苗坊の徒然日記

読書とV6とSnowManをこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

桜庭一樹

東京ディストピア日記 桜庭一樹4

東京ディストピア日記
桜庭一樹
河出書房新社
2021-04-24


作家・桜庭一樹が仔細に記録する2020年1月~2021年1月。分断が進むこの世界で、私は、あなたは、どこにいて何を思考する、誰なんだろう――?
オリンピック延期、和牛券、休業要請、#うちで踊ろう、Zoom飲み会、アベノマスク、ステイ・ホーム太り、自粛警察、極端な選択、2度目の緊急事態宣言……誰もが経験したはずなのにもう忘れている、あの時の暮らし、憤りや心細さ。日記を読み、時系列どおりに追体験すると、新たな気づきが次々に見えてくる。すべて現実に起きたこと。コロナ禍の一年間。

この間、コロナ禍の医療現場が描かれた小説を読んで、今度は日常のコロナ禍との関わりみたいな感じですかね。その小説を読んだ後だったので、やっぱり身近にあるものと漠然と存在しているものとでは捉え方が違うんだなぁと思ったりしました。
桜庭さんの意見も書かれていますが、そのころにあったニュースも細かく書かれていて、そういえばそんなこともあったなぁと思いだしながら読んでいました。
それにしても桜庭さんは結構出歩いてますねー^^;お仕事は家ではなくて喫茶店とかお店でやるタイプの方なのかな。デフォーが書いた「ペストの記憶」の主人公を思い出しましたよ。
桜庭さん、たぶん小柄で華奢な方だからか続けていきなり怒鳴られて、怖かったですよね。対人ではなく、対女子供として見られている。という言葉がとてもリアルでした。でも、迷彩の帽子をかぶってサングラスをして黒いマスクをしたら怒鳴られなくなったってただ怒鳴り散らす奴ってちょろいですね←さらに編集者の方が連日怒鳴られたことに対して懐疑的な感じで捉えているのになんだかこっちがショックを受けたんですけど…え、作り話だと思っているの?どこまで本当なのかな…
そして自殺者のことも細かく書かれていたけど「極端な選択」と表現していました。自殺って思いっきり書かれるのも嫌だけど、でも極端っていう表現もあんまり私は好きではないな…と思ったりしました。ごめんなさい。
コロナ禍になり始めのよくわからないもどかしい感じが凄く伝わってきました。でも、今もあまり状況が変わっていないのが残念ですね…。

<河出書房新社 2021.4>2021.6.28読了

小説 火の鳥 大地編 下 桜庭一樹5

小説『火の鳥』大地編 (下)
桜庭 一樹
朝日新聞出版
2021-03-05


間久部緑郎の義父で、三田村財閥の総帥でもある要造は、猿田博士が手にした強力な自白剤により、みずからの来歴を緑郎ら「火の鳥調査隊」に語り始める。
そこで明かされたのは、火の鳥には現代の科学では考えられない特殊な力が存在しているという驚くべき事実だった!
すでに日本国政府は、要造率いる秘密結社「鳳凰機関」の協力のもと、火の鳥の力を利用し、大東亞共栄圏に向けて突き進んでいるという……
国家のためか、あるいはみずからの欲望のためか。
戦争に邁進する近代日本の姿を描きながら、人間の生と死、愚かさと尊さを余すところなく描いた歴史SF巨編。

後編は怒涛でしたね…。要造の語りがとにかく長かった…。マリアの過去もすさまじかったけど、こちらもすごかったな…。まあ要造の場合は自業自得なのだけど。奥さんである夕顔が本当に素敵な奥様だったんだな…ということがわかりました。どの過去が今のルートかよくわからなくなっていったけど、死に目に会えたんだよね…?
火の鳥の秘密を知ると、その魅力に憑りつかれるのだということがよくわかりました。緑郎の豹変ぶりもそうですし、博士も理性と闘っていましたし…
上巻で抱いた印象と1番変わったのは麗奈でしたね。強い女性でした。憑りつかれることなく役目を全うしている姿は美しかったです。
この作品を書く上で大陸の各地を巡られたそうですね…。
私も一緒に旅をしているような気持になりました。
桜庭さんの作られた世界を堪能しました。面白かったです。

<朝日新聞出版 2021.3>2021.4.15読了

小説 火の鳥 大地編 上 桜庭一樹5

小説『火の鳥』大地編 (上)
桜庭 一樹
朝日新聞出版
2021-03-05


1938年、日本占領下の上海。若く野心的な關東軍将校の間久部緑郎は、中央アジアのシルクロード交易で栄えた楼蘭に生息するという、伝説の「火の鳥」の調査隊長に任命される。
資金源は、妻・麗奈の父で、財閥総帥の三田村要造だという。
困難な旅路を行く調査隊は、緑郎の弟で共産主義に共鳴する正人、その友で実は上海マフィアと通じるルイ、清王朝の生き残りである川島芳子、西域出身の謎多きマリアと、全員いわく付き。
そこに火の鳥の力を兵器に利用しようともくろむ猿田博士も加わる。
苦労の末たどり着いた楼蘭で明らかになったのは、驚天動地の事実だった……。
漫画『火の鳥』や手塚作品に数多く登場する猿田博士やロック、マサトたちと、東條英機、石原莞爾、山本五十六ら実在の人物たちが動かしていく!

この小説を読む前に「火の鳥」を読もうと思っていたのですが、その前に手元に来たので読みました^^;でもきっと、読んでいなくても楽しめますよね。この世界にぐいぐい引き込まれて読む手が止まらなかったです。上巻は出てくる人物全員が怪しくて、よんでいるこちらも疑心暗鬼の状態で読んでいました。中盤からは出てくる人たちの独白がほとんどでしたね。最初の独白はもう哀しくてかわいそうでなりませんでした…。なんというつらい年月を過ごしてきたのだろう…もう想像がつかないくらいです。そして独白がずっと続いていきます。
それにしても強くて怖いイメージの要造の過去が軟弱で別人のようでびっくり…
相変わらず桜庭さんはすごい名前を付けますね…。そしてたまに出てくる口調が桜庭さんみを感じて嬉しかったです。
それにしても後世にまで残っている大作によく挑みましたよね…。凄いとしか言えません…

<朝日新聞出版 2021.3>2021.4.14読了

桜庭一樹のシネマ桜吹雪 桜庭一樹5

桜庭一樹のシネマ桜吹雪
桜庭 一樹
文藝春秋
2021-01-14


目を凝らせ、魂をみつけろ――
少女とヒーローと無数のifに満ちた映画ワールドがここに。
・音楽の神さま、あの娘を助けて 『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』
・老いたるロッキーは神話的英雄だ 『クリード チャンプを継ぐ男』
・SMとは「神の子」を造る戦い 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』
・中年スパイダーマンが胸狂おしい 『スパイダーマン:スパイダーバース』
・血塗れの「映画の子供たち」 『GONIN サーガ』……etc.
「本当に観ておもしろい」映画を厳選!
「週刊文春」の人気連載ほか、物語作家ならではの洞察が光る珠玉の映画エッセイ集。

桜庭さんのエッセイを読んでいて、映画をたくさん見ているなーと思っていました。
雑誌で映画に関する連載を持っていらしたんですね。全然知らなかった^^;
私は映画は邦画を見ることが多いので、桜庭さんが紹介された作品はタイトルを見たことがあるかなーがせいぜいで見ている作品は一つもありませんでした…。この作品、観たいと思ってたんだ!って言うのはありましたが。
桜庭さんの映画愛があふれるエッセイでした。
何作か気になった映画があったので書きとめておきました。
桜庭さんが好きな作品をもっと知りたいと思います。

<文藝春秋 2021.1>2021.4.2読了

すきなひと 恋の絵本 桜庭一樹4

恋の絵本 (1) すきなひと
桜庭 一樹
岩崎書店
2019-05-21


好きな人を待つ、夢のような時間
ある夜、「じぶん」とすれちがった。
「すきなひとがいるからおいかけてる」。
すきなひとなんていないのに。
でも……。
桜庭一樹と嶽まいこが誘う、夢のような満ち足りた時間。

絵本だけど、子ども向けというよりは大人向けだった気がします。
そして絵本でも、桜庭さんの世界観はそのままでした。
好きな人を待つ時間。
それは切なくもあり尊くもあり嬉しくもあり。
好きな人を待ち続けた後の世界には何が待っているんだろう。
難しい作品でした。
最初に大人向けと書いたけど、意外と子どもの方がすんなり受け止められるのかもしれないなぁ。

<岩崎書店 2019.5>

小説という毒を浴びる 桜庭一樹書評集 桜庭一樹5



読書は本当に自由なもの。
思いっきり誤読したっていい。
少女小説からミステリ、古典から現代のベストセラーまで、本に溺れる愉しさ。
約15年分の書評を通して、桜庭一樹の人となりが見えてくる。
著者初の書評集。
【本書で取り上げられている作品・作家 ※掲載順に一部抜粋】
『聖少女』『クレーン男』『歳月』『丁家の人びと』『船を建てる』『ある秘密』『ケイト・モス 美しく呪われし者』『ロリータ、ロリータ、ロリータ』『ジェイン・オースティンの読書会』『さみしいネコ』『燃えるスカートの少女』『枯葉の中の青い炎』『クリスマスに少女は還る』『わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい』『大人にしてあげた小さなお話』『むかし僕が死んだ家』『二十歳の原点』『アブサン・聖なる酒の幻』『予告された殺人の記録』『オーランドー』『さむけ』『血族』『ゴドーを待ちながら』『センセイの鞄』『セールスマンの死』『プロレス少女伝説』『死せる少女たちの家』『赤い薔薇ソースの伝説』
コナン・ドイル〈シャーロック・ホームズ〉シリーズ、小野不由美〈悪霊〉シリーズ、
伊坂幸太郎、エラリー・クイーン、吉野朔実、谷崎潤一郎、北欧神話ほか、多数。
書き下ろし書評には、スティーヴン・キング『IT』や、若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』など。
道尾秀介氏、冲方丁氏、綿矢りさ氏、辻村深月氏との対談を収録。

桜庭さんの今までの書評を集めたもの。10年以上前のものから最近までありましたし、小説もバラエティに富んでいましたね。桜庭さんの読書日記も読んでいるので、海外小説がお好きなんだなと思っていましたがやはりそうで、私はちんぷんかんぷんでした^^;
でも、それで良いんですよね。自分が読みたい小説を読みたいように読む。小説という毒を浴びる。うーん!良い言葉です!私もどんどん浴びて浴び続けたいと思います。
そんな中で読んだことがあったのは「あるキング」「魔王」「ずっとお城で暮らしてる」「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」「〈悪霊〉シリーズ」ですかね。
「ずっとお城で暮らしてる」は桜庭さんの読書日記を読んで気になって手に取った本です。面白かったです。愛と狂気の物語でした。
作家さん同士の対談も面白かったです。作家さんによって仕事の仕方も本の読み方も、当たり前ですけど全然違って面白かったです。

