苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

蒼井上鷹

動物珈琲店ブレーメンの事件簿 蒼井上鷹4



猫と名探偵は珈琲がお好き? 美味しい謎のおかわりいかが――
一杯のコーヒーが事件を招く? 謎解きはペットとともに!
平井瞳が営む喫茶店は家庭的な雰囲気を売りにしてきたが、ある事件をきっかけにペットも入れるように店の改装を決心、名前も一新することに。その名も<動物珈琲店ブレーメン>。店は常連たちが連れてくるペットで大賑わいとなるが、奇妙な事件もいっしょにやってきて……
ペットカフェを舞台に、犬も猫も大活躍のユーモアミステリー、開店!

始めは「フラット&シャープ」と言う名前だった喫茶店。ある出来事が起きたことからペット可の喫茶店にし、名前も動物珈琲店に変えた。それからというもの、ペットにまつわる事件が周りで起きるようになる…
という大まかなストーリーなのですが1話完結型なのだけど人間関係が繋がっているのが面白いですね。そして必ずしも喫茶店が絡んでいるとも限らず(笑)それも面白いです。
それぞれの事件はなるほどなと思うところが多く、ミステリ要素は流石蒼井さんだなと思いました。

<実業之日本社 2015.8.7>2024.3.17読了

殺しのコツ、教えます 蒼井上鷹4

殺しのコツ、教えます (双葉文庫)
蒼井上鷹
双葉社
2019-04-18


ローンの返済も殺人も、無理なく実行できるものが望ましい―と語る推理作家の世古先生は、新たなトリックを生み出すため日夜実験を重ねていた。そんな時、馴染みの居酒屋に勤める青年・ガクが「ぶっ殺したくなるくらいヤなやつがいる」と言い出す。ガクのリクエストに応えて、古今東西の名作ミステリーを駆使しながら世古先生が繰りひろげる斬新なトリック談義。果たして完全犯罪は可能なのか!?ブラックユーモア・ミステリーの快作!

蒼井さんの作品を読んだのがめちゃくちゃ久しぶりでビビりました←
何でこんなに読んでいなかったんだろう。
実際に事件が起きるわけではなく、推理作家の世古先生が行きつけの居酒屋でバイトをしているガクにトリック談義をするというもの。1番初めにお客さんが談議に絡んできたときは怪しいな…と思ったらやっぱりトリックを知りたかったのか…と思いましたがそれを失敗させたのが殺したくなるくらい嫌な奴がいると言っていたガクだったのが面白かったですね。因果応報…じゃないか。色々繋がっていて面白かったです。でも鳴海の正体には気づかなかったなぁ…ガクと先輩のお陰で世古先生が命拾いして良かったです。実際に事件が起きるわけではないからまどろっこしいところもありましたが^^面白かったのでまたこのような談議の本があれば読んでみたいです。

<双葉社 2019.3>2023.5.4読了

あなたの猫、お預かりします 蒼井上鷹3

あなたの猫、お預かりします (実業之日本社文庫)あなたの猫、お預かりします (実業之日本社文庫)
著者:蒼井 上鷹
実業之日本社(2013-06-05)
販売元:Amazon.co.jp

家賃未払いでアパートを追い出されそうになっている大伴。友人の安部と結託し、自分の飼い猫を利用して一儲けしようと企んだのだが、その驚きの手口と仰天の結末は…表題作ほか、喫茶店“フラット&シャープ”に集うペット好きの人々が遭遇した奇妙な事件の数々。ペットも読者もハマる、仕掛け満載のユーモア・ミステリー、いきなり文庫で登場!!

