変貌する少女。呪われた館の謎。「理瀬」シリーズ、17年ぶりの最新長編!
英国へ留学中のリセ・ミズノは、友人のアリスから「ブラックローズハウス」と呼ばれる薔薇をかたどった館のパーティに招かれる。そこには国家の経済や政治に大きな影響力を持つ貴族・レミントン一家が住んでいた。美貌の長兄・アーサーや、闊達な次兄・デイヴらアリスの家族と交流を深めるリセ。折しもその近くでは、首と胴体が切断された遺体が見つかり「祭壇殺人事件」と名付けられた謎めいた事件が起きていた。このパーティで屋敷の主、オズワルドが一族に伝わる秘宝を披露するのでは、とまことしやかに招待客が囁く中、悲劇が訪れる。屋敷の敷地内で、真っ二つに切られた人間の死体が見つかったのだ。さながら、あの凄惨な事件をなぞらえたかのごとく。
可憐な「百合」から、妖美な「薔薇」へ。
正統派ゴシック・ミステリの到達点!
理瀬シリーズなんと17年ぶりの新刊…!また逢えるなんて思いませんでした…っていうか逢いたかったよ…。17年前は同世代だったはずなのに…時は流れましたね…トオイメ
正直理瀬とヨハンくらいしか覚えてないんですよ^^;細かいところは忘れてしまって…
理瀬の登場シーンからもうドキドキしましたよね。すっかりアーサーとデイヴを虜にしてしまって。流石です。まあ、アーサーは一筋縄ではいかない感じでしたけど。
あらすじの百合から薔薇へというのが逸脱ですよね。まさにそう。
「黄昏の百合の骨」の時代の理瀬は高校生だから聡明さもありつつ可憐という言葉が似合う雰囲気がありましたけど、今回は大学生かな。少し大人になって薔薇のような妖艶さも垣間見えたような気がしました。
館の中の事件に関して、理瀬は直接関与はしていないだろうとは思いましたけど、狙いが意外でしたし、そもそもの主犯にびっくりでしたよ。え、一体どういうこと?
この物語の最初に登場したのがヨハンで、ヨハンに来訪があった時点でそのお客は館にいた人なんだろうなとは思いましたけど…けど!最後まで読み終えた後にまた最初から読み返したくなりました。…やられました。でもそれがたまりません。
でも、なかなかにスプラッタな展開もあって驚きましたよね…ミステリというよりはホラー…こわ。
最後まで目が離せない大満足の物語でした。
挿絵も理瀬シリーズはずっと同じ。それも嬉しかったです。
「三月は深き紅の淵を」と「黄昏の百合の骨」はいつか再読したいな…さすがに高校生で読むには早すぎた気がする…。
それにしてもこの作品は2007年から連載?されていたんですね…。まさに集大成の作品だったんだろうなと思います。大満足です。また、理瀬たちに逢えてうれしかったです。
<講談社 2021.5>2021.6.29読了
理瀬、神秘的な魅力が増してましたよね〜
ストーリーもホラーっぽくもありミステリでもあり、それでもしっかり独特の恩田ワールドで堪能しました。
私もまたシリーズ読み返したいな〜