<集英社 2019.5>2019.6.12読了

GOSICKs −冬のサクリファイス− 桜庭一樹5

GOSICKs IV ゴシックエス・冬のサクリファイス (角川文庫)GOSICKs IV ゴシックエス・冬のサクリファイス (角川文庫)
著者:桜庭 一樹
角川書店(角川グループパブリッシング)(2011-05-25)
販売元:Amazon.co.jp

クリスマス前日、聖マルグリット学園は、最大のイベント“リビング・チェス大会”の準備で騒がしい。そんな中、いつものように独り読書にいそしむヴィクトリカ、彼女の退屈を追い払うため図書館塔を上る一弥―グレヴィールの初恋、アブリルの思い、ブライアンとブロワ侯爵の静かな戦い、そして―降りしきる雪の中解き明かされるのは、それぞれの“秘密”―名コンビ最後の平穏な日々を描く、大人気ミステリ外伝。

番外編も最後。何だか意味深なあらすじですよね。作品の中でも不穏な気配を感じました。すべては1日の出来事。長い長い1日でしたね。
「第一話 白の女王は君臨する」
ブロワ警部が大砲のような頭になってしまった原因となった事件^m^それは幼馴染であるジャクリーヌの濡れ衣を晴らすためだった。健気で純粋なブロワ警部が可愛いです。最初は大っ嫌いだったのに、あまりにも純粋でまっすぐで愛おしさすら感じました(笑)ジャクリーヌもとても素敵な人でした。ブロワ警部が愛してしまうのも分かります。そしてヴィクトリカは幼い頃からヴィクトリカだったんですね…。
「第二話 黒の僧侶は祈りをささげる」
今度はブロワ警部の部下イアンとエバンが手をつなぐきっかけになった事件の話。小さなこの村で男の子の誘拐事件が起きる。この事件もヴィクトリカが見事に解決します。セシルとゾフィの関係もなんだかんだで良いですよね。学生の頃は高嶺の花と憧れの一生徒だったのに親友になっているという過程も好きです。
「第三話 黒の女戦士は駆け抜ける」
ブロワ警部の髪型が更にドリル化する理由となった事件の話。有名な人形師とその息子が同日に亡くなり、どちらが先に亡くなったかで相続人が変わる。その真相をヴィクトリカが暴きます。ブロワ警部の人形好きがまた可愛い。
「第四話 騎士は小さな姫にかしずく」
ブロワ伯爵が片眼鏡をかけることとなった事件について。
ヴィクトリカが生まれる頃の事件を自分の世話係だったメイドが話す言葉を掛け合わせて真相に迫る。
「第五話 忠臣たち」
次なる物語への序章のようなお話でした。次が最後なんだなぁと思わせる最後。
確かに平穏な1日を丁寧に書かれている今作でした。
ヴィクトリカも一弥も可愛い。出てくる人たちみんなが可愛い。
このシリーズは次でいよいよ最後。更に続きはするのですがずっとあっためすぎていてこんなに時間が経ってしまいましたが^^;
噛みしめて読んでいこうと思います。

<角川書店 2011.5>H30.10.6読了

GOSICK察初薇色の人生― 桜庭一樹5

GOSICK VII ゴシック・薔薇色の人生 (角川文庫)GOSICK VII ゴシック・薔薇色の人生 (角川文庫)
著者:桜庭 一樹
角川書店(角川グループパブリッシング)(2011-03-25)
販売元:Amazon.co.jp

クリスマス直前の気分に華やぐ聖マルグリット学園。だが、外の世界では「2度目の嵐」が迫りつつあった。父ブロワ侯爵によって首都ソヴレムに召喚されたヴィクトリカ、心配で後を追う一弥。ソヴュール王国最大のスキャンダルにして謎、王妃ココ=ローズの首なし死体事件に挑むふたりに侯爵の謀略が…。豪華劇場に過去と現在が交錯し、大いなる罪が暴かれたとき、世界はその様相を変える。ヴィクトリカと一弥の運命は―。

前回読んでからまた時間が経ってしまいました…。
ヴィクトリカの元へ突然やってきたブロワ警部。何かを察したヴィクトリカは旅支度をし、閉じ込められていた図書館を出ていきます。
偶然同じ場所へ行きついた久城一弥とセシルとともに、10年前の王妃の死の謎を追求していくことになります。真相を知るためにヴィクトリカを利用しているのは父親であるブロワ伯爵。ヴィクトリカを利用することしか考えていない伯爵。そんな父親の鼻を明かしてやったような気もしますが。真相によってはヴィクトリカの身も危険だと思ってドキドキしていましたが、最後はほっとしました。
一弥がとても紳士でまっすぐで可愛いですね。
ヴィクトリカだって嬉しいのに、素直じゃないんだから←
ヴィクトリカの母親の過去も分かりましたね。コルデリアの過去、更にココに関連する人たちとも関わりのあったジンジャー・パイがとても良いキャラでしたね。こんな女性が近くにいたら良いだろうな。
更にココ王妃の事件の真相は推理の後も二転三転して面白かったです!まさかの展開でした。伏線があったとは。
一弥とヴィクトリカはこれからどうなっていくのでしょう…。
今後の展開も楽しみです。

<角川書店 2011.3>H30.9.28読了

じごくゆきっ 桜庭一樹4

じごくゆきっじごくゆきっ
著者:桜庭 一樹
集英社(2017-06-05)
販売元:Amazon.co.jp

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の後日談を含む全7編。青春・SF・家族ドラマ…。読了後、世界は動き始める。想像力の可能性を信じる、著者10年間の軌跡。

ゴシックシリーズ以外で桜庭さんの作品を読むのは久しぶりでした。
そう言えばこういう作風だったなと思い出しました^^;内容はスプラッタでもゴシックシリーズは基本的に可愛らしいからな…。
なかなか内容の濃い7編でしたねー。この作品は「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」の後日談があるということで気になっていたんですけど…え?全然わからなかった^^;まあ作品の内容もほとんど覚えていなくて、海野藻屑くらいしかちゃんと覚えていないんですけども…。藻屑の父親がイケメンだけど暴力的だった気がするので「ゴッドレス」のお父さんがまさにそんな感じだなと思ったのですが、「暴君」と「脂肪遊戯」が後日談だそうで…。えーと…どのあたりが?^^;分からなかった…残念。
「ビザール」の同世代の男の子とおじさんを好きになる女の子の話(ざっくり)がなんだか普通の話のように感じてしまう…。将来を考えると同世代の男の子なんだろうけど、話が合うほうが楽しそうだから私はおじさんが良かったかなー。と思ったのですが。でも結末がなんとも切ない感じになっちゃいましたね。
「A」はアイドルの話。何だかこちらも最後は切なくて可愛そうでした…。五月雨の涙がせめてもの救いだったかなぁ。
「ロボトミー」いやー…こちらも怖かったですね。友達母娘を超えてますよね。異常でした。そんな異常な愛を注いでいたにもかかわらず1番気づかなければいけないところで気づかなかったのが酷い話ですね。
「じごくゆきっ」この作品は桜庭さんっぽいなぁと思ってちょっと安心しました^^;それにしても24歳でこんなんで大丈夫なんすかこの先生は。今回は桜庭さんの出身地が何度も出てきましたねぇ。私は1度も訪れたことがないので気になりました。
「ゴッドレス」先ほども書きましたが、海野藻屑の父親を思い出しました。たしか暴力が酷くて、藻屑が足を引きずっているのも父親の虐待のせいじゃなかったかな。ニノの歪んだ愛情はきっと父親(と少し母親)のせいなんじゃないかなと思います。事件の真相はどうなんだろうなぁ。本当なのか違うのか。
「暴君」「脂肪遊戯」最初と最後が対のようになっているんですね。この2作は10年以上前に書かれた作品みたいでびっくりしました。それにしても紗沙羅とか翡翠とか相変わらずすごい名前だ。この2作品も桜庭さんらしい作品でしたね。ちょっと切ない悲しい話でした。
全体的に気持ち悪くてモヤモヤする作品が多かったですが^^;桜庭作品の世界観を堪能しました。

<集英社 2017.6>H29.7.25読了

GOSICKs-ゴシックエス・秋の花の思い出- 桜庭一樹5

GOSICKs III ──ゴシックエス・秋の花の思い出──<GOSICKs> (角川文庫)GOSICKs III ──ゴシックエス・秋の花の思い出──<GOSICKs> (角川文庫)
著者:桜庭 一樹
KADOKAWA / 角川書店(2011-04-01)
販売元:Amazon.co.jp

闇の修道院を脱出し、暴走する殺人列車から逃れ、懐かしい学園に戻ったヴィクトリカと一弥に、つかの間の安らかな日々が訪れた。季節は、秋。2人がひもとくのは、あざやかな花々と、歴史のうねりに負けず懸命に生きた人々の物語。次なる嵐の予感をはらみつつも、今、このとき、世界は確かに美しい―静かに、ひそかに深まってゆく名探偵コンビの絆―直木賞作家がおくる大人気ミステリシリーズ、珠玉の外伝連作集。

この作品から新しく出た角川書店の文庫を買ったので、可愛い挿絵が無くなりました…寂しすぎる…!前の文庫見つけたら絶対買うんだから!
ということで今作。
ベルゼブブやら殺人列車やらに巻き込まれ、ようやく学園に戻ってきた2人。ヴィクトリカは旅の疲れからか体調を崩し、一弥はそんなヴィクトリカのために本を朗読します。
うぅ・・・可愛い。可愛いよ・・・!!
一弥もトホホだけど、アブリルやセシル先生も結構な人たちですよね・・・。
何だか毎日楽しそうだなぁと思って読んでました^^;
第一話「純潔」
フランス革命時の話。
メイドのロキシーに自由を奪われているビビアン。その兄のアントワーヌ。
白薔薇の花言葉は純潔。それがぴったりの作品でした。
第二話「永遠」
幻の紫のチューリップの話。私も切ない純情物語なのかと思ったらまんまと騙されました…。
第三話「幻惑」
マンドラゴラと中国の女武将灰連の話。灰連、かっこよかったなぁ。
第四話「思い出」
エーデルワイスによって財を成した女実業家ベアトリーチェの話。
このお話の結末はちょっと予想がついてました。登場する男性のセリフにもあれ?って思いましたし。このお話も純粋で可愛らしいお話。この話が1番好きかも。
第五話「花びらと梟」
アブリルの若くして亡くなった叔母さんの話。
アブリルの性格は血筋なんですかね^^;面白かったなぁ。
それにしてもここであの人が登場するとは思いませんでした。
本編でも登場しそうですね。楽しみです。
 
<富士見書房 2007.4
 角川書店 2011.1>H28.8.11読了

GOSICKs-ゴシックエス・夏から遠ざかる列車- 桜庭一樹5

GOSICKs(2) ―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車― (富士見ミステリー文庫)GOSICKs(2) ―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車― (富士見ミステリー文庫)
著者:桜庭 一樹
富士見書房(2006-05-10)
販売元:Amazon.co.jp