蒼井さんらしいミステリでした。ミステリっぽくなく進んでいくけどだんだん怪しげな雰囲気になってきて、そういう展開になっていくのね…という(分かりにくい^^;)
登場人物が章ごとで違いますが、喫茶店「フラット&シャープ」のマスターや常連客が絡んでいます。そういうリンクは面白いですよね。
ただ、すべての章が動物絡みで何となく同じような印象を持ってしまってそれが残念だったかも。一つ一つのお話の展開は様々で面白かったんですけど。
それにしても最初に登場した男が可哀想だ。いろいろ頑張ったのに何一つ覚えてもらえてないなんて。

〈実業之日本社 2013.6〉H26.9.27読了

「幽霊」が隣で聞いている 蒼井上鷹5

「幽霊」が隣で聞いている「幽霊」が隣で聞いている
著者:蒼井上鷹
祥伝社(2013-10-29)
販売元:Amazon.co.jp

そこにいたの! ?
存在感がない男・小仏さん。小さな街で巻き起こる事件の連鎖を、史上最も影のウスイ探偵が解決する! 最後に明かされる真実に、驚愕間違いなし!
さまざまな声が小仏さんの体を素通りしていく。何だか自分が幽霊にでもなったような、妙な気分だ。
毎日通う喫茶店でも顔を覚えられず、隣に座っていても大事な話を始められてしまうほどの存在感。だがそんな彼の周囲で、不可思議な事件が起こり始める。友人に借りた自転車が盗まれ、その友人が失踪したかと思ったら、部屋からミイラ化した遺体が見つかったのだ!
ややこしい事件と絡まる糸を、解くことはできるのか!
「幽霊」のように陰から事件を追いかける小仏さん! ?そして驚愕の結末を見よ!

蒼井さんの作品を読むのは本当に久しぶりでした。
読みたかったんですけど近くの図書館に蒼井さんの本がなかなか入らなくて(買いなさい)
で、久しぶりの本作。
蒼井さんは長編も多いですが短編の印象が強いので分厚さに驚きました。でも、その厚さを感じさせないくらいぐいぐい引き込まれました。
事件についてもいろんな人がいろんな状況で絡んでくるので誰がどう繋がり、事件と関わっているのか頭の中で考えるのが大変でした^^;蒼井作品ならではですよね。
そして辿り着いた真相。なるほど、そういうことだったのか。と納得。
これで小仏さんの長い探偵ごっこは終わるのだなぁと思ってからのまさかの展開。
そうだった…蒼井作品は最後まで気を緩めてはいけなかったんでした。いやー参った参った。全然気づきませんでした。っていうか気づかないでしょ、これ!
でもその騙された感じもちょっと心地いいです。
最後まで読んでから、タイトルの「幽霊」の意味がじわじわきます。
この作品の舞台は2012年で金環日食が話題に上がっていて懐かしくも感じました。
そうか、もう2年も経つのか…
最後の猫の登場はちょっとじんわりくる感じでした。
そのふたりの姿を想像するとちょっと切なくなります。凄く好きな終わり方でした。
あー面白かった!

〈祥伝社 2013.10〉H26.6.22読了

4ページミステリー 蒼井上鷹4

4ページミステリー (双葉文庫)4ページミステリー (双葉文庫)
著者:蒼井 上鷹
双葉社(2010-12-15)
販売元:Amazon.co.jp
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こんなにしっかりしたアイディアを原稿用紙五枚ぽっちにしちゃうなんてもったいない。と内外から言われ続ける、『小説推理』の名物連載「2000字ミステリー」。でも、短いからこその、この面白さ!?5年も続く当連載をギュッとまとめたこの1冊で、ぜひともお確かめを。オール4ページ、全部で60本。冒頭の「最後のメッセージ」は本格ミステリ作家クラブ編のアンソロジーにも収録された上作。

本当に4ページのミステリーがたくさん収録されているのかと、読んでから気付きました。
蒼井さんといえば短編!というイメージですが、今回はさらにショートショートで60作!も収録されていていました。
結構薄い本なのですが、やっぱり60作も書かれているので読み応えがありました。
そしてどの作品も一筋縄では行かない。たった4ページなのに「なにぃ!?」って思わせる展開ばかりで。やっぱり蒼井さんは短編がいいな。長編が駄目なわけではないんですけども。
連載ものを収録したものだからか読んだことがあるものも何作かありました。
「九杯目には早すぎる」と「二枚舌は極楽へ行く」という以前出た作品もありましたし。
話の中で「堂場刑事」も登場しましたし、何だか今まで読んだ本で登場した言葉や人がこの本に詰まっている気がして嬉しかったり^^
こういう本もあるんだなぁと満足して、本を読み終えました。

