ネトゲ廃人で自宅警備員の俺は、親に追放されるように離島での暮らしを始める。金銭面の不安解消のためにニート仲間を集めてシェアハウスを営むうちに、ゲームの中だけにあった俺の人生は、少しずつ広がってゆき…。青い海と空のもと始まる、人生の夏休み!
ニート生活をしていた仲間たちを集めて離島での生活。色んな性格の男たちが集団生活をするからひと悶着ふた悶着あるのかなと思ったのですが、そこまででもなかったですね。基本的にみんな真面目で素直で良い子たちなんだろうなと思いました。亡き伯父が遺した建物で暮らし、近所のジジババと関わり、ニート仲間たちは変わっていきます。年齢は関係なく、青春だなーと思いました。羨ましさすら感じました^^;
無理に頑張ろうとしなくていい、一つ一つ、ゆっくりと進んでいけばいい。その言葉が胸に響きました。刹那もBJもヒロもサトシもみんな素直でまっすぐないい人たち。そして島に住むおじいちゃんとおばあちゃんの懐の広さ、優しさ、温かさに私も触れたいなーなんて思いました。
でも、最後の展開は怒涛というか予想外で、ちょっとミステリっぽかったですね。
まさかオンラインゲームが最初からかなり重要な要素であったなんて…全然気づきませんでした^^;
ハートフルな素敵な作品でした。
加納さんの作品を久しぶりに読めて嬉しかったです。
<文藝春秋 2020.8>2020.9.16読了