失われたものたちの本 (創元推理文庫)
ジョン・コナリー
東京創元社
2021-03-11


第二次世界大戦下のイギリス。本を愛する12歳のデイヴィッドは、母親を病気で亡くしてしまう。孤独に苛まれた彼はいつしか本の囁きを聞いたり、不思議な王国の幻を見たりしはじめる。ある日、死んだはずの母の声に導かれて、おとぎ話の登場人物や神話の怪物たちが蠢く、美しくも残酷な物語の世界の王国に迷い込んでしまう。元の世界に戻るため『失われたものたちの本』を探す旅に出るが……。少年の謎に満ちた旅路と、困難を乗り越えて成長する姿を描く異世界冒険譚。

タイトルが気になって手に取りました。
内容としてはファンタジーだと思うのですがそこに私たちが幼いころから読んできたぐりム童話がちりばめられていて面白いです。ただ、私たちが知っているはずの物語が、この世界では少し違うお話になっていて、そこがダークというか大人向けの物語にさせている気がします。特に赤ずきんちゃんとかヤバくないか?(笑)まあもともとグリム童話は残酷さもあるのでそこは許容範囲ではありましたが。
いきなり見知らぬ世界に来ることになって命を狙われて、デイヴィッドが出会ったきこりや騎士ローランドがかっこよかったですね。2人に会えてよかった。
初めはオドオドしていた少年が一人で立ち向かい闘う姿はまさに成長物語でかっこよかったです。

<東京創元社 2015.9>2021.7.22読了