〈双葉社 2010.12〉H23.5.1読了

人生相談始めました 蒼井上鷹3

人生相談始めました人生相談始めました
著者:蒼井 上鷹
PHP研究所(2010-11-27)
販売元:Amazon.co.jp
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モーさんの店は小さなショットバーで、繁華街から少し外れた雑居ビルの2階にある。バーテンダーという職業柄、常連客の身の上話の相手になることが多いモーさん。いつしかなしくずし的に「人生相談業」を始めるはめになったのだが、そのアドバイスがおかしな波紋を巻き起こしていくことに…。持ち込まれた相談の数々に、バーのマスターが出す答えとは?ちょっぴり苦い読後感が後を引く、連作ユーモア・ミステリー。
第1話「妻が新型インフルエンザ恐怖症になってこまっています」
モーさんが相談を持ちかけられた。寒川と言う常連客の奥さんが家の中でもマスクをしインフルエンザを恐れているのだと言う。
第2話「貸したお金を返してもらえず困っています」
銀行員の花園が室と言う男性がお金を返してもらえなくて困っているのだと言う。またバーの大家の四坪もお金を返さない者がいて困っているのだと言う。
第3話「カレシがいるのに他にも気になる男性ができてしまいました」
清美という常連の女性が遠距離の恋人がいるにもかかわらず、同じ職場の男性の事が気にかかっているのだと言う。それをモーさんに相談する。
第4話「子供が何を考えているのかさっぱりわかりません」
新しいアルバイトを雇う事になった。新しく来た高津と言う男性は人当たりがよく期待できたが、かつての常連の蔦津田の顔を見るなり逃げ出した。彼は息子なのだと言う。
第5話「キャバクラのコとつきあいたいんです」
常連の本間と言う男がキャバクラの子で気になっている人がいるのだと言う。<レニ>のバーのマスターが反対するから、モーさんにアドバイスがほしいのだと言う。
第6話「ネットでデマを流され迷惑しています」
先月からアルバイトとして入った宇佐美野乃と開店の準備をしていたら警察が入ってきた。かつて1日だけバイトをしていた高津が麻薬所持で逮捕されたそうだ。何故か今、ネット上でモーさんが薬物の売人をしているというデマが流れていると言う。
第7話「妻が子供を産んでから、すっかり太ってしまいました」
野乃にモーさんがココ先生だとばれた。また、警察が未だにバーの周りをうろついているため、野乃はモーさんの彼女のフリをしてこないように仕向けていた。
最終話「前の恋人から貰ったものを捨てずに使っていたら、今の恋人と喧嘩になりました」
野乃が冷蔵庫に何かあるのではと指摘したため、モーさんは野乃に真実を伝える決意をする。もともとモーさんは9年前に前のマスターからお店を引き継いでいた。前のマスターは後妻で血は繋がっていないが、モーさんの母親だった。

蒼井さんって、結構刊行ペースが早いですね。
ついこの間読んだと思ったのですが。
今回は連作短編集。
モーさんというバーのマスターが繰り広げる「人生相談」
モーさんは人のためを思ってアドバイスをしているのだけど、それが実は裏目に出ていたりあらぬ方向へ話が展開していったり。
蒼井さんの何度もひっくり返る話の展開に、頭がついていくのが大変でした。
どの話もなるほどーと思いましたが、特に思ったのは4話かな。
話の展開が何度も変わって面白かったです。
最後の話は、えー!モーさんってそんな人だったの?と思ったのですが、それもまた違う展開になって^^;もう蒼井さんには騙されっぱなしです。
長編も面白いけど、やっぱり連作短編や短編の方が好きかな。

