御坊日々
畠中 恵
朝日新聞出版
2021-11-05


明治20年。僧冬伯のもとへは困り事の相談に日々客人が訪れる。本日は店の経営不振に悩む料理屋の女将で……。僧侶兼相場師の型破りな僧侶と弟子の名コンビが、檀家たちの悩みを解決しながら、師僧の死の真相を追う。連作短編エンターテイメント!

かつて自分が世話になったお寺を相場で稼いだ金で買い戻し、僧侶としても檀家たちに寄り添う冬伯。面白いですね。始めは檀家さんがいなかったから弟子とともに割と質素に暮らしていたのだけど^^
厄介ごとが持ち込まれて解決していって、連作短編集なので解決していくごとに個性的な檀家さんが増えていくのも面白かったです。僧侶らしいお話はなくて根底にあったのは師僧が突然亡くなった真相を探るということだったんですかね。真相も含めて面白く読みました。
時代は明治20年。今大河ドラマを見ているのでこの時代について多少は知っているので^^すんなり入り込めました。
ただ気になったのは最後に外務大臣が出てきて料理屋で言葉を交わすシーンがあるんですけど、明治時20年の外務大臣って伊藤博文なんですけど、その方だって思っていいんですかね?(なぜ聞く)
物語としては大きな展開があるわけでも突飛なものもなく、その時代の庶民の日常が描かれている感じでそれも良かったです。こちらはシリーズ化されるかな。

<朝日新聞出版 2021.11>2021.12.16読了