苗坊の徒然日記

読書とV6とSnowManをこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

男性作家(さ・た行)

毒をもって毒を制す 薬剤師・毒島花織の名推理 塔山郁5



薬剤師の毒島さんは、薬にまつわる不思議な出来事をまるで名探偵かのように鮮やかに解決する。アルコール依存症の男性が急に「酒がまずくなった」と言い出したのはなぜ? 赤ん坊のための様々な薬を、あまりにも頻繁に薬局に取りに来る若い母親。彼女の真の目的は? いつものように鮮やかな推理を見せる毒島さんだったが、しかし彼女のもとにも新型コロナウイルスの影が忍び寄っていた。毒島さんに憧れるホテルマン・爽太が、仕事中高熱を出した同僚と濃厚接触したとして、ホテルに隔離されたのである。そして、それを機にホテル従業員が相次いで高熱を出し……。

新刊で出る小説の中には未曽有の感染症がない世界を描く方もいらっしゃいますが(それがダメなわけでは決してありません。現実逃避したい時もありますし)こちらは薬がテーマで主人公の想い人が薬剤師だから、きっと書かれるだろうなと思っていました。
症状や対策が現段階でわかっている範囲で具体的に分かりやすく書かれているところもあり、物語とは違うところで勉強しているような気分でした。
物語も面白かったです。アルコール依存症の人が服用する薬なんておそらく知る機会はなかったと思うのでなるほどと思いましたし、私が毒島さんの立場だったら途中で投げ出して邪険に扱うであろう患者さんに対して^^;丁寧に優しく対応している姿はただただ尊敬でした。
爽太が隔離されたときはどうなるんだろうと思いましたけど、みんなが高熱を出した原因がそんなところにあるとは…!とびっくりでした。いろんな病気があるんですね…。でもホテル従業員の喫煙していた人たち、言動にちょっとイライラしましたよね…このご時世だからなおさらそう感じたのかな。
今回も面白く読みました。ただ気になったのは、今回爽太も体調が悪くなって、毒島さんのおかげで原因が分かって回復しましたけど、その部分とは別に頭痛が何度か起きていたような気がするのですが気のせいかな…。次巻のフラグかなと深読みしてます。
こちらのシリーズはとても好きなので次回も楽しみです。新刊がまた出ますように。

<宝島社 2021.1>2021.5.10読了

図書館の子 佐々木譲4

図書館の子
佐々木譲
光文社
2020-07-17


1937年の東京。隅田川で拾われた男が病院に運ばれてくる。身元不明の男は記憶を失っていたが、なぜかこれからやってくる戦禍の時代を知っているかのようだった。「遭難者」。とある北の国。猛吹雪の夜、図書館に一人の少年が取り残された。暖房もない極寒の館内。そこに突然現れた謎の男は少年を救い、やがて大切なことを伝え始めた―。「図書館の子」。時とたたかい、時に翻弄される者たちを描く全六編。

タイトルが気になって手に取りました。お名前はずっと拝見していましたが、読むのは初めてです。
読んでみたら短編集でタイトルはその中の一つの物語でした。どのお話も不可思議で時代を超えて生きる人たちの物語でした。巻き込まれた人もいるけど、過酷な運命を背負っている人もいました。
私が好きだったのは最初の「遭難者」かな。謎の男の境遇が辛くて過酷だったけど、最初に拾い上げてくれた医師が自分の事をずっと気にかけ、そして理解してくれたことは救いだったのではないかと思います。「図書館の子」も面白かったけど、結末が悲しかったなー。謎の男の正体は途中で何となく気づきましたけど、それが辛かったです。
だからこそ、最後の「傷心列車」時代と闘ってきた人たちが報われて、幸せになれるかもしれない終わり方で良かったです。

<光文社 2020.7>2020.9.5読了

チーム供‘仮貊岼5

チームII (実業之日本社文庫)
堂場 瞬一
実業之日本社
2015-10-03


マラソン日本記録を持ち「陸上界の至宝」といわれる山城悟は、怪我と所属チームの解散危機で、引退の瀬戸際にいた。傲慢な山城に、かつて箱根駅伝を学連選抜チームとして共に走った仲間がサポートを申し出るが、彼は再起できるのか?熱き男たちの友情、葛藤、そして手に汗握る駅伝レースの行方は?スポーツ小説の金字塔『チーム』7年後の物語。

チーム靴出ることを知り、読もうとしたのですがそもそも兇脇匹鵑世里?と思い、調べたら読んでいなかった…ということで読みました←
ヒートが兇抜違いしたんですよね。登場人物がほぼ同じですし^^;
今回は傲慢な山城に数々の試練が訪れます。
怪我に悩まされ2年以上も大会に出られず、更に実業団も解散を告げられる。
いつもは俺様な山城ですが初めての事の連続に人間味が出てきます。
ヒートで山城が日本新記録を樹立するために創り上げられた大会に出場し、日本新記録を達成した。それでも山城以外の日本男子マラソンの記録は低迷したまま…という世界でしたが、この作品が出たのは5年前で、今は状況が少し変わってきていますよね。
浦は大学の監督で、惜しくも予選会11位で本戦出場ならず。でも11位なので学生連合の監督として箱根駅伝に出場することになります。
「チーム」の時は学連選抜で、シードに入れば予選会のチームを増やすことが出来るという意欲が持てたけど、学生連合は完全なオープン参加で記録も残らない。堂場さんはどう考えられているのかなーと思っていました。ホント、何で学連選抜のままにしてくれなかったのだろうか。全くない年もあったわけだからまた何も言えないけど…。更に何も記録が残らないという意味ではモチベーションも上がらないですよね。考えさせられました。
にしても後半の山城は面白かったですね^m^山城が1人で箱根駅伝のコースに応援に行くなんて!!マジかよ!読んでるこっちも唖然としたわ!怪我をしたことで人間味が出てきて良かったです(笑)
最後も良い終わり方だったな。「チーム山城」が勢ぞろいで。
靴盂擇靴澆任后B膤悗了に切磋琢磨した面々が30歳前後になってそれぞれの場で活躍している姿をみるのもまたいいですね。

<実業之日本社 2015.10>2020.8.4読了

甲の薬は乙の毒 薬剤師・毒島花織の名推理 塔山郁5



薬剤師の毒島さんはその知識を活かし、これまで数々の薬にまつわる不思議な出来事を解決してきた。きちんと管理しているはずの認知症の薬が一種類だけ消えるのはなぜ?筋トレに目覚めた青年が抱える悩みとは?ホテルマンの爽太はいつものように毒島さんに相談をするが、ある日から彼女は「今までは言わなくていいことを言い過ぎていた」と言って推理を教えてくれなくなり…。ウイルスと薬の関係や糖尿病対策など、生活に役立つ知識も満載の薬剤師ミステリー!

前回に引き続き第2弾ですがこちらも面白かったです。
薬は本当に色んな効果効能があるんですね。だからこそ副作用もあるから気を付けなければならないんだということを教えてくれているような気がします。
様々な事態を解決していく花織ですが、身近でありそうなことばかりでしたね。
にしても最後の事件(これは事件と言っていいやつ)は本当に花織が無茶しましたねー。そのお陰で爽太の同僚もこれから被害に遭ったかもしれない女性たちも助けられたのかもしれないけど。
でもそれは信頼できる爽太が傍にいたから。花織も好きだという気持ちは気付いていないかもしれないけど、そういうものも芽生えているんじゃないかなー。とニヤニヤしてしまいました^^
2人の発展は置いておいて←身近な薬の問題がたくさん取り上げられているので勉強にもなるし、シリーズ化してほしいなと思います。

<宝島社 2020.5>2020.7.30読了

薬も過ぎれば毒となる 薬剤師・毒島花織の名推理 塔山郁5



ホテルマンの水尾爽太は、処方薬を丹念に塗るも足の痒みがおさまらず、人知れず悩んでいた。薬をもらいに薬局へ行くと、毒島という女性薬剤師が症状を詳しく聞いてくる。そして眉間に皺を寄せ、医者の診断に疑問を持ち…。急激な眠気に襲われるホテル従業員、薬を過剰に要求してくる老人、ダイエット薬を格安で売る病院など、水尾は毒島とともに、薬にまつわる様々な事件に挑む!

初読み作家さんです。
喜多喜久さんの本をアマゾンで見ていたらこちらの本が出てきたので気になりました。
私は理系の頭だったら薬剤師を目指したかったんですよね。高校ですっかり理数系が苦手になってしまって^^;文系頭になってますけど。でも、薬には興味があって、身辺が落ち着いたら登録販売者の資格を取りたいなと思っているんです。今の私の目標です。
って、私の事は置いておいて、こちらの作品。
面白かったです!読む手が止まりませんでした。一気読みでした。ただ薬については難しかったですけど^^;しかも薬の名称を微妙に変えてますよね?だから尚更混乱しましたけども。
喜多喜久さんは化学ミステリだけど、こちらは薬剤ミステリみたいな感じでした。
毒島さんの境遇も最後に明らかになりましたけど、爽太が意外とやる男で←
恋の想いに関しては全く気付かれていなかったですけど、好感度は急上昇しましたよね。
続編もあるのでそちらも読むのが楽しみです。
塔山さんの他の作品も読んでみようと思います。

<宝島社 2019.5>2020.7.1読了

図書室のバシラドール 竹内真5

図書室のバシラドール
竹内 真
双葉社
2020-03-18


直原高校の図書室で働く詩織は将来を見据え、司書資格を取るための勉強をはじめた。だが、常連の生徒が家出したらしいと相談を受けたり、チャーシュー論争の解決に講演会を企画したりと慌ただしい。図書委員が文化祭でビブリオバトルをやろうと盛り上がる一方で、詩織自身の雇用契約の期限が迫ってきて―ハートフル・ブックストーリー第3弾!ちなみに「バシラドール」とは、ノーベル賞作家スタインベックの造語『目的地に急ぐより旅そのものを楽しむ人』のこと。

シリーズ第3弾!何だかこれからも続きそうで嬉しいです。
ついに詩織が司書資格を取るためにスクーリングを受けることになります。私は資格を持っているけど、10年以上前だからもう1度勉強し直したいなー。必須科目もちょっと変わっているし…。今回はいつにもまして図書館の専門的内容が多かったように思います。私はそこはグイグイ読めたけど、司書に興味が無い人は大丈夫かなって思うくらいの厚い内容で、私は嬉しかったです。
表題作の「図書室のバシラドール」は常連の1人大隅君が夏休み中に家出をしたらしいと父親が学校を訪れるところから展開していきます。みんながインスタを見て推理していくのですが本が活用されていて面白いです。更に「図書館の自由に関する宣言」の「利用者の秘密を守る」に深く言及しているところもあり、興味をそそられます。「バシラドール」という言葉はスタインベックが作った造語だそうですが、良い言葉ですね。私はどちらかと言うと旅に出るときはめちゃくちゃ計画を立てていくので^m^バシラドールも目指していきたいなと思いました。スタインベックの作品は舞台の予習で読んだ「ハツカネズミと人間」しか読んだことが無いのですが「チャーリーとの旅」がめちゃくちゃ気になりました。積読本が無くなったら絶対に絶対に読みます!←
「文化祭のビブリオバトル」も面白かったなー。本を紹介する生徒たちの熱意が凄い!特に私が興味をそそられたのはやっぱり委員長のオススメ本。崇徳院が読んだ「瀬を早み〜」で始まる和歌は恋の歌だと言われていたからもうそう言うもんだと思って生きてきてました。大河ドラマ平清盛での崇徳院のあの壮絶な境遇を見たにもかかわらず。でも小枝嬢のトークを聞いていたら確かにその方が腑に落ちます。面白かったな。更に「ソフィーの世界」私も中学生の時に読みましたが、全然理解できないまま必死で読んだ記憶があるので^^;いつか再読したいと思っている1冊です。「萌える☆哲学入門」も気になる…。ホント、読みたい本が増えて困ります。
「来年度のマジックシード」こちらのケンカの内容に関してはイマドキって感じですかねー。今の若者はウィキペディアに載っているものが正しいと思っている人も多いらしいですし…。とにかく結論だけ欲しいみたいな感じがよく分かります。「いろんな考え方を楽しむ」って良い言葉だなと思いました。ランチタイム講演会がすんなり通るところとかは出来過ぎ感はありましたけど、どの講演も面白かったです。来年度に関しては上の人が変わるから詩織の境遇も悪い方に変わる…みたいな展開は嫌だなぁと新刊が出ると決まっているわけでもないのに今から嫌がったりしてしまいました^^;

<双葉社 2020.3>2020.5.4読了

銀河食堂の夜 さだまさし5

銀河食堂の夜銀河食堂の夜
著者:さだ まさし
幻冬舎(2018-09-28)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
大きな人生なんてない。
ただ、小さな幸せがあるだけ――。
謎めいたマスターが旨い酒を出す、四つ木銀座にある風変わりな飲み屋「銀河食堂」。そこで常連客が語るのは、ささやかな人生を懸命に生きた無器用な人たちの、不思議で切ない物語。感涙の連作長篇。
ひとり静かに亡くなっていたお婆さんは、実は昭和の大スター・安斉美千代だった。愛した人を待ち続けた彼女に、死の1週間前に届いた手紙に書かれていたのは……。「ヲトメのヘロシ始末『初恋心中』」
2000枚のSPレコードから探し当てた「兄が最後に聴いた曲」に込められていたのは、あの戦争で飛び立った青年と妹の、真っ青な空の下の切ない別れの物語。「むふふの和夫始末『ぴい』」
ほか、「オヨヨのフトシ始末『七年目のガリバー』」「マジカのケンタロー始末『無器用な男』」「まさかのお恵始末『ちいさな幸せ』」「セロ弾きの豪酒」、全6篇。

前回の生さだで宣伝されていたので(笑)読みました。
さださんの小説は何冊か読んでいますが、読むのは久しぶりだったかも。さださんってなんというか…綺麗な小説を書かれるんですよね。読んでいて心が穏やかになるというか、満たされるというか癒されるというか…。この作品もそうでした。
「銀河食堂」に集う常連たちが話す切ない物語の数々、そしてマスターのこと。連作短編集でしたが、どの作品も素晴らしかったです。最後の作品である種明かしがされていて、それも良かったなぁ。
「ヲトメのヘロシ始末『初恋心中』」孤独死という形で亡くなっていたかつての銀幕の大スターである元女優さんのお話。孤独死であり病死なのだと思うけど、私もヘロシの言う通り、心中だったんじゃないかなと思います。切ない。凄く切ない。来世で一緒になれたら良いねと思って読み終えました。
「オヨヨのフトシ始末『七年目のガリバー』」この作品の根底はあれですね、さださんの書かれた「償い」ですよね。読んでいてすぐに思い出しました。毎月毎月必ず書留でお金を送ってくるいわば加害者。被害者との関わり。考えさせられました。最後良かったですね。
「マジカのケンタロー始末『無器用な男』」ここに登場する不器用な男は本当に不器用でした。でも、母親のためにただ一生懸命だったんですよね。それはただひたすらに伝わってきました。オチが良かったです。良い人に気にかけてもらえてよかったですね。
「まさかのお恵始末『ちいさな幸せ』」常連のおじさんたちと会話をするようになったOLの過去の話。過去に男たちに襲われそうになっている女性を助けたことで出来た縁。恋人の二人は辛い日々を過ごしてきたのかもしれないけど、これからですよね。最後の家族の姿も良かったな。
「むふふの和夫始末『ぴい』」戦死した兄が聞いていた曲を2000枚あるレコードから探し出す話。切なかったですね。あの時代、どんな人でも戦地へ赴かなければならなかった。若いのに。未来があるのに。それが腹ただしくて悔しいです。その曲とは関係ないんですが他の小説で登場した「バイバイ、ブラックバード」という言葉が登場して、個人的にものすごくテンションが上がりました^^
「セロ弾きの豪酒」タイトルが面白いですね^^元ネタが分かるとニヤニヤしちゃいます。でもそのタイトルの人物はしょうがないというかどうしようもないというか、でも仕方がないというか、そういう人でしたね。マスターの過去が明らかになり、また再会を果たすことも出来たようで、良い終わり方でした。こういうお店が近くにあれば、私も常連になるのになぁ。

