鴨川食堂もてなし (小学館文庫)
柏井壽
小学館
2020-06-05


料理雑誌に掲載されている、「食捜します」の一行広告。食にまつわる心に秘めた想いを胸に、依頼人がたどり着くのは、京都にある看板のない食堂。店主の鴨川流と娘のこいしが、再現された思い出の料理で温かく迎えます。認知症の父が母と一緒に食べたというビフテキ、幼馴染みの母親が作ってくれた春巻、後悔が詰まったチキンライス、亡き夫が食べたがっていた五目焼きそば、料理人を目指す原点になったハムカツ、料理をしない父がめずらしく作ってくれたちらし寿し…。悩むことがあれば、ぜひ当店へお越しください。京都発、大人気美味しいミステリー第七弾!

もう7冊目なんですねー。新刊が出るたびに読んでいます。
食を求める側の想いは様々ですが、お父ちゃんがちゃんと求める食を探し出していきます。
始めのビフテキはいつもお世話になっている編集長からの依頼。お父さんが認知症になっているのが切なかったですね。それでもちゃんと見つけられて良かった。
印象的だったのは五目焼きそばですかね。依頼人がどうして小樽で五目焼きそばを食べたいと思ったのか。普通は海鮮では?と疑問に思っていましたけど、小樽は五目焼きそばをB級グルメとして売り出しているのを知っていたのでその辺りはすぐに分かりました^m^依頼人が旦那さんを本当に愛していて、また別れ方が壮絶だったからちゃんとめぐり逢えてよかったと思いました。
春巻きを探していたおじさんはなんて身勝手なとこいしと同様に憤りを感じましたが、初恋の人の現状を知ったうえで逢いに行こうとしていたので良しとします←
今回はご縁という言葉をよく聞きました。
会えるか会えないか、人も食べ物もご縁なんだなぁなんて、読んでいて感じました。

<小学館 2020.6>2020.8.11読了