〈PHP研究所 2010.11〉H23.1.16読了

バツリスト 蒼井上鷹4

バツリストバツリスト
著者:蒼井上鷹
祥伝社(2010-12-01)
販売元:Amazon.co.jp
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「次の“バツ”は、こいつに決定していいと思うのですが」自殺した息子が遺した一冊のノート。そこには息子を死に追いやった人物たちの名が記されていた。嶋津は復讐に乗り出すが、老体にむち打つ彼に協力者が現れて…。連中を罰したい。

蒼井さんの新刊、今回は長編です。
始めは嶋津と友人下貫の手紙から始まります。
嶋津の奥さんが亡くなった事で再会をしたときから、嶋津の息子和広の話となり、段々雲行きが怪しくなっていきます。
和広の境遇が可哀相で、運がなかったなぁと思いました。
学生の時のいじめや勤務先での苦労、恋愛も本当に報われなかったんだなと言うところが本当に可哀相。何もかもが裏目に出ちゃったんですね・・・。
そこで自殺した息子が残したリストを元に父親が復讐を誓うのですが、すでに父親は70代。人を殺す事がままならない中で思わぬ協力者が出現します。
その協力者は復讐する者たちを「バツリスト」と呼び、次々と人を殺していく。
・・・というのは嶋津だけが思っていることで、実は嶋津を殺人者にしたくないために作戦を練って殺さない方法で復讐を続けている。
蒼井作品ですから、一筋縄では行かないだろうなと思って注意深く読んでいたのですが、解決編はやっぱり何度も読まないと何が真相なのか分かりませんでした^^;
もういろいろ重なって組み合わさってて良く分かりません^^;
でも、面白かったです。
味方同士でも探り合っていて、その心理戦も面白かったですし。
蒼井さんの長編の中でも、私は面白いと思った作品でした。
でも、最後の手紙で余計に真相について混乱したけど^^;