<幻冬舎 2018.9>H30.10.14読了

図書室のピーナッツ 竹内真5

図書室のピーナッツ図書室のピーナッツ
著者:竹内 真
双葉社(2017-03-18)
販売元:Amazon.co.jp

資格を持たない“なんちゃって司書”として直原高校の図書室で働く詩織。サンタクロースは実在するのか?伝説の酒飲み小原庄助の正体は?オザケンの幻の本『うさぎ!』とは?村上春樹とスヌーピーの関係は?などなど、今日も難問珍問が生徒たちから持ちこまれる。はたして、怠け者のキリギリスは2年目の春を迎えることができるのか!?恋の気配と共に綴られる、ハートフルブックストーリー第2弾。

まさか続編が読めるとは思いませんでした。読んでいて本当に楽しかったです。
学校司書の仕事は先輩で実際に就いている人もいるので、随分上手いこと言っているなという気がしなくもなかったのですが^^;それでもこういう作品を通じて学校司書という仕事が知られて言ったらいいですよね。
4編に登場するどのレファレンスも面白かったですし、興味深かったです。オザケンの本については全然知らなかった。
そして今回初めて登場した山村さん。良いなー山村さんとのお喋り楽しそう。
でも楽しそうだけじゃだめだ。私もその場所へ行きたい。
山村さんと詩織の関係がとても良いですね。素敵だなーいいなー。
でも、私は2人きりでご飯食べてるならそれはデートだと思うんですけど違うんだろうか…。
また続編が出たら嬉しいです。いろんなレファレンスもどう解決していくかも読んでいきたいです。

<双葉社 2017.3>H29.7.31読了

小説 君の名は。 新海誠4

小説 君の名は。 (角川文庫)小説 君の名は。 (角川文庫)
著者:新海 誠
KADOKAWA/メディアファクトリー(2016-06-18)
販売元:Amazon.co.jp

山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。一報、東京で暮らす男子高校生・瀧も、山奥の町で自分が女子高校生になる夢を見る。やがて二人は夢の中で入れ替わっていることに気づくが――。出会うことのない二人の出逢いから、運命の歯車が動き出す。長編アニメーション『君の名は。』の、新海誠監督みずから執筆した原作小説。

明日から公開されますね。気になっていた作品なんですけど、多分観に行かないだろうなぁと思って、小説を発見したので読んでしまいました^^;
公開が明日からなのでなるべくネタバレしないようにしますが。
最初は謎なことが多くて読みにくさも感じたのですが、中盤からは気になって気になって、夢中になって読みました。
2人が入れ替わった意味。途中で何となくわかってきますが切なくて悲しくて。
入れ替わっていたという記憶が薄れていく中、忘れまいとして向かっていく2人。ガンバレ!と応援したくなりました。
もう最後が憎いですねー。良かったです。
切なくて優しい物語でした。
やっぱり映画も観ようかな。

<角川書店 2016.6>H28.8.25読了

主夫になろうよ! 佐川光晴5

主夫になろうよ!主夫になろうよ!
著者:佐川 光晴
左右社(2015-02-06)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
独身男性の10人に1人が「結婚したら主夫になりたい」、既婚男性の3人に1人が「主夫になってよい」と答える時代の、新しい生き方の提案! 家族のあり方は、家族の数ほどある!
子育ても、家事も、仕事も、楽しみながら生きる秘訣を主夫歴20年の佐川さんが伝授。
主夫の24時間を追ったドキュメント、50のQ&A、主夫目線の暮らしのエッセイなど圧倒的に楽しめる1冊。
人に見せるためじゃなく、自分のために生きようとするすべての人の背中をおしてくれます。
逆風に立ち向かったプロレスラー棚橋弘至選手(新日本プロレス)推薦! !
「偏見をブチ破るために必要なことが詰まっていました。主夫って強いよね! 」

以前すずらん本屋堂でご本人が出演されていて内容がとても気になったので読んでみました。佐川さんの名前は以前から拝見していたのですが読んだことがありませんでした。気にはなっていたんですが←
今回はエッセイ。実際に主夫をされている佐川さんのエッセイです。主夫生活を北海道新聞で連載されていたんですね。連載時期は実家にいたので新聞を多少は読んでいたはずですが知りませんでした^^;
いや〜・・・面白かったです。主夫生活についても面白かったですし主夫Q&Aの回答も面白かったです。
主夫の仕事を誇りに持っていて、奥さんと息子さんを心から愛しているそんな姿が文章からにじみ出ていました。夫婦がお互いにお互いを尊重して思いやっていて、仲が良くて^^すんごい羨ましかったです。
上手く言葉に表せないのが悔しいのですが、本当に素敵なエッセイでした。奥さんや息子さんたちの話も出てきますが良いことも悪いこともちゃんと受け止めてそれに対して全部に感謝して幸せを感じているような。
風貌はクマさんみたいな方なのに^m^本当に素敵でした。素敵しか言えないこの語彙力…。
男性の育児休暇も同じようなことが言えますけど、家事についても散々協力してと言われているのにいざしてると好奇な目で見られるって言うのは何とも矛盾していますよね。
本の中でバリバリのキャリアウーマンを目指している女子大生が早々と結婚と出産を諦めていることに驚いたと書かれているところがありました。
男女雇用機会均等法が施行されて30年近く経っているのにいまだにそう考えなければならないというのはやっぱり悲しいです。
均等なのは仕事だけではなく、主婦・主夫という仕事もちゃんと均等に認められて、主夫という仕事がもっと定着すれば良いなと思いました。
ご夫婦と編集者さんとの対談も良かった。ラブラブで可愛かったです^^

〈左右社 2015.2〉H27.4.26読了

レオナルドの扉 真保裕一5

レオナルドの扉レオナルドの扉
著者:真保 裕一
KADOKAWA/角川書店(2015-02-27)
販売元:Amazon.co.jp

イタリアの小村に住む若き時計職人ジャンは、祖父ベルナルドの技術を受け継ぎ、村の機械の故障を一手に引き受ける働き者。暇な時間は村長の息子ニッコロとともに、秘密基地で「自走車」の模型を作ったりして遊んでいた。そんなある日、村にフランス軍が侵攻し、ジャンの父であるコラードのことを聞きたいと脅される。ジャンが幼い頃に姿を消した父の失踪の理由には、どうやらレオナルド・ダ・ヴィンチが遺した秘密のノートが関わっているようで…。ナポレオン率いるフランス軍が狙うノートの在処は―!?名手が放つ、歴史冒険小説!

久しぶりの真保さん。あらすじに惹かれて手に取りました。
いやー・・・面白かったです。スペクタクル!冒険譚!という言葉が似合います。
この物語が史実に基づいている部分もあるというのも驚きですがこの物語の構想を30年も前から考えていたということに驚きでした。
始めからずっとハラハラしっぱなしでした。
ジャン達とフランス軍と謎の女性ビアンカの攻防。
みんなが狙っているものは300年前に亡くなっているレオナルドダヴィンチの遺したノート。
レオナルドダヴィンチが絵画以外にも精通していることは知っていました。コンタクトレンズの元になったものまで開発していたんですよね。
ジャンが若いのに頭が回るし熱いけど冷静だし魅力的な男の子でしたねぇ。相方のニッコロも素敵。
何度もピンチに晒されても冷静に対処する2人。ホント凄いです。
どういう展開になるのかとドキドキしましたけどスカッとしましたし、思わぬ神の御加護もあって良い気持ちで読み終えました。

〈角川書店 2015.1〉H27.4.21読了

小説図書館の主 塔の下のライブラリアン 真堂樹5

小説 図書館の主 塔の下のライブラリアン小説 図書館の主 塔の下のライブラリアン
著者:真堂 樹
朝日新聞出版(2014-05-20)
販売元:Amazon.co.jp

とある冬の日、タチアオイ図書館でいつものように和む皆のところに、黒服姿の小手川オーナーが姿をあらわした。宮本は彼女から、図書館がいまの場所に建てられたいきさつを聞くことになる―オリジナルストーリーで明かされる、「タチアオイ児童図書館」設立秘話―無愛想だけど、一流の青年司書ととっておきの一冊。

「図書館の主」の小説版です。コミックも以前から気になっていたのですがいまだに読んでいません。やっぱり図書館が舞台の小説は気になりますよね^^
コミックバージョンとどう違うのか分かりませんがこちらはこちらでとても楽しめました。不愛想だけど本の知識は豊富な御子柴。彼は良いキャラですねー。
本のため、本を好きな人のため、彼が無表情で呟く言葉の数々が良かったです。
また司書たちもとても個性的。
ラノベ感は否めませんでしたが、まだ許容範囲でした←
きっとコミックを読んだらもっと楽しめるんだろうなー。買おうかな。買っちゃおうかなー。
ただ、難点は私は児童書に詳しくないということ^^;この作品を読んで童話も児童書も民話も読まなきゃなーと思いました。
また小説も出してほしいなと思います。

〈朝日新聞出版 2014.5〉H26.9.12読了

炎立つ 伍 光彩楽土 高橋克彦5

炎立つ 伍 光彩楽土 (講談社文庫)炎立つ 伍 光彩楽土 (講談社文庫)
著者:高橋 克彦
講談社(1995-10-04)
販売元:Amazon.co.jp

朝廷に背き、蝦夷の側に身を投じて戦った父藤原経清、叔父平永衡の名を継いだ清衡は源義家の力を借りて乱を治め、藤原に姓を改めて平泉に黄金の都を築いた。堂塔を建て勅使を迎えて栄華を誇る孫の秀衡の許に源氏との宿縁が三たび影を落とす。壮大なスケールで描く、傑作歴史小説ついに完結。

まだまだ先だと思っていた観劇も明日に迫り←後半は急いで読みましたが^^;ようやく読み終えました。
1〜4巻までと5巻は雰囲気が違うなと思いました。
まあ予想はしていましたけど4巻から5巻の時代が何十年もすっ飛ばされてるから^^;
相関図を何度も見返しましたよ。
5巻は義経が登場するので大河で見た平清盛の時代もかぶっていたので読んでいて面白かったです。この時代の頃に義経はこうだったのかって繋げて言ったり。
その大河で描かれていた奥州藤原氏と義経の関係諸々が若干違ってそれも新鮮でした。
私はこちらの泰衡と義経の関係が好きでした。義家と経清の関係を彷彿とさせるような。
義家と経清だって、時代が時代ならこの2人のような関係を築けただろうに…
あ、だから生まれ変わりなのかな。あのくだりはちょっとできすぎじゃないかなとも思ったけど。でも、だったらいいなと思ったのも事実だけど。
奥州藤原氏は泰衡の代で途絶えてしまったけど、それは終わりではなく、守るためなのだという考えが藤原氏らしいなとも思いました。
泰衡は勇ましかったです。こういう闘いや考えを持っている人がこの時代にいたということは素晴らしいことだったと私は思います。
泰衡の最期の場面は私泣きながら読みました。
私はこの原作通りの史実だったら良いなと思います。
4代かけて作り上げた楽土が平泉なんですね。
5年前に行った平泉、また行きたくなりました。
でもその前に兵庫で炎立つ!
岩手も行くけど残念ながら平泉は行きませんが^^;
気持ちは平泉に行きますよ←

〈講談社 1995.10〉H26.9.12読了

炎立つ 四 冥き稲妻 高橋克彦5

炎立つ 四 冥き稲妻 (講談社文庫)炎立つ 四 冥き稲妻 (講談社文庫)
著者:高橋克彦
講談社(1995-10-15)
販売元:Amazon.co.jp

仇の子となり奥州藤原氏の栄華を開いた忍ぶ男の戦い。安倍が滅び、出羽の清原一族が治めることとなった奥六郡に藤原経清の妻結有は忘れ形見の清丸とともに留まっていた。清原の嫡子武貞の妻としてである。亡き兄と夫の志を胸に秘め敵方の一族として忍従の戦いを続ける母子の前に源義家が陸奥守として現われる。清原一族の確執が「後3年の役」の嵐を呼び起こす。

ようやく、舞台「炎立つ」の時代である4巻目を読みました。読むのが本当に辛かったです。初め東北はたなぼたで得ることができた清原一族が治めていました。経清の妻結有は憎き相手の清原へ嫁ぎ、清衡とともにいわば人質のような形で21年を過ごします。結有と清衡の耐え忍ぶ生活は本当に辛いという言葉では言い表せないほど過酷だったと思います。あまりにも長すぎる…
だからようやく時が来たと思ったときはこちらも胸が熱くなりました。
だからこそ、家衡の存在が邪魔でしょうがなかったです。本人に棟梁となる器もないのに、家衡のバックには清原一族がいるということからなかなか攻め込めなかった清衡たち。でもそれを家衡は自分の力だと過信し勘違いしたまま生きていってしまったのでしょうね。
この家衡を健君が演じなければ、私は家衡をただ憎らしい人間としか思わなかったと思います。(というか健君がそもそも出なければ読みもしなかったのだけど←そこは置いておいて)
健君がこれほど自分の役を愛おしいと思ったことはないと言った言葉を頭に思い浮かべながら読んでいました。家衡は私利私欲のためにしか動かないし清衡のことは最後まで見抜けず甘く見たまま、自分で采配をすることはなく、自分の名を名乗らずプライドだけ高いまま死んでいきました。
それでも、家衡の境遇を考えたら、完全な悪とは言えません。
この小説を読んでいて、私は鉈切り丸の範頼を思い出しました。
家衡とあの物語の範頼は頭の回転の良さも性格も全然違うけど、でも誰からも心の底から愛されることはなく、こうすることでしか生きることが出来なかったっていう境遇がにているかな。と。
家衡は結有が清原に従いますという証を出すためだけに生まれた子どもですよね。清原だって、結有のことをどこまで信じていたのか分からない。
結有も家衡を庇ったりしていましたけど、やはり慚愧の念の部分が大きかったんじゃないかな。産んでしまってごめん…っていう。
家衡のことをちゃんと理解していたのは、清衡だったのではないかなと思いました。
それにしても、清衡が楽土を築き上げるのにこれほどまでの犠牲を被っていたとは思いませんでした。これからようやく奥州藤原氏の時代が来ますね。
最終巻は義経が出てくるのでしょうか。おそらく次で滅びてしまうのだと思いますが、最後まで読んでいきたいと思います。

〈講談社 1995.10〉H26.9.6読了

炎立つ 参 空への炎 高橋克彦

炎立つ 参 空への炎 (講談社文庫)炎立つ 参 空への炎 (講談社文庫)
著者:高橋 克彦
講談社(1995-09-06)
販売元:Amazon.co.jp

大敗を喫した源頼義・義家は謀議を尽くして巻き返しをはかる。安倍一族の内紛、出羽清原氏の参戦で安倍貞任・藤原経清の苦闘がつづく。陸奥の運命を担う二人の男は大きな炎となって空を染めようとしていた。凄絶な戦いが源氏と安倍氏の存亡をかけ、戦さ場に生きる人人の愛と哀しみをたたえながら始まる。