少女は白いドレスを着て、緑の絨毯の上で待っていた。草いきれすらも、心地よい。会えるのだから。二人しか、ここには居ないのだから。そう、陶製の人形のような少女―ヴィクトリカは、今日も彼が来るのを待っている。少年・久城一弥が、かけてくるのを。芽吹いた緑たちが。噴水からこぼれおちる水の青が。そしてそれらを照らす陽の赤が。すべての色が輝きを増し、光に包まれ、命が生きようとする季節―夏。やがて訪れるであろう崩壊と、別離を前にした一瞬の平和―刹那。二人だけの学園にて、一弥とヴィクトリカは同じ時を生きる。世界を語る。謎を―混沌のむこうにある心を知る。そして、お互いを思う。ひと夏の間に重ねられる、淡い逢瀬の物語。ゴシック・ミステリー短編集。

今回は短編集。
前回読んだシリーズ2冊は夏休みの後で今回の短編集は夏休み中のお話。
どの作品も大きな事件ではなかったですが、ヴィクトリカの推理は相変わらずさえわたっていましたねー。アブリルは今回も本当に可哀相な役回りでしたけども^^;その事件も面白かったです。
そして私はヴィクトリカの兄があんまり好きじゃなかったんですけど←
幼馴染との会話を聞いてイメージが変わりました^m^
そうか、かっこいいのに優しい素敵な奴だったのか←
セシル先生の昔話も面白かった。良い人なんだか抜けてるのか強かなのか分からない人ですねー。
このシリーズは可愛らしいんですけどストーリーは結構重たいのでこういう軽めなタッチの作品はほっと一息つく感じでしたね。
また本シリーズを読むのが楽しみです。

<富士見書房 2006.5>H27.10.2読了

GOSICK此讐礁棉馥Р颪量襦宗〆庭一樹5

GOSICK〈6〉ゴシック・仮面舞踏会の夜 (富士見ミステリー文庫)GOSICK〈6〉ゴシック・仮面舞踏会の夜 (富士見ミステリー文庫)
著者:桜庭 一樹
富士見書房(2006-12)
販売元:Amazon.co.jp

謎の修道院“ベルゼブブの頭蓋”から辛くも脱出したヴィクトリカと一弥は、豪華列車オールド・マスカレード号で、一路懐かしいソヴュールへ。そこで出会った乗客たちは、それぞれ奇妙な名乗りを上げる。“死者”に“木こり”、“孤児”に“公妃”。やがて起こった殺人事件、三つの嘘とひとつの真実、いや、もしかしたら、すべてが…?誰もが誰かを演じる仮面舞踏会の夜、深まる混沌にヴィクトリカの推理が冴えわたる。

前作でヴィクトリカをベルセブブの頭蓋から救い出してはぁ〜良かった。って思ったらその帰りの列車でまたしても事件に巻き込まれた一弥とヴィクトリカ。
列車で出会った誕生日をもらいに行くと言った暗い顔の「孤児」柔らかな雰囲気の「公妃」妹を探しているという「木こり」見た目は無骨だが博識な「死者」不思議な人たちと出会い、一緒に過ごしながら目的地へ向かう。
それぞれ皆さんの素性も興味深かったですけど、今回良かったのはヴィクトリカの一弥への想いを聞けたことかな。
そんなことを思っていたのか!!ってキュンキュンしちゃいました。
そういえば2人は占いで離れてしまうと言われていたけど、心は離れていなくても、やっぱり一緒じゃないとダメですよね。
2人がこれからもずっと一緒にいられます様に。

<富士見書房 2006.12>H27.9.27読了

GOSICK后愁乾轡奪・ベルゼブブの頭蓋― 桜庭一樹5

GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― (富士見ミステリー文庫)GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― (富士見ミステリー文庫)
著者:桜庭 一樹
富士見書房(2005-12-10)
販売元:Amazon.co.jp

夏の終わり、山間に位置する聖マルグリット学園を少し早い秋の訪れを感じさせる、涼しい風が吹き抜ける。それは、ある少女の不在を皆に告げているようでもあった―。学園から突如いなくなった金色の妖精・ヴィクトリカ―リトアニアに存在する〈ベルゼブブの頭蓋〉と呼ばれる修道院に軟禁され、生命の危機に瀕していると聞いた、東洋からの留学生・久城一弥は、自らヴィクトリカを迎えに行くことを申し出る。大きな力を持ちながらも、生きることに苦しんでいる小さな少女を助けるために。豪華大陸横断列車〈オールド・マスカレード〉で知り合った、奇妙な乗客たち。そして、ファンタスマゴリアと呼ばれる謎の夜会で巻き起こる殺人事件。徐々に大戦とそしてその裏側で進行する謎が明らかに。果たして、一弥はヴィクトリカを無事助け出すことができるのか?ゴシック・ミステリー第五弾。

いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜もう可愛いっ!!!2人が可愛すぎます!
夏休みを終える直前に突然いなくなってしまったヴィクトリカ。
お互いに離れている間に思い合っている姿がもう可愛すぎます。
ヴィクトリカがブロワ伯爵に道具扱いされて、生きる意味が分からないと思っている時に行った一弥の言葉。相思相愛じゃないですか。
2人がベルゼブブの頭蓋で巻き込まれた事件はひどいものだったけど、改めて2人がお互いの大切さを知ることが出来て良かったと思います。
それに、とても重要な人物も登場しましたねー。
これからの展開がとても気になります。
最後もえ!?と思う終わり方で^^;
次も早く読まなくては。
勿体ないと思って何年も本棚に眠らせていた私のばか!←
当たり前ですけど、読まないほうがもったいないですよね。

〈富士見書房 2005.12〉H27.5.7読了

GOSICKs-ゴシックエス・春来たる死神- 桜庭一樹5

GOSICKs ―ゴシックエス・春来たる死神― (富士見ミステリー文庫)GOSICKs ―ゴシックエス・春来たる死神― (富士見ミステリー文庫)
著者:桜庭 一樹
富士見書房(2005-07-08)
販売元:Amazon.co.jp

1924年、春。東洋の島国からソヴュール王国に留学してきた優等生の久城一弥は、学園に伝わる“春やってくる旅人が死をもたらす”という怪談から“死神”とあだ名され、クラスで孤独な日々を送っていた。そんな中、怪談どおりに殺人事件が起きてしまい…!?容疑者となった一弥を救ったのは、図書館塔最上階で書物を読みあさる不思議な美少女、ヴィクトリカだった―。それぞれの出会いを描く、「GOSICK」はじまりの短編集。

一弥とヴィクトリカの出会いが書かれています。
何ですかこれは。もう最初から二人は相思相愛だったんですね〜デレデレ。まったくもう2人とも可愛いったら。ヴィクトリカが一弥をみてセシルにあれこれ遠慮がちに聞いてるところとか悶えるくらい←可愛かったです。
一弥は留学して早々災難に遭うし、アブリルも最初は大変だったのね…。
と、今まで読んできてその序章を知ることが出来て良かったです。
1巻まるごと序章のようでした。
物凄くスローペースでシリーズを読み進めているので、REDやBLUEを読むのはいつになるのか…とも思いますが早く読み進めるのももったいないので気長に行こうと思います^^

〈富士見書房 2005.7〉H27.5.4読了

ほんとうの花を見せにきた 桜庭一樹4

ほんとうの花を見せにきたほんとうの花を見せにきた
著者:桜庭 一樹
文藝春秋(2014-09-26)
販売元:Amazon.co.jp

少年「梗」を死の淵から救ったのは、竹から生まれた吸血鬼バンブーだった。心優しきバンブーと、彼に憧れる梗との楽しくも奇妙な共同生活が始まる。だが、バンブーにとって、人間との交流は何よりの大罪であった。

また不思議な作品を描かれましたねぇ…。
久しぶりの桜庭さんの新刊。堪能いたしました。
中国からやってきた竹から生まれた吸血鬼バンブーの物語。三作描かれています。
1作目は人間梗とムスタァ、英治の物語。2作目は梗が出会ったはぐれバンブー茉莉花の物語。そして最後はバンブーを統べる少年のような王の幼い頃の物語。
1作目が1番長編でしたがやはりこの物語が好きでした。梗とムスタァの関係が良かったですね。3人の暮らしがつつましくも幸せそうで良かったから、最後の3人の展開が悲しかったです。それでも梗なりに一生懸命生きて最後に住まいに戻り過ごした時間はかけがえのないものだったと思います。最後の最後も良かったです。
2作目も切なかったです。それでも最後に茉莉花は大好きな桃にきれいな花を見せることが出来て良かったんじゃないかなと思います。そしてようやく呪縛から解き放たれることが出来てそれも良かったと思いました。
3作目は始め誰のいつの時代の話なのか分からなくて戸惑いましたが途中で名前が出てきて、あぁ、この人の事かとわかりました。この過去の話と1,2話で登場した彼の印象が違いすぎて驚きました。長く生きている間に何かあったのか、それともバンブーという吸血鬼を守るということを最重視しているのか。もしくはお姉さんならこうしていただろうと遺志を継いでいるのか。
切なくて、でも素敵な物語でした。

〈文芸春秋 2014.9〉H26.10.19読了

GOSICK検愁乾轡奪・愚者を代弁せよ― 桜庭一樹5

GOSICK (4) ゴシック・愚者を代弁せよ (富士見ミステリー文庫)GOSICK (4) ゴシック・愚者を代弁せよ (富士見ミステリー文庫)
著者:桜庭 一樹
富士見書房(2005-01)
販売元:Amazon.co.jp

夏の息吹が満ち始める山間の学園の奥の奥。高い塔の上も、濃い緑に覆われていた。さらに、その一角には、極彩色の宝石のような、甘いお菓子が絨毯のように敷き詰められ―中心に黄金色の姫・ヴィクトリカは静かに座っていた。時が刻む歯車の音に、静かに耳を傾けながら。甘いお菓子を頬張りながら、残酷なる人の歴史を―混沌を彼女の“知恵の泉”が弄ぶ。それが、彼女に課せられた命だった…。聖マルグリット学園に存在するもうひとつの塔―時計塔で起きた密室殺人。それを追う久城一弥とヴィクトリカ。それは、かつてソヴュールに君臨した謎の錬金術師・リヴァイアサンと関係しているらしいのだが!?アブリルと久城、そしてヴィクトリカ。それぞれの想いが交錯し、徐々に学園に隠された謎が明らかになる…。歴史の裏に受け継がれる血塗られた運命とは?ゴシック・ミステリー第四弾。

読みました。シリーズ第4弾。
ヴィクトリカってアブリルとも会ったことなかったっけ?と思ったのが最初^^;
一弥は相変わらずヴィクトリカにもアブリルにも良いようにからかわれていじられて、セシル先生の女難の相が分かるわーと思っていたのだけど。それは好かれているからであって羨ましい悩みですよねー。
めちゃくちゃ鈍い分たちが悪いですよ。それでもヴィクトリカのために戦う一弥、かっこよかったです。可愛い紳士ですよね。
そして事件について。
事件は殺人事件なのだけど、20年ほど前に世間を騒がせたリヴァイアサンという名の錬金術師との頭脳合戦。ミステリという部分でもめちゃくちゃ面白かったです。
そしてヴィクトリカの出生の秘密もまた明らかになりました。
ヴィクトリカが背後に抱えるものは大きすぎます。
一弥はほんの少しの支えなのかもしれないけど、それでも出来るだけ支えていってほしいなと思います。ヴィクトリカにとっては大切な支えですからね。
そして初対面だったアブリルとヴィクトリカ。なんだかんだでいいコンビな気がします。
これからこのコンビはまた登場するんでしょうか。しますよね。楽しみです。
アブリルもクラス一可愛いと言われたのに不憫な恋をしましたね…ヴィクトリカに言った言葉はきゅんとしましたよ^^

