白鳥とコウモリ
東野 圭吾
幻冬舎
2021-04-07


二〇一七年十一月一日。
港区海岸に止められた車の中で腹を刺された男性の遺体が発見された。
被害者は白石健介。正義感が強くて評判のいい弁護士だった。
捜査の一環で、白石の生前、弁護士事務所に電話をかけてきた男、倉木達郎を愛知県三河安城に訪ねる刑事、五代。
驚くべきことにその倉木がある日突然、自供をし始める――が。
二〇一七年東京、一九八四年愛知を繋ぐ犢霰鬮瓩、人々を新たな迷宮へと誘う—。

悪い評判を聞かない弁護士が何者かに殺害された。
捜査は難航するかに思えたが、愛知県に住む倉木という男が捜査線上に浮かび、問い詰めるとあっさりと自供を始める。そしてそれは被害者家族、加害者家族にも影響を及ぼしていく。
五代刑事と中町刑事も活躍しますが、どちらかというと白石の娘美令と倉木の息子和真の活躍の方が引き立っていましたね。一般人だからこそ、加害者被害者家族だからこそ動けたこともあったんだろうなと思います。本のタイトル「白鳥とコウモリ」という言葉が1度だけ登場しますが、こういう意味だったのかと納得しました。そしてその意味が途中でひっくり返るというか覆されるというか…
この間原作を読んで、ドラマも見た「黒鳥の湖」を思いました。まさに因果応報という言葉がぴったりの事件でした。連鎖というものは何年も何十年経っても続くものは続くのだと考えさせられましたね。
美令と和真の関係は真反対で、本当なら憎むべき相手なのかもしれないけど、根底にある「父はそんなことはしない(言わない)」という共通点から事件について調べていくのが頼もしかったです。
分厚い本でしたが読む手が止まらず一気読みでした。

<幻冬舎 2021.4>2021.9.20読了