「はじめて」は、いつも痛くて、少し優しい。日本エンターテインメントの最前線&最高峰!
日本を代表する4人の直木賞作家と、“小説を音楽にするユニット”YOASOBIが奇跡のコラボレーション!
小説のテーマは、「はじめて〇〇したときに読む物語」。これらの小説を原作としたYOASOBIの楽曲が、2022年中に順次配信リリースされます。
「『私だけの所有者』ーーはじめて人を好きになったときに読む物語」(島本理生)
「『ユーレイ』ーーはじめて家出したときに読む物語」(辻村深月)
「『色違いのトランプ』ーーはじめて容疑者になったときに読む物語」(宮部みゆき)
「『ヒカリノタネ』ーーはじめて告白したときに読む物語」(森絵都)
音楽と小説のコラボ、こういう試み大好きです。しかもなんて豪華な作家陣…嬉しい。
ということで読みました。
「私だけの所有者」近未来のお話。AIの手紙のみで構成されています。相手は科学者?の先生のようですが、読み進めていくうちにAIのみに何があったのか、先生は誰なのか、分かって行きます。自分が生きていくために、AIがしたことも先生がしたことも仕方がなかったのだと思います。ふたりの未来がどうなっていくのかわからないけど、良いものになれば良いなと思います。
「ユーレイ」家出をして海辺に佇んでいると同い年くらいの女の子が現れた。夏の終わりなのにノースリーブのワンピースに裸足。もしや…と思いつつも一晩を一緒に過ごすふたり。ラストが意外で笑ってしまった^^でもそれが凄く良かった。「私」は家出してるし死のうとしてるのか…?と思ったけど、本当に死ななくて良かった。多分出来なかったと思うけど、死ななくて本当に良かった。本当に、バカらしくてアホらしい(この子が、ではなく)命を捧げなくてよかった。そしていいお友達が出来て良かった。良いラストでした。
「色違いのトランプ」こちらも近未来のような世界。ドラえもんの「入りこみ鏡」やときめきトゥナイトの鏡の世界を思い出しました。向こうの世界にも自分はいて、自分だけど自分じゃない。それでも今生きている世界に違和感を感じたら、もしかしたら向こうの世界が私がいるべき世界なのではないか…と思うのも分かるような気がします。娘たちにとっては良かったのかもしれないけど、それで万事良かったのかというとそうではなくて…。2つの世界を簡単に行き来出来て、ちゃんと逢える環境になればいいな。
「ヒカリノタネ」森さんらしい甘酸っぱくて可愛いお話でした^^小学生の時に椎太好きになってから3回告白をしてすべてダメで、諦めようとしたけど諦められず4回目の告白をしようと由舞は今までの3回分の告白をなかったことにしようとタイムトラベルが出来るという特殊能力者に会いに行く。そこで過去の自分が告白しないように画策するのだが…
由舞の執念が凄い…^^;それほど好きになれるって素敵なことですよねー…しかも3回告白して失敗してるけど、振られているとはちょっと違うような感じが初めからしましたけどね^m^最後が甘酸っぱくて可愛くてきゅんきゅんしました。癒されたー。
<水鈴社 2022.2>2022.4.7読了