作・宮藤官九郎、演出・河原雅彦をむかえ、生瀬勝久、池田成志、古田新太による演劇界最強のユニット“ねずみの三銃士”が企画した「万獣こわい」。この作品は“監禁”をテーマにしつつ宮藤官九郎特有の言い回しやコミカルな表現が、劇中の異常な世界を際立たせる。また、過去、現在、そして幻想の世界を自在に行き来する河原雅彦のスタイリッシュな演出も見どころ。「この世で一番こわいのは誰か?」を問いかける衝撃作だ。
【ストーリー】東京の住宅街の古い喫茶店を買い取ったマスター(生瀬勝久)と妻の陽子(小池栄子)は店名を変え、再オープンの準備を進めていた。そんな中、制服姿の少女トキヨ(夏帆)が飛び込んでくる。彼女はヤマザキという男に8年にわたり監禁され逃げ出してきたという。家族ともども監禁されていたトキヨは、その家族が毎年ひとりずつ死んでいったことなど異常な状況を明かす。ヤマザキは逮捕され事件はひとまず解決する。7年後、長居する常連客・埜呂しんご(池田成志)や、マスターの前妻の弟ながら親しくしている馬場のぶ人(小松和重)らが出入りし、喫茶店は適度ににぎわっていた。そんな中、22歳になったトキヨが訪ねてくる。マスターらは再会を喜び、恩返しをしたいという彼女を雇うことに。数カ月後のある日、トキヨの里親・アヤセ(古田新太)が現われる。一見すると温厚だが感情の起伏が激しいアヤセの登場は、恐るべき事件の前兆だった。

作・演出の方もキャストも気になったので見てみたのでストーリーあまり知らないで見たので内容に衝撃でした…びっくり…こわ。人間こわ。
最初は可哀想な子だと思っていたトキヨ。でも、大人になって喫茶店を手伝うようになってから徐々に本性が現れ始める。陽子がお店のお金が無くなっていることに気づき、犯人はトキヨじゃないかと疑惑を持ったところから多分全てが始まった。
最初は被害者かと思っていたトキヨ。でも次第に加害者、黒幕へと変貌していきます。夏帆ちゃん凄かったです。怖かった。
そして小池さんも素晴らしかった。舞台の立ち回りも素晴らしかったけど、何よりも最後の何も言わずに静かに涙を流すところに目が離せませんでした。凄い。本当に凄い…。
陽子がトキヨを1度疑ってしまったがために最も被害を被った被害者だったな…と見終わった直後は思っていたんです。でも、皆さんの感想を見ていくうちにそれだけが真実ではないのかもしれないと思ったりもしました。可哀想だけで片付けてしまったら、どうしてツキコはのぶ人にそっくりなのだろう…
結局はトキヨだけではなく出てくる人すべてが狂っていたのだと思いました。そして狂わされていく。これは舞台で見たら迫力があっただろうな…。キャスト陣が本当に豪華。皆さん本当に上手かったなぁ…語彙力がなくてすみません。
おもしろいと一言では言えないけど面白かったです。2時間半があっという間でした。