲気がとってもステキなので、いつかまた登場する作品が読みたいです。

〈光文社 2007.9〉H20.8.28読了

君の望む死に方 石持浅海4

君の望む死に方 (ノン・ノベル 845)

膵臓ガンで余命6ヶ月──。
〈生きているうちにしか出来ないことは何か〉死を告知されたソル電機の創業社長日向貞則は社員の梶間晴征に、自分を殺させる最期を選んだ。
彼には自分を殺す動機がある。殺人を遂行させた後、殺人犯とさせない形で──。
幹部候補を対象にした、保養所での“お見合い研修”に梶間以下、4人の若手社員を招集。
日向の思惑通り、舞台と仕掛けは調った。
あとは、梶間が動いてくれるのを待つだけだった。
だが、ゲストとして招いた一人の女性の出現が、「計画」に微妙な齟齬をきたしはじめた……。

ここでおわり〜!?と、読み終えた後叫んでしまいました^^;
碓氷優佳が再登場ということで、とても楽しみにしていました。
最初に身の上話をしている時、優佳に彼氏がいて、それが姉の大学の先輩との事。
じゃあ、無事に伏見亮輔と付き合っているって言う事なのね。
安心というか、何というか…。社長の話だと尻に敷かれているようだし、亮輔にとってはどうなのでしょうね。
にしても。最初の段階で、ペンションの事件という言葉で「扉は閉ざされたまま」と繋がっていると気付けなかった…鈍すぎ。
日向と梶間の頭脳戦にはドキドキしたけど、優佳が推理したのがちょこっとだけなのが寂しかったかな。
2人の争いをとことんわかりやすく邪魔してほしかったかも^^;
ああいう終わり方だろうなと予想はしていたけど、何だか不完全燃焼な読了感…。
心理戦が長かったから、拍子抜けしてしまったのかも。
過程はとっても良かったです。

〈祥伝社 2008.3〉H20.7.7読了

水の迷宮 石持浅海4

水の迷宮 (カッパノベルス)

三年前、不慮の死を遂げた片山の命日に事件は起きた。
首都圏の人気スポット・羽田国際環境水族館に届いた一通のメール。
そして、展示生物を狙った攻撃が始まった。
姿なき犯人の意図は何か?
自衛策を講じる職員たちの努力を嘲笑うかのように、殺人事件が起きた!
―すべての謎が解き明かされたとき、胸を打つ感動があなたを襲う。

石持さんの作品、ずっと持っていた1冊。積読してました。
亡くなった片山の死から丁度3年が経った時、死を悼んだ片山の関係者が続々現れる。
大学の後輩だった深澤や宮脇アクリルの社長、関東石油の根津。片山の妻の貴子。
攻撃が始まり、次の展開がどうなるのかと気になって気になって。
読む手が止まりませんでした。面白かったです。
深澤の推理力は素晴らしいし、仕事の事が本当に好きで、どうにかしなければならないと奮闘する古賀はいいコンビでした。
周りの職員の人たちも本当にいい人ばっかりで。
結末はどうなるのかと思いましたが、事件の真相は納得でした。
攻撃していた人は、何となくこの人だろうなと思う人はいました。その予想は当たっていたのだけど、真実はもっと複雑でしたね。
ストーリーも事件の展開も良かったのですが、結末はあれでよかったのかな。
確かに綺麗な終わり方で、前向きなストーリーなんだけどやっぱり気になるラスト。
面白かったんですけどね。
心の中でちょっとしこりが残る部分がありまして・・・
全て読まれると、私のこの気持ちが分かっていただけると思います^^;

〈光文社 2004.10〉H20.5.15読了

月の扉 石持浅海4

月の扉 (カッパ・ノベルス)

週明けに国際会議を控え、厳重な警戒下にあった那覇空港で、ハイジャック事件が発生した。
三人の犯行グループが、乳幼児を人質に取って乗客の自由を奪ったのだ。
彼らの要求はただひとつ、那覇警察署に留置されている彼らの「師匠」石嶺孝志を、空港滑走路まで「連れてくること」だった。
緊迫した状況の中、機内のトイレで、乗客の死体が発見された。誰が、なぜ、そしてどのようにして―。
スリリングな展開とロジカルな推理!
デビュー作『アイルランドの薔薇』をしのぐ「閉鎖状況」ミステリーの荒技が、いま炸裂する。

石持さんです。すっかり最近ははまっています。
結構証拠が少なくて、想像が多い推理が石持さんの作品は多い気がするんですけど、推理の内容は納得できるのでそれもいいんです^^
ハイジャックが起きている中で、死体が発見されるなんて。
いろんな偶然が重なっておきたハイジャックだったんですね。その後の出来事も。
でも、ひとつのものでも心の底から信じられるものがあるって、幸せな事なのかもしれないなぁ。とも、思ったりしました。
にしても、座間味くんは賢い子だったなぁ。
他作品にも登場するんですよね?
楽しみです^^

〈光文社 2003.8〉H20.3.13読了

Rのつく月には気をつけよう 石持浅海5

Rのつく月には気をつけよう

オススメ!
湯浅夏美と長江高明、熊井渚の3人は大学時代からの呑み仲間。
毎回誰かが連れてくるゲストは、定番の飲み会にアクセントをつける格好のネタ元だ。
酔いもまわり口が軽くなったところで盛り上がるのはなんといっても恋愛話で―小粋なミステリー短編。

面白かった〜!!
カナリレベルの高い謎解きだったけど。
連作短編でしたが、どの不思議な出来事も面白かったし、真相がわかったときはなるほどと思いました。
あったかい気持ちになれましたし。
にしてもお酒の事や肴については細かかったなぁ。
この作品のために調べたって言うよりは、筆者の知識が豊富なんだろうな。
私はあんまりお酒は強くないからちょっと勉強になりました。
活用する事は…ないと思いますが^^;
3人がいい人間関係だなぁと思いました。
大学卒業後にこうやって集まれるのは良いね。
最後の最後は騙されたな〜。
まさかああなるとは・・・。
いや、良いことなんだけどね。

〈祥伝社 2007.9〉H20.2.3読了

扉は閉ざされたまま 石持浅海4

扉は閉ざされたまま

久しぶりに開かれる大学の同窓会。成城の高級ペンションに七人の旧友が集まった。
(あそこなら完璧な密室をつくることができる―)
当日、伏見亮輔は客室で事故を装って後輩の新山を殺害、外部からは入室できないよう現場を閉ざした。
何かの事故か?部屋の外で安否を気遣う友人たち。
自殺説さえ浮上し、犯行は計画通り成功したかにみえた。
しかし、参加者のひとり碓氷優佳だけは疑問を抱く。
緻密な偽装工作の齟齬をひとつひとつ解いていく優佳。
開かない扉を前に、ふたりの息詰まる頭脳戦が始まった…。

ずっと手元にあったんですが、積まれたままになっていた作品です^^;
最初から犯人とトリックが分かっている話だったのですが、犯人だといつばれるのかとひやひやして読んでいましたね。
このゾクゾク感が最初から犯人が分かっていないと味わえないスリルみたいな感じでしょうか。
にしても。
伏見のような人はいる気がするんですけど、優佳のような人って、あんまりいないような気がするな〜^^;
勘が鋭すぎるんだもの。凄すぎ。
2人の頭脳戦は見ものでした。
一人ひとりの描写も上手く書かれていて、性格もよくわかります。
みんな頭の回転が早い人たちなのに、よく犯行をするなぁと感心してしまうくらいでした。
石持さんの作品、まだ持ってるんです。
とても面白かったので、また読みます。

〈祥伝社 2005.5〉H19.1.31読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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