〈祥伝社 2010.12〉H23.1.8読了

ホームズのいない町−13のまだらな推理 蒼井上鷹4

ホームズのいない町―13のまだらな推理 (FUTABA NOVELS)
ホームズのいない町―13のまだらな推理 (FUTABA NOVELS)
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そんじょそこらにホームズのような名探偵はいない。登場人物が不完全な推理をし合い、勝手に誤解して、おかしな展開に…。様々な“つながり”が隠された傑作ミステリー。短編7編と関連する掌編を収録。
「六本のナポレオン?」
アートサークル「かたつむり」が開かれるハウスで女性の死体が見つかった。その後そのハウスは火事になり全てが燃えてしまう。その場所にいつも集っていたサークルのメンバーは、ナポレオンにまつわるものが全て壊れている事に気付く。
「被害者は二人」
早朝に男は彼女を見つけた。いつも彼について悩んでいた彼女。だから「おまえのためにあいつを殺った」と言った時に、喜んでくれると思っていたのに・・・。
「あやしい一輪車乗り」
シングルマザーの五堂早紀は息子に優しく接してくれていた先生が辞め、1番仲のいい友達が転校した後、学校でいじめられているのではないかと感じ、盗聴器を仕掛ける。ある日、家に帰ると息子の友人の<博士>がランドセルを届けてくれた。息子は「お父さんに会いに行った」らしい。部屋に戻ると電話が鳴り、息子を誘拐したと告げる。身代金は五千万。恋人に相談する事にしたのだが・・・。
「ペット探偵帰る」
アルバイト先のカフェで飼っているペットの餌を買いに行く途中、ペット探偵と言っていた知り合いに偶然出会う。
「第二の空き地の冒険」
元文房具屋の空き地からのこぎりで切られたお金1/3が見つかった。飲食店を経営している一文字は残りの2/3を探していた。そのお金を元に店の新メニューを作り出さなければ店の権利を失ってしまう。「調達屋」井之上が海外で調達したチョロチョロという生き物を使った新メニューに全てを懸けていた。しかし、それをちゃんと加熱しないと顔に赤いあざが出来、ちゃんと保存しないと変態をしてしまうため、お金が必要だった。
「赤い○」
顎ひげのあるくじ好きの先輩と名古屋への大切な荷物を運んだ帰り道に先輩にまたくじをしないかとせがまれる。
「五つも時計を持つ男」
四家と音栖はなんでも運ぶ「タイムパック」をつくり会社を立ち上げた。様々な苦労があったが、会社は軌道に乗り始める。しかし、また会社に暗雲が立ち込めた。正社員のような働きをみせてくれたアルバイトが謎の顔の病にかかり、辞めさせざるをえなくなり、パートとして雇った女性の過去が明らかとなり、仕事は激減する。
「吐く人」
マンションの3階の雨どいにしがみついている老人が発見された。4階に住む老人がなぜそこにしがみついていたのか。様々な憶測が飛び交う。
「四つのサイン入り本」
探偵事務所で働く三竹と城は「想い出の人探し」の依頼を受ける。依頼者がいうには、母親がかつて想っていた人物。自分を助けてくれたらしい。調査していくうちに明らかとなったが、その人は「トクメイ」と言う雑誌で記事を書く加美島柳という人物らしい。しかし、編集者は誰も加美島にあったことがないのだと言う。
「銀星ちゃんがいっぱい」
「トクメイ」推理新人賞の下読みをしていた先輩が気付いた。読んだ10の物語の全てに「銀星」のついた男の子が登場するのだという。
「まだらのひもで三kg」
殺人を犯し、刑務所に入っている男が書いたミステリを「トクメイ」に載せた編集者の山上は、獄中では作品は書けないため、先輩でミステリ作家の六坂に代筆させようとしていた。六坂は自分へのチャンスだと思い、男は実は無実だと言い張り、それを証明するために事件について調べ始める。
「覆面の依頼人」
男は無罪となって出所した。彼を救うために彼の知らないところで多くの人が動いていた事を知る。
「もう一本の緋色の糸」
男は覆面をつけた人たちに取り囲まれた。彼のせいで覆面をつけた人たちは不幸となり、恨んでいるのだと言う。それぞれ何があったのかを語りだした。

あらすじが非常に書きにくいです・・・。
始めはバラバラの短編集だと思ったのですが、あれ?何だかリンクしていると思い、最後は、ああ、リンクどころじゃなかったんだと思いました^^;
鈍いにもほどがあります。
蒼井さんらしく、短編でブラックな感じが良いですね。
そしてトリックも全く想像がつきませんでした。
いろんな人がいろんなところで登場するので、「あれ?あれ?」と思い、何度も読み返してしまったり。
思わずニヤリとしてしまったり。
最後はこうまとまるんだ〜と驚いたり。
面白かったです。
いつも言いますが、蒼井さんはやっぱり短編が良いです。

〈双葉社 2008.3〉H22.7.19読了

11人のトラップミス 蒼井上鷹4

11人のトラップミス (FUTABA NOVELS)
11人のトラップミス (FUTABA NOVELS)
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叔父の家に借金を頼みに行ったら、叔父の妻を殺すと脅迫する、犯人からの身代金要求電話を代わりに受けちゃって……「トラップミス」などなど、あいかわらず間の悪い、不運な男がどしどし登場し、蒼井節は今回も健在! 短編5本、間にショートショート6本、充実のミステリー・イレブン!