〈富士見書房 2005.1〉H26.4.7読了

GOSICKIII ―ゴシック・青い薔薇の下で― 桜庭一樹5

GOSICKIII  ‐ゴシック・青い薔薇の下で‐ (角川ビーンズ文庫)GOSICKIII ‐ゴシック・青い薔薇の下で‐ (角川ビーンズ文庫)
著者:桜庭 一樹
角川書店(角川グループパブリッシング)(2011-05-01)
販売元:Amazon.co.jp

“青い薔薇”を買ってきてちょうだい―故郷にいる姉の頼みで、首都ソヴレムに出かけてきた一弥は、巨大高級デパート“ジャンタン”で、不気味な体験をした。街に流れる“人間消失”の噂、異様な計算能力を持つストリートチルドレン―深まる一方の謎を抱え、一弥は風邪で寝込んでいるヴィクトリカに電話をする。“知恵の泉”は距離の壁を超え、難事件を解決できるのか…!?大人気ミステリシリーズ、胸騒ぐ第3巻。

今月末に桜庭さんの新刊が出ると喜んでいたのですが、それがゴシックシリーズだとわかり読まねば!と思って読み始めた次第です。
もったいなくて読めないでいたから3冊目という・・・これは間に合わないなと思ってるのですが^^;でも久しぶりに読みました。角川書店のほうじゃなくてかわいいイラストがある本です。
読み始めは前作の内容を忘れていたのですが読んでいくうちに思い出してきました。
ヴィクトリカと一弥の言い合いがじゃれてるとしか思えないんですけども^^;
ちょっとイラッとするけどね。
前作で気になる発言もあったりしたけどしばらくはそれは考えなくていいのかな。
そして今回は2人一組ではなく一弥のみ!大丈夫?と思ったら最初はやっぱり散々なトホホな感じで。萌えます←
ヴィクトリカ不在で事件を解決させようとしますがやっぱり一人ではだめで^^;
電話越しでヴィクトリカが解決していきます。
今回の事件も面白かったなぁ。
ラノベなのでスラスラ読めます。
ヴィクトリカが着物にほおずりしている姿が可愛かったです。
どこまで読めるかわかりませんが、いい加減読み進めていこうと思います。

〈富士見書房 2004.10〉H25.12.13読了

桜庭一樹短編集 桜庭一樹4

桜庭一樹短編集桜庭一樹短編集
著者:桜庭 一樹
文藝春秋(2013-06-13)
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一人の男を巡る妻と愛人の執念の争いを描いたブラックな話から、読書クラブに在籍する高校生の悩みを描いた日常ミステリー、大学生の恋愛のはじまりと終わりを描いた青春小説、山の上ホテルを舞台にした伝奇小説、酔いつぶれた三十路の女の人生をめぐる話、少年のひと夏の冒険など、さまざまなジャンルを切れ味鋭く鮮やかに描く著者初の短編集。著者によるあとがきつき。

桜庭さんの作品久しぶりだなぁ。
以前読んだ作品がちょっと私に合わなかったので今回こそは!と意気込んで読みました^^;
短編集で書かれた時代もバラバラなのでバラエティに富んでいて面白かったです。
「このたびはとんだことで」視点が面白かったです。てっきり生きた人間なのかと思ったら違ったので読んでいて驚きました。妻と愛人の攻防が怖かったです〜…
「青年のための推理クラブ」「青年のための読書クラブ」をすぐに思い出しました。続編というかスピンオフ?と思ったら桜庭さんがあとがきで「幻のパイロット版」と書かれていてびっくり。本になって良かった…面白かったです。
「モコ&猫」うーん…嫌いじゃないけど特にそこまで印象的ではないかな(ひどい)モコも猫も近くにいても好きにならないだろうなーなんて思ってしまったからかも。
「五月雨」あんまり印象にない作品でした←更にヒドイ。でもあとがきを読んでちょっとなるほどと思ったり。
「冬の牡丹」この作品が1番印象深いです。良かったというよりは怖かった。主人公は私。深酒するのと美人というところ以外は私。妹に負けてると思った事はないけど、でも、私の方が良い子で親に愛されてるって思った事がある事はある。だって妹の方が散々親に迷惑をかけていたし、反対押し切って行動したりしてたもの。私の方が親に従順で良い子にしてきたもの。でも、すでに結婚した妹が来ると居心地の悪さを感じることがあるのも事実。子供が出来たらきっと私はこうなると思ったのも事実。だから私も家を出ていこうと思ったのだし。親への想いも何だか凄く分かって、周りに人がいないところで読んでいたら多分私はわんわん泣いていたと思った。
「赤い犬花」桜庭さんの作品っぽいなぁと思った。ユキノの漢字凄すぎ!(そこ?)展開が何となく読めてしまったのでもうちょっと意外性が欲しかったかも。

〈文藝春秋 2013.6〉H25.7.25読了

無花果とムーン 桜庭一樹4

無花果とムーン無花果とムーン
著者:桜庭 一樹
角川書店(角川グループパブリッシング)(2012-10-20)
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「あの日、あの瞬間がすべて。時間よ、止まれ」あたし、月夜は18歳。紫の瞳、狼の歯を持つ「もらわれっ子」。ある日、大好きなお兄ちゃんが目の前で、突然死んでしまった。泣くことも、諦めることもできない。すべてがなんだか、遠い―そんな中、年に一度の「UFOフェスティバル」が。そこにやってきた流れ者の男子・密と約。あたしにはどうしても、密がお兄ちゃんに見えて―。少女のかなしみと妄想が世界を塗り替える。そのとき町に起こった奇跡とは。

突然自分の目の前で兄、奈落が死んでしまった。それ以降、月夜は何だかおかしくなります。月夜が情緒不安定になっていくのでただ奈落がいなくなってしまった喪失感から来ているのかと思い、また自分がもらわれっ子だというのもあって複雑な気持ちを抱いているのかなと思っていました。
そのうじうじしている感じが長く続くのでいったいどういう展開になるんだろうと思っていたのですが、話はちょっと違う方向へ向かいます。
月夜は夢の中で奈落に会い、明日会いに行くよと言われます。そこで出会った密という少年。その密が月夜には奈落にしか見えなくなります。
でも、月夜以外の人は密に対して何も感じていなかったようなので、月夜の悲しみと妄想がそうさせたのかなと思います。それでも密はそんな月夜を邪険にせずにちゃんと話を聞いてあげていました。それは良かったです。
でも、月夜の独りよがりな感じがどうも・・・慣れないし好感も持てず・・・
月夜の本当の悩みが分かって、月夜が壊れかけた時のおとうさんと兄貴が良かったです。2人は本当に月夜の事を大事な大事な娘だと思っているんだなと思ったので。
そしてなんだかんだで周りの人たちも月夜の事を気にかけていましたよね。友人たちも色々言ってましたけど、どっちもどっちかな。遠藤苺苺苺苺苺(いちご)先輩←すげぇ名前だな。ともいいコンビに感じました。
これからはきっと奈落の分まで生きていけると思いました。
月夜の一人称の語りはなかなか慣れなかったけど^^;

〈角川書店 2012.10〉H24.10.31読了

本のおかわりもう一冊 桜庭一樹読書日記 桜庭一樹5

本のおかわりもう一冊 (桜庭一樹読書日記)本のおかわりもう一冊 (桜庭一樹読書日記)
著者:桜庭 一樹
東京創元社(2012-09-27)
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あの3・11の瞬間も、サクラバカズキは本を抱えて避難した。本はまさにライフラインなのだ。読むことは祈ること──動揺する心をなだめてくれたあの本、この本。被災した犬を引き取って、陽気な犬との慣れない生活にオロオロしたり、笑ったり……。相変わらずヘンテコな編集者たちに囲まれながら、今日も小説を書き、書店をパトロールし、本を読みふける作家の、今回のおすすめ本は? 好評ウェブ連載単行本化、いよいよ第5弾!

このシリーズ、もう5冊目なんですね。
桜庭さんの読書日記が大好きです。書いていることは本当に日常的な事で、会話の中で思い浮かんだ本の事や、読んだ本の話などが淡々と描かれているだけ(だけっていうのも失礼なんですけど…)なのですが。桜庭さんが嬉々として本の話をしたり、本を読んでいる姿を読んでいると、私も桜庭さんには全然足元にも及びませんけど、本を読むのが好きなんだなぁと思わせてくれます。桜庭さんが何の本を紹介してくれるんだろうって、読んでいていつもワクワクしてるから。
桜庭さんは相変わらずマイペースに生きてるなぁ。自分に正直に生きてるなぁって思います。年下の分際で申し訳ないですが。出版社の方々や書店員さんとの会話が好きです。ああいう会話をしてみたい。桜庭さんのぬけてる感じが可愛くて好きです。
今回は震災の時のことが書かれていました。震災があった時、桜庭さんは仕事場にいらっしゃったのですね。そして、本を数冊抱えて外へ飛び出したというのが桜庭さんらしい。ご無事で良かった。
犬も飼われたそうで。飼われても、日課に散歩が加わっても桜庭さんは変わらないですね。それが良いなと思います。
そして今回もやっぱり桜庭さんと読んでいる本があまり被ってなかったなあ。海外作品をあまり読まないので。
でも、伊坂さんや米澤さんの名前が出てきてちょっと嬉しかったです。
何だか最近情緒不安定で落ち込むことが多々あるのだけど。私の今の楽しみは本しかないし、これからもしばらく本しか楽しみがなさそうだから、私もひたすら本を読み続けようと思います。(あ、やっぱり情緒不安定)

〈東京創元社 2012.9〉H24.10.10読了

傷痕 桜庭一樹4

傷痕傷痕
著者:桜庭 一樹
講談社(2012-01-12)
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この国が20世紀に産み落とした偉大なるポップスターがとつぜん死んだ夜、報道が世界中を黒い光のように飛びまわった。彼は51歳で、娘らしき、11歳の子どもが一人残された。彼女がどうやって、誰から生を受けたのか、誰も知らなかった。凄腕のイエロー・ジャーナリズムさえも、決定的な真実を捕まえることができないままだった。娘の名前は、傷痕。多くの人が彼について語り、その真相に迫ろうとする。偉大すぎるスターの真の姿とは?そして彼が世界に遺したものとは?―

