幼馴染みの一ノ瀬ユウナが、宙に浮いている。
十七歳の時、水難事故で死んだはずのユウナは、当時の姿のまま、俺の目の前にいる。
不思議なことだが、ユウナのお気に入りの線香花火を灯すと、俺にしか見えない彼女が姿を現すのだ。
ユウナに会うため、伝えていない気持ちを抱えながら俺は何度も線香花火に火をつける。
しかし、彼女を呼び出すことができる線香花火は、だんだんと減っていく――。

久しぶりに乙一さんの作品を読みました。
真っ白な乙一さんでしたね^^
大地君がまっすぐで良い子で、だからこそ切なくなりましたね…。
死んだユウナの方が悟っていて。でもそんなものなのかもしれないですね。遺された人たちの方がきっと迷う。
同じ死者が出てくるデビュー作とはえらい違いでしたね←
甘酸っぱい恋物語でした。
こちらは姉妹作品があるんですね。そちらも読んでみたいと思います。

<集英社 2021.9>2022.1.14読了