蒼井さんがW杯にあやかって書かれたサッカーにまつわるミステリです。(ホントか?)
アオイさんなる人が登場し、ワールドカップに触発されて書いたのがこの小説だと小説の中で言っちゃってるのがまた蒼井さんらしい感じですね。
やっぱり蒼井さんは短編が良いです。
短編5本もショートショート6本も本当に面白い。隙がありませんね。
犯人やトリックが意外で、サッカーのルールにちなんだタイトルもまた事件とマッチしていて、上手いです。
蒼井さんがこの作品を書かれた真意は分かりませんが、でも十分楽しめました。
面白かったです。

〈双葉社 2010.5〉H22.7.16読了

堂場警部補の挑戦 蒼井上鷹4

堂場警部補の挑戦 (創元推理文庫)
堂場警部補の挑戦 (創元推理文庫)
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当代一のひねくれ作家が描くのは、ある警察官の奇妙な運命の変転。いずれ劣らぬトリッキーな4編を収録。連作としても意外な展開を辿るので、頭から順番にお読みください。 文庫オリジナル作品。
「堂場警部補とこぼれたミルク」
矢木が死んだ。古瀬洋輔は葬式へ行く。矢木は大学時代、多くの友達をゆすってきたため、恨んでいる人間は多かった。葬式に来たのは元カノのマキとマキのことが好きだった井口だけだった。矢木はゆすりのネタが記録された「黒ヤギファイル」と言うものがあった。古瀬はそのファイルが入っているらしいCDを入手していたが、開く事ができない。古瀬は2人に一緒にみてほしいと頼む。
「堂場巡査部長最大の事件」
堂場夫婦が恩義のある女性との縁から、女性関係のトラブルに巻き込まれた男性に堂場は力を貸す。奇怪な形をしたマンションで堂場は男性を監視する事になる。そこで堂場はとんでもない大失態をしてしまう。
「堂場刑事の多難な休日」
死体を隠そうとした男性の家を偶然訪れた堂場刑事は、相手が怪我をして動けない事から、家の中に泥棒が入っていないか確認するために、上がりこむ。そこで堂場は数々の問題点を指摘する。
「堂場?/切実」
「俺の小説が賞を取れないのはあいつのせいだ」私の兄はそういって小説家の青羽家貴を恨む。しかも愛犬が吠えてうるさく、仕事に集中できないのだと言う。しかし、その犬がどうやら誘拐されたらしい。私は運良く、青羽の家に潜入して協力する事になった。

創元推理文庫って、面白い作品が多いから楽しみにしていました。ミステリ・フロンティアのシリーズも面白いミステリばかりだし。そしてこの作品の感想は・・・。
・・・わからーん!!
です。一応あらすじを書きましたが、これを信用してはなりません^^;
というか、このあらすじを読んだだけでは全く持って予測不可能な作品です。
解説者が、蒼井さんはひねくれものだとおっしゃっていましたが本当にそうですよ。
よくもまあこんなに二転も三転もどんでん返しもする作品をたくさん書けるものです。
この作品は始めから仕掛けがあって、堂場=ウィルフレッド・ドーヴァーで、イギリス人作家のジョイス・ポーター氏が書かれている小説の登場人物だそう。しかも最後の作品のタイトルは「ドーヴァー4/切断」のパロディだそう。
蒼井さんもものすごく作品を読み込まれているのが分かります。
いやはや、凄いです。
ちゃんと順番に読んでくださいと冒頭に書かれているのですが、「堂場巡査部長最大の事件」と「堂場刑事の多難な休日」の流れが正しいのかどうなのか分かりません・・・。何かカラクリがあるのでしょうか・・・。う〜ん、わからん。
唯一分かったカラクリは「堂場警部補とこぼれたミルク」のカラクリだけです。しかも大体解説されていたし。でも、全く違和感なく読めました。あのトリックは凄い。読み返したら・・・確かに。と思いました。
あぁ・・・上手く説明できません。
面白かったです。蒼井さんには、ずっと、騙され続けていこうと思います。

〈創元推理文庫 2010.2〉H22.6.15読了

これから自首します 蒼井上鷹4

これから自首します (ノン・ノベル)
これから自首します (ノン・ノベル)
自称映画監督の勝馬に幼馴染みの小鹿が告白した。殺人を犯し自首すると約束していた友人が急に翻意したのでかっとなったという。しかし、殺した相手というのが、かつて犯罪をおかしてもいないのに自首騒ぎを起こしたいわく付きの人物。今回の自首騒ぎにも何かいわくがありそうで…。勝馬には勝馬で正直者の小鹿に自首されては困る事情があった!?前代未聞の“自首”ミステリ誕生。

