都内の老舗ホテル勤務の続力(つづき・ちから。通称チカ)は、パーティーの招待状の宛名書きを依頼するため、書家・遠田薫の自宅兼書道教室を初めて訪ねた。
副業として手紙の代筆もしている遠田に無茶振りされ、なぜか文面を考えることになるチカ。
その後も遠田から呼び出され、代筆の片棒をかつぐうち、チカは人の思いをのせた文字と書に惹かれていく……。
この作品は新潮社(書籍)とAmazonのオーディブル(朗読)の共同企画だったそうで、朗読全編が公開された後に本が刊行されたそうです。新しい。
しをんさんが書かれる男2人組ってこんな感じだったなーと読みながらニヤニヤしてました←「月魚」とか「まほろ駅」シリーズとか思い出してました。
遠田薫はなんとなく浮世離れしていて、過去に色々あったんだろうなぁとは思いましたけど、最後の告白が激重でしたね…。書家の養子になった理由が凄すぎました…
境遇も見た目も何もかもが正反対の2人が仲良くなっていく感じが読んでいて微笑ましく読んでいました。書道に詳しくはないけど、読んでいて墨の匂いを感じるような文章が素晴らしかったです。
色々あったけど、ただただ友達としてこれからも2人には仲良くしていてほしいなと思いました。
面白かった!しをんさんの作品を読むたびに、いつも新しい世界を教わっている気がします。