夜ふかしの本棚 (中公文庫)
山崎 ナオコーラ
中央公論新社
2020-10-22


作家は何を読んできたのか、それらは人生にどんな影響を与えたのか。最強の「中二病」小説、それぞれの青春時代の読書、価値観をひっくりかえされた本、国語辞典の「読み方」など……6人の小説家が自身をふり返り、おすすめの本と独得な読み方を紹介するユニークな読書案内。うち1冊は自己紹介をかねて自作をとりあげる。中日新聞/東京新聞夕刊での好評連載を書籍化。巻末には6人の執筆者へのQ&Aも収録。
●目次(執筆者と取り上げる作品)
1)中村文則 自作「教団X」/人間失格(太宰治)/砂の女(安部公房)/沖縄ノート(大江健三郎)/サラバ! (西加奈子)/俘虜記(大岡昇平)/百年の孤独(ガルシア=マルケス)/カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)/審判(カフカ)/素粒子(ウエルベック)
2)佐川光晴 自作「おれのおばさん」/吾輩は猫である(夏目漱石)/どくとるマンボウ青春記(北杜夫)/同時代の作家たち(広津和郎)/オーウェル評論集(オーウェル)/歩行者の夢想(秋山駿)/俘虜記(大岡昇平)/丸山眞男集(丸山眞男)/よろこびの日(シンガー)/忘れられた日本人(宮本常一)
3)山崎ナオコーラ 自作「ボーイミーツガールの極端なもの」/岩波国語事典/本格小説(水村美苗)/オレがマリオ(俵万智)/長野陽一の美味しいポートレイト(長野陽一)/すゞしろ日記(山口晃)/吉野葛(谷崎潤一郎)/宇宙(ポプラディア大図鑑)/フラニーとズーイ(サリンジャー)/忘れられた巨人(カズオ・イシグロ)
4)窪美澄 自作「さよなら、ニルヴァーナ」/ねむり(村上春樹)/ゆずこの形見(伊藤たかみ)/津軽(太宰治)/ミッキーは谷中で六時三十分(片岡義男)/歩道橋の魔術師(呉明益)/火宅の人(檀一雄)/花芯(瀬戸内寂聴)/楡家の人びと(北杜夫)/ナイルパーチの女子会(柚木麻子)
5)朝井リョウ 自作「武道館」/一瞬の風になれ(佐藤多佳子)/殺人出産(村田沙耶香)/神田川デイズ(豊島ミホ)/路(吉田修一)/降り積もる光の粒(角田光代)/アンダー、サンダー、テンダー(チョン・セラン)/反乱のボヤージュ(野沢尚)/ひとりずもう(さくらももこ)/雪沼とその周辺(堀江敏幸)
6)円城塔 自作「道化師の蝶」/源氏物語(紫式部)/舞姫(森鴎外)/高野聖(泉鏡花)/吾輩は猫である(夏目漱石)/羅生門(芥川龍之介)/陰翳礼讃(谷崎潤一郎)/人間失格(太宰治)/雪国(川端康成)

内容を知らずに著者さんだけ見てこの本を読み始めたのですが、作家さんが本を紹介する本だったのですね←
作家さんならではの視点で書かれている書評もあったりして面白かったです。
って、最後のページを見たら「きみに贈る本」の改題ですって。読んでましたわ(笑)でもまあ、読んだのは5年前だったのでほぼ忘れていたので新鮮な気持ちで読めて良かったです。感想も多分少しは変わっているかな。
今回1番印象的だったのは朝井さんの書評でした。「雪沼とその周辺」の書評がとても良かったです。好きでした。最後の文章がとても好きで、涙が出そうになりました。私もこれからもたくさんの読みたい本を心置きなく読んで、好きな文章に触れていたいと思います。そしていつか思わぬ場所へ辿り着く喜びに浸ることが出来たら嬉しいなと思います。
あと「反乱のボヤージュ」こちらは前回書かれていたことを何となく覚えていました。朝井さんが小学生の時に楽しみに見ていたというこのドラマを、私も見ていたからです。私は完全に人目当てで見てましたけどね^^;(オカダが主役だった)
国語で登場した文章の続きが気になってその物語を読んだという経験は私もあります。私は辻仁成さんの「海峡の光」だった気がする。

<中央公論新社 2020.10>2021.11.24読了