娼年
2018-08-22


主人公の森中領(もりなかりょう)は東京の名門大学生。
日々の生活や女性との関係に退屈し、バーでのバイトに明け暮れる無気力な生活を送っている。ある日、領の中学校の同級生で、ホストクラブに勤める田嶋進也(たじましんや)が、美しい女性をバーに連れてきた。女性の名前は御堂静香(みどうしずか)。「女なんてつまんないよ」という領に静香は“情熱の試験“を受けさせる。それは、静香が手がける女性専用コールクラブ、「Le Club Passion」に入るための試験であった。入店を決意した領は、その翌日に静香の元を訪れ、娼夫「リョウ」として仕事を始める。最初こそ戸惑ったが、娼夫として仕事をしていくなかで、女性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、心惹かれ、やりがいを見つけていく。

意を決して観ました…観ましたよ…予想はしていたが…。
原作も全部読んでいるので内容もおおかた予想がついていましたが、映像にするとやはり生々しいというかリアルというか…っていうかリアル以外の何物でもないんですけど。
この映画を見ながら原作を思い出しつつ最近読んだ朝井リョウさんの「正欲」も思い出しました。
あの作品の欲とこちらの欲はまた違うけど、欲を満たすという根底の部分は同じなのかなと思って。またその欲は人によってそれぞれ違う。人と違うということをわかっていて外に出せない欲を女性たちはこのクラブで発散させる。それは一緒にいる男性が、自分の欲望を聴いても引いたり笑ったりしないってわかっているから。そういう場は人によっては必要な場所なのだと感じました。
「普通」「普通じゃない」「おかしい」その境界線って何なんだろうと、なんだか最近よく考えます。この作品を観て、自分の欲望は自分だけのもので、別に人にさらけ出すわけでもないしそのままの時分を受け入れるのが自分には必要で大切なことなんだと思いました。
色々考えたけどやっぱりR指定なだけあって凄かった…いやー…皆さん凄い…。
この作品、舞台化もされたんですよね。今更ながら気になりました。