3冊目です。まだまだだと思っていましたけど、舞台は今週末からなんですよね。私が観るのは9月なのでまだだいぶ先な印象ですけど…。
ということで多少急ぎ気味で読みました。
2冊目がとても面白かったので、今回は読むのがとても辛かったです。
日本人の悪いところですね。ちゃんと言わないと伝わらないですよ。貞任と流麗なんていくらでも修復できたはずなのに…。
この本は歴史上の前九年の役なんですよね。歴史の授業で習った気がしますがどういう闘いだったのかは全然覚えていませんでした^^;今回も資料が少なかったようで想像も多かったようですが、安倍貞任と藤原経清はこういう人物であったらいいなと思いました。私の中で経清はヒーローです。だから経清の末路は知っていたので凄く辛かったですし、悲しかったです。でもこの辛い史実を乗り越えて発展していくんですよね。
さて、次はついに舞台「炎立つ」の時代です。
心して読みます。
でも、現段階で家衡は出てきていませんが、家系的に嫌いな人物な気がします^m^
まあそこらへんも含めて、4冊目が楽しみです。

〈講談社 1995.9〉H26.8.4読了

炎立つ 弐 燃える北天 高橋克彦5

炎立つ 弐 燃える北天 (講談社文庫)炎立つ 弐 燃える北天 (講談社文庫)
著者:高橋 克彦
講談社(1995-09-06)
販売元:Amazon.co.jp

黄金の輝きが招いた戦乱を制した安倍頼良・貞任父子だが朝廷は源氏の総帥源頼義を陸奥守(むつのかみ)として任命した。安倍一族と源氏の永い宿命の戦いがいま始まる。朝廷側に身を置きながらも、蝦夷たちの真実に触れ、藤原経清(つねきよ)はもののふの心を揺さぶられる。後に「前9年の役」と歴史に記される戦いへと時は流れる。

めちゃくちゃ面白かった…!
1巻目は登場人物が誰が誰だか分からない状態だったので読むのにとても時間がかかったのですが、今回は人物が分かったので読み進められました。
安倍氏と源氏の戦い、そして朝廷側にいながらも安倍氏の血を持つ結有と夫婦となった藤原経清。もうどうなるんだろうとドキドキしながら読みました。
経清がめちゃくちゃかっこよかった…。素敵でした。朝廷側にいながら本心では安倍一族と手を結んでいる。そして双方が戦うことになったときの経清の覚悟。もうもう…惚れ惚れしてしまいます。
解説で書かれていますが藤原経清という人物の史料は本当に少ないみたいですね。1巻と2巻の中盤まではかなりの創作だそうで。創作でここまで作り上げられるのは本当に素晴らしいと思います。凄いです。
でも創作だからこそ史実とつなげていくのは難しかったそうで…
確かに腑に落ちない点もあるんですよねー。高橋さんもおっしゃっていましたが、どうして頼義は冬に戦いを挑んだのか…相手の不意を衝くためとはいえ、安倍一族の方が明らかに東北の極寒に慣れているって分かっているでしょうに…不思議です。
最後の経清が勇ましかった。でも歴史を知っているだけに切なくもなります。
奥州藤原氏の祖である清衡(現段階では清丸)も誕生しました。
次作も読むのが楽しみです。

〈日本放送出版協会 1992.12
       講談社文庫 1995.9〉H26.5.15読了

ONE 戸次重幸

ONE (ダ・ヴィンチブックス)ONE (ダ・ヴィンチブックス)
著者:戸次重幸
メディアファクトリー(2014-01-31)
販売元:Amazon.co.jp

TEAM NACS戸次重幸 一人舞台『ONE』完全書籍版!
チケット即完! 一人舞台で全国1万2千人をも動員するTEAM NACS 戸次重幸TEAM NACS SOLO PROJECT『ONE』本書はその舞台とのコラボ企画書籍! 舞台上で繰り広げられる物語と視点を変えた、6つの短編小説を著者が書き下ろし。戯曲&インタビューも収録した、完全版『ONE』。
“日本一チケットがとれない"演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバー・戸次重幸の一人舞台『ONE』。本書はその舞台とのコラボ企画書籍。オムニバス構成の舞台のサブストーリーとなる6つの短編を、戸次重幸が過去「ダ・ヴィンチ電子ナビ」で連載(2013年4月5日~)。その小説&舞台の戯曲&そして1万5千字にも及ぶロングインタビューを一挙収録。
舞台『ONE』とのコラボ書籍である本書の小説を読めば、観劇中、そして観劇後に「はっとする」「つながる」瞬間が満載。また舞台の戯曲も完全収録されているので、舞台を観ずとも、同じ体感ができる一冊に仕上がっている。『ONE』というひとつの作品が、小説版と舞台版で「視点を変えて」楽しめる、“2度、面白い"本。
短編のひとつ「チケットノルマ」は、“チケットさばき"に追われる劇団員の物語。主人公の男は、公演のチケットを売りさばく中で、ある疑問を抱く。「俺は何故、演劇を続けているのか?」。
……夢を追ってるのか? はたまた「夢」とは「普通になりたくない」だけのことなのか? 「普通」になりたくないがために、演劇に「逃げてきた」のではないか。気づかぬうちに自ら心に蓋をしていた「答え」を受け止めた末、劇団のために彼が下した決断とは……?
自らもTEAM NACSに所属する戸次本人が「これはドキュメンタリー」と語るほど、劇団事情のリアルさを織り交ぜた一編のほか、他人のSNS会話を盗み見る男、召喚された悪魔が人間の愛を知る物語など、多彩な一冊に。
みんな、そんなに偉くない。でも偉くない人たちで社会は成り立っている。戸次重幸がこの一冊に描いたのは、そんな“しようがない"愛すべき人たち。
著者初の小説。ほろ苦くて、軽快で、舞台を愛する全ての人に贈りたい13のストーリー。

V6が大好きな私が「シゲ」というとにゅーすのシゲさんを皆さん思い浮かべそうですが、私が言うシゲはこっちのシゲです^^;
TEAMNACSメンバーの一人、戸次さんです。前は佐藤さんでしたな。
北海道民でしたら5人みんな結構昔から知っていると思うんですけど、今はもう皆さん知られていますよねー道産子としては嬉しいことこの上ないです。
戸次さんはナックスの中でもイケメンと言われている人で←でも唯一の独身です^m^
シゲが独身な理由は色々テレビを見てたらなんとなくわかるけど、私はあのヲタ具合も理解できるし、ミスター残念っぷりも面白いと思うから独身なのもったいないなーと思いますけどねー。←
札幌市手稲区出身で自分で手稲区の星だと豪語しています。ちなみに余談ですがシゲとノブコブの吉村さんは同じ高校出身です。かぶってないですが。結構頭のいい高校です。
シゲを始めナックスのメンバー全員が出身である北海学園大学の卒業生は著名な方も結構います。ぱっと思い浮かぶのはニトリの社長とか^^;
ということでシゲが出した小説なら読むしかないでしょ!と思って手に取りました。でも買わなくてごめんなさい^^;
作品は短編集なのですがいやー…面白かったです。
小説と考えると荒削りで、文章も上手い!とはいえなかったですが(ごめんなさい)それが読みやすくて良かったかも。物語も面白かったです。どれも良かったなぁ。
特に好きだったのは悪魔のお話。良かったなー。
あとはタクシードライバーの強盗のお話も面白かったし、LINEをしている女性の文面が見えちゃって見てしまってそのあとの結末もびっくりして面白かったし。良かった!
この小説は短編集でもあり、シゲの一人芝居「ONE」の戯曲でもあるんですよね。
舞台気になったので調べたんですけど知ったのが遅すぎたんでしょうね、とっくに完売になっていました^^;
北海道って本当に舞台の文化がないんですよ。たまに全国公演をしてる舞台も来ますけど、本当に稀。見ている側の人たちも下手だなーと思うくらい^^;
でも、そんな舞台文化が根付いていない北海道でも7000人も動員してしまうナックスって本当に凄いんでしょうね。7000人のすごさがそれこそ道産子な私は分かりませんが。
この舞台、見たかったなー。ストーリーもキャストもなんですけど、演出が健君ファンにはお馴染みの福島カツシゲさんなんですよ。ブルーレイが出たら見たいなー。

〈メディアファクトリー 2014.1〉H26,4.24読了

炎立つ 壱 北の埋み火 高橋克彦5

炎立つ 壱 北の埋み火 (講談社文庫)炎立つ 壱 北の埋み火 (講談社文庫)
著者:高橋 克彦
講談社(1995-09-06)
販売元:Amazon.co.jp

陸奥の豪族安倍頼良(よりよし)の館では息子貞任(さだとう)の婚儀が盛大に始まった。平将門の乱が平定されてすでに100年を越え朝廷は蝦夷(えみし)たちを俘囚(ふしゅう)と悔るばかりだった。源平の武士たちの台頭を前に東北の地に黄金の楽土を築こうとした藤原氏の夢がこの夜大きな炎となって燃えあがる。著者渾身の大作歴史ロマン全5巻刊行開始!!

読みました…ものすっごく時間がかかりました。あと4冊…長い…。
って!勿論長かったですし、時代小説をあまり読まない私にとっては難しいところも多々ありましたが、面白かったです!
最初の登場人物を見ただけではもう誰が誰だかさっぱりわからなかったのですが^^;
炎立つ=奥州藤原氏というイメージしかなかったので、奥州藤原氏の名前や義経は把握してたんですが、さすがにこの時代は全くわかりませんでした。
読み終えてから奥州藤原氏の初代の父親が藤原経清だとわかりました。はーそうかそうかなるほど。全5巻ですもんね最初はそうなりますよね。えぇ。
主人公は藤原経清ですよね。腕っぷしも素晴らしいですし頭もいいですしイケメンそうですし←物語の主人公にふさわしい人だと思います。でも、歴史にはあまりこの名前は残っていないそうですね。そして人望が厚いこともうかがえました。
それにしても登任の情けないこと…ぜんっぜん関係ないですけど「軍師官兵衛」の小寺を思い出して言動にイライラしてました。保身に走るところなんてホント同じ。上に立つのがこんなんだったらやってられないですよねー。ホントに。でも経清のポジションが今の官兵衛と似てるなーと思って全然関係ないところで面白さも感じてしまったりして。昔はこういう関係性も多かったということなのでしょうか。
登任の最後はいい気味でした^m^小寺もこんな感じになればいいのにー。どうかな。
まだ1巻目では経清は独り身なのでこれからどうなっていくのか諸々気になります。
あと4冊を(私の場合は当たれば)9月までに読めばいいので気楽に読んでいきます。続けてはちょっと…無理です…。

〈日本放送出版協会 1992.12
       講談社文庫 1995.9〉H26.3.21読了

図書室のキリギリス 竹内真5

図書室のキリギリス図書室のキリギリス
著者:竹内 真
双葉社(2013-06-19)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
バツイチになったのを機に、学校司書として働きはじめた詩織。人には言えない秘密を抱える彼女のもとに、さまざなな謎が持ちこまれる。本にこめられた想いと謎を読み解くブックミステリー。
「司書室のキリギリス」高良詩織は夫が3年前に失踪し、新しい仕事をそろそろ探さなければと思っていた。そんな時に友人で音楽教師の井本つぐみから学校司書にならないかと誘いを受ける。面接を受け、合格した詩織。校長に1冊本を寄贈していただいたのだがそこには「円花蜂」と書かれていた。
「本の町のティンカー・ベル」詩織は前任の永田さんに会いに行った。永田さんは古本屋の開店に向けて忙しく働いていた。そこで詩織は永田さんが仕事を辞めた理由を聞く。
「小さな本のリタ・ヘイワース」高校生に図書室利用について説明をし、本を借りたいと言って来た女子生徒が持っていた本は外見はこの高校の判が押してあったが、中身は違う高校のものだった。貸出カードには「若菜美雨」という名前が。しかし、この名前の卒業生はいなかった。
「読書会のブックマーカー」期末テストを終え、初めて図書委員を集めて読書会を開いた。それぞれ委員の生徒たちが読んだ本について語る。
「図書室のバトンリレー」図書館の展示企画でブックマークコンテストを行うことになった。沢山の生徒や先生の本に対する想いを詩織は受け止める。そんな時、失踪していた元夫が写真の新人賞にノミネートしていることを知る。

学校図書を取り上げていただいて、ありがとうございますと言いたいです。
本好きにはたまらない作品でした。実際に出版されている本も数多く出てきて、読んだことがある本が語られているととてもうれしくなりました。
まあ、こんなにうまくいかないよね…と思うところも数多くありましたけども。
「司書室のキリギリス」だけを読み終えた段階では綺麗事ばっかりだななんて失礼ながら思っていました。でも次の章で綺麗ごとだけではなく、ちゃんと学校司書の現実を永田さんを通して言っていただいて良かったと思いました。
学校司書として勤めている知り合いが何人かいます。私の知り合いは司書の資格を持っていて、正職員として働いている人もいるので状況は違いますけど、永田さんが感じたような思いを持って働いている人もたくさんいます。
数か月前に学校司書の職員が本の購入費を癒着して逮捕されていましたよね。生活費のためだったと語っていたそうです。ネットのコメントの中には「公務員のくせにまだ金がほしいか」といった内容もありました。何も知らないくせにって思います。
もちろん罪は罪ですから悪い事です。でも、それくらい待遇が悪いというのも事実なんです。それは公共図書館も同じ。私も肩書は地方公務員でした。でも手取りは安いし交通費も出ないし手当も何も出ないしボーナスも退職金もありませんでした。本当に好きじゃないと出来ない仕事です。30が近づいてきて、私は違う道を選んでしまったけど…
そういう現実も一応ちゃんと書いてくれていたからよかったかな。でも、司書が立ち上げた企画をあそこまですんなり何でも通るかなーなんてひねくれたことも思ったけど。
でも、詩織がやりがいを感じてくれて嬉しい。きっと詩織も永田さんが感じたような焦燥感を感じる時が来ると思うけど、それでもめげずに頑張ってほしいなと思いました。

〈双葉社 2013.6〉H25.7.26読了

ローカル線で行こう! 真保裕一5

ローカル線で行こう!ローカル線で行こう!
著者:真保 裕一
講談社(2013-02-13)
販売元:Amazon.co.jp

ベストセラー『デパートへ行こう!』に続く、感涙必死の再生物語、第2弾!
県下最大のお荷物といわれる赤字ローカル線、もりはら鉄道は、廃線の瀬戸際に立たされていた。再生を図るため、前社長が白羽の矢を立てたのは……なんと新幹線のカリスマ・アテンダント。篠宮亜佐美。三十一歳、独身。
「この鉄道の経営は、素人以下です」「お金がないなら、智恵を出すのよ!」
県庁から送り込まれた鵜沢哲夫以下、もり鉄社員は戸惑うばかり。しかし、亜佐美は社長に就任するや、規格外のアイデアを連発し、鉄道と沿線の町はにわかに活気づいていく。一方、時を同じくして、列車妨害、駅の放火、台風による崖崩れと、数々の事件が亜佐美たちを襲う。そんな中、社員すべての希望をかけた「もり鉄フェスティバル」の日がやってくるが……。
赤字鉄道の再生は? 寂れた沿線の町おこしは? そして、不穏な事件の真相は? もり鉄に明日はあるのか?

