将来の夢を持っていなかった主人公・外村は、高校でピアノ調律師・板鳥に出会う。彼が調律したその音に、生まれ故郷と同じ森の匂いを感じた外村は、調律の世界に魅せられ、果てしなく深く遠い森のようなその世界に、足を踏み入れる。ときに迷いながらも、先輩調律師・柳やピアノに関わる多くの人に支えられ、磨かれて、外村は調律師として、人として、逞しく成長していく。そして、ピアニストの姉妹・和音と由仁との出会いが、【才能】に悩む外村の人生を変えることに―。
4年近く前にWOWOWで放送されていて、ずっとHDDの中で眠っていた作品です。そういうのばっかりです(笑)
この作品の舞台は雪景色の雰囲気から北海道っぽいな…なんて思いましたけど、そういえば宮下さんはトムラウシに住んでいたんでした(笑)それを忘れるくらい時間が経過していたんだな…反省^^;
原作を読んだのは7年も前になりますが、結構覚えていて、その世界観を大事に映画が作られたのだと思いました。
山崎さんは外村そのものでした。ピアノと音と調律と、そのすべての世界観に魅入られてこの世界に足を踏み入れたけど、自分はピアノが弾けるわけでもなく、調律師としてもまだまだ未熟。ずっと不安を抱えて、それでももがいて勉強して勉強してしがみついている。その姿が美しかったです。
先輩調律師の皆さんや、お客さんである和音と由仁との関わりによって表情も少しずつ豊かになっていくのも可愛かったです。
私が原作で大好きだった柳の言葉を柳がそのまま言ってくれて嬉しかったです。
「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。どんなことがあっても、そこから離れられない執念とか、闘志とか、そういうものと似てる何か。俺はそう思うことにしてるよ」
ずっとHDDに眠っていた作品。でも、私にとっては今観れて良かったのだと思います。
私も、才能は無くても「好き」という気持ちを大事にして、好きだからこそ、執念や闘志を燃やして邁進していきたいと、そう思いました。