これまで語られることのなかった、ウィリアム・シェイクスピア断筆後の人生。1613年、シェイクスピアは偉大な作家としてその名を知られていた。
しかしグローブ座が火事で焼け落ちるという災難に見舞われ、彼はストラットフォードに帰郷する。
そこでは、長年心の傷となっていた過去や、疎遠だった家族と向き合うことになるのだった。
そして、11歳で亡くなってしまった愛する息子を悼むため庭を造り始める。
晩年、彼が夫として、父親として抱いた複雑な思いとは。
シェイクスピアという名前を、何をした人か知らなくても誰もが聞いたことがあると思います。
名声をほしいままに地位も名誉も手に入れた人だと思っていました。それはそうなのだと思いますが、家族と20年近くも離れて暮らしていたことは知りませんでした。そして幼い息子を亡くしていたことも。
この作品は晩年が描かれていて、シェイクスピアが断筆し、故郷に帰ったその後が描かれています。
って言うか若くして断筆したということも知りませんでした。
時代だとは言えシェイクスピアが未婚のジュディスに言う言葉が聞いていて辛かったです。なぜ結婚しないのか、子供は欲しくないのか、今のお前はごくつぶしだ。辛い…
どこまでが真実かはわかりませんが、ジュディスは双子の片割れのハムネットを喪い、自分を責めて生きていたのだと思います。
旦那に少し難はあったけど^^;それ以降は問題もなかったようだし、幸せに暮らせたのかな。生まれたお子さん3人が長く生きられなかったのが残念だったけど…
登場人物は少なかったけど、シェイクスピアという人物がどういう人生を歩んできたのか訪れる人を通して理解できる、美しい作品だったと思います。