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ある一家が殺された家に暮らす若い妹と、その犯人とされる姉。そこで新たな惨劇が幕を開ける…。人気作家による同名小説を原作とした、ダークでヘビーな本格サスペンス―。地方にある大きな屋敷。18歳のメリキャットは、6年前、ヒ素を盛って両親などの家族を殺した姉コンスタンスをそれでも愛し、彼女や、事件以来、車いすに乗るようになった伯父ジュリアンと暮らす。だが同じ村の住民たちからは忌み嫌われており、メリキャットは魔法を信じることで現実逃避しがちだった。ある日、姉妹のいとこチャールズが会いに来て、しばらく屋敷に滞在することに。コンスタンスは彼と親しくなっていくが…。

原作を読んでいたので予想はしていましたが、予想通り怖かったです。
1番怖かったのは傍観者だった村人たち。屋敷が火事になり、その勢いで勝手に屋敷の中に入り屋敷の中をめちゃくちゃにしていく村人たち。必死に逃げるコンスタンスとメリキャットをまるで魔女狩りのように晒して貶める村人たち。地球は信じられない人たちばかり。月にはそんな人はいない。メリキャットがそうして現実逃避してしまうのはわかる気がします。
最後に悪かったといって食べ物を置いていく村人たち。それで罪が無くなるとでも思っているのでしょうか。罪の償い方が軽すぎて見ていて虫唾が走りました。
世間の意見としてはチャールズの言葉が正しいのかもしれない。
それでも身内にすら虐げられていた姉妹たちにとってはその正論は通じません。
コンスタンスはチャールズに会ったことで少し外の世界に行きたいと望んだ。でも、火事によってチャールズに対しても村人たちに対しても何もかもを閉ざしてしまった。
メリキャットがチャールズにしていることは狂気に満ちているように見えました。ずっと無表情で猫背に歩いている姿が怖かった。でも、誰にも目を合わせないように生きさせてしまったのは周りの人たち。世界で1番大切なお姉さんがいるだけで、私は幸せ。最後の最後に見せた笑みがそう感じさせました。その笑みも怖かったけど…。
なんだかこちらまで、人間不信に陥りそうな、いろんな意味で怖い作品だったと思います。