2017年のニューヨーク。秋のサザビーズ・オークションまで6週間-。オークショニアのカペラッツォは意欲にあふれ、有力コレクターたちもざわめきだす。だが作品が出品され高値が予想されるゲルハルト・リヒターは複雑な様子だ。成功を収めるジェフ・クーンズ、世間から忘れられたラリー・プーンズらのアーティストも、アート市場にそれぞれの意見をもっている。一方で、評論家はアートの商品化を憂い、ギャラリストは市場の行く末を案じるが…。そんな彼らをよそに、アートバブルはとどまることを知らない。そして迎えるオークション当日、アートの“価値”は本当に決まるのか…?
今、現代アートがバブル期でオークションで高値で落札されているという事実をこの作品を観て知りました。現代アートは難しくて私はよくわからないと思っていましたが、アーティストやコレクター、キューレーター、オークショニアいろんな方々の視点からアートについて語られている姿を見るのは面白かったですし、価値が上がっていくのも少しだけ理解出来たような気がします。
この作品ではラリー・プーンズ、ジェフ・クーンズ、マリリン・ミンター、ゲルハルト・リヒターなどのアーティストが登場します。リヒターについては最近学ぶ機会があったので本物だ!と少しテンションが上がりました^^リヒターが自分の作品に高値が付けられることに対して苦虫をつぶしたような表情をしているのが印象的で、それもまた分かるなぁとも思いました。オークショニアやコレクターたちの言葉はちょっと引いてしまうようなギラギラ感がありましたし^^;ディーラーの女性が目立っていたな…。美術館の作品が数が多いとお目にかかる期間が短くなり倉庫で眠ってしまう。だから富裕層に購入してもらって日の目を見た方が良いに決まってる。と自信満々に言っている姿に、私は今まで考えたこともなくてそういう考え方もあるのかと思いました。でも、たくさんの人が見るのなら美術館の方が良いよなーと思ったり。難しいですね。
私は登場したアーティストではリヒターしか存じ上げなかったのですが、ラリー・プーンズの作品が印象的でした。色が線のように飛び交っているだけに見えるのに、遠くで見ると一つの景色のように見えて美しかったです。マリリン・ミンターも気になりました。ご本人も個性的ですが作品も個性的。うぉ!っと言いたくなるような官能的でどぎついものもありましたが、写真のように見えるし乳房から流れる1滴の水滴が艶めかしさを表していて美しい…とも思いました。
ジェフ・クーンズが自分は案内人でスタッフたちが作品を書いているのも印象的。当たり前ですけど書き手の描き方もそれぞれで面白かったです。