治承四年(一一八〇年)。平清盛は、高倉上皇や平家一門の反対を押し切って、京から福原への遷都を強行する。清盛の息子たち、宗盛・知盛・重衡は父親に富士川の戦いでの大敗を報告し、都を京へ戻すよう説得しようと清盛邸を訪れるが、その夜、邸で怪事件が続発する。清盛の寝所から平家を守護する刀が消え、「化鳥を目撃した」という物(もの)の怪(け)騒ぎが起き、翌日には平家にとって不吉な夢を見たと喧伝していた青侍が、ばらばらに切断された屍で発見されたのだ。邸に泊まっていた清盛の異母弟・平頼盛は、甥たちから源頼朝との内通を疑われながらも、事件解決に乗り出すが……。
まさか第2弾が出るとは思いませんでした…。平頼盛が主人公の物語、面白かったんですけど清盛の3人の息子の頼盛に対する扱いがひどすぎてだんだん辟易してきましたよね…辛い。
前作の時も書きましたけど、大河ドラマの最終回で「平家は常に一蓮托生」といった頼盛もセリフを思い出していました。平家を守るために油断なくふるまう頼盛と、人の気持ちを慮ることが出来ない独りよがりな清盛と息子たちのふるまいにこの作品の後の末路を彷彿とさせましたよね。
清盛が福原に遷都して更に京都へ戻った理由がもしもこれなら平家マジでやばいよね←
この物語は清盛が60歳を過ぎているようなので、数年後、清盛がいなくなり、平家が滅亡した後の頼盛の人生も読んでみたい気がしました。
最後の文もとても気になります。
<東京創元社 2022.6>2023.4.19読了