解決の糸口すらつかめない3つの殺人事件。
共通点はその殺害方法と、被害者はみな過去に人を死なせた者であることだった。
捜査を進めると、その被害者たちを憎む過去の事件における遺族らが、ホテル・コルテシア東京に宿泊することが判明。
警部となった新田浩介は、複雑な思いを抱えながら再び潜入捜査を開始する――。
累計495万部突破シリーズ、総決算!
総決算ということはこちらのシリーズは今回で終わりということでしょうか…
まあ新田のことを考えたらそうなんでしょうね。
今までのシリーズの事件の内容はほとんど忘れてしまったのですが^^;それでも今回は何が起こるか分からないし、だから首謀者も犯人と呼ぶ人もそもそもいるのかもわからないような感じで、どうなるんだろうとドキドキしながら読みました。
容疑者候補である人たち以外のお客様もみんな怪しく思えてきましたよね。
殺害方法と、被害者がみな過去に人を死なせているという共通点があり、容疑者候補が全員同じ日に同じホテルに泊まるとなったらやっぱり交換殺人をまず思い浮かべちゃうかなとは思いますが。
それでもやっぱり違和感はありましたよね。本当に報復というような殺人をみんながしているのかとか、これから人を殺そうとしているのかとか。
事件の真相は切なくて、言い方が正しいか分からないけど優しさを感じました。
容疑者候補の人たちは犯人と会えるかもしれないという目的もあったと思うけど、何より標的が殺されてしまうかもしれないと心配もしていたわけですよね。そう思う人が何人もいるって優しい世界だなと思ったのが最初の感想でした。
容疑者と被害者家族はもちろん相容れない存在だと思いましたが、今回に関してはお互いのことをちゃんと知って話をしていれば、少しは未来が変わっていたんじゃないかなと思ったりもしました。全てはたらればなんですけど…。
それでも、命を落とすことがなくて良かったです。新田さんの最後の言葉が響きました。
梓警部は優秀だとは思いますけど、自分の感情に流されすぎなのが難点でしたよね。最後のあれは何ですか。そんなことを一瞬でも思ってしまうのは警察としてどうなんでしょう。盗聴器を仕掛けるとか荷物を勝手に開けようとした方がまだ警察らしくてマシだった気がします(っていう言い方もちょっとアレですけど^^;)まあ、新田警部の言葉によって今後はそんなことは決してしないだろうと思ったので良いですけど(何か上から目線)
それにしても新田警部の最後の選択は驚きましたねー。潔くてかっこいいとは思いましたけど。
だからこそ、警察でもホテルコルテシア東京でも信頼を得ていたのかなと思いますが。
番外編ででもその後の新田さんを見てみたい気もします。
<集英社 2022.4>2022.6.24読了
梓警部、いったい何なんでしょうね〜もうちょっと客観的に物事を見てほしいです(←上から目線)良いところもあるんですけどね〜
総決算なんですか…やっぱり続編はないのかなぁ。新シリーズとして続いてほしいですね。