この作品を読みたいと図書館で予約待ちしている間に「王様のブランチ」で真保さんがインタビューを受けているのを観ました。もう内容はすっかり忘れてしまったのですが^^;作家さんも若い人たちが増えてきて、若いもんにゃ負けん!っていう気持ちがあるとおっしゃっていたのを覚えています。
私はそこまで真保さんの作品は読んでいませんが、とても好きです。内容が濃くて重たくて読んでいて辛いものもたくさんありますが。
「デパートへ行こう」がとても好きな作品だったので再生シリーズ第2弾を楽しみにしていました。今回の舞台はローカル線で毎年2億の赤字を出す県下のお荷物と言われているもりはら鉄道。起死回生を図って新社長に抜擢されたのは31歳の女性。この女性篠宮亜佐美が本当に凄い人でした。でも、きっとこういう考えを持って働いている女性ってたくさんいるんだろうなとも思ったりして。若さを客寄せパンダと自ら言って前に立ち、頭の固いおっさんたちを口説きまくる姿勢が本当にかっこよかったです。初めはバカにされていた亜佐美でしたが、結果が伴うと徐々に職場内も商店街も信頼し協力していきます。
色々上手くいきすぎな部分もありましたけど、こういう爽快感を感じられる読書は大好きです。初めは上手くいっていなかった県庁出向の副社長鵜沢とも徐々に信頼し合っていく姿も仕事仲間っていう雰囲気が凄く好きでした。
不穏な数々の事件とその真相に関してはイイ〜〜〜!!ってなりましたけど^^;
亜佐美と鵜沢とほかもり鉄社員全員の努力で立ち向かっていった姿に感動しました。
面白かったです。

〈講談社 2013.2〉H25.4.1読了

保健室の先生は迷探偵!? 篠原昌裕4

保健室の先生は迷探偵!? (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)保健室の先生は迷探偵!? (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
著者:篠原 昌裕
宝島社(2012-08-04)
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私立高校・山瀬学園で悪質ないたずら事件が発生する。女性教師の惨殺死体を描いた油絵が、廊下に飾られたのだ。校長からの特命で、養護教諭の茂木遙は美術教師の椎名巧とともに、「殺人画」を描いた犯人を捜すことになる。遙はやる気のない椎名に辟易しながらも、極秘に調査を続けるが、やがて第2の「殺人画」が飾られ、事件は思わぬ展開をたどる。犯人は生徒なのか!?犯行の真の動機とは?―。

ネタバレあります

またまたこのミスの本です。
このタイトルを見て最初に思ったのは「名探偵保健室のおばさん」風なのか!?保健委員の男の子が登場しちゃったりするのかしら…なんて。
まあ、当たり前ですが違います。でも、妄想しちゃいますよねぇ。
とある高校で、先生が「殺された」絵が飾られ、学校内は騒然となります。そこで校長がなぜか養護教諭である茂木遥と、美術教諭である椎名巧に事件の解決を依頼します。
とにかくこの茂木先生が魅力的に感じました。
かつて高校時代に友人が名前のない悪意に晒されたとき、相手を守れるような人になりたいと思い養護教諭になることを決意します。
あまりにも真っ直ぐで素直だから、大丈夫かな?と心配になるときもありましたけど、ちゃんと冷静で俯瞰して見れる部分もあって素敵な人だなと思いました。
事件の犯人は全て読み進めていくとたくさん伏線があり、そういえば…と思うことがたくさんあって読んでいて面白かったです。
まあ、最初の犯人に関しては違うだろうなと思ったので、ふーんと思いながら読みましたけど^^;その後の真相に関しては面白かったです。
椎名先生は本当に腹の立つ奴でしたけど、最後まで読んでいくと2人はいいコンビに見えます。そして、最後の告白がたまらなくかわいかったです。
この2人はこのまま進展するのでしょうか。真相はシーナだけが知ってるのかもしれないですね^m^

〈宝島社 2012.8〉H24.9.20読了

かすてぃら 僕と親父の一番長い日 さだまさし5

かすてぃらかすてぃら
著者:さだまさし
小学館(2012-04-05)
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昭和30年代、長崎。カステラの香りに包まれた記憶の中には、明るくて、ちょっと迷惑で、それでも皆から愛された破天荒な父と、振り回された家族の姿があった――。『精霊流し』『解夏』『眉山』など、数々の名作を綴る作家・さだまさしが父に捧ぐ、「もうひとつの“精霊流し”」。フォークデュオ・グレープとして、ソロとしても『雨やどり』『関白宣言』『秋桜』『親父の一番長い日』『北の国から』など、温かな涙の果てに、涙あふれる独壇場世界を紡いできた著者の、真骨頂とも言える、初の自伝的実名小説。

母がさださんのファンなので、小さい頃からさださんの歌を聞いて育ちました。
70年代に出した曲なら大抵は歌えると思います。グレープ時代の曲も。
小さなころはただ知ってて歌えた曲でしたけど、大人になって歌詞を読み返すと、歌詞の重さに驚きます。どうしてこんなに素晴らしい深い歌が書けるのでしょう。
そう思うのだけど、さださんの本を読んでいると家庭環境が影響しているのでは…とちょっと思ったりします。
以前NHKのドラマで「精霊流し」を見たからか私のさださんのお父さんのイメージは根津甚八さんなのですが(そうなるとさださんは坂口憲二さんになってまうのだが^^;)何だかもっともっと破天荒そうですねぇ。凄すぎる。ザ・昭和の男ですね。
戦争から生きて帰ってきた人は、肝が据わっていますね。
やくざとも普通に張り合えるなんて…ぶるぶる。
そんな破天荒で肝の据わった怖いお父さんでしたけど、本当にたくさんの人に愛されていたんだろうなと思います。読んでいて私も涙が出そうでした。
生さだでお父さんが亡くなられたことを言っていた時、私も見ていました。
全てが終わった後の報告。いろいろ悩んだ末の決断だったのだと思います。
これからも変わらず、素敵な歌を歌い続けてほしいなと思います。プラス歌を歌うよりも長いトークも期待しております^m^

〈小学館 2012.4〉H24.5.4読了

希望の地図 3.11から始まる物語 重松清5

希望の地図希望の地図
著者:重松 清
幻冬舎(2012-03-09)
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「被災地」は、今……。
「震災後」の時代の始まりと、私たちの新しい一歩を描いた渾身のドキュメントノベル!
2011年3月11日。人々の価値観や生き方が、大きく変えられてしまった「あの日」。それでも人には、次の世代につなげるべきものがある。いわき、石巻、気仙沼、南三陸、釜石、大船渡、そして福島・飯舘。幾度となく被災地に足を運んだライター・田村章と、中学受験に失敗し不登校になってしまった少年。二人は、そこでどんな人に出会い、どんな涙を流し、どんな新たな幸福への道すじを見つけたのか。去ってゆく者、遺された者の物語を書き続けてきた著者が、「希望」だけでも「絶望」だけでも語れない現実を、被災地への徹底取材により紡ぎ出し、「震災後」の時代の始まりと私たちの新しい一歩を描いた渾身のドキュメントノベル!

この作品は小説ですが、主人公たちが架空の人物なだけで、彼らが向かい、出会った人たちはきっと実在の人物なのだと思います。
未曾有の大地震から1年以上が過ぎ、テレビでは当初に比べ報道がめっきり減りました。
だからと言って減った分だけ復興しているのかと言ったらそうとは言えないのだと思います。
光司はたくさんの被災地を巡ったことで、現状について、また被害にあった人達と出会った事で少しずつ変わっていきます。
きっと光司が出会った人たちは重松さんが出会って人たちで、小説に出てくるように「希望」を持って生きているのだろうと、読んでいて感じました。
皆さん凄いです。被災しても自分のためというよりも人のために生きている。自分だって辛いのに人のことを考えている。本当に、凄いなと思います。
私だったら逃げ出しているかも。自分が良いなら良いと思ってしまうかも知れない。
逃げずに闘っている皆さんが本当に凄いと思う。
改めて考えさせてくれるきっかけとなったこの作品に感謝したいと思います。

〈幻冬舎 2012.3〉H24.4.19読了

ヒート 堂場瞬一4

ヒートヒート
著者:堂場 瞬一
実業之日本社(2011-11-17)
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「山城に、世界最高記録を狙わせろ!」
「こんなレースはインチキだ――」
日本男子マラソンの長期低迷傾向に歯止めをかけるため新設された「東海道マラソン」。
神奈川県知事の指令のもと、あらゆるお膳立てがなされたレースは終盤、思いがけない展開を見せる――困難と矛盾をはらんだ「世界最高記録」をめぐる男たちの人間ドラマと、疾走感100%のレース展開を圧倒的な筆力で描ききる、著者渾身の書き下ろし長編!
箱根駅伝を描いたベストセラー『チーム』のその後を描いた、傑作陸上小説。

今年最初に読み始めた本です。テーマは男子マラソン。なんとなく時期が良いかなと思って読みました。
何だかいろんなことを言ってくれてるなぁと思ったのが最初の印象。確かに今は言っては悪いかもしれないけど男子マラソンは低迷しているのかもしれないけど、ここまでお膳立てされている大会に出るというのはすべて理解していたら出場したいとは思わないと思う。自然の状況の中で新記録を出したいっていう山城の意見はある意味ただしい。頑なすぎるけど。
気づかなかったのですが、この本って「チーム」のその後の物語だったんですね。途中山城という名前が出てきて「はて?どこかで聞いたような・・・」と思ったのですが、その作品で出てきた選手でした。
学連選抜で出てきて以降丸くなったのかと思ったらそんなことはぜーんぜんなかったんですね。でもやっぱり登場しました。浦君。山城って人の言うことを全然聞いてこなかったから心を開いた人には意外と純粋に信用するのかもしれないですね。いきなり大会に出ることを決めちゃって拍子抜けしたのだけど。
でも、走っていない私が言うのもなんだけどやっぱりこういう大会はインチキだと思う。綺麗事かもしれないけど、やっぱり日本人が優勝するためにあそこまでするっていうのはやっぱりインチキだと思うんですよねぇ。
山城の走りが凄いのは当然ですが甲本の努力が本当に素晴らしかった。欲を出したって良いよ!20代だもの!まだまだ現役ですって。
って思いながら読んでいたから甲本が大会で意外な行動をした時、音無が「目障りだ」と言ったのがショックだった。箱根を経験したランナーなのに。今まで甲本に寄り添って相談役になっていたわけじゃないのか。と、何だか裏切られた気分でした。
まあ、あれほどのプレッシャーがかかっていたらしょうがないのかなとも思うけど。
色々書いていますが面白かったんです。駅伝好き、マラソン好きには面白く読める本でした。
ただ、最後がちょっと尻切れトンボのような…。ここで終わり〜!?ってすっごくモヤモヤした感じで終わりました。それが残念。
そして話の内容とは関係ないんだけど、実業団タキタの監督。…読めば読むほど某大学の某監督のことのように感じてしょうがなかったのですが…。モデルにしたのかなぁ。

〈実業之日本社 2011.11〉H24.1.3読了

峠うどん物語 重松清5

峠うどん物語(上)峠うどん物語(上)
著者:重松 清
講談社(2011-08-19)
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峠うどん物語(下)峠うどん物語(下)
著者:重松 清
講談社(2011-08-31)
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オススメ!
市営斎場の前に建つ、一軒のうどん屋、『峠うどん』。
暖簾をくぐるのは、命の旅立ちを見届けたひとたち――。
第一章「かけ、のち月見」
野島淑子は両親が小学校の先生で祖父母はうどん屋を経営している。中学生になってもたまにうどん屋を手伝っている。しかし、両親、特に父はそれにいい顔をしない。自分と同じように教師になってほしいと思っているからだった。
クラスメートの大島のハトコが死んでしまったらしい。不良であまり顔も合わせていないため葬式に行くのが面倒くさいとぼやいていた。また、父はかつての同級生が急死し、通夜に行くことになっていた。
第二章「二丁目時代」
毎年勤労感謝の日、母は毎年かつて住んでいた地域の人たちと同窓会をしている。いつも陽気に帰ってくるのだが今回は違った。その場所に住んでいた、小さかった母をいつも可愛がってくれた岸本という男性が危篤の状態だという。
第三章「おくる言葉」
全くといっていいほど関わったことのない友島先生へ言葉を送る代表となってしまった淑子。またかつての問題児だったボーズは親の家業を継いだのだが、恩師が亡くなり、引導を渡すことになった。その大役にどうしていいか分からず、淑子の父に泣きついてくる。
第四章「トクさんの花道」
向かいの斎場で霊柩車を運転するトクさんはテレビに出演した。それがきっかけで30年以上も前に分かれた妻の今の家族から妻にあってほしいといわれる。認知症が進み、トクさんの名前をしきりに言っているのだという。
第五章「メメモン」
淑子の父のクラスのグループ学習でお葬式を学びたいというグループがあるという。その中の女の子、ミヤちゃんという子がやたらと勉強したいといっているのだという。
第六章「柿八年」
新聞の投稿で、水災害時に出してくれた柿の葉うどんの味が忘れられないという女性のものがあった。場所や時期的にもしかしたら自分の祖父ではないかと淑子は期待する。祖母に聞いてみても笑われ、的外れだったかと思ったとき、祖父とかつて同じ店で修行をしていた源さんから連絡が入る。
第七章「本年も又、喪中につき」
「峠うどん」へ向かう時、淑子は榎本先生に会った。榎本先生は町医者で、小さい頃からお世話になっている。自分が看た患者さんが亡くなったため、通夜へ行くのだ。最近良くない噂を聞いた。榎本先生の奥さんの体調が思わしくないのだという。
第八章「わびすけ」
「峠うどん」で予約席という木札を見つける。それは祖父の親友「わびすけ」が作ってくれたものだという。彼は今ヤクザになっているのだ。年末に祖父母とも風邪に倒れ、父と大掃除をしている時、黒塗りの車がやってきた。
第九章「立春大吉」
かつて祖父のうどんを食べた淑子の同級生の大島がうどん職人になると言い出した。受験が近づいている時だというのに。最近の模試の結果が良くなかったらしい。しばらく「峠うどん」で働かせてみることにした。そんな折、「みやま亭」で祖父が作ったはずの柿の葉うどんが売られていることを知り、2人は偵察に出かけることにする。
第十章「アメイジング・グレイス」
受験の前日の夜、祖母から電話があった。祖父がアメイジング・グレイスを聞きたいから、その曲が入ったCDを買ってきてほしいという。祖父がそんなことを言うのは珍しく、どうしてなのか淑子は気になった。
受験当日。淑子が試験に挑んでいる中、一人の尊い命が失われた。

重松さんの新刊です。物凄くインパクトのあるタイトルなので気になりました。
しかも上巻の表紙はどんと「峠」下巻の表紙は「うどん」と大きく書かれているんです。シンプルで良いです^^
お話は心温まる素敵なお話でした。
「峠うどん」にまつわる様々な話。それはほとんど「死」が絡んでいるのだけど、暗くなくてどこか温かく、前向きにさせてくれるようなお話でした。
私は身内のお葬式は3度出たことがありますが、全て20年以上前なのであまり記憶がありません。曾祖母と祖父2人。祖父2人は同じ年の8月と9月に亡くなりました。割と関わっていたはずなのですが、物心ついたときから2人とも病気がちで遊んだという記憶はないですね。何故か怒られた記憶は薄ぼんやりとありますが。
身内で、両親は泣いているんですけど私は泣かなかったですね。小さくてまだ良くわかっていなかったのかも。
身内だけど、死んでしまった時に泣けるか不安だったミヤちゃん。私は思い出はあまりなかったけど、ミヤちゃんは一緒に過ごした時間があるのだから、大丈夫だって思っていました。大丈夫って言う言い方もおかしいかな。
ボーズさんは生意気だったけど恩師のことは大切に想っていた事が伝わりましたし、おじいちゃんとおばあちゃんが今まで出会った人たちとの思い出が本当に素敵で、涙が出そうでした。千恵さんへ渡した柿の葉うどんも、わびすけさんとのかかわりも。おじいちゃんは語らないけど、その分発言する言葉の重みが深い。昔かたぎといえばそれまでだけど、それは大事なことだと思う。おじいちゃんとおばあちゃんの阿吽の呼吸も素敵でした。
淑子も、始めは子どもっぽさも感じましたけど、どんどん大人になって行くのが分かりました。岸本さんが亡くなりそうだということを知ったとき「しょうがない」といったのは本当にいけないことで、人はいつか死ぬというのは分かりきっているのだけど、しょうがないと割り切ることは、年が何歳だろうといってはいけないと思う。若い子ならなおさら。命は重たいんだから。
最後に淑子の同級生の死が出てきました。淑子が泣けるか分からないといっていたけど、最後の涙に私も目がうるっとしました。
2人の身体が心配だけど、「峠うどん」はずっと続けていってほしいな。
心にポッカリと穴が空いてしまった人のために、あったかなうどんをこれからも出し続けていってほしいと思いました。

〈講談社 2011.8 2011.9〉H23.9.15読了

チーム 堂場瞬一5

チーム (実業之日本社文庫)チーム (実業之日本社文庫)
著者:堂場 瞬一
実業之日本社(2010-12-04)
販売元:Amazon.co.jp
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誰のために、何を背負って、俺たちは襷をつなぐのか――。
母校代表としての箱根駅伝出場を逃した「敗れた強者」たちで構成される、<学連選抜>チームが挑む二日間、東京~箱根間往復217.9kmの苦闘と激走を描く! 俊英が迫真の筆致で書き下ろした、入魂の長編駅伝小説!

