この世を生きる者たちの運命の小舟は、揺られっぱなし―名画の奥にある“運命のドラマ”を『怖い絵』著者が解き明かす。愛人の膝から立ち上がる女は関係を清算できるのか?―ハント『良心の目覚め』、何もかも思い通りにゆかない、傲岸不遜な画家の生涯。―クールベ『画家のアトリエ』、一体なぜ?古代彫刻にまつわる不運の連鎖。―アルマ=タデマ『フェイディアスとパルテノン神殿のフリーズ』、ギロチン台に向かった16人の修道女の行く末は…。―ドラローシュ『ギロチン』、仏軍VSスペイン民衆、戦場で流れた夥しい血。―ゴヤ『マドリード、1808年5月2日』ほか“運命”をキーワードに名画を読み解く17篇。

中野さんの絵画の解説がとても分かりやすくて、新刊が出たら読んでいます。
今回も17作品が登場しましたが、あまり見たことがない絵画ばかりだった気がします。
表紙にもなっている絵画も私は初めて見たかも…。実際に死体を見て書いた絵だからかとてもリアルさを感じました。
絵画の周りに細かく解説が書かれているのも分かりやいすくて良かったです。
絵画の中にはいろんな意図が含まれているんですね。面白く読みました。
中野さんの作品で読んでいないものはまだまだたくさんあるので、読んでいきたいです。

<文藝春秋 2020.11>2021.1.23読了