オススメ!
感染症の影響を受け、望月ミチルのアルバイト先の飲食店の売上が激減。バイト代が減ってしまったミチルは家賃の安い家に移ることを余儀なくされる。そんな彼女に友人が紹介してくれたのが、40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」だった。
不安を抱えながら若葉荘の門を叩いたミチルだったが、温かく迎えてくれた管理人・トキ子さんに出会い、ここに住むことを決める。同世代の千波さんと幸子さん、50代の美佐子さんと真弓さん、何かに傷つけられ、それぞれに重荷を背負いながらも、逞しく生きる住人達との交流の中で、ミチルは自分の幸せを自分軸で探す術を身につけていく。
生きづらい世を懸命に生きる全女性へ送る人生賛歌。
ぐさぐさきました…すんごい来ました…
主人公は40歳になったばかりのミチル。ミチルが考えるあれこれがわかりみが凄すぎてちょっと胸が苦しくなりました^^;
コロナ禍が始まったころは、近くに家族がいるけど何だか寂しくて不安になったことを思い出しました。こういう時、一人だと辛いなって。だからミチルが「若葉荘」を選んだのは凄く良くわかります。私も近くにあれば住みたいと思います。住民たちの距離感がちょうど良いなと思いました。無理矢理距離を詰めようとしないで待っている感じ、凄く良いなって。ミチルはものすごく理論的で語るとめちゃくちゃ語る人だけど^^人当たりが良くていい人なのが分かる。美佐子と真弓もそれぞれ自分の人生を必死に生きてきたのが分かって言葉に重みを感じる。千波と幸子とは話し相手になりたいなと思う。ミチルと丸山の関係が凄く好きでした。こっちの距離感も良いな。最後の2人の会話が特に好き。
私はまだ30代だけど40歳は手の届くところまで来ていて。20代も30代も自分なりに考えて動いて生きてきたつもりだけど、それでも不安ばかりが募っていて。仕事も正職員で安定してはいるけど、心を無くしそうになりながら安定しているという理由だけでその場にい続けるのは正しくはないよなーと思いながら生きている。
自分の幸せを自分軸で探すって良い言葉ですね。最近見たドラマで40代の女性が言っていた「何が第2の人生よ。人生100年時代、私達、まだ半分も生きてないじゃない」って言う言葉が凄く好きで。この本を読んでいる時にその言葉を思い出していました。人は人、自分は自分と思って生きてきてはいるけど、やっぱり難しい。それでも、少しでも前向きに楽しく生きていきたいな。
<小学館 2022.9>2022.10.24読了