ネタバレあります

ずっと読みたいと思っていて、いつものように積読本が多くて一体いつ読めるんだろうと思っていたのですが^^;ようやく読めました。
堂場さんの作品を読むのは初めてです。
箱根がテーマでしかも、学連選抜に焦点を当てる小説なんてこれから出てこないんじゃないか!マニアックすぎて!^^;と思いずっと気になってました。
あまり語ると止まらなくなりそうなので、程々で止めるように努力しますが(できるのか?)、箱根駅伝だけではなく、学連選抜についてを書いていただいたのは、全然関係ない私ですが、凄く嬉しかったです。
学連選抜は予選会で本戦に挑めなかった大学の学生の中でタイムの早い学生が集まって、本戦を走るチーム。そのチームが出来てわずか2ヶ月くらいで本戦になります。
私も実際箱根駅伝を小さな時から見ていて、学連選抜は寄せ集めで、やはりずっと続いている伝統校や大学のチームには勝てないだろうと思っていました。
でも、学連選抜出場には大きな意味があります。シード圏内の10位以内に入ると、次の年の予選会から這い上がる大学が1チーム増えることになるからです。
シード権を取れなかった大学、また予選会をほんの少しの差で突破できなかった大学にとって大きな意味があります。
それに、文庫の対談にも書かれていましたが、数年前に学連選抜が大活躍した年があったんです。2008年、学連選抜は総合4位でフィニッシュという快挙を成し遂げたんです!次の年も9位に入っていますしね!この頃ずっと拓殖大学が数秒の差で予選会突破できなくて応援していたのですが、11位の大学の監督が学連選抜の監督になるとこの作品を読んで知り、拓大の監督だったんだなぁとちょっと今更しみじみしました。
チームはチームだけど、伝統があるわけではないからそのプレッシャーはないとかかれている部分を読んで、それもなるほどと思いました。
大学として箱根駅伝に出場したことがない選手が大学の名前と自分の名前を知らしめるためのチャンスでもあるんですよね。その学連選抜が4位と言う快挙を成し遂げた時、5区を走っていたのは上武大学の福山選手でした。上武大学が箱根駅伝を走るのは初。それに、福山選手は区間3位って言うすばらしい記録を打ち出したんです。その次の年から、学連選抜ではなく上武大学の選手として出場されました。上武大学はまだシード権は獲得したことがありませんが、予選会では常に上位で3年連続出場してるんですよ。
山の神と言われた今井選手が5区を初めて走った前の年、5区でごぼう抜きをした学連選抜の選手もいました。筑波大学の鐘ヶ江選手です。5人抜きをしたんですよ。次の年にタイムも人数も今井選手にぬかされちゃいましたけど、それでもあの走りを私は覚えています。
学連選抜はただの寄せ集めではないんですよね。同じ悔しい思いを持っていて、2ヶ月だけどチームを作って、監督もいて主将もいる。テレビで学連選抜の合宿風景が出たことがないと思うのでどういう雰囲気なのか分からないのですが、それでも私はテレビを見ているだけでも絆を感じたこともありました。
その想いや感情をこの作品が思い出させてくれた気がします。
浦選手はいい選手ですね。選手でも活躍しそうだけど、コーチとか監督としても活躍できる選手な気がします。誰もが手におえないとさじを投げた山城選手に対しても最後まで諦めなかった。大学進学から走ることの情熱を失いかけていたかつてのチームメイトだった門脇の情熱も取り戻させた。
本戦もドキドキしながら読みました。もうどこでどうなるんだろうと心配で心配で・・・。5区を門脇が走っている時に、私も門脇の大学の陸上部の人たちのように涙が出そうになりました。
1番うるっと来たのは、山城が浦に襷リレーをしたときに、背中を叩いたこと。山城がアクシデントを起こしたことで、怖いもの知らずだった山城が初めて恐怖を感じ、浦の強さを知ったことがもう何だか凄く感動してしまって。もうだめでした〜・・・。
それ以降の山城は人が変わったようでしたね。やっぱり何か挫折を味合わないとああいう選手はきっと分からない^m^ずっと腹が立った選手でしたけど、彼がキーマンとなっていて面白かったです。
最後もよかったなぁ・・・。今更だけど読んでよかったと思いました。
ただ気になったのはみんなの喋り方。仕方ないのかもしれないけど、みんな大学生とは思えない口調で、ものすっごく大人に感じた。でもまあ、箱根を走る選手っていまだに年上に見えるからいいのかな^^;
・・・あ〜あ。抑えたつもりだったけどやっぱり書いたら長くなっちゃったな^^;
箱根駅伝の話になるとエセフリークは話が止まりません。

〈実業之日本社 2008.10
         2010.12〉H23.8.16読了

ある少女にまつわる殺人の告白 佐藤青南5

ある少女にまつわる殺人の告白ある少女にまつわる殺人の告白
著者:佐藤 青南
宝島社(2011-05-06)
販売元:Amazon.co.jp
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「亜紀ちゃんの話を、聞かせてください」10年前に起きた、少女をめぐる忌わしい事件。児童相談所の元所長や小学校教師、小児科医、家族らの証言を集める男の正体とは…。哀しくも恐ろしい結末が待ち受ける!2011年『このミス』大賞優秀賞受賞作。

全て語り形式で進んでいきます。誰がインタビュアーなのか、始めは分かりません。
でも、亜紀という少女の10年前の事件についてをインタビューに答える人が語っていきます。
長峰亜紀という少女は、母親の交際相手から激しい虐待を受けており、同級生や児童相談所、小児科医などが総出で助けようとします。
どの人も言うのは亜紀という子は年の割にはしっかりしているとても可愛らしい女の子だと言うこと。そして、杉本という母親の相手が脅威だったことを語っています。
読んでいてすっかりだまされました。
そういえば少女を「めぐる」忌まわしい事件だとあらすじにもタイトルにも書いてあったんでした。
始めから読む手が止まらず、中盤で「え?どういうこと?」という状況になり、一気に最後まで読みたくなるというすっかり作者の手中にはまっていました。
そして最後の最後。まさしく「悲しくも恐ろしい結末」だと思いました。
インタビュアーの正体は最後の最後に判明し、そして頷けます。
どうりで、話をしてくれる人がいともスムーズに話をしてくれるなと思ったし、正体が分かった途端相手がなんだか態度が柔らかくなったような気がしたんです。
虐待に関しては本当に今の日本の世相を現していますよね。
亜紀の母親も、杉本も杉本の母親もおかしいです。全ては自分がかわいくて、自分の身を守りたかったんだと思います。そして、愛情のかけ方を間違ったんだと思います。
だから、負の連鎖は続き、次々と本当は幸せを掴めるはずだった人たちが巻き込まれ、不幸になっていったのだと思います。
亜紀を信じていた人たちが本当に可哀相です。でも、きっと何度も大人に裏切られた亜紀はそんなことを露ほども感じていなかったのだと思います。
児童相談所の所長が最後に下した判断は私は間違っていたと思います。
間違っていたから、被害者に被害者を重ねる結果になったのだと思います。
読んでいて怖かったです。
人との関わりが怖くなりました。人を信じることが怖くなりました。
そこまで思わせるこの作家さんは凄いと思います。
またインパクトのあるタイトルで著作が出たら、目を背けたくなりつつも読んでしまうような気がします。

〈宝島社 2011.5〉H23.8.10読了

叫びと祈り 梓崎優4

叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)
著者:梓崎 優
東京創元社(2010-02-24)
販売元:Amazon.co.jp
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「砂漠を走る船の道」斉木の仕事は勤める会社は海外の動向を分析する雑誌を発行している。今回はアフリカ大陸を何日も渡り歩き、塩を運ぶ人々に同行する事になった。目的地へ向かう途中、毒の風(シムーン)に巻き込まれ、長が亡くなる。その日の夜、別の人間が何者かに殺された。
「白い巨人(ギガンテ・ブランコ)」斉木は大学の同級生だったヨースケとサクラとともにスペインに来ていた。サクラにとってはこの場所は嫌な思い出がある。かつて付き合っていた彼女と来たこの場所で、彼女がいなくなってしまったからだ。
「凍れるルーシー」今回、斉木はロシアの修道院を訪れていた。ここにはリザヴェータという女性が250年を経てもなお、腐敗せずに当時の状態を保ったまま眠っているのだと言う。
「叫び」今回、斉木はアマゾンに来ていた。アシュリーという医師とともにアマゾンに住む民族の一つデムニの人々のところへ向かっていた。苦労してそこへたどり着くと、様子がおかしい。その地域で原因不明の病魔が襲い、ほとんどの人が亡くなっているのだという。
「祈り」僕のところに森野という男性がやってくる。彼はいろんな物語を話す。ある日、彼は僕にゲームをしようと出した。「ゴア・ドア」日本語で「祈りの洞窟」と呼ばれる場所は何故、ドア・ゴアと呼ばれているのか。それを考えてみろという。

ネタバレあります。

本屋大賞ノミネート作品と言う事で気になって読んでみました。
プロフィールを観てビックリ。私と年齢が1個しか違いませんでした。もうそういう人ばっかりなんだろうなぁ。
作品はとても面白かったです。斉木という雑誌記者が世界中を旅し、その中でいくつもの事件に巻き込まれる。
世界中の国々が登場するのでそれだけで読んでいて面白かったです。それにしても7ヶ国語も喋れる斉木自体が何者?と思ったのですが^^;
斉木が探偵役なのですが、世界でおきている事件なので動機が日本じゃありえないって思うものばかりでした。でも、その国、もしくは民族の中ではそういうこともありえるのかなと思ったり。
私が好きだったのは「白い巨人」ですかね。過程と展開が良かったなと思ったので。
ただ、サクラが彼女を見つけられなかった理由がちょっと何というか・・・だったけど。
「叫び」まではハラハラしながらも面白く読んだのだけど「祈り」は読んでいて悲しかったです。森野という人物は斉木の下の名前なのか?なんてひねくれた事も考えたのですが、僕の正体はやはり想像通りでした。
これから彼はどうなってしまうのでしょう。
若くて苦労しながらも語学力を生かして頑張っている斉木をずっと読んできたので、最後は悲しさしか残りませんでした。

〈東京創元社 2010.2〉H23.4.11読了

海炭市叙景 佐藤泰志4

海炭市叙景 (小学館文庫)海炭市叙景 (小学館文庫)
著者:佐藤 泰志
小学館(2010-10-06)
販売元:Amazon.co.jp
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海に囲まれた地方都市「海炭市」に生きる「普通のひとびと」たちが織りなす十八の人生。炭鉱を解雇された青年とその妹、首都から故郷に戻った若夫婦、家庭に問題を抱えるガス店の若社長、あと二年で停年を迎える路面電車運転手、職業訓練校に通う中年男、競馬にいれこむサラリーマン、妻との不和に悩むプラネタリウム職員、海炭市の別荘に滞在する青年…。季節は冬、春、夏。北国の雪、風、淡い光、海の匂いと共に淡々と綴られる、ひとびとの悩み、苦しみ、悲しみ、喜び、絶望そして希望。才能を高く評価されながら自死を遂げた作家の幻の遺作が、待望の文庫化。

話題に上っていたので手に取ったのですが、まさか20年以上も前の作品だとは思いませんでした。そして著者さんは90年に自殺し、もういらっしゃらない方なんですね。
以前テレビで同名の映画が公開されるということで出演した俳優さんがいました。
私がこの作品を最初に知ったのはそのときかも。
どうして20年以上前に作られた作品が今話題になっているのか。気になったのでネットで調べて見ました。
ある出版社の代表が佐藤泰志のファンで、「正当に評価されなかった作家を埋もれさせてはならない」と、刊行された今までの作品をまとめた作品集を刊行したのがそもそもの発端らしい。その作品を読んだ、佐藤泰志の故郷、函館市に住む人が読み、佐藤泰志の同級生へとつながり、映画化の企画が始まったそうです。
主となる人物は俳優さんがされていますが、市民キャストなどは函館に住んでいる方だそうで。本当に手作りの映画となったそうです。
ということで、前置きが長くなりましたが、見事映画が完成したと。
私は映画は観ていませんが、この小説を読んでいると北海道の風景が頭の中に浮かぶようでした。海炭市という地名は作られたものですが、海=漁師と炭=炭鉱を連想させる名前にしたそうですね。小説の中でどちらも出てきますが、炭鉱は特に時代の流れとともに閉山して職を失った人が多数いたと思います。
その名残がまだ残っている地域が北海道にはあります。かつて栄えていた炭鉱だから、失業した人もたくさんいたんだろうと思います。
18の作品の中には様々な人が登場しますが、どこか不幸で可哀相なイメージを持つ人ばかりが出てきます。でも、人生を諦めているわけじゃなくて、その生まれ育った街で生きていこうと思っている人ばかり。
何だかそれは、今の時代にも少し結びついているのかなと思います。だから、注目されているのもあるのかも。
時代背景は少し現代と違和感はありましたが、それでも20年前と考えて読んだらすらすらと読めます。文章も読みやすくて私は好きでした。
著者さんの作品は、6冊しか刊行されなかったそうです。
生きていれば62歳。まだまだ若いです。ずっと生きて書き続けていたらどうなっていたのだろうと、余計な事も思ったりしました。