以前王様のブランチで、この作品の前に刊行された本の取材の時に仕事部屋にマイケル・ジャクソンのありとあらゆる資料が置かれていて、今度の新しい小説に必要な資料だと言っていたのを覚えています。
それがこの作品なんですね。
内容は知らずに読んだのですが偉大なるキング・オブ・ポップが亡くなったことから各章別々の主人公が彼について語るという形式です。
娘、傷痕や彼のファン、彼を追うジャーナリスト、彼に復讐を誓う娘、彼の姉など様々な視点から描かれています。
彼に関する印象は人によって異なり、様々な視点からの彼の人物像が描かれていきます。
偉大なるキング・オブ・ポップの知られざる素顔、心の中の想い、生き方をこの物語6章で綴られています。
私はマイケル・ジャクソンについては全然知らない人なのですが、桜庭さんがモデルとしたのは、スキャンダルの部分ではなく、彼の生き方や存在そのものについてを伝えているような気がします。
傷痕は優しい偉大なる父を失い、どのように生きていくのでしょうか。
きっといろんなことがあると思うけど、強く生きていってほしいなと思いました。

<講談社 2012.1>H24.1.27読了

ばらばら死体の夜 桜庭一樹4

ばらばら死体の夜ばらばら死体の夜
著者:桜庭 一樹
集英社(2011-05-02)
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2009年、秋。翌年6月から施行の改正貸金業法がもたらすのは、借金からの救済か、破滅か―四十過ぎの翻訳家、吉野解は貧乏学生の頃に下宿していた神保町の古書店「泪亭」の二階で謎の美女、白井沙漠と出会う。裕福な家庭に育った妻とは正反対の魅力に強く惹かれ、粗末な部屋で何度も体を重ねる。しかし、沙漠が解に借金を申し込んだことから「悲劇」の幕があがる―。

ネタバレあります

タイトルからして絶対に報われないし、誰か死ぬし、救いようがない話だろうなと思いました。で、やっぱりそんな話でした。
まず沙漠という女性が好きになれませんでした。お金持ちの家系だったけど、両親が亡くなったことで消費者金融からお金を借り、美容整形を繰り返し、闇金に手を出し多額の借金を抱える。で、お金をもらえそうな人だったら誰とでも寝る。
両親が亡くなったことはいろんなことも重なっているから可哀相だと同情できるけど、それ以降のことは全く同情はできない。何だか誰か助けてくれるのを待っているようで、自分の力で動くことを諦めていると言うか。
吉野解の動向諸々もよく分からなかったなぁ。ちゃんとしている人なのかと思ったら突然「ママ」って言ったりとか、変な人とか気持ち悪い人としか思えなかった。何の問題を抱えているのかもよく分からなかったし。ただただ気持ち悪いだけだった。
どの章も救いようがなくて、ひたすら暗くなったり人の気持ちがぜんぜん分からないなぁと思っていたのだけど、佐藤さんが主役?の章の「Ted」だけは何だか好きだった。佐藤さんも罪を背負っていたけど、ちゃんと罪を償おうとしているのは伝わってきたし。悪い人ではないのだろうと思うし。何だか1番人間味を感じたんですよね。人とのかかわりとか、沙漠へのいたわりとか。
それ以外は何だか現実味を帯びている気がしなかったです。沙漠がお金がもらえるからとひょいひょい解についていったのとか、その後の解の行動とか。
でも、ちょっと前まで確かに消費者金融に踊らされている人がたくさんいましたよね。かわいい犬を使ったり、かわいらしいタレントを使ってみたり。こんなに気軽に借りられるんだ〜って思わせておいて、取立てが怖くて酷いって高齢者が借りて困ってるって言う投書か何かを読んだような。でも、どんなにかわいらしい犬とかタレントとかを使って入りやすくしていても、利息が25%って、1万借りたら12500円返さないといけないってことだよね・・・借りたことないからよくわかんないんだけど。
法が改正されてからそこまで多くCMも見なくなった気がします。
沙漠は自業自得だと思うけど、それでもやっぱり罪が公にされなかったのはちょっと納得できなかったかな。きっと行方をくらましていたのだから、犯人特定にはいたらないんじゃないかとは思ったのだけど。10年で30歳分くらい歳をとって老人のようになってしまってはいるけど、それだけで罪が償えるわけではないし・・・。やっぱりそこはちゃんとなっていてほしかったな。
ばらばら死体になったひとは意外でした。プロローグでしてやられましたね。
いろいろ書いているけど、引き込まれたし読んでいて面白かったと思います。
それでもやっぱり、何だかもやもやが残りました〜
そういえば美奈代の頭痛の原因ってなんだったんでしょう。ただ殴られて朦朧としていただけ?
白井沙漠の正体が分かったとき、何気なく読んでいたところにからくりが隠されていてそこは流石と思いました。

〈集英社 2011.5〉H23.6.27読了

本に埋もれて暮らしたい 桜庭一樹読書日記 桜庭一樹5

本に埋もれて暮らしたい (桜庭一樹読書日記)本に埋もれて暮らしたい (桜庭一樹読書日記)
著者:桜庭 一樹
東京創元社(2011-01-27)
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サイン会、打ち合わせに撮影、連載開始…サクラバカズキは忙しい。ドナドナになったり、暴走族になったり、白い魔物(あいふぉん)に翻弄されたり…それでも嵐が来ようが、風が吹こうが、やっぱり毎日、書店に行き、毎日必ず、本を読む。読書魔サクラバの好評ウェブ連載単行本化。縦横無尽に読んで過ごした一年間。

ついにこの読書日記も第4弾になったんですね。このシリーズ大好きです^^桜庭さんの読書日記もさることながら編集者さんたちの会話が本当に可愛らしくて面白い!
本当にこんな会話が繰り広げられているなら私も混ざりたい!って思います!
その編集者さんが撮影した「製鉄天使」の時のサイン会で赤い特攻服を着た桜庭さんが街を闊歩している姿が可愛くて萌えました。
あとはちょいちょい他の作家さんの話が出てくるのも好き^^
道尾さんも登場。道尾さんの言っていた「室温」って、昔演技者でトニセンがやったドラマのやつだよね。そこでちょっと反応。
あとは「木の中に血は立ったまま眠っている」っていう一文があって、若干違うけど反応してしまった^^
それから印象的だったのは、天童荒太の作品を読んでいてその中に出てきた人物が桜庭さんにとって強烈で好きになったので、また天童さんの作品で出てきてくれることを期待していたんだそうで。
で、もし出てこなかったら生まれ変わってめぐりめぐって自分の作品に出てこないかな。って書かれていたのがすごく印象的でした。
何だか考え方が小説家!って言う感じがしたんです。こういう考え方、普通の人はしないですよ。桜庭さんってすごいです。ぜひとも、そのじいちゃんが登場する本を書いてほしいなと思います。(気が早いけど)
はっ!そういえば第3弾で結婚式が行われようとしていて続くってなっていたからすごく楽しみにしていたのに、全然かかれていなかった・・・。
結婚式の模様を知りたかった・・・。だって吉本の事務所の小学校でやったんでしょ。
気になる~。
最後のトワイライターの女子談義も面白かったです^^
私は始めからK島さんがいることに「あれ?」と思っていたんですけど、誰も突っ込まなかったんですね。
いや~東京創元社の編集者さんたち面白すぎます~。本も好きです~。

〈東京創元社 2011.1〉H23.2.14読了

伏 贋作・里見八犬伝 桜庭一樹5

伏 贋作・里見八犬伝伏 贋作・里見八犬伝
著者:桜庭 一樹
文藝春秋(2010-11-26)
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オススメ!
時は江戸時代。
伏と呼ばれる若者による凶悪事件が頻発し、その首に幕府は懸賞金をかけた。
伏とは──人にして犬、体も心も獣のよう。ひどく残酷な面があり人々から恐れられる一方で、犬の血なのか驚くほど人懐っこいところもあるという。
ちっちゃな女の子だが腕利きの猟師、浜路は浪人の兄に誘われ、伏を狩りに山から江戸へやってきた。獣の臭いに敏感な浜路はすぐさま伏に気づき追いつめる。
そんな浜路のまわりをうろつく瓦版の読売、冥土から、浜路は伏にまつわる世にも不思議な物語を聞く。そして冥土に誘われた場所で、一匹の伏をみつけた浜路。追いかけるうちに、伏とともに江戸の秘密の地下道へと落っこちる。真っ暗闇の中で、狩るものと狩られるものによる特別なひとときがおとずれた――。

長かった。ページも長いけど、何巻も続く長い長いお話を読んでいるような感覚でした。
ちょうどおとといの「王様のブランチ」でこの作品が特集されていて、とにかく大絶賛だったので、もう楽しみでしょうがなかったです。
評論家?のおっしゃるとおり、数百年と続く伏の歴史が一気に読める壮大なお話。
この書き方が本当に上手いと思いました。
桜庭さんが歴史小説!?と思ったのですが、桜庭さん自身が時代小説が読みにくいと思っていて、自分が分からない言葉は分かる言葉に直したり意識していたようでとても読みやすかったです。
時代小説としてもとても面白かった。
犬人間が生まれた始まりの話が書かれている「贋作・里見八犬伝」と因果の果、終わりの部分が書かれた信乃の物語。
どちらも数奇な悲しい運命が描かれていました。でも、それよりも前に里見がしたことが犬人間の歴史の発端になっているんですよね。
そう考えると、悪いのは里見義実なのだろうか。歴史の始まりは簡単にはいえないですよね。
「贋作・里見八犬伝」の伏姫の境遇が本当に切なくて。どうして伏姫だけこんなに辛い人生を送らなければならなかったんだろう。あれだけ憎み合っていた姉弟が今生の別れとなるときの会話が本当に切なくて悲しかった。弟が、犬を拾ってきた自分が悪いと女装をして自ら身代わりになろうとしたところには愛を感じました。
浜路と道節がまたいい味を出していました。
生まれ持った猟師の血から伏の獣の臭いを感じ、追いかける浜路。
その天性のものというか生まれ持ったものというか。浜路はかつて伏と因縁があった誰かの生まれ変わりなのかなとか思ってしまいました。
でも、最後にお兄ちゃんを頼って子どものように泣いているシーンを見ると、まだ若い少女なのかなという感じもしてそこも愛らしかったです。
私は「南総里見八犬伝」を読んだ事がないので、どこが同じでどこが違うのかは分からないので、先に読んでいればもっと楽しめたのになと思いました。
でも、読んでいなくても本当に面白かった!
何だかもう映画化計画が進行しているようで・・・
それは嫌だなぁ~・・・

