桜風堂夢ものがたり
村山 早紀
PHP研究所
2022-01-12


「会いたかったひとに会える奇跡」があるなら、あなたは誰に会いたいですか?
小さな町の書店と、そこに関わる優しいひとびとの姿を描く、本屋大賞ノミネート『桜風堂ものがたり』最新作!
月原一整がいる桜風堂へ向かう道。
それは「会いたい人に会える」、という奇跡の起こる道。
今回も「温かい涙」が流れます!
第一話「秋の怪談」
桜風堂に月原一整がやってきたことで救われた少年・透。彼は友人たちと、町外れにある「幽霊屋敷」に冒険に出かけるのだが……
第二話「夏の迷子」
一整のかつての上司、銀河堂書店の優しい店長・柳田。彼は桜風堂書店を訪ねた帰り道で迷子になる。不安に襲われた彼に語り掛けてきた声とは。
第三話「子狐の手紙」
一整のかつての同僚、三神渚砂は桜風堂へ向かう途中、両親の離婚でもう何年も会っておらず、今は病床にいるはずの父と出会う。
第四話「灯台守」
かつて家族と哀しい別れをして天涯孤独の一整。しかし、彼と暮らす猫は、ずっと一整のことを見守っている人物の気配に気づいていた。

桜風堂ものがたりの続編!物語の続きというよりはスピンオフのような形でしたね。そしてどの章も少し不思議な物語でした。すでに人ではないものとの遭遇であったり、その場にはいない人と関わったり…。村山さんの書かれる優しい物語が大好きです。出てくる人たちが皆優しくて温かくて涙が出ました。
最後の一整の物語が良かったですね…。天涯孤独となりながらも一整なりに一生懸命生きてきて、それを父親とお姉さんはちゃんと見守っていたんですね…。優しい雰囲気にこちらも温かな気持ちになりました。
私は今はもうこの世にいない誰かに逢えるなら、祖母に逢いたいです。
亡くなってから3年が経ちました。まだ3年なのか、もう3年なのか。
今の私に、生きていた時のように「頑張ってるね」って「優しい子だねって」って言ってほしいです。

<PHP研究所 2022.1>2022.5.11読了