〈小学館 2010.10〉H23.3.23読了

KAGEROU 齋藤智裕2

KAGEROUKAGEROU
著者:齋藤 智裕
ポプラ社(2010-12-15)
販売元:Amazon.co.jp
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廃墟と化したデパートの屋上遊園地のフェンス。「かげろう」のような己の人生を閉じようとする、絶望を抱えた男。そこに突如現れた不気味に冷笑する黒服の男。命の十字路で二人は、ある契約を交わす。肉体と魂を分かつものとは何か?人を人たらしめているものは何か?深い苦悩を抱え、主人公は終末の場所へと向かう。そこで、彼は一つの儚き「命」と出逢い、かつて抱いたことのない愛することの切なさを知る。水嶋ヒロの処女作、哀切かつ峻烈な「命」の物語。

私の周りの読んだ方は思ったほどではなかったと言っていたので、私も大丈夫かなぁと思っていたのですが・・・。ダメでした^^;
ストーリーは良かったんだと思います。
自殺しようとしていた人間の末路というかこういう展開もありなのかとは思いましたし、伏線も上手いと思ったんです。
でも、私は展開の問題じゃないんです。
も~・・・文章が・・・読みにくくて。というかもうちょっと上手く書けないのかと、失礼にも思ってしまった。
主人公の大東康雄は40歳と言う設定なのだけど、喋り方がどう考えても20歳前後にしか感じなかった。
そして時折見せる康雄の言葉になぜか身体が痒くなりました・・・。
多分文章の雰囲気が私には合わなかったのだと思います。
ストーリー展開は何度も言うようですが上手かったと思います。
文章が私の好きな感じだったらまた読もうと思うかも。

〈ポプラ社 2010.12〉H23.1.22読了

333のテッペン 佐藤友哉4

333のテッペン333のテッペン
著者:佐藤 友哉
新潮社(2010-11)
販売元:Amazon.co.jp
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そのテッペンで死体ハッケン、東京タワー立入禁止。数に呪われた男。謎に愛される少女。東京タワー、東京ビッグサイト、東京駅、東京スカイツリー。東京中がミステリー空間に変貌する最新・最速エンターテインメント。

333のテッペンは、「story seller」で。444のイッペンは、「story seller2」で。555のコッペンは、「story seller3」ですでに読んでいたので割愛。666のワッペンだけ読みました。
あの中島という男は結局なんだったのでしょうか・・・。
結局土江田の正体というか過去に何をしたのか分かりませんでしたねぇ。
でも、未成年の頃は本当に悪魔のようで人を殺すとか何にも躊躇がなかったんだろうけど、それでも年を重ねてあまりにも平凡な生活をする事で、1日1日を生きる事に対して穏やかさとか気持ちよさを感じられたんだろうなと思いました。
赤井さんとはどうなるんでしょうか。
年齢はちょっと離れているけど、デコボコなのがお似合いだと思います。

〈新潮社 2010.11〉H22.12.12読了

つばさものがたり 雫井脩介3

つばさものがたりつばさものがたり
著者:雫井 脩介
小学館(2010-07-29)
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君川小麦は、26歳のパティシエール。東京での修行を終え、ケーキショップを開くため故郷の北伊豆に帰ってきた。小麦の兄・代二郎と義理の姉・道恵の間には、叶夢(かなむ)という6歳の息子がいる。叶夢には、レイモンドという天使の友達がいるらしい。ケーキショップ開店のため小麦が見つけた店舗物件に対し、叶夢は「ここ、はやらないよ」「レイモンドがそう言ってる」と口にし、小麦、代二郎夫妻を戸惑わせる。しかし、結果は叶夢の言うとおりに…。さらに、帰京した小麦には家族にも明かせない秘密があった。君川家の人々は様々な困難を乗り越えながら、ケーキショップの再起を目指す。

雫井さんの作品は「クローズド・ノート」以来2冊目でした。久しぶりに読みましたが、文章が変わらず優しいですね。
今回も素敵なお話でした。この作品はファンタジーなのだろうか・・・いや、それも違うな。
読み始めは、誰に焦点を置いている作品なんだろう?と思いながら手探りで読んでいる感じでした。それで、結局小麦の話ということでいいんでしょうか。わかってない^^;
はじめ叶夢くんは、自閉症か何かなのかと思ったのですが、そうではなかったんですね。
叶夢くんの存在がとても大きかったですね。あと、レイか^^
純粋な想いが病気などに罹っているときの心を癒してくれるんですよね、きっと。
小麦は本当に可愛そうだったけど、それでも自分の好きな事を出来てよかったんじゃないかなぁ。でも、家族には辛い部分をもっと早く見せても良かった気もするけど。
あんなに素敵な家族なんだから。
道恵の想いは、読んでいる側としてはイラっとするんですけど、それでも働いているという面では対等だから仕方ないか。それに自分より年下の人が不治の病を抱えている時にどうしていいかわからないって言うのは、私は経験したことがないけど、多分そう思うのだと思う。
最後に本のタイトルの意味が心に染み入る気がしました。

〈小学館 2010.7〉H22.11.8読了

琉璃玉の耳輪 津原泰水5

琉璃玉の耳輪琉璃玉の耳輪
著者:津原 泰水
河出書房新社(2010-09-10)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
時は昭和三年―名探偵・唐草七郎の一番弟子にして閨秀の女探偵・岡田明子のもとへ舞いこんだ、摩訶不思議な依頼。「三姉妹を探して下さい。手掛かりは、三人とも左の耳に、一粒の琉璃玉が嵌った白金の耳輪をしています」阿片窟の女傑・女掏摸・生人形の少女・男装の麗人・旅芸人一座・変態性慾の男・老刑事・放蕩の貴公子…奇想天外、魑魅魍魎、百花繚乱、女探偵・岡田明子の事件簿。

津原さんの作品は初めてでした。
でも、原案は尾崎翠という方なのですね。現代の方なのかと思いきや、明治から昭和を生きた方だったんですね。
昭和初期の設定とは思えませんでした。現代を生きている女性たちの物語なのかと思いました。
そもそも、探偵が登場したりそれが女性だったり、催眠術やら最新技術やら、現代の話でもおかしくない設定が次々出てくるんですから。間違っても致し方ないと思います。
尾崎翠さんという方がどれだけ先を見越していたのか、考えると末恐ろしい気がします。
出てくる人たちもそれぞれ個性的で本当に魅力的。
どんなにひどい人でも、読む手は止まりませんでした。
その中でも1番は岡田明子という女探偵。始めは有能さを強くは感じなかったのですが、凄いです、この人。
後半の救出シーンは驚きでした。
女性だけど男らしい。回想シーンを読んでいて惚れそうになりました^m^
最後はほっとしたのだけど、それでもやりきれないところがありました。
三姉妹がこれからどうなるのかは分からないけど、それぞれ自分の好きな道で、幸せになってほしいと思いました。
お父さんと、お母さんの分まで。

〈河出書房新社 2010.9〉H22.10.27読了

さすらい猫 ノアの伝説 重松清 杉田比呂美4

さすらい猫 ノアの伝説さすらい猫 ノアの伝説
著者:重松 清
販売元:講談社
発売日:2010-08-04
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黒猫ノアがぼくたちのクラスにやってきた!5年1組の教室に、とつぜん黒猫が現れた。しかも首にミョーな風呂敷包みを巻きつけて。中の手紙にはこうあった。「あなたのクラスは黒猫ノアに選ばれました!」

久々の重松さん。児童書っぽさは出ているけど、クラス内の人間関係や心理状態の書き方はやっぱり上手いなぁと思いました。
健太がリリーが合っていると思っても、庇ったらからかわれたりして目立ってしまうから言えないって言うのも分かるし、リーダーっぽい我が儘なメグの存在とか。
でも、本当にノアが来たことで変わったと思います。
ユッコ先生の事も、自分たちの事も。
ほんのちょっとの勇気で、変わることもあるんだって、何だか勉強させられたりして。
最後はほっとする、素敵な話でした。

〈講談社 2010.8〉H22.10.17読了

デパートへ行こう! 真保裕一4

デパートへ行こう! (100周年書き下ろし)
デパートへ行こう! (100周年書き下ろし)
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驚愕の一夜
明かりの消えた深夜のデパートのあちこちに蠢く人の気配。不穏な空気が流れ出し、静かに騒ぎが始まった。
所持金143円、全てを失った男は、深夜のデパートにうずくまっていた。そこは男にとって、家族との幸せな記憶がいっぱい詰まった、大切な場所だった。が、その夜、誰もいないはずの店内の暗がりから、次々と人の気配が立ち上がってきて――。一条の光を求めてデパートに集まった人々が、一夜の騒動を巻き起こす。

ネタバレあります

タイトルからするに明るそうな本ですが、まあ真保さんの作品だから明るくはないとは分かっていましたが、よくもまあ、こんなに明るいタイトルをつけたもんだ^^;
まず登場人物が多すぎるので、まとめます。
加治川英人―会社をクビになり、派遣で食いつないできたがそこからも仕事が来なくなり、所持金も底をついた。妻と娘に逃げられ、母との思い出のあるデパートへ向かう事にした。
山添真穂―鈴膳百貨店に勤める販売員。宝飾コーナーでトップのセールスを誇っていたが、今は特選和食器コーナーに配属となっている。今日は早く上がり、ある計画を立てていた。
矢野純太郎―鈴膳の社長。デパート内で賄賂が行われていた事で窮地に立たされている。
赤羽信―鈴膳の警備員として働いている。元々は鈴膳のセールスマンだった。
半田良作―鈴膳の警備員として働いている。異動するのが嫌で正社員ではなく契約社員として働いている。鈴膳の生き字引と一目置かれている。
コージとユカ―2人は家出をしてきているらしく、コージの父親が逮捕されたらしい。2人はお金を使うだけ使って、泊まる場所も決まっていない。目の前にある鈴膳デパートへ向かう。
塚原仁士―手に怪我を追い、逃げ切れないと思ったところで目の前にはデパートが。塚原はデパートに入る。
佐々岡―宝飾コーナーに勤める。
・・・他にいたかな。夜のデパートが舞台だったので、以前読んだ「魔法があるなら」を思い出しました。
でも、今回はいろんな人が登場するから、覚えるのが大変^^;
本当にそれぞれの人たちがいろんなことを抱えていていろんな出来事に遭遇するから、いったいどうまとめるんだろうと思っていたら。
見事ですね。
この一晩で、いろんな人の運命が変わっていったのではないでしょうか。
良かったのは半田主任の事。
戦争孤児で、このデパートにお世話になったからここにいるって言う理由だけではなかったんですね。
感動しました。

〈講談社 2009.8〉H22.5.28読了

ハナシにならん!笑酔亭梅寿謎解噺2 田中啓文4

ハナシにならん!―笑酔亭梅寿謎解噺〈2〉 (集英社文庫)
ハナシにならん!―笑酔亭梅寿謎解噺〈2〉 (集英社文庫)
「蛇合草」竜二は笑酔亭梅駆として落語の頂点を極めるO−1グランプリに挑戦する。しかし結果は6人中最下位。煮え切らない結果となってしまったが、これが現実だと受け止める。今回の挑戦者は関東から3名、関西から3名。互いに互いの事を罵りあう。
「天神山」竜二は梅寿の命令で武者川原ハテナの付き人をする事になった。ハテナは元々落語家だったが、タレントに転身した人間だった。
「ちりとてちん」竜二は何故かテレビに出る事になった。内容は突撃取材。第1回目は偏屈な主人のいる豆腐屋。竜二は粘ったのだが最後までOKをもらう事ができなかった。
「道具屋」竜二はテレビ出演をきっかけにラジオのレギュラーを獲得。8分に全てを注いでいた。しかし、番組に届く手紙は苦情ばかり。一方、落語の稽古をサボっていると指摘され、竜二は猿右衛門に稽古をつけてもらう事になる。
「猿後家」梅寿は松茸芸能63周年記念興行に出演する事になった。しかし、新社長の鯉太郎は演芸場で落語を行わないようにする予定なのだという。
「抜け雀」梅寿が松茸芸能をクビになり、新事務所を立ち上げると言い出した。しかし、資金が足りない。竜二は何とかして資金を工面しようとする。そんな折、居酒屋で今業績が右肩上がりの鳥巻商事の社長に出くわした。
「親子茶屋」鳥巻社長に気に入られた竜二は笑酔亭を破門となり、独立する事になる。独演会が決まり、大きなホールで行う事になったがゲストも決まらず、客も集まらない。しかも、鳥巻社長まで雲隠れしてしまった。

第2弾です。前作は結構人が亡くなっていましたが今回は日常ミステリのよう。
竜二は相変わらず落語に励み、面倒くさい事に巻き込まれていきます。
前回より多少大人になって、名前も知られていったように思います。
今作で新事務所を立ち上げ、新しい会社を設立する事になり、これからどうなる事やらと心配になりますが、また次回作を楽しみにしています。
寄席、行ってみたいなぁ。
私も笑い転げる事ができるぐらい、理解できるかしら。。。

〈集英社 2006.8〉H21.5.6読了

サンタ・エクスプレス 季節風*冬 重松清

サンタ・エクスプレス―季節風 冬
サンタ・エクスプレス―季節風 冬
「あっつあつの、ほっくほく」仕事で女性初の管理職となった。しかし、古い考えを持つ同僚や上司に苦労する日々。私は、高校のときによくよった「カオルのおじさん」の石焼いもを思い出す。
「コーヒーをもう一杯」マンデリンを頼んだ時、かつて付き合っていた彼女の事を思い出す。大学生のときに付き合っていた、年上の女性だった。
「冬の散歩道」男は疲れきっていた。どうなってもいいと思っているところに、次から次へと男に人がよってくる。
「サンタ・エクスプレス」なっちゃんはパパとママに会いに行き、その帰り道。汽車に乗っていた。ママは子どもを生むために帰郷していた。なっちゃんはいつもお姉さんらしくしているのだが、ママの所から家に帰るときだけ、不機嫌になる。
「ネコはコタツで」父が突然亡くなった。母親は田舎で一人暮らし。元気がなくなったようで心配だった。正月に帰ると、母親はネコを飼っていた。
「ごまめ」毎年お正月は皆で過ごし、皆で初詣に行っていた。しかし、今年は違う。娘が「おめでとう」の一言もなく、彼氏と出かけてしまったのだ。
「火の用心」私は近所を回る火の用心の当番になった。高校が離れてしまったワクちゃんとともに近所を回る。一緒に周っている男性二人は知り合いのようだが、一人は気に入らない人で、もう一人は頼りなさそうだった。
「その年の初雪」泰司は雪が降るのを待っていた。この地に引っ越してきて初めての冬。そして、この地で過ごす、最後の冬。仲良しの三上には、また引越す事を伝えていなかった。
「一陽来復」離婚した。これから娘と二人暮らし。今日は豆まき。2人で豆まきの豆を買いに行く。
ひいおじいさんが死んだ。97歳だから大往生だった。自分は、ひいおじいちゃんと家族でいられたのか、考える。
私立の中学に落ちた。4月からは公立の中学に通う。父親が励まそうと豆まきをしようと提案する。
「じゅんちゃんの北斗七星」じゅんちゃんのことを久しぶりに思い出した。ずっと仲の良かったじゅんちゃん。いつも一緒だった。小学校に入ってからも、席替えをしても、何故か2人は隣どおし。じゅんちゃんが他の子と少し違う事を、僕は知っていた。
「バレンタイン・デビュー」息子の達也を刺激してはいけない。落ち込んでいる時に家族がどう対応するのか。それが大事なのだと、父は力説する。母親と娘は、そんな父を呆れた様子で見つめている。
「サクラ、イツカ、サク」先輩と一緒に僕は合格した子達に「バンザイ」と言い、お金を取っていた。一人の女の子に合格おめでとうと言うと、泣き出してしまった。先輩はお詫びにと出ている間、僕は彼女と2人きりになってしまった。