〈文藝春秋 2010.11〉H23.1.10読了

道徳という名の少年 桜庭一樹5

道徳という名の少年
道徳という名の少年
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「1,2,3,悠久!」町一番の美女が父なし子を産んだ。誰が父親なのか、町の人間は調べようとするが、分からない。美女が産んだ4人の子供は母親である美女の生き写しで、父親の面影はなかった。あるとき、美女は黄色い目をした痩せこけた旅の商人と恋に落ち、町を出て行ってしまった。4人の子ども達は娼婦となり、自分達の力で生きていく。ある日、母親である美女は突然帰ってきた。商人との子供である黄色い目をした息子を連れて。
「ジャングリン・パパの愛撫の手」雑貨屋の娘は向かいに住む家の父親の腕が好きだった。撫でられたり、父親の腕に触るのが好きだった。息子の道徳(ジャングリン)は娘の事が大好きだった。しかし、大きな戦争が始まり、ジャングリンは戦地へ行かなければならなくなる。
「プラスチックの恋人」ジャングリーナは小さな町に父と2人で暮らしていたが、あることをきっかけに都会へと赴いた。そこで歌を歌い、脚光を浴びるようになる。
「ぼくの代わりに歌ってくれ」ジャンは兵士として徴収され、戦地へいた。彼の父親は有名な歌手だったが、ジャンが16歳になる頃にはぶくぶくと膨れ上がり、たっていられない状態だった。ジャンは死ぬ事は怖くなかったが、いつも書いていたラブ・レターのことだけが気になっていた。
「地球で最後の日」ミミとクリステルは死にかけた伝説のロック・スターに会うため旅に出る。

イラストも入っていて120ページくらいの本でしたが、中身はとても濃厚でした。
「赤朽葉家の伝説」を彷彿とさせるような・・・。
始めの美女から生まれた4人の娘と黄色い目玉の息子。その子ども。さらにその子ども。
黄色い目と、何故かぶくぶくと太ってしまう病のストーリーとの絡みがまた絶妙でした。
まがまがしい雰囲気が桜庭さんだなぁと思います。
短いストーリーですが、その中での官能的な部分が印象的です。
そして小さな町での話しですが、ものすごく広い世界を感じる事が出来る気がします。
戦争が関係しているのかな・・・。
どちらにしても凄い作品でした。
私はとても好きです。

〈角川書店 2010.5〉H22.6.6読了

お好みの本、入荷しました―桜庭一樹読書日記 桜庭一樹5

お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)
お好みの本、入荷しました (桜庭一樹読書日記)
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作家サクラバカズキは、本と一緒にお風呂に入る。
作家・桜庭一樹は稀代の読書魔である。お風呂でも本を読むのである。
今日も今日とて本を読みつつ、ラスベガスへ、アイルランドへ、そして鳥取へ――サクラバカズキは世界をめぐる!
そして突然の結婚に至るまでの1年間。
出版界を瞠目させた『読書日記』シリーズ第3弾。
巻末には、『書店はタイムマシーン』刊行記念イベントで行われた、三村美衣との対談を採録した。

コンサートの翌日に激しい吐き気と腹痛に見舞われ、病院へ行ったら「ウイルス性胃腸炎」と診断された苗坊です。
いや〜。。。酷い目にあった。まだ治ってないけど。
我慢できなくてこんなところに書いてしまった。失礼しました。
さて、話を戻して桜庭さんの読書日記第3弾です。
このシリーズ大好きなんです。桜庭さんがどんな本を読まれているのかが分かりますし、桜庭さんの生態も分かりますし(ちょっと失礼な言い方ですが)
桜庭さんの結婚話が聞けるかと思いきや、そんなに詳細ではないし、しかも続くし、そこが不完全燃焼だったのは残念でしたが。
でも、読んでいるだけでも、桜庭さんと旦那さんの空気感が一緒というか、雰囲気があってるなーと思いました。いいなぁ。
桜庭さんのような生活は憧れます。
たくさん好きな本を読んで、好きな本を書いて。って、私に文才はないけれど。
読むたびに良いなぁって思うんですよね。勿論大変なところもたくさんあると思うけど。(缶詰とか読んでいても大変そうだったし)
桜庭さんが恩田作品で1番すきなのが「三月は深き紅の淵を」だったのが意外というか嬉しかったです。
そして本とは関係ないですが、桜庭さんはイケメンが嫌いなんですね^^;
出版社の新人M宅氏と話をしていて、何だかおかしいと思ったら、彼がイケメンだったらしい^^;
「どっかで聴いた事がある名前だし!」と桜庭さんが逆ギレ?していましたが、聴いた事があるって言うのはももも、もしかして。。。と妄想。
だって、M宅ってイコール三宅氏でしょ。で、聞いた事があるって事は、三宅健って名前を聞いたことがあるからなのでは。。。
とか、すんげぇ妄想をしました・・・すみません。
早く桜庭さんの結婚式の続きを読みたい!

〈東京創元社 2009.12〉H22.4.7読了

製鉄天使 桜庭一樹4

製鉄天使
製鉄天使
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辺境の地、東海道を西へ西へ、山を分け入った先の寂しい土地、鳥取県赤珠村。
その地に根を下ろす製鉄会社の長女として生まれた赤緑豆小豆は、鉄を支配し自在に操るという不思議な能力を持っていた。
荒ぶる魂に突き動かされるように、彼女はやがてレディース〈製鉄天使〉の初代総長として、中国地方全土の制圧に乗り出す──
あたしら爆走女愚連隊は、走ることでしか命の花、燃やせねぇ!
中国地方にその名を轟かせた伝説の少女の、唖然呆然の一代記。
里程標的傑作『赤朽葉家の伝説』から三年、遂に全貌を現した仰天の快作!

鉄を操れる少女小豆が、中学に入学してからせかいを統一するまでの物語。
オフィシャルサイトを見て気付きました・・・。
赤朽葉毛毬が暴れていた頃のスピンオフの話だったんですね。
何だか懐かしい・・・。
雰囲気が今と違うのはとても分かったし、言葉も今で言うと死語のものも多いけども、その時代を一生懸命生きた女性達の強さや純粋さが強く伝わってきました。
小豆に菫、花火、ハイウェイダンサー、パン屋の女。
みんなそれぞれかっこいいなと思いました。
でも、スミレがかわいそうだった。もしかしたら、小豆だったら救えたかもしれない。もう少し、何か出来たかもしれない。私は最初からあまり好きじゃなかったけど、でもスミレはスミレで自分の生活の中で闘ってたんだもんね・・・。
文章がどぎつくて読みにくいところもあったけど、小豆の素直でまっすぐなところは好きでした。けんかが強いところも。
制覇した後は素直に特攻服を脱いでトォボくんのデートに付き合ってあげればいいのにと思ったり、そのまま特攻服を着続けて欲しいなぁとも思ったり。
ストーリーとは関係ないけど、オフィシャルサイトで桜庭さんが特攻服を着てます。
かっこよくてかわいいです^^

〈東京創元社 2009.10〉H22.1.18読了

桜庭一樹〜物語る少女と野獣〜 桜庭一樹4

桜庭一樹  ~物語る少女と野獣~
桜庭一樹 ~物語る少女と野獣~
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の衝撃から僅か数年、一躍、日本文芸のトップステージへと駆け上がった桜庭一樹。
物語るひとであり、偏愛のひとであり、幻視するひとである彼女の、多面的な魅力に迫る―。

この本、ずっと読みたかったんです〜^^
すっかり桜庭さんのことが大好きなった今ですが、改めて好きになった気がします。
ものすっごくいろんなことが書かれています。
ダイノジの人(アバウト。。。)や重松さんとのロングインタビューや、今までの書籍記録?があったり。書籍については本当に細かく書かれていました。
私「ブルースカイ」が未読なんですよね。なのでこの本の場所だけはもったいないことをしたなぁと思いました。
あと、100の質問で気になったところが!
印象的な主人公はっていう質問で海野藻屑=腐野花って言うところがあって、「え!?」と思ったのですが、似てるって言うことなのかな…う〜ん、気になる。
そして「ブルマー3部作」すごいなぁ。内容は結構すごいけど、これを中学生のときにかいたって言うのがまた凄い。
出版社の方々のコメントもありましたが、桜庭さんは見た目のとおり愛すべきキャラクターなんだなぁと思いました。
この作品の最後のほうに桜庭さんがすっごく長くて暗い作品を書いてるって言っていたけどそれって「ファミリーポートレート」かな。そんな気がする。

〈角川書店 2008.7〉H21.9.9読了

ファミリーポートレイト 桜庭一樹5

ファミリーポートレイト
ファミリーポートレイト
ネタバレ注意!
コマコ、5歳。ママのマコと一緒にコーエーを飛び出し、2人で旅に出た。年寄りばかりが暮らし、冬には雪で埋め尽くされる山奥の村、女ばかり一緒に暮らしていた温泉町、豚の解体工場のある町、盲目の大家と月に1度会う穏やかだった町、隠遁者としてママと最後に暮らした大きな家。ずっとママと一緒に過ごした時間。
その旅が終わりを告げ、マコの手下だったコマコは早い余生を過ごし始めていた。
あなたとは、この世の果てまでいっしょよ。
呪いのように。親子、だもの。
ママの名前は、マコ。マコの娘は、コマコ。
すなわち、それがあたし。あなたの人生の脇役にふさわしい命名法。
『赤朽葉家の伝説』『私の男』――集大成となる家族の肖像

長かった…。
ページ数の多さもありますが、コマコの5歳からのいわば人生が描かれているため、何年も読んでいるような感覚に陥りました。
一部はコマコとマコの逃避行が描かれ、二部は旅を終えた後のコマコの生活が描かれてる。
コマコは1部ではずっとマコと一緒。マコが産んだ子だからコマコ。「マコのためのコマコ」とか「手下はボスに絶対服従」って言っているし。
殴られた傷も、煙草を押し付けられた跡もあるし、世間で言う虐待をコマコはずっと受けてたことになる。
マコはコマコを大好きだというけれど、やっぱり自分のことしか考えていなくて、だからコマコは翻弄されて、満足に教育も受けず、存在しない子どもとして育てられて。
桜庭さんはどうしてこういう親子関係や、子どもの心の中の葛藤を描くのが上手いんだろうなぁ。
コマコの心の中、自分の心が抉られる様でしたよ…。ブラックホールに入り込んで彷徨ってるような。1部でコマコが段々現実と想像の世界が一体化していくのが怖くて怖くて。この後コマコちゃんはどうなってしまうのだろうと。
でも、それがコマコの支えだったんだろうな。1番始めに逃げ込んだ山奥の村で、若いお兄さんから文字を教えてもらって。言葉や物語がなかったら、きっとコマコは壊れてしまっていたと思う。
そして第2部。
こちらも長かった…。何せ20年分書かれているわけですから。
コマコは余生のつもりで日々を過ごしていたけれど、周りにいる人達に恵まれていたと思う。鍛冶野さんや由利さんや波やオチケン部員や波の奥さんやお父さんや弟や歳の離れた妹や。いや、弟はどうかな・・・。
父親の大きな屋敷の自分の部屋には馴染めず、高校で暮らす日々。高校を卒業し「犬の心」で働き、嘘しかいわない話を話し続けた日々。小説家になり、ひたすら書き続ける日々。そこから逃げ出し「赤い魚」で働き、真田という真っ当な人と恋人同士になった日々。
再び小説家になって、落ち着いてからはようやく安心して読めました。
真田と普通の恋愛をして結ばれて、本当に良かったなぁと思います。
そして最後のマコとコマコのファミリーポートレイト!
なんと運命的な!
もう素晴らしかったです。重たい沈んだ気持ちが、最後は朗らかに終えられました。