いや〜…。難しかったです。いろんな人のいろんな事件とか出来事の真実と、推理と、実は違うんじゃないかって言う事とが錯綜していて頭の中を整理するのが精一杯でした。
登場人物はそれほどいないのだがその登場人物たちがものすっごいいろんな所で関わりがあったり、途中でチョイ役だった人が実は重要な人物だったりして本当に理解するのが大変でした^^;
勝馬は映画監督ででも長編映画はまだ取った事がなくて借金取りに追われている。幼馴染の小鹿は名前は可愛いけど実はがたいの良い男で第一印象は怖いらしい。
もう一人砂町という人物はある事件をきっかけに勝馬たちと接触するようになったのだけど、その「事件」が本当に最初のきっかけなのかなぁ。
最後は何とか良い方向にいって良かったのだけど、でも結局は勝馬の思い通りになって実行されているような気もするし・・・う〜ん。
シュールですねぇ。流石蒼井さんだなと。
そろそろ短編も読みたいなぁ。

〈祥伝社 2009.5〉H21.8.29読了

俺が俺に殺されて 蒼井上鷹3

俺が俺に殺されて (ノン・ノベル 830)
俺が俺に殺されて (ノン・ノベル 830)

俺は絞殺された。よりによって世界で一番嫌いな男、バイト先のバーのマスター・別所にだ。
だが、なぜか俺の魂は昇天せず、よりによって別所の体に飛び込んでしまった。
俺は自分を殺した罪で捕まってしまう!?そんな不条理な!
俺の死体を呆然と見つめる俺。
しかしその頃、俺を追い込むもう一つの殺人が起きていた。
その容疑者が別所なのだ。
別所のアリバイを証明すれば俺は殺人で捕まってしまうし、結局真犯人を見つける以外には窮地を脱する道はない。
果たして俺は俺を救えるのか?
「小説推理」新人賞受賞の新鋭が挑む、傑作絶対絶命・無理難題ミステリ。

長編小説第2弾。蒼井さんです。
本当に設定が凄いです。発想が凄いですよ。
英次はマスター・別所に何故か殺される。バイトを始めて数ヶ月。殺される理由は思い浮かばない。
自分よりも倍以上の体型になって動く事も始めは大変だった英次は事件解決に乗り出します。
でも、事件が解決しても、自分は元の身体に戻れるのかといったら、その保証もないというあまりにも不運な状態に陥ります。
一体どんな展開になるのかと思いきや…
またシュールですね。
この展開に、はまってしまうんですよねぇ。
そろそろ蒼井さんの短編も読みたくなりました。

〈祥伝社 2007.6〉H20.10.19読了

ハンプティ・ダンプティは塀の中 蒼井上鷹3

ハンプティ・ダンプティは塀の中 (ミステリ・フロンティア)

第一留置室で繰り広げられるおかしな謎解き合戦。
必ず最後に真相に辿り着くのは、誰よりも胡散臭いマサカさん!?
留置場版日常の謎(?)など愉快な五編を収録した連作ミステリ。

何度も借りてるのですが、ずっと読まずにいた作品でした…。
面白かったですね、留置室の人たちが織り成すミステリ。
ワイ、マサカ、ノブ、デンと、ちょっと変わった名前の人たちが登場。
連作短編なのですが、どの事件もマサカさんがきっかけを出しているんですよね。
最終的に正体は分かるのですが、何とも終わり方がシュールと言うか悲しいと言うか…^^;
蒼井さんっぽい感じです。

〈東京創元社 2006.12〉H20.8.12読了

出られない五人 蒼井上鷹4

出られない五人―酩酊作家R・Hを巡るミステリー (ノン・ノベル)

