満月珈琲店の三毛猫のマスターと星遣いの店員は、極上のメニューと占星術で、迷える人の心に寄りそう。結婚と仕事の間で揺れる聡美、父の死後、明るい良い子を演じてきた小雪、横暴な父のため家族がバラバラになった純子。彼女たちが自分の本当の願いに気が付いたとき――。美しいイラストに着想を得た心温まる書き下ろし小説。
本をめくると登場するカラーのおいしそうなメニューたち。本当にあったらいいのにな。私はたどり着けるかわからないけど、行ってみたい。占ってほしいなぁ。
今回も迷える人が満月珈琲店を訪れていきましたね。でも出てくる人たちはみんなつながっていて、そのつながりを読んでいるのも好きでした。
今回登場した3人の女性たち。それぞれが思い悩み考えて頑張って生きていて。だからこそ、肩の力を抜いてみたら?って言ってくれているようなそんな気がしました。
小雪と純子は形は違いましたがどちらも父親が関係していました。2人の悩んでいることは全然違うことだったけど、このお店と巡り合ったことで心が氷解していくのが分かって本当に良かったなとこちらも幸せな気持ちになりました。最後は涙をこらえるのが大変でした^m^
また続編が出てくれたらいいな。期待しています。
<文芸春秋 2021.2>2021.5.11読了