〈講談社 2009.1〉H21.5.23読了

推定少女 桜庭一樹3

推定少女 (角川文庫)
推定少女 (角川文庫)
とある事情から逃亡者となった“ぼく”こと巣篭カナは、逃げ込んだダストシュートの中で全裸の美少女・白雪を発見する。
黒く大きな銃を持ち、記憶喪失を自称する白雪と、疑いつつも彼女に惹かれるカナ。
2人は街を抜け出し、東京・秋葉原を目指す。

桜庭さんの書かれる少女は、痛々しくて、読んでいて切なくなります…。
脆くてちょっと押したら倒れそうで。
思春期ならではの心の根底の深い思い。それが本当に上手い。だから、切ないです。
カナも自分をぼくと呼ぶ女の子。最初、男の子かと思った。
白雪が謎だったなぁ。結局宇宙人だったのか綾小路麗々子なのか狂人なのか。
白雪が持っていた銃によって出会った千晴も可愛らしくて好きです。
恋愛関係にならなくてもいいから、2人はずっと仲良くしてほしいなぁと思います。
私だけが分かってないのかもしれないですが、カナが闘ったのは現実の話?義父にした事は真実?だよねぇ。
何だか舞台が秋葉原だからかゲームの中にいるような気がしてしまって、何が現実なのか分からなくなったときがありました^^;
文庫だけ、エンディングが3つあるのです。私は「Ending供\鐓譟廚1番好きでした。

〈エンターブレイン 2004.9
 角川書店 2008.10〉 H20.2.16読了

書店はタイムマシーン-桜庭一樹読書日記 桜庭一樹4

書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記
書店はタイムマシーン―桜庭一樹読書日記

きょうも早くおうちに帰って本を読もう—作家・桜庭一樹は稀代の読書魔である。春には穴居人生活をしつつ、冬にはコタツで亀になりながら、今日も今日とて本を読むのだ。『赤朽葉家の伝説』日本推理作家協会賞受賞から『私の男』直木賞受賞までの耽溺の日々。

桜庭さんの読書日記。面白かったなぁ〜。
桜庭さんと、しをんさんのエッセイは好きです。やっぱり活字中毒者だからかな。
日々の人との関わりや会話も「ぷっ」って笑える部分がたくさんあるし、好きな本を語る部分は共感できる所がたくさんあります。
ただ、桜庭さんは海外作品を多く読まれているので、私が読んだ事のある作品はほとんどないんですよね。
たまに現代の人気作家さんの話が出てくると「お!」と思います。
海外作品で、前から「ずっとお城で暮らしてる」っていう本が気になっていて、その本についてが文章に登場した時はちょっと嬉しかったです。
桜庭さんがお好きな本なら、買って読んでみようかな。
直木賞を受賞された時の裏話や、「トップランナー」に出演された時の裏話も面白かったです。
私も、テレビ観てたので。
周りの編集者や出版社の方との本の話もいいなぁ〜。私も混ざって話がしたい…。
1番最後に収録されていた編集者達の座談会も面白かったなぁ。
こちらは最近の作家さんの事が多く語られているので、ちょっと嬉しかったです。
その話の中で、学生時代に休み時間に本を読んでいたかという話がありました。
私も同意見で、休み時間に一人で本を読んでいるとクラスで浮いてしまって、いじめにあうんじゃないかって言う心配がなくもなかったです。
読んでましたけどね^^;普通に。友達がいないわけじゃなかったけど。
友達とおしゃべりしたりする休み時間もあったけど、本を読んで過ごす事もあったな。
本を読みたいという欲求の方が強かったのかも。
この本を読んで、ますます本をたくさん読みたくなっちゃったなぁ。

〈東京創元社 2008.9〉H20.12.25読了

GOSICK-ゴシック・その罪は名もなき- 桜庭一樹5

GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき (富士見ミステリー文庫)
GOSICK〈2〉ゴシック・その罪は名もなき (富士見ミステリー文庫)


聖マルグリット学園の図書館塔の上の上、囚われの金髪の姫—ヴィクトリカは、混沌を求めている。
自らの退屈を癒してくれる、世界の混沌の欠片を。
彼女の知恵の泉がそれを弄び—再構成するのだ。
日本からの留学生、九城一弥は、そんな危うく、儚げな姫を守る決意をし、彼女の傍らにいようと思っていた。どんなときも。
「“灰色狼の末裔”たちに告ぐ。近く夏至祭。我らは子孫を歓迎する—」
新聞の広告欄に掲載された謎のメッセージ。
それを見て熱病にうなされるように、学園を飛び出すヴィクトリカ。
彼女と九条一弥は、ある山間の小さな村を訪れる。
そこは、ヴィクトリカにとって忘れ難い場所であった…。
夏祭りが近づく謎多き村で起きる不可解な殺人。
そして過去に起こった不可能な殺人。
二つの事件に巻き込まれていくヴィクトリカと一弥は、混沌の欠片を集め、確実に真実へと近づいていく。
祭りの篝火の向こうにある血塗られた真実とは?
絶好調ゴシック・ミステリー第二弾。

ゴシック第2弾です。このシリーズ、面白い。ベストセラーになったのが分かります。
ヴィクトリカのキャラクターがまた良いんですよね。
学園の図書館塔の上に住み、自由に外出する事が許されない。
その理由が、この作品でちょっと明らかになります。なんだかかわいそうだなぁ。
ヴィクトリカに罪はないのに。
そして相変わらず、久城とヴィクトリカの会話が微笑ましくって可愛いです。
ヴィクトリカも、素直じゃないなぁ。
久城は素直なんだけどとっても真面目で、鈍感なんだよね〜。
それがまた可愛いです。
最初のフリーマーケットで、アブリルと一緒なのに、ヴィクトリカにあげるものを選んでるって平気でいうところとか。
最後にあげたアブリルへのプレゼントとか。
バカって言われる意味が分からない所とか。
微笑ましい所もいいけど、やっぱり旅先で起こる事件についてもとても引き込まれます。
20年前に起きた事件も、村で起きた2つの事件も、久城同様、全然分からなかったです。
ヴィクトリカの謎はまだまだ続きそうですね。
楽しみです。

〈富士見書房 2004.5〉H20.12.4読了

荒野 桜庭一樹5

荒野

山野内荒野、12歳。恋愛小説家の父親と家政婦の奈々子と3人で暮らしている。
中学校の入学式。電車で制服をドアに挟めてしまい、うずくまっていると、文庫本を手にしためがねをかけた少年が声をかけてくれた。
それが、神無月悠也との出会いだった。

読みました。ようやく読めました^^
桜庭さんの世界観、やっぱり好きです。
桜庭さんの書く中学生くらいの女の子、好きなんですよね。
子どもで純粋で素直だけど、時折ドキッとするような言葉を発したり、人を惹きつける魅力があって。
荒野もそう。とっても素直で可愛らしいんだけど、中学校生活や悠也との出会いによって徐々に大人になっていく。
麻美と江里華も良いです。いいバランスが取れてるなぁと思う。
悠也、ステキです…。メガネの華奢な男子に弱いのですよ^^;
にしても、いつもお父さんって特徴的なんだよなぁ。
今回のお父さんも、荒野に対する愛は感じたけど、好きになれない人種だった。

〈文芸春秋 2008.5〉H20.9.19読了

私の男 桜庭一樹5

私の男

オススメ!
腐野花は明日、結婚する。
結婚すれば、今の生活から抜け出せると信じて―――
花は15年前に家族を地震によって亡くし、当時25歳だった腐野淳悟の養女として引き取られた。
8年前に紋別から東京へやってきた。逃げるように。
ずっと離さない、離れない、逃れられない。堕ちていく幸福――
狂気にみちた愛のもとでは善と悪の境もない。
暗い北の海から逃げてきた父と娘の過去を、美しく力強い筆致で抉りだす著者の真骨頂。

直木賞にノミネートされる前から予約していたのに、今読み終えました^^;
読むととまらないのですが、章ごとに読み終える度にため息をつき、読み終えた後はどっと疲れた感じです。
重かった…2人が抱える大きな闇に飲み込まれるかのようでした。
2008年から、2人の人生の分岐点となる過去へと遡ります。
最初が重くてずしっときて、それから少しずつ軽くなっていくようなイメージでしたね。
淳悟が最初と最後は別人みたい。
だんだん過去になっていくにつれて、淳悟はまだ人間に見えました。
2人の互いに対する愛は、家族愛だとは思います。
それが二人は親に正常な形での愛情を注がれていなかったから、歪んだ形になってしまったのかなと。
互いが子で、互いが親で、慰めあって絡み合って生きて行くのが2人の愛の形なのかな。
いや、でも、言葉で表現するのは難しいです。言葉に出来ないです。
あまりにも凄すぎて、壮絶すぎて・・・。
この作品が受賞するのは納得です。素晴らしいです、桜庭さん。
ちょっと内容がそれますが、
この作品の舞台が北海道だと言う事は知っていたのですが、紋別が舞台だったんですね。
以前「少女七竃と七人の可愛そうな大人」を読んだ時、舞台がもの凄く隔離された町なのに場所が旭川ってことで全然リアリティを感じなかったんですよね。
だから今回もそうだと思っていたのですが。
いや、もの凄くリアルでしたね。
まず拓銀ですよ。北海道拓殖銀行。懐かしい言葉です。拓銀が倒産したときのニュースは今でも覚えてます。97年…かな。
銀行がつぶれるなんて、勤め始めたときは想像もしてなかったんだろうな、皆さん。
それに、花が巻き込まれた地震って北海道南西沖事件だったんだね。
絶対に架空の話だと思っていたから全然気付かなかった。
途中から青苗岬とか奥尻島って名前が出てきて、93年?…ああ〜!!そうだ!って。思いましたよ。
その地震の事も思い出しました。
花の年齢、私と1個違いなんですよね。私は地震の時、小学校3年生でした。
札幌でも震度3で、家の大きな柱にしがみついて揺れに耐えていた思い出が残っています。
奥尻島は津波の高さが20メートルだったといわれていて、本当にたくさんの方が亡くなったんですよね。
ダメですね、あんなに被害が出た地震だったのに。全然頭に浮かんでこないなんて。
かなりのリアルな情景が浮かび上がってきて、本当に現実味を帯びてた作品でしたね、私の中で。

〈文芸春秋 2007.10〉H20.6.26読了

GOSICK 桜庭一樹5

GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫)

オススメ!
聖マルグリット学園の図書館塔の上の上、緑に覆われたその部屋で、妖精のような少女―ヴィクトリカは待っている。
自らの退屈を満たしてくれるような、世界の混沌を―。その少女は語るのだ。パイプをくゆらせながら。
「混沌の欠片を再構成しよう」そして、たちどころにそのどんな謎をも暴く…いや、〈言語化〉してしまうのだ…という。
西欧の小国・ソヴュールに留学した少年・久城一弥。
彼はふとしたことから知り合った少女・ヴィクトリカとともに、郊外に住む占い師殺人の謎に挑む。
しかし、それはある大きな謎の欠片でしかなかった。
囚われの姫と、彼女を護る死に神が、幽霊の現われる呪われた船の謎に挑む。白と黒の物語の幕が今、開きます。

面白かった!イラストもとっても可愛いです^^
ヴィクトリカも一弥も可愛いですね。
ひょんなことから謎の船に乗船し、命の危険にさらされ、互いにこの奇怪な事件に巻き込まれたのは自分のせいだと責任を感じる。
そして、互いに相手を守ろうとしているのがまたとっても可愛かったです。
事件も引き込まれましたね〜。怖かったし、どういう展開になっていくのだろうと気になって気になって。
一弥、純粋で真面目で堅くてつまんないってよく言われていたけど、私はこういう子、大好きです。
"帝国軍人の三男"だと豪語する一弥はヴィクトリカにコケにされながらも事件と危機に立ち向かっていきます。
2人は何だかんだ言ってお似合いのカップルで、これからどういう展開になるのかとても楽しみです。
シリーズは結構続いているみたいなので、読んでいきたいなと思います。
桜庭さん素敵です!

