陰陽師 瀧夜叉姫(上) (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2012-09-20

陰陽師 瀧夜叉姫(下) (文春文庫)
夢枕 獏
文藝春秋
2012-09-20


(上)平安の都では、奇妙な出来事が次々と起きていた。巨大な蜘蛛の牽く車が姿を現わし、孕み女が、たてつづけに腹を裂かれ殺された。そんななか、顔にできた瘡が突然しゃべりだした平貞盛に晴明と博雅が呼び出される。それらは、やがて都を滅ぼす恐ろしい陰謀へと繋がって行く…。
(下)晴明と博雅は俵藤太とともに、平将門の死の謎を追ううち、将門の遺灰を盗み出した者がいたことを突き止める。事件の裏に見え隠れする将門との浅からぬ因縁。誰が、将門を復活させようとしているのか?そして、その背後に蠢く邪悪な男の正体とは?ラストまで息をつかせぬ展開と壮大なスケールで読ませる人気シリーズ長篇。

10/12、13に東京旅行をしていた時の旅のお供だった作品でした^^
陰陽師初の上下巻。「生成り姫」以来の長編…。いやー…大長編でしたね…。
上巻から不穏な感じはしていたんですよね…。平貞盛の顔に出来た瘡が都をひっくり返すほどのものになるという清明や道満。一体何が…と思ったら平将門が絡んでいたとは…びっくり。
平将門の乱も藤原純友の乱も、何となくしか覚えていないな…。それをこんな大スペクタクルの物語にさせるなんて…さすが過ぎます。面白かったです。
不穏過ぎる状態から清明たちはどう平和を取り戻すのかと思ったのだけど、清明たちも活躍しましたけど、やはり平将門と実際に関わった人たちがキーマンでしたね。俵藤太がかっこよすぎました。
そしてそんな状態の中(だからこそ?)維時と滝子の関係が素敵で、2人はこれからどうなるのかな…と思ったらいいところで終わってしまったので残念^m^
清明と博雅は目立たない感じではあったけど、博雅の言葉がヒントになったり、清明のお陰で滝子が九死に一生を得たり、活躍していましたよね。
面白かった…陰陽師の世界を久しぶりに堪能しました。

<文藝春秋 2005.8、2008.9>2022.10.13読了