図書室のはこぶね
名取 佐和子
実業之日本社
2022-03-17


1冊の本と、10年前の謎――この世界が愛おしくなる、瑞々しい青春小説!
10年前に貸し出されたままだったケストナーの『飛ぶ教室』は、 なぜいま野亜高校の図書室に戻ってきたのか。
体育祭を控え校内が沸き立つなか、1冊の本に秘められたドラマが動き出す。
未来はまだ見えなくても歩みを進める高校生たちと、それぞれの人生を歩んできた卒業生たち――
海の見わたせる「はこぶね」のような図書室がつなぐ〈本と人〉の物語。
~~県立野亜高校図書室名物~~
1オリジナル検索機「本ソムリエ」
2司書の伊吹さん
3海が見わたせる窓

怪我をしたことでバレー部の引退試合に出ることが出来ず、体育祭にも参加できなくなった百瀬は友人に頼まれて1週間図書委員をすることになる。そこで出会った図書委員の朔太朗とともに10年前に貸し出しされたままの「飛ぶ教室」の謎の解明をすることになる。
百瀬はバレーに打ち込んでいた完全なる体育会系で、最初は読みながらも苦手でした^^;挨拶の仕方とか、「飛ぶ教室」を見て勝手に謎を見つけて解決しようとして個人情報云々のご時世に土足で入り込んでくるような感じが。でも、だんだんそのまっすぐさに清々しさを感じるようになりました。
10年前には百瀬の担任の郡司も絡んでいて、10年前の図書委員も絡んでいて、最終的には大ごとになったイベントに司書の伊吹さんが絡んでいることも分かり^^
人間関係って不思議。いろんなところでいろんな人が繋がっている。それは私たちも同じことで。
私、しっかり”四月病”にかかっているらしくて結構情緒不安定な状態が続いていたのですが^^;百瀬が言った「今はとにかくただ生きてるから生きる」って言葉に泣いちゃったんですよねー…前後の言葉も良かったんですけど長くなってしまうので端折りますが。私も、別に生きてるんだから、生きてていいんだよなって思えて。少しだけ前向きになれました。
百瀬と朔太朗はお互いに出会えたことで前に進めたのなら良かったな。読めて良かったです。
「飛ぶ教室」タイトルは知っていましたが未読でした。読んでみます。いつか(笑)
私、活字中毒になったのが遅いので昔からの名作とか子どもの頃に読む名作とかあまり知らないんですよね。こうやって登場すると読むきっかけが出来るのでありがたいです^^

<実業之日本社 2022.3>2022.4.21読了