〈富士見書房 2003.12〉H20.5.7読了

赤×ピンク 桜庭一樹4

赤×ピンク (角川文庫)赤×ピンク (角川文庫)
著者:桜庭 一樹
販売元:角川書店
発売日:2008-02
おすすめ度:4.5
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東京・六本木、廃校になった小学校で夜毎繰り広げられる非合法ガールファイト、集う奇妙な客たち、どこか壊れた、でも真摯で純な女の子たち。
体の痛みを心の筋肉に変えて、どこよりも高く跳び、誰よりも速い拳を、何もかも粉砕する一撃を―
彷徨のはて、都会の異空間に迷い込んだ3人の女性たち、真由、ミーコ、皐月。
そのサバイバルと成長と、恋を描いた、最も挑発的でロマンティックな青春小説。

作風が今の桜庭さんとちょっと違うなぁと思ったら、5年前の作品だったんですね〜。
内容も角川書店?とちょっと疑問に思っていたのですが、納得です。
それぞれ心の中に闇を抱える少女3人。
どうしてこう、少女の心を捉えるのが上手いんでしょう、桜庭さん。
真由の気持ちも、ミーコの気持ちもわかる部分がある。
皐月の思いはちょっと複雑で、簡単に分かるとはいえないけど。
でも、皐月の秘密、私はなんとなく気付きましたね。
尋常じゃなかったから、怯え方も言葉も行動も。
皐月の章になった時に納得したもんね。
あまり書くとネタバレになっちゃうけど、3人の少女が主人公のような進み方だけど、解説に書かれているナオコーラさん同様、私も真由が主人公のように思いました。
真由のある心境の変化をきっかけに少しずつ時が蠢いて行くから。
でもそれは、多分、3人にとっては前向きになれるチャンスだったんじゃないかなと思う。
3人の友人?として登場する武史という高校生の男の子が登場するんだけど、素直でとっても可愛い。
少女達に巻き込まれてぐれないでね、ってちょっと心配になっちゃうくらい純情で素直な子だなと思う。
武史が私はお気に入りでした^^

〈エンターブレイン 2003.2
 角川書店 2008.2〉     H20.4.28読了

少女七竃と七人の可愛そうな大人 桜庭一樹4

少女七竈と七人の可愛そうな大人

私、七竃17歳は遺憾ながら、美しく生まれてしまった。
大人の男たちからじろじろと眺めまわされるたびに私は怒りを感じる。
七竈が美しいのは母がいんらんだからだと、幼馴染の雪風は言う。
私の友人は、雪風ただ一人。
他の人々は自分を好奇な目で見つめるからだ。

「Sweet Blue Age」で「辻斬りのように」は読んでいたのですが、娘が登場する作品だったのですね。驚き。
七竈は変わった子だけど、芯はしっかりしてました。心の中では様々な想いがあると思うけど。
変わっているのは、母親がいないという孤独感からも来ている様に思います。
「辻斬りのように」の優奈はおばちゃんになってから随分性格が変わったなぁ。
よそよそしさとか、地味な感じが全くないし。前作ではずっとそういう印象だったけど。
そして娘に対しての言い分がひど過ぎる。自分の事しか考えてない。
雪風と七竈の関係も、本当に切なかった。
若かったから愛とか恋に気付いていなかっただけだと思うんだ。
きっと2人は、互いを必要としていたのに。2人の旅立ちは、送り出さなきゃいけないと思うけど。
でも、2人の惜別の思いもきっとあったわけで。
七竈の母親と雪風の父親が行った仕打ちが本当に酷くて辛くて。
私が2人をボコボコに殴ってやりたい。
そして、関係者の関係が複雑な事!
何だか無人島にちょっとしか人がいなくて、みんな何かしら関係があるみたい。
旭川は狭い町じゃないのに!^^;すんごい小さい町というか、村みたいな印象だった。

〈角川書店 2006.6〉H20.4.18読了

少女には向かない職業 桜庭一樹4

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した…
あたしはもうだめ。ぜんぜんだめ。少女の魂は殺人に向かない。
誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。
だけどあの夏はたまたま、あたしの近くにいたのは、あいつだけだったから―。

何故桜庭さんの作品はこうも痛くて切ないんでしょう。
「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」と似てるかと思ったけど、雰囲気はまた違う。
だけど、どちらにもいえることだけど、この少女達は、他に道はなかったのかな。
大人たちがちゃんと愛情を注がなかったからかな。
何だか冷めていて、怯えていて、辛辣な言葉を吐く。
周りの大人たちが、もっと彼女達の表情に気付いていたら、違う結果になったのかもしれない。
葵の変化に気付いたのは、颯太だったもんね。
ラストが辛い。また、心に残るなぁ。

〈東京創元社 2005.9〉H20.4.14読了

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹4

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet

片田舎で13歳の2人の少女が出会った。山田なぎさは父を嵐で亡くし、母と兄との3人暮らし。早く卒業し、社会に出たいと思っているリアリスト。なぎさの通う中学校に、海野藻屑という不思議な少女が転校してくる。
藻屑は自分のことを人魚だと言い張る少し不思議な少女だった。
二人は言葉を交わして、ともに同じ空気を吸い、思いをはせる。
全ては生きるために、生き残っていくために―。
これは、そんな二人の小さな小さな物語。

何て切ない物語なんだろう。
読み終えた後、なんとも切ない感情がこみ上げてきた。
評論家じみた事を言うつもりはないけれど、現代で読むべき作品なんじゃないかなと思う。
大人も。子どもも。
藻屑は嘘ばっかり言う。自分の事を人魚だといい、泡になって消えることができると嘘をつく。
それは、父親がかつて歌手として売れ、お金持ちの娘だから行う一種の遊びのようにみんなが受け止めていた。
でも、そうではなかった。
家がお金持ちだから、父親が有名だから、幸せなんて、何故言えるんだろう。
正直、雅愛は人間のクズだと思う。
藻屑は不思議な少女だったけど、それは愛情を受けて育てられなかったから、人に好かれたくて作り上げた性格なのかもな。
なぎさを睨みつけて「死んじゃえ」っていったのも、本当に愛情表現だったのかもしれないと、読み終えた今だと思える。
藻屑の「こんな人生は全部、嘘だって。嘘だから、平気だって。」という台詞があまりにも痛々しい。
今度こそ、幸せな子どもらしい生活を歩んでいってほしいな。
関係ないが、ヤバイクイズの答えを聞いて「八百屋お七」を思い出しました。違うかな?

〈富士見書房 2004.11
 富士見書房 2007.3〉 H20.3.27読了

桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。 桜庭一樹4

桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。

作家・桜庭一樹は稀代の読書魔である。
ほんとうに毎日本を読むのである。
日々、読書にまつわるすごいことを発見し、傑作の前を歌って通りすぎ、新宿と鳥取を行き来しながら小説の執筆にいそしむのだ。
縦横無尽に読んで過ごした、疾風怒濤の一年間。

桜庭さんのエッセイです。
桜庭さんは直木賞を受賞された時に初めてお顔を拝見しましたが、面白い方だったんですね・・・。
とても面白く読みました。
まず最初に伊坂さんの「砂漠」が出てきたのは嬉しかったです。
桜庭さんが本当に本がお好きなんだって言う事もわかりました。
私も1冊1冊を感動して読みたいな。
最近読むのが当たり前でただ読んでるって言う感じになりつつあるから。
「面白い〜!!」って思えるように隅から隅まで読んでいこう。
読んでいて面白かったのは「赤朽葉家の伝説」を書いた時ちょうど「華麗なる一族」がドラマ化されてビックリしたって書いてあったのね。
私も「華麗なる一族」を連想させた事があったので、本人もそう思ってたんだ〜と思い、嬉しくなりました。

〈東京創元社 2007.7〉H20.2.23読了

青年のための読書クラブ 桜庭一樹4

青年のための読書クラブ

東京・山の手の伝統あるお嬢様学校、聖マリアナ学園。
校内の異端者(アウトロー)だけが集う「読書クラブ」には、長きにわたって語り継がれる秘密の“クラブ誌”があった。
そこには学園史上抹消された数々の珍事件が、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた―。

いや〜・・・。凄い作品でした。
さすが桜庭さん、一筋縄ではいきません。
最初の紅子の話も強烈でしたけど、印象的なのはやはり第2章。
聖マリアナ学園を設立したマリアナの人生ですね。
すべてはこの人から始まっているわけですから。
よく、マリアナの銅像が出てきましたが、本当に不思議な力を持っていたのかもしれないですね。
ラストも上手いですね^^
桜庭作品、もっと読んでいきたいです。

〈新潮社 2007.6〉H19.12.9読了

赤朽葉家の伝説 桜庭一樹4

赤朽葉家の伝説

オススメ!
“辺境の人”に置き忘れられた幼子。
この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。
これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。
―千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。
高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を、比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。

久しぶりに小説を読みました^^
ちょこっとだけ時間が取れるようになったので、この連休を利用して一気読み。
面白かったですね〜。
この作品も、大分前に「王様のブランチ」で紹介されていました。
なので、気になっていた作品だったんです。
桜庭さんの作品は初めてですが、好きになりそうです。
勝手にライトノベルを書かれる方だと思っていたのですが、そういうジャンルではないですよね、この作品は。
濃いですね。すっごい濃い。
一人ひとり濃いのにそれが三世代ですからね^^;読んだ後にずしっときました。
何だか旧家の雰囲気が「華麗なる一族」みたいだなぁと思ったり。
やっぱり印象に残ったのは万葉ですね。
千里眼で、見たくないものまで見えてしまうなんて、辛すぎるよね。
そしてやっぱり、最期の言葉ですね。
2人はきっと、お互いに好きだったんだと思います。
でも、一緒になる事は叶わないんですよね。
真相がわかったとき、こちらまで切なくなりました。
にしても、私は結構異世界というか、ちょっと違う世界だと思っていたんです。
なのに普通にビートルズとか、ディスコとかって言葉が出てくるからちょっとびっくりしちゃいました^^;
面白かったです。
これからも読んでいきたい作家さんです。

〈東京創元社 2006.12〉H19.5.4読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6とSnowManを愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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