エレジーは流れない
三浦 しをん
双葉社
2021-04-21


海と山に囲まれた餅湯温泉。団体旅行客で賑わっていたかつての面影はとうにない。
のどかでさびれた町に暮らす高校2年生の怜は、複雑な家庭の事情、迫りくる進路選択、自由奔放な友人たちに振りまわされ、悩み多き日々を送っている。
そんななか、餅湯博物館から縄文式土器が盗まれたとのニュースが……。

面白かった!!!しをんさんさすがです!見事な素敵な青春小説でした!
男子高校生たちのバカな会話が読んでいて面白かったなー。しをんさんの言葉選びや文章が本当に大好きで、それが見事にあっているというか…
のどかでさびれた町だけど観光地でもあって、だから家業があって継ぐことが決まっている人もいればのんべんだらりと将来のことを考えている人もいる。人それぞれ。その人それぞれの悩みがちらちらと出てくる感じがなんだか良かったです。
怜はなんでもそつなくこなしていて、きっと器用なんでしょうね。それが長所でもあり短所でもありという感じでしょうか。
お母さんが2人いて、聞きたいことはたくさんあるけどお母さんたちが何も言わないから聞かない。聞けばいいのになんて思ってしまってごめん^^;
真実は意外とさらりと明かされるわけだけど、本当に純情で素直な子だな怜は…
このバカで素直で友達想いな高校生たちがどんな未来を描いていくのか見てみたいなぁと思って読み終えました。

<双葉社 2021.4>2021.8.2読了