万葉と沙羅 (文春e-book)
中江 有里
文藝春秋
2021-10-21


中学で登校拒否になった沙羅は、一年遅れで入学した通信制の高校で幼馴染だった万葉に再会。読書好きの万葉に読書の楽しさを教えられ、自分なりに本を読むように。一方で、大学に進学した万葉は、叔父さんの古本屋を手伝いながらも将来に迷いを感じていた――。
宮沢賢治「やまなし」、伊藤計劃「ハーモニー」、福永武彦「草の花」など、実際の本をあげながら描く瑞々しい連作短編集。

女優の中村有里さんが書かれた小説です。
沙羅と万葉2人の視点で描かれる青春小説だと思って読んでいました。
沙羅は凄く頑張っていると思います。それでもその頑張りが上手く両親に伝わらない。それを万葉がちゃんと言葉にして伝えてくれたのかなと思いました。
万葉も万葉で叔父さんとともに九州を旅行して自分のこれからを考えていきます。
通信制の高校ってこういう形何ですかね。大学もですが。
私は通ったことがないので新鮮な気持ちで読んでいました。
2人とも遠回りしているところもあるけど、それでもちゃんと前に進んでいて、頼もしく感じました。
そしてたくさんの小説が登場しました。
著者さんの読書量が伺えます。また書いてほしいです。

<文藝春秋 2021.10>2021.11.30読了