東京郊外のビル地下にあるバー“ざばずば”に集う男女5人。
脳溢血で急逝した愛すべき酔いどれ作家・アール柱野を偲び、彼の馴染みの店で一晩語り明かそうという趣旨の会合だった。
だが、突如身元不明の死体が目の前に転がり出たところから、5人に疑心暗鬼が生じる。
殺人犯がこの中にいる!?翌朝まで鍵をかけられ外に出られぬ密室の中、緊張感は高まっていく。
しかし5人には、それぞれ、出るに出られぬ「理由」があったのだ…。
ミステリ界期待の大型新人が放つ傑作長編。

蒼井さんの長編は初めてだったので、どんな作品なんだろうと楽しみにしていました^^
いや〜…シュールですねぇ。
次から次へと問題が生じて、話の展開が二転三転して、どうなっていくんだと思いましたよ。
本当にエピローグまで気を抜けません。
登場する人たちも個性的でそれぞれ心の奥底に抱えているものがあってそれを知っていくのもまた面白い。
田沼は情けなくてムカついたな〜。ダメ男よりもひどい。こいつはどうなってもよかったな。
でも、結局真実はどうだったのかな。って思うところとか、気になる部分もあり、思いっきり楽しめた!
という風にならなかったのがちょっと残念。
面白かったんだけどね。

〈祥伝社 2006.9〉H20.5.30読了

九杯目には早すぎる 蒼井上鷹4

九杯目には早すぎる

オススメ!
休日に上司と遭遇、無理やりに酒を付き合わされていたら、上司にも自分にもまるで予期せぬ事態が―
第26回小説推理新人賞受賞作『キリング・タイム』を始め、第58回日本推理作家協会賞・短編部門の候補作に選ばれた『大松鮨の奇妙な客』など、ユーモラスな空気の中でミステリーの醍醐味を味わえる作品の数々。
小気味のよい短編集をご堪能あれ。
(esbooksより引用)

蒼井作品2冊目です。
こちらがデビュー作。予約したら2冊目のほうが先に貸出可になったので逆になっちゃいました。
こちらも面白いですね。
2冊目と同じ、短編集。
相変わらずトリックが奇抜で、ラストが全然想像がつきません。
引き込まれますね〜
一体どうやって終わりを迎えるのか。
気になって、あっという間に読んでしまいました。
私は特に「キリング・タイム」と「大松鮨の奇妙な客」が好きです。
あ、他の作品も好きですが。
どちらもラストが全然分からなかったんですよね。
こうなるとは・・・って言うラストです^^;
本当に素晴らしいですよ。
これから気になる作家さんです。
新刊が出たら、読んでみようと思います。

〈双葉社 2005.11〉H19.1.12読了

二枚舌は極楽へ行く 蒼井上鷹4

二枚舌は極楽へ行く

「オレの愛する妻を殺した犯人がここにいる。犯人には密かに毒を盛った。自白すれば解毒剤をやる」
「え、え、まさかオレを疑ってないよね…え、苦しい、ウソ、まじ!?」
袋小路に入った主人公と、思わず一緒になって手に汗にぎる「野菜ジュースにソースを二滴」ほか、短編掌編合わせて12編の傑作コージーミステリー。
「情けない男の滑稽さを書かせたらピカイチ」と、デビュー単行本が各紙誌で取り上げられ、ノリにノッている著者が贈ります。
話題になった、あの各編ごとの「参考文献」も健在。
また、それぞれの作品間にビミョーな繋がりを仕掛けてあります。そちらも併せてお見破りを。
(esbooksより引用)

蒼井さん初読です。
面白かったですね〜。
短編集ですが、どの作品も結末が驚きで裏切られました^^
予約者がこちらの方が少なかったので、蒼井作品の2冊目を先に読んだのですが、作品の最後に参考にした作品が載っているんですよね。
それがまた興味深いです。
また、作品が微妙に絡み合っているんですよね。
でも、細かすぎて私は絶対に全部は分かっていません^^;もったいないなぁ・・・。
特に「待つ男」と「ラスト・セッション」が好きです。

〈双葉社 2006.10〉H18.12.30読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6を愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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