科学警察研究所―通称「科警研」の本郷分室の三人の研修生たちは、研修期間が延びたことで、「解決が困難な、不可解で難解な案件」すなわち「面白そうな事件」を選定し、調査に取り組んでいた。鋭い洞察力と推理の切れ味で、かつて警察関係者から「科警研のホームズ」とまで称されていた室長の土屋は、相変わらず事件より大学の研究に夢中な様子であったが、あるときそんな彼に異変が…。

半年間の研修期間の予定が1年に伸びた北上、高岡、伊達の3人。
3人は変わらず面白そうな事件を選定し、それぞれの得意分野を駆使して真相に近づこうと努力を重ねていきます。一応その3人の上司である土屋は相変わらず人の話は聞いていないし、大学の研究に夢中な様子で状況は変わりません。
今回は4つの事件に関わっていくわけですが、3人は自分の得意分野を使って色々捜査をしていて、その姿が逞しいし技術が素晴らしいなと読んでいて思いました。前作の事は覚えているような覚えていないようななんですけど^^;3人の仕事に対する意識も変わっていったように思います。
4つ目の事件は土屋の知り合いが絡んでいるということで土屋の意識も少し変化していきます。その知り合いとは、土屋が科警研から去ることになった原因となった人物。そのため土屋もこれからの自分の身の振り方も真面目に考えていきます。
結末は予想通りのような感じでしたけど、3人にとっては良かったんじゃないかな。きっとまた同じように協力して捜査していくんだろうなと思います。
こちらはシリーズになるのかな。それともこれで簡潔なのかな。ストーリーの展開も気になりましたけど、それぞれの事件も面白かったです。

<宝島社 2019.10>2020.6.18読了