今更ですが更新します。自分自身のほとぼりが冷めてからの方が良いかなと思っていたので。
このご時世なので誰にも言っていなかったのですが、2月2週3週と東京へ行って舞台を観劇してきました。「OSLO」と「薮原検校」を観劇しました。私にとって舞台観劇は去年の1月に観た「FORTUNE」以来です(ライブビューイング、配信を除く)。ずっと不安も付きまとっていましたが、今のところ私は元気です。観劇の場所以外はどこへも行かず外食もせずしっかりと感染対策をして行きました。そこは一応伝えたいです。
自分の記録用として残しておきます。
OSLOは東京公演は千穐楽を迎えましたが、地方公演が続くのでたたみますね。

OSLO合意に関しては、今回初めて知りました。1993年はもう物心はついていましたけど^^;興味を持つような年齢ではありませんでした。
学校で学んだ記憶もないです。やったのかな…?←
始まる前にパンフレットをよく読んで人物の名前と歴史上覚えておくべき言葉を頭に入れたつもりでしたが、もう全然ダメでしたね^^;カタカナ覚えられない・・・。
まーが、内容は難しいと思うけど人間ドラマとして見てほしいと言っていたので、それを意識して観ていました。
人間ドラマだと思って見ていたら始めから胸が熱くなりました。
イスラエル側とPLO側の極秘の会談。
全くの手探りで、何から始めて良いかもわからない状態からのスタート。
ラーシェンは妻のモナと協力し、オスロの郊外の邸宅を会談場所と決め動き出していきます。
このことを知っているのはほんのわずか。秘密裏に動き、協力し合って世界の平和を実現しようとしている姿に何度も胸を打たれました。
テーマは難しいし専門用語も多かったですが、コミカルなシーンも多くてただ重たい舞台ではありませんでした。
ラーシェンとモナがなんだかんだで仲が良くてラブラブで、ラーシェンがヤンに言いくるめられそうになってモナが助け船を出した時、ヤンがいるのに投げチュウしたり受け取ったりしてるのとかめちゃくちゃ可愛かった!ヤンに見られて頬を膨らませてるモナが可愛すぎました。
ふみきゅんも二役を見事に演じていました。衣装替えも早かったですね。さすがです(笑)特に会談が終盤になった時「おはようございまーす!」って出てきたときはもう来た!って思いましたよ。
ラーシェンとモナとヤンの3人のシーンが凄く好きだったんですよね。ヤンは上司のはずなのに2人に丸め込まれて結局やってやろうって鼓舞されて乗せられるみたいなシーンが多くて。
その言葉の掛け合いがコミカルで面白くて。それは3人の息が合っていないと出来ないから本当に凄いなと思って見ていました。
ずっと舞台を観てみたいと思っていた福士君は^^1幕の終わりの方から登場しました。ウリ・サヴィールはイスラエル側の人間で、PLO側との交渉では結構な言い合いをしていました。
始めは怖くていかつい役なのかと思ったら結構明るい良い人でしたね^^虚勢を張っていたんですよね、きっと。
お酒を飲み始めたら饒舌饒舌。ラーシェンが自分で編み出したような言葉をナポレオンの言葉だと見破られて、そしたらウリが名言を言った時にマキャベリだなって言い返したり^m^モナのヒップを見れば何のダンスをしているのか分かるって言った時もラーシェンはちょっとむっとしてましたね^m^
「喋る前の方が好きだった」ってラーシェンがモナに言ってるのおかしかったなー^m^福士君の声はとても響いていてかっこよかったです。
PLO側もイスラエル側も自国のためを思ってバチバチ交渉しているのが観ていてドキドキしつつも、爽快感すら感じました。この時をずっとずっと待ち望んでいた。だから思いっきりやる!妥協はしない!っていう意思が伝わってきたのかな。
記録係の2人も良い潤滑油になっていたのかもしれません。
1幕の最後、頭に血が上ってアフマド・クレイがラーシェンを殴りそうになり、頭を冷やしてくると言ってウリと2人で歩くシーン。ここも好きでした。
オスロの寒さが辛くてノルウェー人じゃなくてカリフォルニアに住む人がやってくれればよかったのにって言ったシーンも笑いました^^
ここで雑談をしたことで、アフマドとウリにはマヤという名前を持つ娘がいることを知ります。両国が仲たがいをするために行っていることではない、同意するために行っているのだということがひしひしと伝わってきました。
2幕は最初から終盤というか追い込みの雰囲気でした。
何度も状況が二転三転してハラハラしながら見ていました。でもいきなりドイツ人夫婦がやってきてチェックインしようとしてモナが追い返し、男性陣を叱りつけるところとか最高でしたよね(笑)
両国が現状をどうにかしたいと思っている想い自体は一緒。やり直そうと言って歩み寄るところも好きなシーンでした。
最後にみんなで囲んで飲むシーン。ラーシェンは誰よりも何とかしようと動きまくっていたのに、あくまで仲介役であっていわば部外者だと、そういわれるシーンが最後まであってちょっと切なくなりました。
それでもウリと想像の中で合意をするシーン。ラーシェンの迫力が、気迫が、素晴らしかったです。
あの電話会談凄いですね。史実でもあんなことをしたんでしょうか。気が遠くなる…。
最後は実際の映像が映し出されていました。アラファト議長とラビン首相が握手をしているシーン。
良かったと思ったのも束の間。1993年のオスロ合意後の二国の状況が出演者から淡々と話しだされます。
中には暗殺されたり、襲撃を受けた人もいたんですね。本当に、何も知らなかった。
でも、アフマドとウリは娘たちも含めて今も連絡を取り合っているというセリフが希望でした。
最後にラーシェンはモナに訴えかけます。オスロ合意があったから助かった命があるのだと。止められた戦いがあるのだと。でもモナは言いたいけど自分たちが本当に正しかったのだと強くは言えないと言います。
それでもラーシェンは言います。私たちは始まりを作ったのだと。始まりの一歩をロードマップ無しで。
誰もがどうにかならないかと思っていたけど何もしなかった。でもラーシェンは何もない状態から道筋を作り出したんです。最後の一筋の光が救いでした。
ラーシェンの「良かった…」という言葉。私はその言葉を信じたいと思いました。
初めて見たときは全然分からなくて、ただ人間ドラマを見ているようで、それはそれで楽しめました。面白かったです。
でも、2回、3回とみていくと名前も覚えるし状況も少しだけど見えてきます。このご時世でこんなことを言うのもなんですが、3度も観ることが出来て良かったです。
この世界の歴史が変わるまでの9か月間を見ることが出来て、知ることが出来て良かったです。
ありがとうございました。無事に東京公演で千穐楽を迎えられて本当に良かったです。
宮城公演は本当に本当に残念ですが、地方公演でも怪我なく病気なくトラブルなく終えられることを願っています。