いわいごと (文春e-book)
畠中 恵
文藝春秋
2021-02-25


「こたえなし」富くじで得た十五両の使い途を巡り、三人の男たちが揉め事に。
「吉五郎の縁談」縁談が進む同心見習い・吉五郎の御用箱から血まみれの刃物が。
「八丁堀の引っ越し」同心から与力へと出世した相馬家。なんと、引っ越し最中に泥棒が!
「名指し」町名主が亡くなった四町を新たに引き継ぐのはいったい誰?
「えんむすび」麻之助に届いた三つの縁談はどれも怪しげな事情を抱えていた。
「いわいごと」ついに祝言を迎える麻之助に相談に来たのは意外な相手だった。

まんまことシリーズ第8弾です。もう8冊目ですか。
初めはここ数年の記憶を失ったお雪が麻之助とともにもめごとに関わっていきます。縁談が持ち上がったけどその後お雪は記憶を失い、麻之助はお雪にとって会って間もない人になってしまいます。お雪はどうして麻之助のことをぶしつけに「おじさん」と呼んでいたのか。お雪は最後に答えを見つけていましたけど、たぶんそれが答えなのだと思います。お雪との縁談に関してはお由有のことを思い出して切なくなりました。
でも、最後に麻之助は祝言を迎えるという。読んでいくうちに相手が誰か予想がつきましたよね。うん、きっと相性がいいと思う。仲睦まじい素敵な夫婦になると思います。
お寿ずのときはお由有のことが頭から離れなくて、あまりいい印象を持っていなかったんですよね。でも時折麻之助がお寿ずのことを思い出すから、仲のいい2人だったんだなぁと今回読んでいて特に思ったりして、申し訳なかったなぁ…と思ったりしました。
祝言直前までいろいろありましたけど、どうか今度こそ、お幸せに。

<文藝春秋 2021.2>2021.7.9読了