第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキ。激しい戦火の中、画家トーベ・ヤンソンは自分を慰めるように、不思議な「ムーミントロール」の物語を描き始める。やがて戦争が終わると、本業である絵画制作に打ち込んでいくのだが、著名な彫刻家でもある厳格な父との軋轢、保守的な美術界との葛藤の中で満たされない日々を送っていた。そんな中、彼女は舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会い激しい恋に落ち…。

ムーミンが誕生するまでのことが組み込まれているのかなと思っていましたがそういう内容ではありませんでした^^;
トーベさんの半生が描かれています。最初が第二次世界大戦下で戦争物かと思わせるような描写で、トーベさんはこの時代を生きていたんだなと感じました。
トーベさんの父親が有名な彫刻家だとは知りませんでした。母親も挿絵作家で芸術一家だったんですね。弟さんはトーベさんの仕事をお手伝いするまでは関係のない仕事をしていたようですが。
主だったのはトーベさんの恋愛遍歴かなぁ^^;妻のいる男性との恋愛に夫のいる女性との恋愛。
って言葉にするとなんだかあれですが^^;赤裸々に描かれています。
でも、情熱的でもあり冷静さもあったような気がします。全ての経験を自分の血として肉として芸術に生かしている気もしました。
そして同じ芸術家同士である父親との関係。
忠告されたって自分の意思を貫きたいですよね。
トーベの芸術家としての考えを理解していないように感じた父親の、最後に知る愛には感動しました。
愛する女性との別れを決意し新たなる一歩を踏み出したところで物語は終わっていますが、この後のトーベさんの生き様も見て観たかった気がします。