鉄道無常 内田百里筏槝峠啝阿鯑匹
酒井 順子
KADOKAWA
2021-05-28


変わり続ける車窓風景に人生と日本を見た、 鉄道紀行界の巨星二人の軌道。鉄道は楽しい。 そして、鉄道は哀しい。
「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」内田百
「鉄道の『時刻表』にも、愛読者がいる」宮脇俊三
日本において鉄道紀行というジャンルを示した内田百痢
「なんにも用事がない」のに百里汽車で大阪に行っていた頃、普通の人にとって鉄道は、何かの用事を果たすために乗るものでした。
それから四半世紀後、異なるアプローチでそのジャンルを背負った宮脇俊三。
彼は、時刻表を小説のように愛読していたことを『時刻表2万キロ』で告白しています。
鉄道や紀行文学の歴史とともに二人の足跡をたどる1冊です。

内田百里盖槝峠啝阿發名前は拝見したことがありますが著作は読んだことがありませんでした。おふたりとも鉄道がお好きだったんですね。お二人の生涯についても知ることが出来ました。
何も用事がないけど汽車に乗って出かけてみるとか、最大級の不要不急の移動ですよね。それが鉄道好きにはたまらないものだと思うのですがそれがままならない現代は辛い時代ですよね…。でもこういう状況だからこそ、かつての鉄道好きな方に触れてみるというのも良いのかもしれません。
お二人の人となりと鉄道についての入門書として面白く読みました。

<KADOKAWA 2021.5>2021.9.21読了