重松さんの季節風シリーズ。制覇してしまいました。
長かった。4冊読んで一体何話読んだんでしょう。
冬も良かったです。特に好きだったのは「サンタ・エクスプレス」「ネコはコタツで」「バレンタイン・デビュー」かな。
「サンタ・エクスプレス」でのなっちゃんの気持ち、何となく分かるな。私も1番上だから。お母さんの粋な計らいは感動でした。
「バレンタイン・デビュー」のお父さん、本当にバカですね〜^m^でも、子どもへの愛情がひしひしと伝わってきました。
重松さんの作品は怖かったり、イライラする人間が登場したりしますけど、人のあったかさもたくさん感じます。
今回も、良かったです^^
私の中での好きな順番は夏→冬→春→秋でしょうか。

〈文芸春秋 2008.12〉H21.3.31読了

少しだけ欠けた月 季節風*秋  重松清3

少しだけ欠けた月―季節風 秋
少しだけ欠けた月―季節風 秋
「オニババと三人の盗賊」オニババと呼ばれるお婆さんが営んでいる文房具屋がある。近所にここしか文房具が売っていないため、小学生達はここで文房具を買うしかなかった。しかし、コンビニや大きな本屋ができるとめっきり客足が遠のく。ある日、外に置いていた花火を持ち出そうとしている少年3人を見つける。万引きをしようとしたのだが、それには理由があった。
「サンマの煙」都会から田舎へ引越してきて、娘の真希はもう友達は作らないという。母である玲子は転勤族で、真希と同じように田舎へ引越してきた時、無愛想に過ごしていた。しかし、エッちゃんという女の子だけはいつもニコニコはなしかけてきた。
「風速四十米」実家のある地方に台風が上陸するようだ。ミノルは実家へ戻り、父母と一緒に過ごす事に。いつも頼もしかった父は脳梗塞で倒れて以来、一人で自由に動く事はできなくなっていた。
「ヨコヅナ大ちゃん」小学校4年の秋から6年の春まで相撲で4連覇している大ちゃんが、今回は辞退すると言っている。理由は、好きな女の子にデブだといわれたからだ。もう、出ないって決めた。しかし、他校に強敵が現れ、同級生からは懇願され、大ちゃんの心は揺れる。
「少しだけ欠けた月」今日、お父さんとお母さんは離婚する。少しだけわがままを言って、テラスで夕食を食べようと提案する。ゆっくり食べたり、たくさんお茶を飲んだりして時間を引き延ばしても、別れの時間がやってくる。3人で帰路についている時、影踏みをしようと父が提案する。
「キンモクセイ」父の認知症が進み、母と二人の暮らしが厳しくなった。妹の芙美の家族と同居する事になった。実家へ戻らず、今も東京で暮らす自分は少し、肩身が狭い。引越しの準備をしている時、キンモクセイの香りが漂っていた。
「よーい、どん!」会社で派閥争いに巻き込まれ、降格する事になった夫。夫を元気付けようと散歩に誘う。外はいい天気で、小学校の運動会が行われていた。
「ウィニングボール」飲み仲間と行きつけの居酒屋店員とで編成された草野球チーム。今まで前線全敗。試合の後に美味しい酒を飲むためにやっているようなものだった。しかし、最近、小学生くらいの少年が野次を飛ばしてくるようになった。フリーターの鶴田はその言葉が気になる。その少年は松葉杖をついていた。
「おばあちゃんのギンナン」おばあちゃんの十三回忌。美沙は久しぶりに実家に帰ってきた。離婚したばかりで、両親にも事後報告。今日も実家に泊まらずに帰る気だった。料理に出てきた茶碗蒸しの中に入っていたギンナンをみて、おばあちゃんのことを思い出す。母と一緒にギンナンを取りにいくことになる。
「秘密基地に午後七時」毎週金曜に幼馴染の5人が集まる。ある日突然桑田が秘密基地に息子を連れてきていいかと訪ねる。工藤は桑田に理由を尋ねようとする。すると、桑田は自宅に近い場所で飲もうとやや遅い時間を指定してきた。
「水飲み鳥、はばたく。」若手社員の尻拭いに終われる毎日。謝罪する場所に選んだカフェで水飲み鳥を見つける。かつて父と喫茶店に行ったことを思い出した。
「田中さんの休日」娘がカンニングをしたと言う理由で母親が学校に呼び出された。田中さんも父として同行する。そのとき、何故か「今度の日曜日に家族で出かける」ことでカンニングについては目を瞑るという。田中さんはどこへ行こうか出発しても悩んでいた。

1日で読んでしまった…。今年は抑え気味にしようと思っていたのに、中毒がまた進んできている。マズイ。他の事もせねば。
秋って、難しい季節ですよね。北海道なんて、秋はあるようなないような感じです。夏が終わったら一気に冬って言う感じだし。最近は温暖化のせいか初雪の時期は遅いけど、早かったら10月下旬には初雪が降るし。
普通に考えると、秋は…スポーツ、食欲、芸術?そんな感じでしょうか。
美味しい食べ物がたくさん収穫できる時期ではありますね^^サンマとか。大好き^^
今回も素敵な家族の話がたくさんありました。
中でもすきなのは「オニババと三人の盗賊」と「ウイニングボール」かな。
素直じゃないオニババが子ども達にしてあげた事が何だか素敵でした。
「ウイニングボール」もいいですね。男の友情ですね。女には真似できない熱いものを感じました。
40代の男性が主人公の時が多いですが、ちょっと私にとっては世代が違うんですよね。
私の両親よりは下だし、私よりは上だし。
共感できる所がちょっと少ないかな。なんて、思ったり。それは仕方ないんですけどね。

〈文芸春秋 2008.9〉H21.2.17読了

追伸 真保裕一3

追伸
追伸
単身でギリシャに赴任した悟に、一方的に離婚を切り出した妻の奈美子。
2人は手紙で、互いの思いを綴る。一緒にギリシャへ赴くはずだった矢先の奈美子に襲い掛かった不幸な事故。それが離婚に関係していると悟は感じるが奈美子は肝心な所を話そうとしない。時間が欲しいのだという。
奈美子は、祖父母の間で交わされた手紙のコピーを送る。
―約50年前、祖母は殺人の容疑で逮捕されていた。
頑なな態度を貫く祖母と、無実を信じ奔走する祖父。
ふたりの手紙には、誰も知ることのない真実が語られていた…。

読み始めは宮本輝さんの「錦繍」を想像しましたが、違いましたね。
「錦繍」も最初から最後まで綺麗な作品ではなく、人間の中にあるドロドロしたものが渦巻いている所はありました。だけど、人を思う気持ちは純粋で、2人は最後は素敵な終わり方になったのではないかなと思いました。
でも、この作品は、私は正直あまり好きにはなれませんでした。
手紙を読むのも書くのも好きなので、手紙を読むような感覚で違和感なく読めたのですが、やっぱり男女関係ってヤですね。
奈美子の祖父平瀬誠治と祖母春子の夫婦愛は好きでした。
祖父の一心の祖母へ対する愛情は素晴らしいと思いましたし、祖母の境遇も同情と言う言い方は失礼かもしれないですが、仕方なかったのかもしれないとも思えました。してはいけない事をしてしまったのですけど。
でも、特に奈美子に共感する事ができず、自分は祖母と同じと言っているのも、一緒じゃない!って思いました。
時代が違いますし、奈美子の恋愛の数々は自業自得としかいえないようにも思います。
奈美子の母親が娘にしてきた事も、娘の立場としては許せません。
自分の母親が犯してしまった罪のために、小さいころに苦労をしてきたからしてしまった行為だと思うけど、娘にだってプライバシーがあります。
まあ、注意を払っていても、娘は想像していた通りになってしまったのだけど。
誠治の不器用だけど真っ直ぐな愛が1番好きです。窮屈で息が出来なくなる時もあるかもしれないけど、ここまで愛してくれるのなら、女性は本望なんじゃないかなと思いました。

〈文芸春秋 2007.9〉H21.2.13読了

ハナシがちがう!笑酔亭梅寿謎解噺 田中啓文4

ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺 (集英社文庫)
ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺 (集英社文庫)

オススメ!
上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理やり弟子入りさせられた、金髪トサカ頭の不良少年・竜二。
大酒呑みの師匠にどつかれ、けなされて、逃げ出すことばかりを考えていたが、古典落語の魅力にとりつかれてしまったのが運のツキ。
ひたすらガマンの噺家修業の日々に、なぜか続発する怪事件!
個性豊かな芸人たちの楽屋裏をまじえて描く笑いと涙の本格落語ミステリ。

買ってからしばらく経っていたのですが、また積読になってまして^^;ようやく読みました。
雰囲気は「オチケン!」に似た雰囲気かなぁ。事件を解決していくって言うのは。テイストはもちろん全然違うけど。
一つ一つの落語の噺をわかりやすく解説してくれているのが、初心者としては嬉しかったです。
竜二は未成年ながらとても荒れていて、何度も警察のご厄介になっているらしい。
みるに見かねた高校の担任が、かつて弟子入りしていた梅寿師匠の所へ竜二を連れて行く。
竜二の師匠の梅寿は破天荒で飲んだくれで暴力的。
何なんだと思うけど、落語はやはり凄いらしい。竜二が逃げ出さずにいるのだから、そうなんだろうな。
そして、実は人情味あふれる良い人・・・らしい。
竜二の金髪を切れともいわないし、自分の息子のように実は思っているらしいし。
実は陰で竜二のために一生懸命になってるなんて、本当の父親みたい。
竜二はとっても危なっかしいけど賢いし、落語に関しては天才らしい。
落語の勉強にもなったし、続編も続々出てるようで、これからも読んでいきたいシリーズです。
解説は桂文珍さんでした。文珍さんから「タイガー&ドラゴン」の話がでるとは思わなかった。毎週見ていたらしい。やっぱり凄かったのか、あのドラマは。
私見なかったんだよねぇ。見てみたいとは思っていたんだけど。単発を見逃したから、まあいいやって思っちゃったのかも。
もうあのドラマは見れない。諸事情により^^;
あの頃、V6から1番遠ざかってたんだよなぁ・・・(遠い目)もったいない事をした。
脱線したけど。でも、あのドラマによって落語が若者に知れ渡ったのも事実。後に朝ドラにもあったしね。
この作品も、とても楽しめました。
1度、寄席に行ってみたいなぁ。

〈集英社 2006.8〉H20.11.28読了

僕たちのミシシッピ・リバー 季節風*夏 重松清4

僕たちのミシシッピ・リバー―季節風*夏
僕たちのミシシッピ・リバー―季節風*夏

「親知らず」
実家からの帰り道、親知らずが痛み始めた。こんなに痛みが出るのは久しぶりだった。息子はさっさと抜けばいいのにと簡単に言うが、歯医者には行けない、小さな頃のトラウマがあった。
「あじさい、揺れて」
10歳上の兄、晋哉の妻だった有美が再婚する事になった。兄が死んでから、久しぶりに実家にやってくる。もしかしたら会うのが最後になるかもしれない孫のため、ご馳走をつくり、おめかしをして待っていた。
「その次の雨の日のために」
教師として働くノブさんは学校を終えたあとにボランティア活動をしている。「虹の子」という不登校の生徒を受け入れる施設だ。今は亮平という男の子に手を焼いている。そろそろ引退するかと考えていた。
「ささのは さらさら」
毎年、七夕になると家族で短冊に願い事を書いていた。しかし、父は病気で死んでしまい、その行事もなくなってしまった。3年後、母親は再婚をするといい、近藤さんという男性と会うことになった。
「風鈴」
電車や車の音がうるさいがその分家賃も安い通称「新婚さんハイツ」に越してきた2人。バブルの時期にやってきた大学卒業間もない2人は、いつか結婚するつもりで同棲を始めたのだが…
「僕たちのミシシッピ・リバー」
とても仲のいいトオルとカズヤは海へ行く事になった。2人の好きな冒険を最後にしようとしていたのだ。トオルは明日、遠くへ引っ越す事が決まっていた。
「魔法使いの絵の具」
かつての幼馴染が地元に帰って来ていた。東大を卒業し、東京でバリバリと働いているはずだった。しかし、会ってみると人を見下したような話ばかり。昔はこんな人ではなかったのに…
「終わりの始まりの前に」
高校生活最後の夏。地区予選の1回戦は甲子園の常連校。勝てるはずはなかったのだが、9回、4点差で打順が回ってきた。自分が打てば展開はまたわからない。最後の1球。自分はストライクだと思っていたのに、ボールだった。
「金魚」
かつての幼馴染の三十三回忌があった。ヤマケンは川で溺れて死んだ。その原因は縁日でやった金魚すくい。ヤマケンは川に流した金魚のことが気になっていたのだ。
「べっぴんさん」
おばあちゃんが93歳で亡くなった。大往生だ。お祖母ちゃんの家へ行き、お風呂に入るといつも天花粉を身体にぬり、「ぺっぴんさんになった」と言ってくれた。
「タカシ丸」
雅也の父親は入院しており、身体もどんどん痩せて細くなっていた。誰も言わないが、父がもう助からない事は分かっていた。一時退院が認められ、雅也は父と夏休みの宿題で船を造ることになった。
「虹色メガネ」
夏休み最終日。なっちゃんはめがねを買った。なっちゃんはクラスでただ一人メガネをかけている川野さんにへんなあだ名をつけた。だから、メガネをつけて明日から学校へ行くのがイヤだった。

最近重松さんの作品をよく読んでいます。家族の形がリアルであったかくて、最近また重松さんの作品が好きになってきています。
にしても今回は「死」が多かったです。
夏がテーマなのは分かりますが、切ない話ばかりでした。
どの作品も良かったな。
大きな展開はなくって、どんでん返しもないんだけど、だからリアルで素直に読めるのかなと思います。
わかる〜と思ったのは最後の「虹色メガネ」
私も中学校2年生のときに初めてメガネをかけたのですが、一生これがないと生きていけないのかと思うと煩わしさがありましたね。変なあだなつけられたらどうしようとも思いました。
まぁ、今はレーシックをやって裸眼で過ごしているので、一生じゃなくなっちゃいましたが。

〈文芸春秋 2008.6〉H20.10.11読了

みぞれ 重松清4

みぞれ (角川文庫 し 29-6)

あなたに似た人が、ここにいる—。
幼なじみの少女が自殺未遂、戸惑いながら「死」と向き合う高校1年生の少年。
結婚7年目、セッカチな夫に最近うんざりしてきた妻。
子供がいないとつい言えなくて、一芝居うつ羽目に陥った夫婦。
どちらかがリストラされる岐路に立たされた40歳の同期社員。
晩年を迎えた父に、複雑な思いを抱く43歳の息子…。
ひたむきな人生を、暖かなまなざしでとらえた11の物語。
文庫オリジナル短編集。

重松さんの短編集。
学生が主人公でも40代の方が主人公でも、リアルなんですよね。
大きな展開があるわけでもなく、人々が現実を受け止めてちょっと前向きに生きていく。
今のままで生きていっていいのかな。って、ちょっと思うとき、この作品を読んだら、今のままでいいんだ。
小さな幸せをかみしめることができればいいんだなって、思わせてくれます。
自分の40代はまだ想像が出来ないけど、結婚して子どもがいて、バタバタと大変だけど、幸せに感じる事もある。
そんな日々が、送れたら、いいなと思う。
…20代のうちからそんなんでいいのかなとも思うけど^^;
もっと大きな夢を持っていたほうがいいかな?

