れんげ野原の中にある秋葉図書館には名探偵ばりの司書がいる。曾祖母の残した開かずの文箱、失踪したブックカフェの猫、図書館開設準備中に発覚した旧家の秘密……。そんな謎を抱える利用者を、誰もが知る古典や名作や、知る人ぞ知る本をそっと差し出して、解決までやさしく導きます。
「どこにいたの?」をテーマに描く、六篇の謎。ほんわか図書館ミステリのちょっぴり番外編。
秋葉図書館の四季シリーズ?ですか。懐かしいと思って調べたら前作は9年前ですってよ!
この間読んだ「晴れた日は図書館へいこう」も10年ぶりの新刊だったし読者は忘れてしまうのでもう少し早めにお願いします(笑)でも、その前も9年空いてるな…←
多分前作で登場した利用者が登場しているんだと思いますけど、覚えていませんでした…悔しい。
そして今回は文子の目線ではなく利用者である人たちの話がメインでしたね。だから番外編なのかな。
1番は秋葉の地主の息子家族かな。茉莉がお世話になったブックカフェの店主のこと、健一が幼少期に助けてもらった女性のこと、佐由留と友人の優が探る文箱の秘密。
そして秋葉図書館開設準備中のお話も面白かったです。能勢さんも日野さんも相変わらず(笑)文子はこうやって図書館との縁をはぐくんできたんだなと思ったり。
今回も『風と共に去りぬ』やアガサ・クリスティー『春にして君を離れ』、『ながいかみのラプンツェル』、『枕草子』、谷川俊太郎の詩などたくさんの物語が登場しました。うぅ…どれも読んでいない…精進しなければ。と決意も生まれました^^
図書館司書になってからは初めて読んだので、以前は羨望の目で読んでいましたけど、今回は少し違う気がしました。日野さんのような図書館司書になりたいな。多分、私の方が年上になってしまっているだろうけど。
<東京創元社 2023.7>2023.8.31読了