このエッセイもまた、公開の日記帳だ。前向きで後ろ向きで、頑張り屋で怠け者で、かしこく浅はか、独特な人物の日々の記録だ(前書きより)――はじめての育児に奮闘し、新しい食べ物に出会い、友人を招いたり、出かけたり――。そんな日々はコロナによって一転、自粛生活に。閉じこもる中で徐々に気が付く、世の中の理不尽や分断。それぞれの立場でNOを言っていくことの大切さ、声を上げることで確実に変わっていく、世の中の空気。食と料理を通して、2018年から2022年の4年間を記録した、人気作家・柚木麻子のエッセイ集。各章終わりには書下ろしエッセイも収載。
先に謝っておきますが、私、柚木さんがご結婚されていることもお子さんがいることも知りませんでした^^;すみません。そしてなぜか中盤までお子さんは娘さんだと思っていました…途中息子って出てきて自分の誤りに気付きました…。
柚木さんが持病によりコロナ禍の今大変だということはどこかで読んだ気がしましたが、特に2020年は怖かったですよね…。外で働く旦那さんと生活を分けないといけないし、お子さんが通う保育園は休園になるしで心も体も大変だっただろうなと思います。でも、ご本人も後日談でよくやってるなとおっしゃっていましたが、コロナ禍だからこそ今までやっていなかったことをやってみようとお子さんと色々挑戦している姿は本当に凄いなと思いました。
お子さんとの暮らしについても面白く読みましたが、政治的な発言をしているエッセイもとても興味深かったです。確かに今まで性別や職業等関係なく政治的な発言をしている人ってあまりいなかった気がするんですけど、コロナ禍になってから特に増えてきている気がします。海外に比べてこういう発言って日本は少ないと思うんですよね。だから行き過ぎやり過ぎは良くないけど意見を出し合うのは良いことだと思います。
評判が良かったという「ママは武器なんていらない」が好きでした。
あと政治の話じゃないけど、島本さんが直木賞を獲った時にそんなあほな質問をした記者がいたんですか…?受賞作「ファースト・ラヴ」ですよね…?どこに食べ物の要素が?なんで旦那さんのことを聞くの?バカじゃないの?←
柚木さんが直木賞を受賞されたときにぜひともサクラでもいいから←記者がこの質問をして柚木さんが考えた35パターンの中から会心の一撃を放ってほしいなと思います。もしくは島本さんとのやつでもいい!むしろ見たい!←柚木さんの作品は食べ物が出てくる作品が多いから尚更あほな質問をしてくる人がいそう。
私は結婚してないし子供もいないけど、元気をもらいました。面白かった!
<NHK出版 2022.10>2022.11.29読了
直木賞の質問…本当びっくりです。でも直木三十五にちなんで答えを35個も考えちゃう柚木さん最高だなぁと思いました!