百貨の魔法 (ポプラ文庫 む 3-1)
村山 早紀
ポプラ社
2021-04-07


時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける――。百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される猫が織りなす、魔法のような物語!

コンビニたそがれ堂で星野百貨店が登場していたので気になって手に取りました。
以前読んだ「桜風堂ものがたり」シリーズに登場する銀河堂書店も中に入っているんですよね。こういうつながりが楽しいです。時代の流れにより百貨店が下火になり、ここも危ういのではないかとスタッフの間でうわさされている星野百貨店。それでも社員の皆さんがここに深い愛情をもって信念をもって働いている姿が本当に素敵だなと思いました。そして突然現れた新人コンシェルジュの芹沢結子の秘密。みんながどこかで見た事があるような…と思っていて、その理由ににっこりしてしまいました。
現実はとても厳しいと思うのだけど、それでもきっと星野百貨店は大丈夫とそう思える作品でした。

<ポプラ社 2017.10、2021.4>2023.8.10読了