大切な人と食べるごはんは特別な味がする。サンドイッチ専門店の癒しの物語
仲の良い姉妹・笹子と蕗子が営む小さなサンドイッチ専門店『ピクニック・バスケット』。
ここには悩みを抱えた人々が、心を癒す絶品サンドイッチを求めてやってくる。
ある日、蕗子はパンダのアップリケが付いた手作りのパスケースが店内に落ちているのを発見した。
密かに想いを寄せるパン職人・川端さんが持っていたものと似ている。
持ち主は誰だろうとやきもきして……。
シリーズ第3弾です。
今回は5編の連作短編でしたが、どれも素敵なお話でしたねー。
でも一貫していたのはどのお話にも少しだけ蕗子と川端さんの恋模様が書かれていることでしょうか。確か2人って両想いだったよなぁ…と思いながら読んでいたんですけど、じれったいですねー(笑)でもお互いに今までの恋愛遍歴で悩んだり傷ついたりしているから、相手に嫌われたくないが先に来ちゃうんでしょうね。毎日のように会っている2人ですし。それでもなんだかちょっとだけ進展したみたいでニヤニヤしちゃいました。多分気持ちは小野寺さんや笹子と同じだと思います^^
それぞれのお話で登場した人が別のお話で常連になっていたりするのが良いですよね。
住み慣れた街から娘夫婦の家に引っ越してきたおばあさんのお話は、娘さんが強そうだなぁと思ったけど、旦那さんが良い人で良かったなぁと思ったり、川端さんの姪が失礼なことをたくさん言ったのに親身になって考えていた姉妹が大人だなぁと思ったし←最後のお話は彼氏がなんて酷いやつなんだと思ったけど、お互いに歩み寄っているのが伝わってきて途中泣けてきたしでこのシリーズは悪い人が出てこなくて素敵だなぁと思います。
クロックムッシュですらあんまりわかっていないのにクロックマダムのことも分かって勉強になりました(笑)
このシリーズを読むと無性に美味しいパンが食べたくなりますね。
<KADOKAWA 2023.3>2023.5.14読了