〈角川書店 2008.6〉H20.10.1読了

ブルーベリー 重松清4

ブルーベリー

僕はあの頃より少しは幸せになったんだろうか。
東京に対する憧れと怯えを抱えて上京した18歳の僕。
いろんな場所で、いろんな人たちと出会い、時を過ごした。
でも、いつの間にか、会わなくなってしまった人たちがいる。
——彼らはいま、何をしているのだろう?
ちょっと寂しくて、とびきりひたむきな人たちとの、別れと出会いの物語。

重松さんの短編集。
小説家となった「私」が大学時代を過ごした80年代を振り返る。
その時代に出会った同級生や、バイト仲間、バイトでであった子ども達。
今、彼らはどのようにすごしているのだろうか。
って、40代になったら考えるようになるのかな。
結婚して、子どもを産んだりしたら物思いにふけるようになるのかな。
80年代って、いい時代だったのかなぁ。
男女雇用機会均等法って、社会で習ったなぁ。
やっぱり女性は苦労していたんだな。
ディズニーランドって、25年経ってるんだよね。
四半世紀経っているのに未だに人気が衰えていないって凄いです。
80年代って、楽しい時代だったんだろうな〜。

〈光文社 2008.4〉H20.9.25読了

ツバメ記念日 季節風*春 重松清5

ツバメ記念日―季節風*春

オススメ!
「めぐりびな」夫の両親が、娘のみゆきのために大きな雛人形を贈ってきた。そのため、古い自分の雛人形は「めぐりびな」として供養される。
しかし、この雛人形は母との大切な思い出が詰まっているのだ。
「球春」僕らの町のヒーローが、日本のヒーローになり損ねて帰ってきた。名前は野口隆也、プロ野球に3年しか在籍していなかった選手。今は家に引きこもっているのだという。野口の母校で野球をしている僕は、彼にコーチになって欲しいと思っている。
「拝復、ポンカンにて」30年前、大学進学のため上京する事になっていたカズユキ。新幹線ではなく、夜行列車で行く事にしていた。それは、少しでも両親と一緒にいたかったため。いつもと変わらぬ両親の態度に、カズユキは拍子抜けした。
「島小僧」ヒロシは4月で生まれ育った島を出て行く。大学卒業後、戻ってくるかは分からない。島に本土を結ぶ橋が出来て以来、島の様子は変わってしまった。
「よもぎ苦いか、しょっぱいか」一軒家を建てたとき、庭をつくり、休みの日は土いじりを楽しんでいる。土の匂いは、かつて自分を女で一つで育ててくれた母の匂いだった。
「ジーコロ」若手社員と営業先へ向かう途中、若いときに住んでいた場所にたどり着いた。25年前とはかなり町並みが変わっていたが、電話ボックスだけは変わらず同じ場所に佇んでいた。
「さくら地蔵」さくらに囲まれている地蔵がいる。子どものいるトラックの長距離運転手が、日本各地から桜の花びらを集め、地蔵に備えると事故を起こさないという言い伝えがある。何故、この地蔵が建立されたのかは誰も知らない。
「せいくらべ」かつては社長だった父が苦境に立たされ、今は一軒家を二等分したテラスハウスに住んでいる。隣から苦情が来てから、弟のヒロの面倒を見、一緒に留守番をしている。
「霧を往け」泥酔していた中年の男がJRのホームから転落し、それを助けようとした青年共々亡くなったと言う事故が起きた。私は青年よりも、同い年の中年の男の方が気になり、彼の実家を訪れようとしていた。
「お兄ちゃんの帰郷」東京の大学に進学し、一人暮らしをしていた兄が帰ってくる。東京にはなじめなかったらしい。かつて家庭の事情から一人暮らし、進学を断念した父は、兄に多大な期待を抱いていた。
「目には青葉」和生は6年間、成り行きで付き合い、今でも曖昧な関係を続けている翠という女性がいる。翠が今日、自宅にやってくる。今日こそは思いを伝えようと緊張していた。
「ツバメ記念日」娘の由紀へ、父が由紀が生まれたことの家族の話を書面で告白する。

またまた重松さんです。重松さんの作品は本当にあったかいです。
家族が決していつも円満で幸せな事だけじゃない。でも、やっぱり一緒にいることで、大切さやありがたみを感じるんだって言う事を、改めて教えてくれます。
テーマが春だったので、「別れ」の作品が多かったように思います。
どの作品も素敵。大好きです^^
どれが良いって、決められないくらい素敵な作品でした。
だけど、当たり前ですが、一緒にいることが当然というわけではないという事も重松作品からは伝わってきます。
だから、一緒にいる今を、大切にしようとも思います。
「夏」は書店で見ました。「秋」も「冬」もきっとあるんでしょうね。
楽しみです。

〈文芸春秋 2008.3〉H20.7.4読了

ブランケット・キャッツ 重松清4

ブランケット・キャッツ

馴染んだ毛布とともにレンタルされる猫たち。「いま」を生きる人の孤独と猫のしなやかさ。
直木賞作家が贈る7つの心温まる物語。
「花粉症のブランケット・キャット」
紀夫と有希枝には子どもがいない。互いに約束事を決め、不自由のない生活を送っていた。そこへ動物を飼おうかと2泊3日で猫を飼うことになる。
「助手席に座るブランケット・キャット」
たえ子は1年に4回、レンタル猫と一緒に旅に出る。
今回はきっと最後になるだろうと予感していた。ペットショップの店長の計らいで、すでに引退した黒猫を預けてもいいという。
「尻尾のないブランケット・キャット」
コウジは尻尾のないマンクスという種類の猫を借りる。
父親はコウジがいじめられていないかといつも問いかけ、いじめに関する資料を読み漁っていた。
「身代わりのブランケット・キャット」
認知症で、目もよく見えないおばあちゃんが数日だけ家に来る事になった。
お祖母ちゃんを喜ばせるため、かつて飼っていたロンロンの身代わりを探す。
「嫌われ者のブランケット・キャット」
ペットを内緒で飼う事とゴミの分別に関してとても厳しい大家のいるマンションで暮らす俺。
彼女のエツコが捨て猫を拾ってきた。何とかして飼う為に、大家が利用しているブランケット・キャットを手懐ける計画を立てる。
「旅に出たブランケット・キャット」
タビーは自分には何か使命があると思っていた。
今回のだらしのない飼い主から逃げ出し、旅に出る。そこへ、2人の幼い兄妹に出会った。
「我が家の夢のブランケット・キャット」
隆平はリストラされ、休職中。ローンを払えなくなり、売りに出す事に。
子ども達の夢を少しでもかなえたいと思い、猫を借りる事になった。

ブランケット・キャット。初めて知りました。
動物に関してはかなり疎い私。そういえば家で猫を飼っていた事があったと思い出しました。
もう16年位前^^;全然覚えていません。
どの作品も好きだけど特に好きなのは「旅に出たブランケット・キャット」かな。
この作品だけ猫目線。面白かったです。
何だか、人間を見下している感が面白い。
また人間の兄妹のお話もとっても可愛かったです。きっとこれから素敵な家族になれるよって、思いました^^
他の作品もとっても可愛いです。
こういうあったかい作品、重松さんは上手いですね。

〈朝日新聞社 2008.2〉H20.7.1読了

最愛 真保裕一4

最愛

小児科医の押村悟郎の携帯電話が鳴った。警視庁の刑事からだった。
18年間会っていない姉が、意識不明で救急病院に搬送されたという。
重傷の火傷、頭部にうけた銃創。
しかもそれは、伊吹という男と婚姻届を出した翌日の出来事だった。
姉のアパートで見つけた不審な預金通帳、姿を現さない新婚の夫。
噛み合わない事実、逃げる男と追う男。
「姉さん、あなたはいったい何をしていたんだ…」愛のかたちがここにある―。

切なかった…。本当に切ない。
両親の死亡により、引き裂かれてしまった姉弟。
その引き取られた先で大人に翻弄され、2人の人生が大きく変わってしまった。
もしも2人が一緒に暮らせていたら、違う人生だっただろうと思うと切なくてならない。
姉の千賀子がどう生きてきたのか弟である悟郎は調べていくんだけど、長い間はなれていても、人柄は変わっていなかった。
お姉さんである千賀子は正義感あふれる凄い人だった。
弱いものを助け、強い奴でも立ち向かう。
そして、恋愛は辛い恋を選ぶ。
読んでいて本当に警察に腹が立ったなぁ。
きれいごとばっかりだし、自分の事はかわいいから、警察の内部に関しては甘いし。
悟郎だって、お姉さんと同じように打たれ強くて凄い奴だと思いました。
お姉さんの過去にも、警察に対しても伊吹に対しても、ちゃんと向き合っていたし。
最後は綺麗でした。

〈新潮社 2007.1〉H20.4.27読了

世紀末の隣人 重松清3

世紀末の隣人 (講談社文庫)

池袋の通り魔、音羽の幼女殺人、少女監禁、カレー事件、リストラ、田舎移住、ニュータウンの三十年…。
世紀末の一年の事件は、二十一世紀のいまも「現役」。
遠くて近い隣人たちのドラマに寄り道しつつ迫ってみると、そこにはあなたとよく似た顔が―。
直木賞作家による異色ルポルタージュ。

今の世の中、奇怪な事件が相次いでいてどんどん過去の事件を忘れていってしまっている気がする。
池袋の通り魔も、春菜ちゃん殺人事件も、カレー毒物混入事件も、新潟の監禁事件も、かなり世間を騒がせたのに、今は微塵もテレビに登場しない。
未だに傷を抱えている人たちがいるのに。
それを見せ付けられる作品だったかな。
犯人の人物像について書かれていたり、事件についてもかかれていたりしました。
この中に書かれている事件ではないけど、私は光市母子殺人事件がずっと気になっています。
23日だったかな。判決が下されるんですよね、差し戻し判の。
旦那さんをいい加減解放してほしいなと思ってるんです。
途中で変な弁護団とか登場しちゃって、事件から真実が遠ざかってしまったような気がするから。

〈講談社 2003.12〉H20.4.17読了

眉山 さだまさし3

眉山 (幻冬舎文庫 さ 8-4)

東京の旅行代理店で働く咲子は、故郷の徳島で一人で暮らす母・龍子が末期癌であと数ヶ月の命と知らされる。
ちゃきちゃきの江戸っ子で、気風のいい母は、「神田のお龍」として、沢山の人々から慕われてきた。
徳島に滞在し、母を看取ろうと決心した矢先、咲子は、母が自分に言わずに「献体」を申し込んでいたことを知る。
それはなぜなのか?
やがて咲子は、母が残した箱から、まだ会ったことのない父のことと、母の想いを知っていく―。

今更ながら読みました。
さださんの作品は、風景も人間模様も綺麗ですよね。
綺麗すぎるくらい綺麗です。
なので、嫌な感じはしません。
最初から最後まで清々しいです。
誰の力も借りず、咲子と共に生きてきた気丈な母。
お母さんの生き方は、かっこいいけど真似できない。咲子の気持ちが分かります。
最後の最後が素晴らしいですね。
これは絵になるわ。
映画も、見たいなぁ。

〈幻冬舎 2004.12〉H20.3.17読了

青い鳥 重松清5

青い鳥

村内先生は中学の非常勤講師。
国語教師なのに吃音を持つ先生の、一番大切な仕事は、ただ「そばにいること」。
「ひとりぼっちじゃない」と伝えること。
いじめ、自殺、学級崩壊、児童虐待……
子どもたちの孤独にそっと寄り添い、だからこそ伝えたい思いを描く感動作。

短編集で、主人公の中学生は皆違いますが、どの作品にも村内先生という吃音を持つ先生が登場します。
主人公の子達は、心に何らかの傷を抱えています。
それは自分が原因だったり、家族だったり友達だったりするんだけど。
その心に抱えているものを、村内先生は誰よりも理解し、側にいてくれるんです。
無理強いをするわけでもなく、同情するわけでもない。
それが、尚更心にきます。
先生は、その生徒達に「間に合ってよかったなぁ。」といいます。
何らかの事件を起こしたり、自殺をする前に・・・という意味ではなくて、
「自分を嫌いになる前に」。
先生は素晴らしい人だと思います。こういう先生がいたら、学校も変わると思います。
でも、それだけ生徒の事に気付くと言う事は、先生も過去に辛い思いを強いられてきたからなのだと言う事も感じさせられます。
重松さんの書く学校の問題は読んでいて辛い部分もたくさんあるんですが、学校という隔離された場所の現状を知ることが出来ますし、考えさせられるので、もっと読みたいって、思うんですよね。

〈新潮社 2007.7〉H20.3.9読了

永遠を旅する者 ロストオデッセイ 千年の旅 重松清4

永遠を旅する者 ロストオデッセイ 千年の夢

彼は老いず、ただ去りゆくのみ。彼は死なず、ただ別れるのみ。
その寂しさ――あんたにわかるかい?
書き下ろし、700枚! 壮大なスケールで描く命の賛歌。
「主人公は、カイム。永遠の生を生きる――すなわち、死ねない男。物語の舞台はすべて、一千年の旅をしてきたカイムが訪れた「いつか、どこか」の町である。」(本文より)
――『流星ワゴン』重松清、『バガボンド』井上雄彦、『ファイナルファンタジー』坂口博信 3人の絆が生んだ重松文学の新たな試み。

ストーリーをあまり知らず、重松さんの新刊だと思って図書館で予約したのですが、借りて表紙を見てビックリ。
井上雄彦さんの挿絵ではないですか!
そして本の中身はゲームの主人公という・・・。なんとも異色な本だったのですね。
それを知って最初に思ったのは宮部みゆきさんの「ICO 霧の城」見たいな感じなのかな〜と思っていたのですが、それともちょっと違う感じなのかな。
ゲームのストーリーには基づいていなくって、主人公カイムが折々で見る、夢の話。
長く生きるときの中で出会った人々の記憶について書かれている。らしい。
最初に書かれていた前書きを読んだ時はピンと来なかったのだけど、本を読み進めているうちに製作総指揮の坂口さんの言葉を、重松さんは素晴らしい形で書き上げたんだなぁと思った。(ちょっと偉そうですが)
「一千年を生きることの哀しみが感じられるようなものにしてほしい」
私達は限りある命だから、毎日何かに追われながら生きてる。
少しでも充実で幸せな人生を送りたいから、一人ひとり、自分なりに幸せを見つけようとする。
でも、命に限りがなかったらどうかな。
きっと退屈で、人生に絶望を感じてしまうんじゃないかなと思う。
人よりも多くの死を見てきたカイムの辛さは計り知れないよね。
読んでいて、ひしひしと伝わってきました。さすが重松さんですよね。
でも一つ一つの物語が、どんな形であれ少し報われている形なのがまた、いいなと思う。
たまにはこういう作品もいいな、と思いました。

〈講談社 2007.11〉H20.3.2読了
自己紹介
苗坊と申します。
読書とV6とSnowManを愛してやまない道産子です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。過去記事にもコメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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